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8の扉 デヴァイ 再々

ことばのチカラ 4

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 さて はて  ふむ。

   しかし なあ。


ゆっくりと回転している 鈍い 色
 じっと見ていると中々可愛く見えてくる それ。

「そうなのよ ねぇ。 」

私は「光の女神」でとは
思っているけれど
 自分自身を 所謂「良い人」や「善人」ではないと
 思って いる。

 「絶対的平和と圧倒的調和」では あるけれど
 「どちらの面も 併せ持つ」「知っている」
 それだからだ。


「白と黒」どちらもあるから、「そんな場面」を見ると ふと意地悪な気分になる事がある。

 きっと それは見知った色 だから
 あの 魅力的な 鮮やか過ぎる色 だから
 私だって 散々遊んで、飽きた
 その 色だから。


自分が育てるべき「まだ小さな宇宙」に
やってきた事現実」を見たくない
 澱や重いエネルギーをぶつける 「大人」の多さ
 その「視点の逸らし方」の、巧みさ。

大人から 子供、だけではなく
大人同士、どこでも起こっている それ


 どんどん上がる「世界」に合わせて
 上がる人も 増えているけれど
 自分で自分を「やりきっている」人は
 まだ そういない。

 それもまた「道の途中」なのだろうけど
 その人自身の 山なのだろうけど。

また ミクロの分岐を作る原因にもなる それは
私の細か過ぎるセンサーに どっしりと乗って来るもの。
「ことば」の 「色」「形」「音」を 見れば。
 わかるもの なんだ。

 
 「まあ それも。 過程、だよね。」


 その 「程度」「高さ」「やってる物事」が
  違う だけで。

   「エネルギー的には 同じこと」


 自分で 自分の「それ」が
 「見たくないだけ」「見れないだけ」で
 他者にそれを「背負わせる」、「分配する」その 行為
 その「意味」。

 それを わかっていない
     意識していない
     見ない様にしている 者の 多さ。


「いい」も「悪い」も無くて、それは「通過点」

それも分かるのだけど 流石にその構図の多さにチラリと顔を覗かせる「黒い私」
 私は「黒い私それ」を 嫌いじゃないし 
 あってもいい ものだけれども。

 まあ あまり出したい ものでもないのだ。

 まだまだ 自分の未熟さを痛感するもの だから。


「まだまだ、だな 。」

その ミクロの澱を排しながらも「自分のなかみ」もぐるりと浚い、「自分もやっていないか」しっかりとセンサーを使い 確認する。

「 うーん。」

自分の中を確認しながら ふと また思い出す
 「今は 二人がいる」、そのこと

なにかいいカケラがないかと 場をぐるりと見渡し
 「今 ここにこの話がきた ワケ」を探る。


  そう 「せかいは なにを見せたいのか」

  それである。


勿論「自分に自分を確認させたい」、それもあるだろうけれど
この二人が 話を持ってきた所に。

 なにか ヒントが ある 筈なんだ。


 うーん  でも な?

チラリと二人の表情を確認する。


 えっ もしか して  「励まし」?

そう 多分だけど。

きっと二人に「解決策」は 必要なくて
二人の表情は明るく、澱は見えなく
 「ただ あったこと」を教えてくれている
 「ヨルに役立つだろうから」そんな感じで ある。


「えっ、なんか。 ありがとう。」

「いきなりなに、言い出すのよ。」

突然我に返った様な私に、笑うガリア
 私の分のお代わりを淹れてくれるパミール。

「フフ、私達は大丈夫よ。おばさん達が五月蝿いのなんて、慣れてるし仕方がないとも思えるもの。だってずっと、そうだったんだしみんなそれしか、知らないし。あの、光を見ていないものね。」

「そうなのよね。その後の星の祭祀に参加できた人も、そう。全然違うの。なんか………なんだろうね。」

「光を見る、目の当たりに、する?でもさ、あれって。ヨルだから。」
「あー、そうかも。それはある。」

 んん?

なんだか二人で納得し始めたけれど、どういうことだろうか。

しかし、パミールはきちんと説明してくれる様だ。
ニコニコと楽しそうに胸元の私の石を、掴むと。

ギュッと握って こう言ったんだ。


「なんか、全部。よ。ほら、前にも言ったじゃない?「ヨルから何かが漏れてる」って。それは、ここに来るだけでもそうだし、植物が育つ事も分かるし。あのキラキラが出てるみたいに、いつも「なにか」を撒き散らしてて、それがさ。あの「祭祀」になると、また凄いのよね。」

「そう、特別感がある。なんだろう、しっかり、くる?降る、のかな?届く?」

「まあ、言葉はなんでもいいんだけど。ああ、でもかも。」

「ん??」

じんわりと 暖かさが沁みると共に 
私をサポートする光がフワフワの茶金の髪から やって来る。

「ほら、なんか。光を降らせる時、なんか「バーン」ってやって「凄いでしょう」、みたいなのが全然無いじゃない?ヨルはね、私達を「照らしてる」んじゃなくて「ほんのり光って見守ってる」のよね。なんて言うか。のよ。」

「ああ、それはわかる。」

頷き合う、二人が優しさの色で 私を見る。


 柔らかな 静けさの中

  キラキラと微細な星屑が 舞い始め

更にジワリとする 私のハート。


 それは きっと 多分。

 私の意図が 伝わっている ということ

 「私は 光を降らせることしかできない」

 そう 思ってやった事を。

 二人が そのまま、受け取ってくれた
 そういうことだろう。


いつでも 私が思っていたこと
「私が やること」「できること」と
みんなが言ってくれていたこと
「私達の問題」「自分達で 変える」。

 出会う 人 みんながそのスタンスであったこと
 それ以外の人もいたけれど 大きな問題では
 なかったこと

それはきっと「せかい」からの贈り物でもあり
私が構築してきた道でもあり
選択してきた 「本能」で 「サイン」で
結局ずっと共にあった 光達との共同作業だったのだろう。

 自分が気付いて いなかった だけで。


やはり ずっと共にあってくれた「せかい」

「あんたは世界に愛されてる」、そう言っていた朝の言葉が フワリと浮いてくる。


「ああ そうだね。 本当に そうだ。」

「ありがとう 。本当に。」

「なぁに?改まって。こちらこそ、ありがとうよ。」

「そうね。言い足りないけど。また来るわ。」
「フフフ 」


そうして、ガリアによって上手いこと回収された
私の感謝は。

 まあるく 収まって みんなのハートに
 きっと 届いて。

今日の暖かいお茶会の空気も しっとりと更けて行ったので ある。


 
 



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