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8の扉 デヴァイ 再々

同化

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 湿気た 木のウロ

   湖の底の家

  森の奥 蔦のカーテンの奥にある 洞穴

 大山の 深部

       海底神殿

  断崖絶壁の横穴へ吹く 風。


目を瞑り じっくりと 感じてみる自分の中にある景色は
どれも「水」「水分」を示していて
 何故だろうかと思いを巡らすと
「目に見えるもの」の 「始まり」
「それ」が 水なのだと。

 なんだか 私の奥が 言っているのである。


その 意味は分からなかったけれど 
とりあえず森の風呂へ向かうべく その行程に想像を巡らせて いた。

 立ち上がり 青の廊下を歩いて
 みんな調度品達の声を聴きながら
 緑の扉を 開ける。

そこまで 想像すると。

「 おや。」

いつの間にか自分が 緑に囲まれていて。

 きちんと 遠くの青い窓が見えるし
 白いバスタブの「中にいる」私で ある。

「 ? ふむ。」

しかしなにしろ、不都合はない。

 もしかしたら そもそも 
 夢かも知れない

そんな事を思いながらも、少しだけ重く
長い息を吐き出した。


 なにしろ 私は。

 きっと 少し いやかなり、リラックスする必要が ある。

そう思って自分が「今 感じている」生々しさ、それに浸りながら「あわよくば気付きを得る」リラックス感
頭を緩める為の 森のお風呂

 その「充満の空間」に。

自分を浸して とりあえず拡がることに する。

 自分を パッカリ  ざっくり

 びろ~んと 拡げて。

 この空間へ充満し 余すことなく 味わって
 その「生々しさ生命力」から ヒントを得て。


解れた 私の中に「閃きのカケラ」が降ってくるのを 待つ
その作戦なので ある。


「 まあ。  とりあえず、休みたいから まだわかんなくても いいんだけど。」

そう 呟きながらも手でお湯を掬い
「ありがとう」と呟く。

 温かな たっぷりとした 湯が あること
 私好みの みどり 森の木々
 白のバスタブ
 遠く見える 青 懐かしの街並みの屋根
 会いたい人がいること
  世界も確かに。

 私に 「優しくある」ということ。


なのに 何故 ?

   こう 世界を拒み始めたのだ?


  「光」  「新」

    「同化」     「馴染む」


目を 閉じて。

自分の なかを回る 新しいカケラを眺めながら
その意図を探る。

 そう「一番高い私」が 導きたい こたえ
 それは 「なに」で。

 どうして 今 私が こうも 世界を拒み始めたのか。


「表にも 在る」と 決意した矢先に訪れたこの変化、それはきっと あのメッセージにも関わる もので。

「   ぁ ?れ?」

そう、きっと 「蜂の巣状データベース」の蓋を開けた私が 新たに発見したのは「死に続けている神」 、それで。

 その 「新しく出てきたもの」
それが違った場所に嵌っているから きっと 気持ち悪いんだ。


くるくると 回る光の粒子
 光の虚空に浮かぶそれらは 楽しそうに描いては いるけれど。

 確かに ようく、見ると「突然ハマりました」と言わんばかりの「新色」が 大きな曼荼羅の中央より少し横、 位置に。

配置されているのが 見える。


 その 新しい光を 適切な曼荼羅へ
 配置し直す

 若しくは固定せずに 舞わせて おく。

そう 意図しながらも「そもそもなにが」、おかしいのか。

じっと その「いろ」を観察しながら
自分の中身も同時に 浚い始めた。





   「死に続けている 神」

 「死に続けていた 夥しい 数の私」

それはとても似ていて。

だからこそ、「なんとかできる」と思えて
じっと眺める「神聖な死体」
そう、それ自体はとんでもなく「清らかなからだ」であり ただ、ひとつ 難を言えば。

 「死んでいる」 それだけなので ある。


「ふむ。」

しかし、そもそも「何故 死んでいるのか」、それを確かめる為に更にじっと目を凝らしてゆく。

「 ああ 、でもそうだった 。」

そう、始めにそれは 気付いたんだ。


 それは「無いものとされていたから」
 「無視」「見えない」「意図的に エネルギーを受け取らない」
 その徹底的な 「緩慢たる殺人」で。

 「からだ は 生きているけれど」
 「は いない」
 「意思がない」
 「消された なかみ」で。

 いるので ある。


だが しかし それは「精神なかみ」「光」的な話で 「からだ」は生きているから。

外側からだは生きて 動いているけれど中身は 殺され続けている」、それなので ある。

だけど そう
「無視されていた」のは 殺人だけれど
今の場合は 私が自ら殺しているのだ。

 もう 光に変えた 昇華した 筈の「色」を
 引っ張り出してきていて
 「これでもか」「これでもか」と。

 繰り返し 「思い」を被せる
 味わう
  もう 要らないものを。


未だ 引っ張り出してきていて 更に今
それに追い詰められて。

 「八方塞がり」なのは どうして なのか。


くるりと 自分の頭を戻して。

一旦、頭上の枝を仰ぎ 応える様に落ちてきた滴を手のひらに握ると、湯船の海へ落として その大きな航海へと旅立たせる。


「  ふむ。」

 「死に 続けている 神」

 その からだは満たされていて
 なんなら ぴちぴちの金色 で
 だがしかし 中身が「私がズレている」事で。

 「死に続けている」、その 状態を どう するのか。


「でも。 そう、なんで 「今」?また、抵抗がここまで発生したんだろう か。」

つらつらと自分の中を浚い、ふと 思い当たる
「新しく開けた 蓋」
「より高い 光」。

 多分 いやきっと その「死に続けている神」は
 かなり「最後の蓋」に近い、塞がっていた穴で。

もう 殆どの穴は開いていて
よく見ると「空洞のままの穴」も 多く
それが「未知」「オールマイティー」の穴であるから
私のかたちが かなり「本当」に近づいているのも わかる。


