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8の扉 デヴァイ 再々

夢の 功績

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「夢の中で 仕事をしている動いている

 「潜在意識」

 「かたち 創る」

   「編み直す」

      「より 最善 」


   「最も 美しい かたちへ」

  「並べ直すこと」

 「新しく 編むこと」

      
        「拡げる 拡がる こと」


    「より わかり易く 表すこと」。



「  ふぅむ。」

この頃、夢の内容が覚えていられない。

以前は 目覚めて反芻することの多かった夢だが、この頃「無意識達が」「光達が」「なにかしている」「いいこと」が
のは わかるのだけど。

 その 「なかみ」は憶えていないので ある。


しかしなにしろ「かたちが整ってきた」のは
夢のお陰もあると、そう知っている私は胸に手を当て「ありがとう」と お礼を言って。

今日も光達じぶんに感謝を送り 一日を始めるので あった。




「成る程、   落ちてきたのかもね。」

そう 呟きながらもテクテクと向かう 礼拝室
今日の目的地は あの「目覚めた時」に。

 なにやら 賑やかだったあそこ

あの白い礼拝室を覗いてみようと、思い付いた。

日々「決まっていること」のない私が 始めに思いつくこと
それは実行すると「意味がわかる」し、なんなら「何か見つかる」素敵なヒントのカケラでもあるから。

とりあえずはそう狙いを定めて、モソモソと起き出し 歩いていたんだ。







道すがら、「なんにも考えない様に」意識して歩く。

 「ただ ありのままを目に映す」

それを実行していると、日々のぐるぐるに囚われた自分が どれだけ「みんなの声」を無視していたのか。

わかって、少し 面白いのだ。


以前の自分を嘆く事は もう無い。

「気付いていなかった私」からの変化、それを感じながら歩く 青縞の廊下

調度品達は日々、瞬間変化をしていて 
それぞれがそれぞれの在り方で楽しく過ごしていて、それを見ているだけでかなり「せかい」が わかる。

 
 みんなが 「生きて」いて
 それぞれのスパンで 「自分である」こと

 「肉体からだを持つ 光の私」
 「物質ものとして  調度品達」。


私が、もし。

死して、その「からだ」だけがこうして残ったならば「そうである」だろう姿をじっと眺めながら 進む道中

 「みんな調度品達が 生きて あった時」
 「作られる前の 生き物
 「いのち」「魂」「光」

 その 中にある 「意識」の違い
 
人間ひとの 魂
物質もの達の持つ 違う光


そんな事がくるくると回る 私の頭の、中。

黙って 辿り着いた正面の扉の前で一呼吸し、一旦 頭の中を真っ白に戻して。

そっとその白く美しい扉を 押したんだ。






   白く  清い

   光だけが   ある 。



その 清廉 清浄な空間に ただ座り
思うこと
自分の中に 浮かんでくる こと 。




 私達は。

 「なにをしに来た」のだろうか。


 「からだ」を 持って「こころ」も 持ち

 しかし「魂」でもあることは いつの間にか忘れて。

どうしてこうも 彷徨ってしまったのだろうか。



しかし散々、それは考えてきた事だ。
ある意味「私の答え」は 出ている それ

だから その「こたえ」を 探してこうして座っている訳では ない。


くるくると常に回るカケラ達には、癖があって
「いつもの色」を無意識に提供しているのだろうけど
、私が回す色は それではないのだ。

起き抜けに感じた「白」、その始まりの糸口を辿りつつ
「高い私」が齎したであろうその色を 探って ゆく。


  「朝」
        「無意識」

     「潜在意識」
              「ひと続きの 時」

   「ぜんぶである自分からの ヒントの 色」。


そう 
あの 夢で感じた 「感じるということ」、その真髄を 深淵を。

 私は 覗きに 来たのでは ないのか。


 ここへ 

 この 白き眩く 「光そのもの」に包まれる様な
 礼拝室で 誰にも邪魔されずに。


「 フフ」

もし、誰か来たとしてもジュガだろう。

そう思って、少し笑うとなんだか緊張が解れた様な 気がする。

 そう 私は少し緊張していたのだ。


 あの 「夢」が。

 あんまりにも 私達の「世界これまで」とは
 かけ離れた 「いろ」だったからだ。




「でも。  ん、だよね 。」

ポツリ、そう呟く私に返事をするものは 無いけれど
白き光達が「そうだね」と なんだか頷いているのはわかる。


「   不思議。」

 いつか。

 「そうだった」時が あるのだろうか。

「祀られること」
「風葬」「鳥葬」、そんな言葉が脳裏を過り
自分がそれに納得しているのも わかる。

 ふぅん

   やっぱり ?

  そう だったん だ ?、?


