透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

存在方法

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 意味は わからないけど美しくて

 心が震え 魂まで それ震えが 伝わるもの

   
      素晴らしい技巧が光り 一時目を惹くが

      本質的なものなかみが無く
      外側だけの もの。



 そんなカケラがくるくると回る 私の中身

 一旦それを「開けた場」で 見たくて
              眺めたくて。

やって来た 
   白と 灰色の景色

     何処までも 広がる雲

  新しい 風に吹かれる 島の端 。

 
  「ほんとう」の 色を出す 古きもの天空の門

  「少しズレた」だが 「本質に近付いている」 新しきもの大きな神殿


 「祈りは チカラになる」 それは そうで。

 初めの意図こそ、ズレていた それ神殿だが
 「祈ること」で。

その目的がどうあれ 「本質」が「祈り」であったから 「成ってきた」新しきもの

 その両極が混在する 「世界」。


  
   「本当の こと」

 「まやかし」

          「フェイク」

  「積み重なるもの」


      「上がるもの」


     「変化すること」


  「変容すること」


       「光が 増える こと」。



 そうして。

 「始まり」は 違えど

 「本質」へ 近づくことが できる こと。



その 「色々な事実」を 携えて
その日は眠りに ついたんだ。









 なんだか 毎日 「新しい」。


パッチリと 目を開けて、先ず そう思う。

くるくると 周りを回る 光の渦
 その 中に散るとりどりのカケラを眺め そのぬらりと変化してゆく 様をぼんやりと眺める。


 今日の ゆめ は なんだったっけ

  どんな 雰囲気  いろ

   残り香 は どんな感じ で

  私は  「なに」を。

 そこで  回収してきた のだろう な?


今日の夢は、あの大きい神殿の 夢だった気がする。

「 ふむ?」

 それって どうなのだろう な??


「ゆっくり進みたい」、そうは 思っていても。

なんだか日々、サクサクと更新してゆく 「私のなかみ」
 つい先日までは 同じ所をぐるぐると回りながら
 少しずつ 少しずつ 上がっている様な
 気がしていたけれど。


「 う~ん?」

 なんだかきっと 「上昇速度が 上がっている」
 
そんな気がする、目覚めである。


一昨日の夢は、やはりよく分からぬままだった。

しかしなにしろ、私に「具体的に」できる事はない。
 強いて言うなら「リラックス」か「頭を休ませる」こと

だからできるだけぐるぐるしない 一日を過ごするつもりで
気分転換にグロッシュラーへ行って 神殿を眺めたり
図書館に行ったり 黒の廊下を彷徨いてみたりしていたけれど、特に その日のうちの変化は無かったんだ。


「 まあ、ヒントなのは。間違い、ないんだろうけど 。」

そう
 「あの 夢と同じ様に」 
 世界に違和感を感じていた 最近の私

夢はやはり私の「なかみ」を拡大した様な 色で
「研ぎ澄まされた五感」を持つ いつかの私が世界に対して辟易している
そんな 内容だった。

そして今日の夢は、大きくなった歪みを自分自身の目で確認しに出掛けた、昨日の行動の影響だろう。

 
昨日は あの後
  自分の中の 空気を入れ替えたかったのと
  外に 出たかった のと

  私の「視界」は どうなっているのか

   また 変化しているのか
   日々 瞬間  どのくらいの速さで。

  「景色」が 変わるのか 。


それを確かめるつもりで、出て行ったのだが
視界自体に大きな変化はなかった。

だが それは 
「相変わらず膜がある」「嫌な空気」それが変わっていなかったという事でも、ある。

「  ふむ。」

しかし、この頃 毎日「夢で練習している」感覚が ある。

 だからきっと。

 なんらかの 変化はある筈 なんだ。



   そう  今日の  夢は

 なんだろう か

    どんな夢  だったっけ な ??


