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8の扉 デヴァイ 再々
裏返し
しおりを挟む「なんか、こう。自分を「ぐるっと裏返す」、みたいな感じで 内側が外側になって 外側が内側になるんですよ。 それで、視点が変わって「ぜんぶの中の私」になって、遊んでる。で、「世界」に戻りたい時は 自分の中に入る?いや、またぐるっと裏返すのか??それでスポンと中に入った視点になるんですよ。」
「ふふふ。」
「なんか。よく、分かんないけどシュールなのは分かる。」
私が意味不明の説明をしているのは、勿論朝の食堂である。
次の日の朝。
帰り道、お小言を言われていた私は途中でお腹が鳴って。
「まあ、明日にしましょ。イストリアもいるし。」
そう言って、報告が後回しになっていたのだ。
しかし、それはある意味都合が良いかと 思っていたのだけど。
だって 寝れば
ある程度 整理されるし
なんとなく 「進んだ感」がする いつもの朝
しかし話し始めて、自分でも思ったけれど。
「まあ、解り辛い ? ですよね。」
「あんたの場合、それが普通だけどね。」
「うっ。」
「まあ、君は元々その気があったからね。前にも言ったと思うけれど、意識している範囲が広いんだよ。その、君の言う「潜在意識」?それがどの程度の範囲なのかは知らないけど。普通の人よりそもそも君は見ている範囲が広い。だからその「潜在意識」の線引きが難しいというか、………まあ、「違う」んだろうね。」
優しさの感じられるイストリアの答えに、キロリと青い瞳に視線を送っておく。
「私も。そもそも「潜在意識」ってなんなのか、はっきり知らないんですけど。なんとなくしか、わかんない。「無意識」?意識できない、自分みたいなやつかなぁって。 思ってたんですけど。 」
「まあ、そんなはっきり線引きできるものでもないんでしょ?私も知らないけど。まあ、あんたは確かに。おかしかった…、いや、私も猫だからさ、普通に返事してた事が多かったのよねきっと。昔から一人でなんかブツブツ言ってたし、あれも思えば………まあ、今更だけど。」
些か失礼な事を言っている気がしないでもないが、確かに事実では ある。
きっと私が気が付かない所でも、朝は私を見ていたのだろう。
「そうだろうねぇ。気が付かなかったのかい、今まで。」
「そうねぇ。何せ、子供だと…自分が?思ってた?なんだろう、ああ、「みんなそう」だと。思ってたんじゃない?」
「成る程。まあ、そうだろうね。人は皆、自分をまず基準にして考えるものだ。だがその基準が……………。」
「そうなのよ………。」
えっ と
その 目は 。
一体 どういう こと ですか ね ???
しかし、一旦ツッコミは脇に置いてとりあえず自分の中身を確認がてら、口に出してゆく。
まだ 自分の中でも切り替えが
視覚化が。
スムーズにいかない時が あるからだ。
「でもやっぱり。「そっち側」にいると、安定はしてますね。表に居ると、どうしても世界が見えるからよく見ようとしちゃうし、遊びに行っても外が よく見えるから。 うーん?でも、「裏側」にいる時も、外は見えてるんだけど なんだろうな 。コントローラーで動かしてる、が近いかな? まあ、安心してる、と言うか。」
「ふぅん。面白いね?こんとろーらー?は、分からないけど。」
「 確かに。」
そうだ。
しかし、「視点」という意味で言えば。
それが一番 近い。
「君はきっと、「全てと繋がる神域」を見付けたのだろうね。これまでの神域は、君の空間だったけれど他を入れない場だったんだ。君は、あるけれどそれ以外は、無い。………ああ、彼はいるんだろうけど 」
「 ぅっ」
「それが、君が「まるっとひとつ」?だっけ?に、なったから。その神域が全てと繋がり、より広い空間を得た、という事かな?………いや、でも、しかし。」
「ね。」
「えっ、なに??」
「それって。」
「…どう、なんだろうか。私達にも、「無意識」というものは、あるけれど。だから、無意識とも、繋がっている、そういう事だろうね?」
「まあ、そう思うわね。昔から「夜を渡るもの、夢を渡るもの、無意識を渡り全てを渡る」って。言うもの。」
「えっ 誰が ???」
「まあ、猫達の間で、だけど。」
「ハハハッ!しかし、それは。正解だったと、いう事かな。」
「 ぇ ぇえ~ ???」
「名前が「ヨル」な、だけに。」
「そう、語呂がいいってやつね。依子も良い仕事するわ。」
「おや、母上はヨリコと言うのかい?」
「そうなのよ~。漢字が同じでね?あ、こっちに漢字は無いんだった。」
二人が楽しそうに、私の話から お母さんの話に 外れて行くのを見ながら。
私は 不思議な気持ちで。
