透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

「最後の私」へ

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結局 これを書いて 
どうなるのかも
誰も読まないのかも
そもそも読まれるとかでもなく 燃やされてしまうのかも知れないけど。

多分 「わたしたち」は繋がっている
それはわかるから。

「書いた方がいい」という、自分の心に従って書き留めておこうと思う。


今 私は窓の外を見ていて
夜を見ていて
紺色の屋根屋根があり 空には星も瞬くという。
夢にまで見た、光景を目の前にして やけに静かな自分の心に 少しだけ怯えている。

多分 いや それはのだけど
多分 ではなくて
  なのだけれど。


そう「自分が 何であるのか」
  「私達とは なんなのか」
それを探す 知る 旅をしてきて。

「今の私」が 「最後」ではなく
「途中」であり、「こと」は 最期には「成る」のだろうけど
それを成すのは「」ではないこと。

それがありありと感じられる 今の自分に。
少しだけ 震えているのだ。


怖くは ない。
なんでか 「ずっと そう」だったのは 解るから。
それを繋いで ここまで来たのは 解っているから。

でも 少しだけ残念ではあるんだ。

だってやっぱり。
私も「最後」が 見たかったからだ。

でもそれも 「違って」「同じ」で 私達はひとつ、同じ 光だから。
きっと「成る」頃にはこの「残念さ」も無くなって 素直に全ての私で慶べるのも 解る。

まだ 見えないけれど
そこまでは辿れないけど。

この暗い夜の空に一際光る、星が瞬いているから。

きっと だろう。

なんとなくだけど、わかるんだ。



結局 この旅で 知ったこと
それは「どれもこれも自分」で 
憶えがあって
見知っていて
だから「どう なるのか」
   「どう するのか」も

「どうしてそれを 選んだのか」
それも分かるし「次にどれを選ぶべきか」それも知って 
その時々の最善を尽くしていた同じ光
 途中 諦めてしまった光もあったけど
 絶望し 諦め 蹲ってしまった光も あったけれど。

でもそれも ある意味「知っていた」から
できたこと

「消えない光が 自分の奥底にある」
それを知っていたから。

できたこと なんだ。

本当の 本当の 本当に
忘れてしまっていたら
取り出せないくらい 深くに しまってしまったならば。
きっともっと 時間は掛かったろう
でも 「辛さ」は半減したかも知れない。

だって「忘れられる」のだから
それは時に 楽なことだから。


いけない。
書きたい事は沢山あるけれど きっと全てを書き残す時間は無い筈だ。
脈絡の無い 話だけれど
支離滅裂だろうけど、読むのは「私」だ。

だからきっと解るし、その時違う文字を使っていたとしても。
「いろ」か「おと」か「感触」か「なにか」で。
まあ わかるだろう。

「最後の私」ならば これまで見てきた「私」、全てを知る者
だからこそ。

この 今の私の意図を汲んで 最善を尽くすもの
今 私が唯一。

「信じられるもの」。

それに全てを 託そうと思う。


多分「重さ」は感じないよね?
大丈夫

 そんなものでは ないんだ
「私達」は。

きっと「とんでもなく軽く」「微細で」「薄く」「美しく光り輝いて」「見えない」。

 「全ての中に 含まれるもの」

きっと そう。


だから。きっと「最後の私」がこれに辿り着いて

 これを 然るべき時に読む

そのまじないをかけようと思う。





とりあえず
本当の始まりが何処なのか、今の私にはわからなかった。

何も 疑問に思う事なく育ってきて
でも「私に対する態度」と「他への態度」が。

違う事に気が付いたのは いつだったか。

そうしてその「意味」を知るのはもう少し後で、ベルデは隠しているつもりだったろうけど人の口に戸は建てられない。

私が「軸になる」のだと 知ったのはいつだったか、正確には覚えていない。

でも それを、するのは。

それを知る 前からだった
 納得がいった
 ああ 
そう、その「違和感」がと。

気付いたんだ 直ぐに。


だから、ある意味 過ごし易くなったとも言えよう。

「私は これからどう するべきか」
その純粋な疑問が。
自分の中に 浮かんできたから。


「私は なに」で
「どうして」「何故」
「どう なるのか」
その素朴な疑問があるのだと
気付くのにそもそも少し時間が必要だった。

みんなは 当たり前に 当たり前として日々を過ごしていたし
そんな事を考えている者が一人もいなかったのか、それは確かめた訳じゃない。
でも、知る術が。
私には 無かった。


しかしそれでもある時、あの「白い部屋」を見付けて。

「全ての私」は 同時に存在している

それがのは、大きかった。

あの 部屋の事は誰も知らなかったし、私がそれを尋ねた事さえも 誰も覚えていられなかったから それは「まだ」「不可」「禁止」
そう、なにか何処かに止められているのだな と。
口に出してはいないけれど、自分の中で納得したのだ。

そう ここからは 一人で探らなくてはならない
それをしっかり自分に刻み込んだんだ。


でも ある意味それは余計な心配で 
私のしている事を勘付いていたのは長老達だけだった。

この後、どこかのタイミングで。

私はあの人達に捕まるし、だけれどそれを逃れる術は無くて
それは、そうする事で全ては成る、それも解ったからだ。


最後の私は どうするだろうか
どう 思うだろうか。

解って くれるかな?

でも 大丈夫なんだろうけど
きっと泣くのも分かるけど 私も泣き虫だから。

でも 「足跡」を残して行けば 大丈夫だろう。

今の私では まだ「溶かせない」「絶望 諦めの私」、それを何がどうやって、どうしたらできるのか見当も付かないけれど。

でもきっと やる

それはわかる。
私は 道だけ敷いておけばいい。



今 夜の星を見ていて 「最後の私」に必要なものはなんだろうと 考えていたけれど
パッと思いついたのは「人形神」あれだ。

ここへ来て とても惹かれたあれ人形神、あれを創って 置いておけば。

きっと 万事上手く行って。

「繋がる」だろう、きっと。


そんな訳で、これから私が好きそうな服装と見た目の人形神をつくらなきゃいけないから
とりあえずここまでにしておこう。

また、続きが書ければ 書けばいいし
続きがなくとも
これを 読まないとしても 
きっとここには 辿り着くから。

そう きっと 
私達の好きな 「物語」「美しいもの」「自由」「言葉にできないなにか」、それを追い求めて行けば 見つかる。

 私達の 本当

 全てが繋がった時に わかること。



これを見付けた「私」は 完璧なのか
それとも今と似た様な 抜けた私なのかは分からないけど
なにしろ「今の私」から「最後の私」へ 言えること

それは「今目指している目的地は 」ということ。

合ってる 間違ってるじゃないけど
「最後の私」が選んだ道なんだから、

わかるでしょう?
   ここまで来たこと
こと。

失敗でも 間違いでもなく
やりたくてやっていたし
私も、そう
あの人の元を離れた時も。



もう あえないこと
でも いつかは逢えること。


だから どんなに特異で おかしくて
一人しかいなくて 誰も前には走っていないけど
周りに何も見えないけど。

大丈夫
  そう 言うんだから
「今」「ある」「すべての」が
そうんだから。

誰の言葉よりもあなた自分に刺さる、私からの「ことば」は。
それだけ。

なんか色々書いたけれど
言いたい事は それだけ。


だから 最善の時に
これが見つかる様に。

最高のまじないを 掛けておくね。

 
 いつでも あなたすべてと共に。


 Sefirah





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