意識だけが跳んだ、自分の「からだ」を見つめるわたしひかり
 その直ぐ下で ついばまれている 自分からだ


     「生贄」

何度も耳にしたそれ、それはやはり私に深く関わりのあるもので
どの、生でも何らかの形でそれに近い形だったのが わかる。

 
 大なり 小なり   多かれ少なかれ。

「死んでいる神」だった わたし

ただ「普通に暮らす」、それだってきっと みんな、だ。

 「どちら側」だと しても。

私達は その「世界というシステム」に捧げられた 生贄で
それは遊ぶために、そうだったのだけれど。

そこから展開しそうな色に、首を振って「もう いいんだ」と。
振り返るのを止め、小さく息を吐いた。


 私がこれから やるのは
 振り返ることそれではなくて

 「真実のほんとう」へ 向かうこと

 その為に出てきた カケラ いろを 確かめること。


「 ふぅむ?」

その「感じる」ということを「味わいたかった」私達

 「生贄」という 「言葉」は 響きが悪いけれど
 それは「世界」の枠を当て嵌めているからでも ある。

本来 それは。

 別に「残酷」でもなく
 ただ 私達が「知りたくて」「わかりたくて」
 「味わいたくて」やってみた、その結果であること

今の私には、それが わかる。


「多分。試したかった、んだよね 。」

「体を持つ」、それをやった事のなかった私は
「痛み」も「苦しみ」も 所謂「嫌だ」と思われている事すら楽しかった筈なんだ。

 何処からか ズレてしまったけれど

その「感覚共有」の為に「生贄それ」は あった筈だ。

私達は 「繋がっていた」から。

 その「味わう」「いろ」は 鮮やかなものを
 沢山の光達に齎して「楽しく」「興味深い」ものだったと わかる。


「  そう、なんだよね  。」

あの 「やってみなけりゃわからない」、感覚。

「想像」とは 全く違った あの交わりの事だって そうだ。


「    なんか。」

 いかん。

自分がピンクに染まったのが分かり、大きく息を吐いた。

「とりあえず、一旦 戻して?」

 そう「楽しみ」「興味」
 そんな風に視点が変われば「生贄」も「交わり」も
 大差は無い。

「痛い」か「気持ちいい」か

 それも また 人によっても 違うだろう し??


「  いかん。」

そうしてフルフルと首を振りながら、浮かんできたピンクの雲をシッシと追い払い
まだまだ自分の中にある雲をフワリと白い扉へ流れる様 送っておく。

 今は どこに繋がって るのかな ?

そう、違う視点でふと思いつつも ピタピタと頬を冷まして。

とりあえずは再び、頭を真っ白にすべく
 辺りの白を取り込み始めた。



 「場」  「振動」

  「すべて に 含まれるもの」

   「光の濾過器」
           「裏側」

 「表」   

   「蜂の巣状データベース」 「可能性」

 「未知の穴」

     「死んでゆく 神」

  「からだを 持つ ひかり」

    「感じること」


この頃の 私が「感じていること」

 それは なにを意味して いて。


 「一番高い私」が 伝えたいのは なんなのか

それはまだ 私に降りては 来ない。


でも。

これまでずっと、「その時」が来れば開示されていた「こたえ」
この頃はそれがより「大きく」なって。

 何本もの 物語ストーリーを 見て
 それを消化し 噛み砕いて
 落ち着かせ 並べて 光達と 協力して。


「なんか やっと。んだよなぁ 。」

 難しいのか
 簡単なのか

なんだかよく、分からないけど「自分」がそれで「納得できる」のは わかる。

流石と言っていいのだろうか
「一番高い私」は。

私の事を よく把握していて、「この方法が 今のベスト」だと 知っているのだろう。


 まあ だから。

「なにしろとりあえず、これを続けていれば いいって事だもん ね?」

なんにもない、真っ白な空間に話し掛けて。

みんなからの「頷き」を 得て、自分も頷き
大きく息を 吐いた。


 ポスリとベンチに 背を預けて。

 ただ 白を満喫する

そんな時間がきっと 必要なんだ。

なんだかそれは わかる。


「なにしろこの頃、忙し過ぎるのよ。 まあ、私の中だけ なんだけど。」

 癒されるとすかさず 次の波が来る

そんな状況のこの頃、疲れてはいないけれど
なんとなく「平和」を味わいたい気も する。

「まあ、平和じゃない訳でも ないんだけど。」

それには  ふぅむ ?

  アレが
  必要 か。

その時パッと 無意識に思い浮かべた「あの色」

それが真っ白な空間に現れるのと 私が何故か「ヤバい」と 思うのは同時で。

「お前は本当に 」

 えっ

  ほんとうに  なに ?? ?


そう、目線で訊いた 私の事をフワリと包むと
そのまんま。

 金色の光の渦と共に 虚空へ吸い込まれたので あった。

うむ。






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