また「裏側の視点」で 二人の様子を見ていた。
「でも、この子って。結局「本質」しか見えないから、人間の間だと暮らし難いのよね。生き辛い?って言うのかしら。なまじ本音じゃないのがわかっても、言えないじゃない。子供だと。自分が正しいのかどうかなんて、分かんないし。」
「それはそうだろうね。だからこれで良いんだ。やっと、そうなったって事かな?」
「そうねぇ。エネルギー?力なんて、説明できないし私達の世界にはまじないも、まあ「普通」じゃないから。しかも依るの場合は、「思い」が見える?感じるから、余計そうなのよ。」
「ああ、分かるよ。その「物事」として見えると言うよりは。その「意図」が力として見えるんだろう。だから余計に説明できないし、しても「違う」と言われる。人は自分の本音は認めたくないものだからね。」
「そうそう、それよ。」
「なるほど 確かに。」
「裏側」に いても。
しっかりと話は聞こえる私は、相槌を打ちながらも朝が私をスルーする事にも気付いて いた。
いや でも これは
ホントに スルー かも
朝だからな~
でも? 「裏側」だと。
「本当に」「聴こえない」なら。
ちょっと 便利 かも。
そう、直ぐに独り言を漏らす私にとしては、裏側に徹したい時 それは便利だ。
いちいちこちらに注意を向けられると、「裏側の意味」が。
無いからである。
とりあえず様子を見ながら成り行きを見守るが、二人の会話は流石である。
やっぱり 外側から見た私 も。
なかなか うむ
でも 「この二人だから」な ?
それも あるな うーん
くるくる 変わる自分の光
舞う 粒子と共に 流れ
心地良くある わたし
しかしふと。
つい、癖で視点がくるりと「からだ」に戻る時が ある。
そうすると、直ぐに出てくる「そのままでいいの?」
「見てなくて」「用意しなくて」「構えてなくて いいの?」
そう囁いてくる「不安」
しかしそれは。
そう「癖」で もう 大丈夫 なんだ。
私が 持つ 基盤 基礎
「せかいを 支える 光の粒子」
「私の裏側」「それそのもの」。
そこに また「パッ」と視点を戻せば。
きちんと据え直せば。
それは わかるんだ。
そう 「生きる」と いうことを
ちゃんとしてきたから
選択 してきた から
自分で歩んで きたから
「表で何かあったら」「対処できる」
「対応できる能力が ある」
「必要だけが 起こる」
その自信が ある
それに。
そう「起こして」いるのは 「自分」だ。
「せかいは わたし」、その総監督は「一番外側の私」
それは間違いないからである。
それに
「みんな」も いてくれる。
そう「名もなき光」は すべて「生きて」きた証
「まるっとぜんぶ」の中にある 光の網で 私のせかいを「構成する要素」でも ある。
それは 「違う」けれど「同じ」で
その「なかにあるもの」、そして しっかりと私が持つ自分の基盤 そのものでもある。
だから 私が「基盤」を
信じれば いや 知っていれば。
それは なんの問題もないのだ。
「せかいは わたし」「わたしは せかい」
それをしっかり はっきりと 今一度。
わかる、練習にもなるだろう。
そう 何事も一朝一夕では 成らないのだ。
特に この「自分の領域」に関しては。
強固で 堅固ではあるが
それ故に 「出来上がれば」。
「なによりも 強い」。
それを知っているから、歩んで来たから。
また、コツコツとそれを繰り返すのである。
ぐるり 「裏側」に居て
自分で 自分が 「何処に行くのかもわからない」道
しかしそれは「より高い私」が導く道であり
これまでも ずっとそうだった事を 知った私は。
わかった 私は。
「それを信じずして いつ 進む。そうよ。それに。」
そう 「今」、私に「見える道」は それしかないのだ。
ある意味 いつも「一択」だった 私の道
どちらを選んでも 問題ないものに関しては
悩んだ記憶が あるけれども。
失敗した 記憶も あるけれども。
「ここぞ」という 時は わかる。
もう 何度も、やってきた から。
「よし、そうと決まれば。」
「えっ、なによ。コワイ。」
「 。」
すかさずツッコミを入れた朝に「キロリ」とまた、視線を送っておく。
とりあえずは 美味しいもので お腹を満たして。
美しいものを 見て 練習して
また 楽しい夢を見て 練習 して??
「なんか、忙しいな ?」
「ハハッ、君は休んでいいんだよ。本当に。今必要なのは、それさ。隙間。不思議が起こる、隙間だよ。」
「あっ そうだった。」
そうして 詰め込みがちな自分をまた、くるりと戻して。
美味しそうな果物の「いろ」に グッと自分を合わせたので ある。
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