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8の扉 デヴァイ 再々

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    もう  なんにもない よ 



  「古い私」は。

  もう みんな 「死んだ私」で


 でも 「今の私」は いて。



   しっかり  進んで いる。



   みんなからの 光を 受けて

  自ら 舵をとって 。



   きちんと 進んで いるんだ。



 だから 
 そろそろ 「死に続ける」のは 辞めにして。

 
  いいんだ  「先へ」進もう。



  私には まだ。


  たくさんの 「かたちにしたいもの」があり 

  それが うえ

  ずっと じっと  待っているの だから 。















その日は朝から、青のホールで ぐるぐると回っていた。


「 ん? なんか、私 今、本部長みたいじゃない?」

そんな独り言を言いながら、腕組みしてぐるぐる歩く
自分の姿を客観的に眺める。

「 ふむ?」

 あれから
  自分自身が 「境界」「センサー」だと
   気が付いてから。


「 て、言うか。なにそれ どう、する??」

そう 私は「境界線」を 引くつもりだった。

 それは「線」ではなくても いいのかも知れないけど
 しかし 「それ対象」と「私」を
 「隔てるもの」、それには違いない。


 だって  ねぇ?

 「私自身」ならば それって

 やっぱり  「感じる」し
 「見える」し 「聴こえる」し

  なんなら「臭かったり」「汚かったり」するんじゃ
    ない の ???


そんな事を考えていたが、なにしろ「こたえ」は直ぐに降ってこない。

とりあえず、外に出なければ 今の所なにも問題は無いのである。


 で あるからして
この頃はいつものコースを彷徨いたり、イストリアの畑でピンクの空と会話していたり
魔女部屋で 角の続き 魔法のスティック創りをしたり していたのだけれど。

なんだか 手持ち無沙汰になって、今日は青のホールを回って いる。
 まあ ネタが尽きたという 話も無きにしも非ずである。

 
 そう  そうなのよ  
  とりあえず 外に出て ??

 試して みれば  いいのかしら ???


とりあえず、なにも考えずにいれば「その時」降って来る
それは間違いない。

しかし きっと「降ってくる きっかけ」は、あるんだ。

 なにか ヒントになる様な ものを見た時
 どこか 糸口なる 色や景色を 見た時なんか。

これまでの自分の経験からして、「意識せずに なにかを映す」
それは有効な手段である。

 だから まあ その ネタが尽きて。

 こうして青のホール そう ある意味「家」で
 彷徨いてるんだけど 。


「 ふ~む 。」

しかし、それは 悩む事でもないのだ。

くるりと、一回転すると 回るのを止めてポスンとベンチに腰掛ける。


ゆっくりと 上を 見上げて。

青と、さっきまで一緒に回っていたスピリット達を 目に緩り 映していた。


  そうね
       「境界」ね  「境界」。

   眼鏡 とか ものじゃなくて
   なんか パッと  切り替える「スイッチ」
  そんなのが いいな

  「キーワード」?

 それもいいかも知れない。

  なんか とりあえず「違和感」「澱」を
  感じたら。
 すぐ 「思い浮かべるキーワード」、そんな感じじゃない?


そう、私は私に「違和感を 自分の中から排除していい」と 許可を与えたのだ。
 これまでは ずっと
 いちいち こねくり回して 検証し
 あらゆる角度から確かめ 精査し
 「どうしてなのか」「これは なんなのか」、
 自分が「わからないと」。

 「ポイ」と 、投げ捨てる様なことはできなかったんだ。

だけど「境界」が 必要だと気付いた から。

 その「瞬時に判断できる最適なもの」
 それが必要なのである。


それにはやはり「ことば」が適任かと思う。


  だって 「かたち」とか
  「もの」とかは やっぱり 展開に時間が掛かるし
  ふむ。


 そう やっぱり 「私が境界」ならば。

  私が 「それ違和感」を感じた時
 パッと 「バリア」? 「壁」?