そう つらつらと考えながら。

「今日のいろ」のカケラを回しつつ 支度をして、なんとなく魔女部屋へ向かう事にした。

細長く、白い光がキラリと中で 光って
あの時、創り始めていた「ナガの代わり」が途中だった事を 思い出したからだ。





「  ♪  」

神域を出てお腹に尋ねたところ、「大丈夫」と言うので食堂へは寄らずに そのまま魔女部屋へと向かう。

大概朝食はしっかり食べるのだけど、日によってゆっくり寝ていたり
あれ金色」を補給されたりしているので、私の食事はまちまちである。

 朝なんかは チラリと私を「含みのある目」で
 見てきたりするけど

イストリアや本部長には、ツッコまれていない。
なんだか敢えて「お腹が空いていません」と 言いに行くのも恥ずかしくて、食堂へ現れない日は暗黙の了解状態で ある。

スピリット達は、日々の食事の支度をしてくれるけど
きっと 私と「繋がっている」から。

 その 「状態」が わかって

なんだか上手く、やってくれているのだろう。

 その辺りは、うん

やはり便利なもので ある。


 

「 さて。」

食堂のみんなの姿を思い描きながら、フワフワと夢のカケラも反芻し なんとなく整理されてきたと感じると共に魔女部屋へ着く。

 本当は 一瞬だけれど
なんだか考え事をしている日は、青い廊下は「長い」のだ。

 私の 頭の中に合わせて。
 廊下が 仕事をしているのかも知れない。


「 まあ、「私の場」 だからな。」

そう呟きつつも あの白い角を思い浮かべながら 扉を開けた。

すると フワリと鼻に飛び込んできた 
 慣れ親しんだ香り

 瞬時に呼び起こされる 記憶。


 「 閉ざされていた 五感」


その 夢のキーワードがスーッと私の前に横たわって。

 ふむ ?

そのまま、クンクンと鼻を動かしながら部屋の中を見渡した。

 他に 隠れている色が あれば。
 共に導き出されると 知っているからだ。



    「ゆめ」


    「目覚めた わたし」

  「いつかの 私」


  「再び 開く」  「全開」


  「感覚」  「もう 大丈夫」

      「五感」  「第六感」


    「世界」  「せかい」

  「位置」

       「存在 」

         「場」

     「周りにある 同じ光」

    「両方」

   「含まれる」

  「核」


       「明晰」  
             「識別力」

   「選択」


   「分類」


  「自分の一番心地良い 在り方」。



「 ふーむ?」

落ち着いた 魔女部屋の光の中
多分、今 私の周りに舞っているカケラは

夢の中のヒント
外で 回収してきた 色
光達からの ヒント

その中でも選りすぐられた 「光達が導き出した カケラ」で。
その、それぞれがまた混じり合い、私に「好きに組んで」と言っている様で ある。


多彩な 「色」「かたち」「質」「素材」「大きさ」「幅」

以前よりも「ジャンルが多い」、それは
私のせかいが拡がったからでもあり、そして「多重展開する必要がある」からでも ある。

そして光達は「光の虚空」でそれぞれが最適な仕事をして、こんがらがっている私を 手助けしてくれた筈だ。

 きっと 「それぞれのカケラ」の曇りを
 取り除いて 選別し
 適切な組み合わせで グループにして
 「わかりやすい かたち」で。

 弾き出された、このカケラ達は
 だから多彩な色、かたちをしているのだろう。


  くるくる くるくると まわる 。


  その 「ジャンルの違う」それぞれのかたちを

   楽しみながら 眺める。



 なるほど
 ふむ?

   だから?

  ああ、なんとなく。

  わかって きたぞ ??

