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8の扉 デヴァイ 再々
ありのまま
しおりを挟む「て、言うか。あんたの場合、始めっから「そっち側」なんじゃないの?それか、間なのか、真ん中に立ってるから。あっちを見たり、こっちを見たりしててどっちが、どうであるのかを見比べてたのよ。」
「でもさ、世間じゃ表が普通だから。なんか、ズレがあるんだけど、器用だから合わせられるのよね。それでどっちもやってるうちにそれがあんたの普通になって。でもズレがある部分は、納得いかなくて自分のルールで打ち破って行くし独自の基準を創ってきた。あんたの「許せない」は、それよ。それを、分かった?のかな、区別できたんじゃない?」
「…………やっと、ここまで来て。」
そう、はっきりと区切りながら。
「長かったわぁ」と。
溜息を 吐きながら そう解説する猫
私よりも頭が良さそうなその分析に勿論 異論は無い。
ある日の魔女部屋
なんとなく フワフワとした頭で扉を開け
パチンと目が合った 青
その先客の朝は。
何故だか 珍しく「私のこと」を ぐるぐると考えていたらしい。
目が合った瞬間、「そう言えばさあ、」と言う風に。
いつもの調子で 話し始めたからだ。
「ぐるぐるぐるぐる、いつもみたいにあんたの中で掻き混ぜられていたものが。出てきたって事ね。整理されてきたのかな。まあ、それが「裏側」だか「全部」なんだか、言葉にすると意味不明だけど、もうそういうのじゃないからね。あんたの次元。もうね、始めから突っ走ってるから。普通に、学校でも。」
「 ぇっ」
「気付いてなかったの?だから不思議が好き?そっち方面に許容範囲の広い子しか、周りにいなかったでしょう?本能的に避けるのよ。危険だから。」
「うん???「危険」???」
「そうよ。誰だって自分の内側には触れられたくないもの。まあ、あの時はまだ「触れる」って言うか「刺激される」だと思うけど。なんか、匂いがすると言うか。」
「なんかそれだと。私が臭いみたいじゃん。」
「まあ、「本当くさい」のよ。あの年頃はねぇ、特に。いい格好したいしさ、まだ自分を確かめてる段階じゃない。でも、そこで自分自身を見れないと大人になってからの方が難しいんだけどね。」
「 確かに。」
「なにしろ考えても仕方ないんだから、自然に任せて。落ち着くまでは遊んでれば?………えっ、これいつも通りじゃない?」
「 まあ。そうとも、言うね?」
「でもさ、結局。いつも始めに戻るんだから依るは依るの、ありのままで。そのまんま?自分にとって一番大切な事はなんなのか、考える………でもなく、わかる事なのかな。」
「 わかる。」
「そう。だって、あんた解ってないからぐるぐるするのよ。それも必要なんだろうけど、イストリア達とも話してるけどさぁ。………まあ、そろそろ「次の段階」?ステップ、なんでしょうね。それも全部、ある意味分かってぐるぐるしてんだろうけど。まあ、私達外野にできる事は無いからね。頑張って。」
「 ぅっ。 はぁい。」
なんか わかって るけど
朝なりの優しさだって 知ってるけど。
そう言われて「うっ」ときた、自分を流しつつも確かに見えてきた光を更に混乱に混ぜ込まない様に。
気を付けながら、くるりと丸くなった灰色の背中を 見る。
ふむ して 確かに なるほど
だもん なぁ ?
しかし、私は「考えて」は いけないのだ。
いや いけなくはないけど そうじゃないんだ。
「え~ 私にとって。なんもしない、とか 考えないとか、ぐるぐるしないのって。結構 難しいんだよなぁ 。」
ああ、でも。
「そっか。 星と遊べば?いいのか な??」
じっと黙っていると 眠くなる
ボーッとしていても くるくるカケラは回る
それならば 「裏側」へ行って。
「名もなき光」達と 遊んでれば??
いいんじゃ ない ???