  とりあえず 「それ違う」「大丈夫なやつ」 
 「反応しなくていい」って、やつ。

 それが 必要なのよね   うん。


はっきりとした、「区切り」は 必要ないのだろう。
それは「もの」や「かたち」でなくともいい
「私自身」という事は そういう事でも ある。

そしてそれは 私が自分で降ろしてきた気付き で あるからして
「高い光」が 「そうだよ」と。

同意しているものでも、あるのだ。


「 ふむ。」

だから、なにか 「ことば」

 自分にとって 最適な キーワードそれが 必要なんだ。

それも 曖昧ではない もの

 「ことば」か「いろ」か 「映像」なのか

 「それ」は 本来なんでもいいのだけれど
 自分にとってはやはり「ことば」がわかりやすいと
 思える。

 細かい私が納得の「いろ」を持つ ものことば
 それは多角的に見て「ピタリ」と嵌るもので
 あまり「世界の澱」が ついていないもの
 ついていないと 私がもの。
    

 「適用する ことば」
 「私にとって 
 しっくりきて
 「ズバリ刺さる 語句」。

それは なんだろうか。


 「世界」にはまだ 存在していて
 私が距離を置きたいものは
 「核と自分が ズレているもの」
 「己をしっかりと見つめていないもの」。

 「核はしっかりしていて 殻を剥がし始めている」ものは。
 違和感を醸し出してはいない。

寧ろ 応援の光を送るそれは どの世界にも点在してあるもので、奥にキラリと光るそれが 表に出て輝いたならば。

「うん、星が。 いっぱに なるな。」

そう、思える光景である。


「 そう、私は。星が 観たいのよ。沢山の「ありのまま輝く星」が。」

 ああ、 でも。

  そうかも。


以前 グロッシュラーで 「せかいと遊ぶ」と思ったけれど

私のいる位置 場所は。
 反対側だと 思ったけれど それは「世界」に居ても
 「少し高い位置」「エネルギーゲームから外れた場」という事で。

「ふむ?即ち 美しいもの、楽しいこと、美味しいもの、とか。そんな事を楽しむのはいいんだけど、んだ。」

 て ことは 。


 それ  即ち  「いろ」を、「反応」させて
  せかい で 遊ぶ

 それに違いなくて

 だから、そう「世界」には もう。

 が 少ないんだ。


「  確かに。そうかも。「素材がない」と言うか、そっちにいても。「得るもの」?う~ん、でも「得たい」訳じゃないんだけど 、まあが 終わったって事なんだ ??」

多分 そう。


 色んなものを 見る とき
        選ぶ とき

 「ここに私の欲しいものはない」そう思うのと 同じで。

「世界」に 私の欲しい色は もう無いんだ。


「うん?でも、本部長とか イストリアさん は? どうなん だ??」

くるくると自分の中で色を回して みるけれど
多分私が会いたい人や好きな人は。

 そもそも 「こっち側」に いる。


「うん?「こっち側」の、定義がわかんないけど? なんだろう、話が通じる と言うか うーん???」

 私を 始めから受け入れてくれていた人
    途中から仲良くなった人
    導き 見守ってくれている人。

 他の人との その差は なんだろうか。


「 でも。多分、「枠」が。あんまり、無いのかな? あー、でも。」

 そう その人達は。

 「自分で決めた基準」が あって
 「枠」も 守ってはいるけれど
 それを「強制」は しないんだ。

 「相手を縛らない」
 それは 枠の多い世界で。

 「そう 在ろう」と思っても なかなか難しい事に違いない。


「確かに。「縛られる」の、苦手だもんなぁ 。」

この頃つくづく、そう思うけれど。

私は本当に 「縛られる」のが苦手なのだ。

「て、言うか 納得できない事はやりたくない、のかな。必要以外? なんだろう。」


 ああ でも やっぱりそう ね。

 「わかりきっている事をやる」無駄さ、それに耐えられないし。
 
 「同じ道を通りたくない」のも そうだけど。
 

  「無駄」
  「二度手間」
  「同じことの 繰り返し」。

それは 何度も同じ「名もなき光」を 
 やったからこそ わかる 「意味の無さ」で。


 真っ暗な 空間を 歩いているけれど
  
  一筋の道は 見えていて

  分岐が来た時に。

 そこが 「既に通った道」であるか

   「新しい道」であるかは わかるんだ。


 だけど「気付き」を得ないと それは見えなくて
 同じ所を何度もぐるぐると まわる。

私は 「世界」を見て それが不思議だと思っていたけれど そういうことなんだ。

 「見えているものを 見ない」
 「障害物を 避ける」
 「知らない道を 通らない」

 だから 結局。
 「未知」を 恐れていては 先へは進めないんだ。



 「真っ暗な」「なんにもない」空間。

いつの間にか自分がそこにすっぽりと入っている事に 気が付く。


 ん?

 なんだろう  これ。

  でも。  「新しい」。

前の「なんにもない」とは 少し 違うな ?


そう感じて、じっと辺りを探り始める。

 「何故」「今」「ここへ来たのか」
 「辿り着いたのか」。

多分 これは。
「新しい場」の 筈だ。


そうして自分の感覚を カチリと切り替えた私は。

 自分の感覚 全てを。
 ぐるり 張り巡らせ 「私の周りのせかい」を
 感じはじめたんだ。



 
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