「 えっと だから ??より、高い光が 外の世界に馴染めなくて ?なんか、反応しちゃってる のかな。」

なんとなく だけど。

 セフィラの あのメッセージを読んでから
 みんな光達との繋がりが太く 強く なって。

 「ああ みんな 大丈夫なんだ」
 「やってるやってる」
 「いつでも 全力」
その、「私らしい色」が より濃くなったのが わかるんだ。


だから、その 持っている「かたち自体」が 強く変化した私に 齎された「新しい光」
 それは勿論、「より 高い光」で。


   「はい、次は これです」って。

 ある意味 予定通りに降りてきた 光

 それは 私の中に入って 
 新しい光で 「世界」を 見て
 「その 異質さ」「違和感」「ズレ」
 「自分との違い」に いたたまれないのだろう。

物凄く いい匂いがする場所から
いきなり悪臭空間に放り込まれた様な 
 きっとそんな感じなのかも 知れない。


「で これを。流す? 洗う? 解く、のか。」

なんとなく、これまでとはやり方が違う気がして。

そのままじっと 開いた穴を見ていた。

多分 その穴はもう 空っぽで。

 「死に続けている 」は
 私の中に いるのだろうけど。





 わかんない

    わかんないな

  うーん これ 今 わかんない系 かもな。


 
 でもな。
 気になる な 。



 でもな ~


   あたま は

       はたらか ない

               かも



                  な ~





なんとなく、ヒントは「始め」に ある気がして。

緩り ふらりと 浚う 自分の景色
初めの方のいろ
私が なんか ズレている ところ。


「 えっ  でも  あ。 そうか。」

  む?

  もしか  して  これか ???



 何故 苦しいのか
 死に続けて いるのか
 何故私自身 突然それを やり続けて いるのか。


 それは 「適用する 法」を変えていないからで。

 それは そう 

 「私の法を 適用すること」それに 他ならないのである。

 
「  そう か。  そう、かも? そうだね??」

その、今し方降りて来た光を確認しながら
少しずつ当て嵌め確かめてゆく。
「これかも」とは思うけれど、それが「どう 嵌るのか」が分からなくて。

なにしろ自分の中で 確かめることを 始める。


 「調和」「同調」「共存共有」
 「共振」「受ける 波紋」「感じる 震え」。

 私が 常に そう しがちなこと
       そうで あること
       意図せずとも そうなっている
       その 状態である もの。


それはどれも、「世界」を適用していれば
それは確かに 自分にとっては「在り得ないもの」
だがしかし
どこにいようと なにをして いようとも
「せかい」の法を 適用していれば。

 それ 即ち 「自由自在に 在れる」のである。


「 えっ ふむ? てか、やっぱり 」

 かん 違い  というか

   ズレ てたんだ ???


私は。

どこか なにか 「場所」や「位置」、「配置」がズレているのだと 思っていたけれど
それはそうでもあるけれど 違ってもいて。

 やはり 「何を使うのか」、その「エネルギー」が
 違って いたんだ。


 「場所」とか「位置」とか
 所謂 「かたち」じゃなくて 「使っているもの」
 「チカラ」「エネルギー」「光の質」。

それが「合わない」から。

 辛いし 共存できない
     存在し得ない

そうであるんだ。



「 待てよ?」

しかし、疑り深い私は その、「せかい」のエネルギーを纏い 「世界に在る」
それを自分の中でシュミレーションして。

とりあえず 脳裏にその景色を映し出して みる。

  わかるんだけど
  わからない

その状況を実際、試してみる為に。

なにしろ、自分のなかで 実験してみるのである。


「ふむ? いや、でも ちょっと。コツが、いるな? でも できなくは、ないか 。」


 目に 映るものに反して
 「なか」に 映るものの法を 適用する

確かにこれは、コツが必要である。

マスターするまで、練習が必要になるだろう。


「ああ、でもきっと。 そうね 、そうだわ。」

少し、色々なパターンで試してみると
なんとなくコツが掴めてきた。


 それはきっと いつも 自分が感じていたこと

 「外側かたち」ではなく
 「本質なかみ」を 見るということ

それを常時発動させて。

「世界」を「見透す眼鏡」で 見るんだ。



「  。」

それはやはり 美しくないものも見えて
楽しくないことも見える 「諸刃の剣眼鏡」

しかし「今の私」は。

 「本質真実」でしか 生きられないもの

 「本当のこと」を 見透すもの。


 「死に続けている」が 「生きる」為には
「自分を殺し続けるのを 辞める」為には。


   「真実ほんとう」を 見る

   これ一択なので ある。




「   てか 。 そう よね。   うん。」


無視されてきたもの
誤解されてきたこと
違って 受け取られていたこと
かたちに 囚われていたこと。

それを すべて自分の中で 修正していく
その道
 「自分ルールを適用すること」。

確かにそれは「紛れもない自分で存在する」、その「私の道」に 他ならない。


「 うん。」

  なんか。

  わかんないけど。


  これは 「正解」。


私にとって、それは 「正しい道」

 それが わかるから。


 「できる」し 「やれる」、「やる」のだろう。



「 ぇっ  なにこれ 、どう、なる   感じ??」

しかし、実際その構図が どう なるのかは
分からなくて
自分の「存在」が 「なに」なのかは
イマイチ 不明で。


「  うん、後で。 それは後でよ。」

なにしろとりあえず、その「新状態」を。

きちんと、自分のなかへ 納めるべく
 
 ぷくぷくと バスタブへ沈んで行ったので ある。








 












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