「オッケー、これ 名案。」
そうしてツッコミ役不在の魔女部屋は。
昼寝中の ネコ
何処かへ 行っちゃってる わたし の二人で
構成されることに なったので ある。
さて。
ぐるりと反対側へひっくり返った私は、中にある白金の光の空間の中 ひとり 考えて いた。
いや 考え てるじゃん。
でもさ 「光と遊ぶ」って。
どう する どう? やる??の??
いやしかし、それはきっと「方法」では ない。
私が「したい様に」すれば いいのである。
「 ふーむ?然らば 。」
この、「私の中の空間」では
場は 白金ベース それも光の粒子で構成されているもの
その中にひかる「名もなき光」達はベースよりは
はっきりとした「光」で 金色に近い色をしている。
今、光達はそれぞれが自由に動き回っていて
ゆっくり回るもの
飛び回るもの
揺ら揺らしているだけのもの
あちこちの光と触れては 離れるもの など。
あまり早くはない、緩い動きでこの空間を遊んでいる様だ。
私のカケラ達の動きに近いだろう。
「ふむ? そうして見ると、やっぱり同じ?なのか、共通してるんだろうな。」
まあ 「私の空間」だから。
それは そうでもあるのだろう。
て 言うか 結局 実際 わたしは
ここで なにを。
いや 「遊ぶ」のだけど
そのさ、「裏側」に くる いる じゃん、
それで私はその先「どこへ」「なにを」
いや 「なんもしない」んだっけ
でも。
ヒマ じゃん。
「世界に関与しない」、それは いい。
だがしかし。
私は 「生きて」は いるのである。
「ふむ? それ即ち 「やることがある」って。こと なんだよね?」
せかい くん。
そう、私は「わたしを表したい」から
「表現したい」から 。
「生きて」いるという事は「動く」「行動」「物質を動かす」という事でもあり
「生み出せる」という事でも ある。
「 生み出す。 消す。死と再生 。循環 私が 思う 「私の存在」とは ?」
いかん。
「考えて」しまった。
「 でもさ~ これ、「考えて」るのかなぁ。多分、「考えて」こんがらがるのは良くないけど、別にそれが道を辿って こたえに辿り着くならば。 いいんじゃ、ない の ?」
まあ それもそうだ。
きっと「難しく」「世界のルール」を適用すると
行き詰まるし こんがらがるけど
私の「ベスト適当さ」で フラフラと漂えば。
「 イケる。確実に。それはなんか わかる。」
ん?
おかしな所で自信を持ったはいいが、疑問が行方不明である。
しかし なにしろ。
適当 で いいし
「こたえ」が 見つかれば ラッキー
無ければ 遊んで 待ってれば いいし
多分
大事なこと だけ。
わかって れば 知っていれば。
大丈夫 だから。
「 ふむ。」
フワフワ シュルリと。
舞い 遊ぶ光達を見ていた。
ここは 潜在意識の 場
私の 「まだ 開いていない可能性の穴」
きっと 「開けば 拡大して」。
「 多分。 ぜんぶ の 潜在意識と? 繋がる ???」
私が思うに、「表」は「世界」で繋がっていないけれど、「意識」は「裏」で「全て」と繋がっている。
でも それなら 他人の 「裏側」も?
見え いや
ああ
これか ?
