透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

新しいカタチ

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 えっ

   でも 。


   確かに。


  
 「それ映像」は  知ってた ことで

  経験してきた  ことで

   これまでも 私の中の「どこか」には あって

    持っていて。


 でも ?

 そう

  「見えていなかった」んだ。


  何故だか それに「蓋」を されていたから。




「繋がっていなかった」のかも 知れない。

でも。

きっと「そうした隠した」のは、シンラで
しかしシンラの手を 自分が離れた 今
私が「ひとつ」になった事を 確認した彼は。

きっと「これからの私」の道標として「青の本あれ」を残したのだろう。

 いつから どこで どう やって
 あれを残していたのかは 分からないけど。


けれども 「今」それが 開示されたこと

「わたしがせかい」「まるっとひとつ」「その時」
「私はこれから 新しいせかいを創る」

色々な事が重なって、「今」「そうである」のは わかる。


「 うん? でも? セフィラが ??あの 部屋にディーが うーん、逢いに行って た??」

 曖昧な記憶
   フワリと過ぎる 青緑の瞳。

「 ふむ。」

きっと フォーレストが。

 あの 二人を? 逢わせていたのは わかるんだ けど。


なんだか、思考がこんがらがってきて 一旦「切ろう」と一息吐くと。
くるりと自分を白紙に戻し、そもそもの発端「青の本」を 眺める。


  ふーーむ?

その、紛れもない「知った色」
 あの図書室で見た「あお」
  同じ「セフィラの青」。

しかし、「本があっただけ」ならば 本部長が何故そう口を閉じたのか、疑問に思って顔を上げる。

「 あ」

「お前、以前ラピスで。占い?おまじない?とやらを、やっていただろう。」

「え? はい。?」

「パチン」と視線が合って 私が話し始める前に、意外な所から話が始まった。


 あ でも?

 そうか も ??

「えっ、占いですか?おまじないの続き??」

私のカケラが弾き出してきたものは、「教会の「呪」の本」
あの色のカケラ
確かにその続きか同等の本があっても、おかしくはない。

なんだか楽しそうな風向きになってきて、ウキウキと腰を上げ 座り直した。


「まあ、そうでもあるが、それだけでも、ない。」

「 ん?」

「いつか、話した事があったろう。予言の事を。あの出処は、いつからあるかは分からない、伝説の様なものだった。ずっと滅びの予言だと思われていたし、長老達はあのザマ、いつからかはっきりとしないが自分達だけは逃げる算段をつけていた。」

「 は い。」

なんだか 方向性が怪しくなってきた。

しかし、ウキウキとしていた私の中身は沈む事なく、冷静に。

その隣で丸くなり、背中を規則正しく上下させている極彩色にも注がれていたし
腕の中にいる朝は、展開を知っているのか 欠伸をしながら肉球を舐め始めている。


「だが、お前がやって来て事態が動いた。「青の少女」じゃないかと俺達は思ったが、しかし。実の所、話はもっと以前から始まっていて、その前から予言を調べていたのがお前の祖母だ。まあ、それはいい。調べる事それ自体は、いいとしても、何故「調べよう」と思ったのか、そうしてその結果はどうだったのか。それは結局、判らずじまいかと思ったんだが。」

「?はい。」

「だが、そもそも長が。俺達の辿れる「痕跡の始まり」だ。ある時、突然作られた「金の家」だが、そもそもそこからして謎だ。「記録は当てにならん」と、言ったが。それは「人の書いたもの」で、「血」ではない。」


 え っ 。

 シン とする 書斎

 なんだか「話題」は 緊迫しているけれど
 変わらず寝息を立てる 多分な極彩色

  奥の本棚はとても落ち着いているし
 テーブルの玉虫色は静かだ。

 なんだか いつもならば。

 心配のひとつやふたつ、されそうだけれど。


場の、空気が。

変わらず暖かく、自分を包んでいるのが わかる。

その所為だろう、スピードが変わらずゆっくりと回る私のカケラ達は 
今し方彼の言った事から様々な色を抜き出し
私にその組み上げ方を任せて いる。


  固い カケラ
          古い色

  見知った 色と  知らないけれど 知っている色

    「これを私は知っている」と。


 「何処かの」が 教えている色だ。


  ふむ?  して ?

その、「何処かの私」に訊かないと 分からない色が知りたくて
先刻新しく出て来た「蜂の巣状のデータベース」を 見る。

 それは 私の中に 予め搭載されていて
 きっと 「新しいカタチ」として認識しやすい様
 光達が小さくなったものだ。

 「光の私」は今 特大の「地球」という、星の周りを
 囲んでいて その「光の網」の「節目」がきっと  
 この「蜂の巣の穴」だ。


その 穴の一つ一つが「私の光」で「ポイント」で
「実際の場」は離れて遠いけれど 密集させるとこうなるのだろう。
 なんか わかんないけど 多分 そう。

その穴の中は、「空っぽのもの」と「色が付いて開いているもの」「まだ塞がっていて 見えないもの」、その三種がある。

 多分
 「開いてるけど空っぽ」は 「未知」の穴
 「開いて色がある」のは 回収された私の光
 「まだ塞がっている」のは開示されていない
  「私が持っているもの」
  気付いていない、自分の部分だ。

多分、私がそれに 「気付けば」開いて
「色が見える」。
そして、それを加えて「使うことができる」んだ。


「 多分、「未知」って。オールマイティー、だよね ?」

いや、「考える」のは 止そう。
きっとオールマイティーならば、「決めない」方が使い勝手が いい。

そう思って、新しい「地図」を改めて眺めるが
自分が何を探しているのか
それが行方不明者になって、くるりと自分を書斎へ戻した。


「 んっ?えっと? なんでしたっけ?」

 「自分の新しいデータベース地図

その概念を引っ提げ 「なか」から帰って来た私に、優しい瞳を向けているのは 薄茶の瞳 だけだ。

「えっ なんで。」

「いや、心配してたんだよ。」

「えっ 」 意外。

きっと能天気な顔をして、浮上した私を心配の瞳で見ていた本部長は ご機嫌斜めなのだろう。

久しぶりの「仕方の無い目」と溜息を、見て
「ありがとうございます」と トンチンカンな事を言った私は。

 で? なんでしたっけ ??

という、遠慮のない瞳を とりあえず真正面へ向けていたので ある。




 











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