  
その「それぞれの色のカケラ」は「真実」で あり
 それはどれもそう本当
 だがしかし 「真実」とは本来多面的なものでも ある。

 だから その 「多面的真実」の
 どの面に 光を当てるのか
 私は その「かたち」を どの角度から見る事を選択するのか。

 その 組み合わせ
    新しい 在り方。

 それを新しく 構築するんだ。


この前、私が混乱したのは その「整理」「分類」「かたちを捉えること」が 上手くできなかった所為だろう。

 そう 光達が仕事をしたのは カケラの整理
 分類  識別 
 色のジャンルで分けて 
 高低で 並べ
 かたちによって また分け、並べて。

そうして
 どのかたちを どの角度で見るのが「一番美しいか」
 ひとつひとつを「自分の丁度いい角度」で 並べて。

 それを 全体として「美しく展開する」、その自分の中の認識 が。

まだ、きちんとできていないから 混乱するのである。


「ふむ? それを。 ちゃんと、いや、きちんと?並べ直す いや、整理する、分類して で。ちゃんと自分が、把握する って ことなんだ 。」

そう きっと 私は「新しい認識」を
創らなければならない。

 「自分の採用する 基準多角形」を
 「光を当てる面」を こちら向きにして
 きちんと配置する。
 
 サイコロの目を 揃えて並べる 様に。

 かたちの違う お気に入りが 沢山並ぶ
 お気に入り棚を並べ替える 様に。


要らないものは捨て、選抜したより美しいカケラで 新しいかたちを創り 
いつでも常に使える「スケール」を 持つ様な感じ


   "自分の ルールを 決める"

 ここから ここまでが 「許容範囲」という。
 これまでやってこなかった「線引き」を
 しなければならないのだろう。


「 そう。 多分、そうだよね。」


 本当は いつも「裏側」で いたい
 でも「表」も ある
 それは 「生きて」いるから

 「からだ」を 持つからには「味わいたい」し
 美しいものが 見たい
 もっと 高い光が見たい
 まだ開けていない穴が 見たい
 しかしは 「世界ルール」

 だけどそこで 「自分は「せかいのルール」を適用する」ということ。


色んな事があるけれども、それを全て 並行して行い
且つ 「紛れもなく自分であること」

 それを 実現するには。


「やはり。」

  「境界」が  必要 か。


 うん でも。
 やっぱり  そうかも。


この頃 図書館でも 思っていたこと
グロッシュラーでも 感じたこと
 それは やはり「私」と「世界」の間の歪みの拡大で。

 それを どう すればいいのかわからなくて
 迷っていた 塞いでいた 「新しい目」
それは きっと「世界の歪み」に反応していて
「世界」の中でも「すべて」に反応している訳では ないのだ。


 勿論「せかい」に「反応」は 示していない。
 寧ろ 歓迎 していて その「美しさ」を
 共に 祝福していて。

それに対し
 「世界のテンプレート」であるもの
 それは「もの」「慣習」「ルール」
 色んなものがあるけれども 例えば
 「井戸端会議の現場」それを見るでも。

 「反応」が 出ていた 「新しい目」
 しかし一番顕著にそれが出ていたのは子供達を見た時だ。


黒の廊下を 彷徨きつつ
いつもの様に 天井裏を歩いていた時。

 ふと 目に入った光景 
それは子供同士のよくある、やり取りだったけれど。

「何重もの枠のルール」「その適応度合いの張り合い」
「上下関係」「他を 修正する在り方」。
それはやはり 大人達からの刷り込みでそうなっているものだけれど
これまでも見た事があったのだけど。

 しかし、「新しい目」で見る それは
 驚く程「グロテスク」で。

 「他人を 裁くこと」「修正しようとすること」

それを「なんの 躊躇いもなくやれる」
その が。

 とても新しい目には 奇異に映って
 耐えられなかったのだ。

 これまでは まだ 普通に見れて いた筈なのに。


そうして自分の変化を知った今
それを修正するにはやはり 新しい「設定」
が必要だろう。


 そう 私だけの 「特別眼鏡」
 「自分の 設定の書き換え」

 「新しい目」「元々の豊かな五感」
 それを使っても「存在しやすい」マイルール

それがきっと「私の境界」だ。


なにしろ、その「引くもの」が 「線」なのか
なんなのか わからないけど。

 きっと 「今 ある ものではない」

なんとなくそれは、わかる。
新しく創るのだ。

 自分だけの 境界を。


「     ふむ。」

そうして、ひとつ 息を吐いてやっとこさ
置いてある白い角を手に取った私は。

 そのまま バーガンディーへ倒れ込んで
 一旦脳みそを休めることに したので ある。




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