あの 朝の 言っていたやつ は。
「 そう かも 。」
確かに。
私は「その人がどんな思いを使っているのか」、分かるし見える。
それは「見える」よりは「感じる」、が近いけれど
「今 どんな信念を使っているのか」
「どの辺りにいるのか」
「その時 どんなエネルギーを使ったか」それは わかるんだ。
「物質」を 見れば。
そう 「物質」は 情報を記憶するからだ。
「そう いうことか ?」
「もの」の 声が 聴こえたこと
それはきっと まじないの世界の所為ではなくて
元々 私がそうだということ
それが「常識」という「枠」が 扉の中へ来て外れた事によって。
「具現化した」こと
当たり前にモノが喋る様に なったこと。
だから 勿論。
「人間」も 「物質」ではあるから
その 「おと」が聴こえるんだ。
「それ」が。
ズレていて 気持ち悪かったんだ。
「 ぇ ぅん? まて よ ??」
そう、それはきっと この前思った「認識違い」で。
私の「思い込み」、それなのだ。
だから 私は 元々 「間」「狭間」に
立っていて
その 両方をキョロキョロしていて
「なんで」「おかしいな」と 思っていて。
でも それなりに自分の道を歩んできた
ズレ過ぎずに
ブレ過ぎずに
それはきっと「夥しい数の私」が いたからで
ちょっとずつ 「表」から「裏」へ 移動していた「魂」
その「最後の私」は 今 「狭間の私」で。
そうして 始めから存在して いたんだ。
「 え っ」
わかって いたつもりで。
やはり わかっていなかったのだろう。
朝の言っていた事が、よく わかる。
ぐるぐると 回る鈍い光
それは私の中にある僅かな靄で
思い出したもので 要らないもので。
それを 光へ溶かしながらも飛び交うみんなを見て
ただ その色を 沁み込ませる。
「 えっ。 ちょ 、待てよ?いや、誰も急かしてないけど。 うん?」
じっと 今し方捉えた 「今より少し高い光」を
追って。
ゆっくりと 白金の光の中から ひかりを 探す。
「 なんか。 これ。 あの、ディーを探してた時のこと 思い出すな ?」
ああ そうか 。
そうなの? また?
ここで?
助けて くれるの ???
そう、この頃「姿」としては見えなかった、いなかったディーが 私に寄り添い「今より少し高い光」を捕まえる 助けに入ってくれたのが わかる。
「今より高い光」は 私達の「行き先」だ。
そう それは私達 この「全てを含む透明」に共通しているもの
「何色をも自由である せかい」、それに
到達する為の道標だからだ。
今 このぼんやりと見える明るい光、高い光。
それを共に追いかける二人
しかし、私達は別々ではなく「ひとつの光」だ。
だからお互いが手に取るようにわかるし、一つだけど二つに分かれて。
「 ふふふ そう 挟み討ち しちゃうもん ね。」
ジワリ と くる 胸
暖かなひかり
周りの 光達も なんだか私達に注意を向けていて
応援では ないけれど 「あれを捕まえると いい事があるのを知っている」色で 見ている。
そうだよ みんな。
追いかけっこ ?
ああ、いいね それ 遊びじゃん。
そういう感じ が いいよ
うん
なにせ 難しいことは 要らんのよ
ほら だから みんなも
追いかけて?
遊ぼう? 一緒に 。
そうして。
くるくる くるくると
軌跡を描き始めた 「名もなき光」達
光達は幾つかのグループに別れて動き始め
早いもの ゆっくりなもの
鋭いもの 緩いもの 鋭角なもの
それぞれが描く光の紋様が 曼荼羅の様になって きて。
「何これ。 面白いな。」
そのそれぞれの紋様が 次第に「高い光」を囲い込み始めたのが わかる。
光の 図形
フラクタル 自然の かたち
何処にでも ある かたち
大きなもの 小さな もの
宇宙にもある かたち
私達を つくる かたち 。
「ああ やっぱり せかいは まるっと マトリョーシカなんだ」
そう感じるには充分な その美しい「光のかたち」の数々
とうとうそれに追い詰められた「今より少し 高い光」は。
真ん中へ 来ると
「ブワリ」と 一瞬 強く発光して。
「ぇ 」
そのままフッと、跡形も無く 消えてしまった。
「 えっ? あれ? うん???」
でも、自分の中のディーが「それでいい」って 微笑んでいるから。
多分 それで オッケー
なんか 多分。
あの光は きっとみんなに 影響が
あるんだ。
そう、思えたんだ。
「えっ。 結局 ?。 なんなん、だろうか 。」
でも それもまた。
きっと自ずと「わかる」のだろう。
「おかえり。やっと、帰ってきた?」
そう言って、ざらりと頬を舐めるあの微妙な感触に 戻されて。
「 ちょ、それは止めようよ ?」
瞬時に表へ戻ったのは 言うまでもないので ある。
うむ。
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