透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

ことばのチカラ 3

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そうして 暫し 
  立ち尽くす 鍋の前

その ドロドロとしたなんとも言えない色を 見て。


「 おお。」

少し以前よりは「粘度」の下がったそれをじっと見、カケラを加えてゆく。

一旦、全てを混沌に入れて終えば またクリアに「反応」して。
ポンと、出て来ると思えたからだ。


「 ふーむ。」

そうして 暫し。

いつの間にか、ぐるぐると 無心で掻き混ぜていた私の前にやって来たのは
 この 言葉。


   「一度死なねば 再生できない」


私の中身 から 世界へ
再びくるりと本題が戻ってきた色で ある。
 そう すぐに「自分のせかい」へ入ってしまうけど
 今は二人が遊びに来ているのである。

だからきっと「管理のカケラ」が仕事をしたのだろう。


結局
 「一度死なねば 再生できない」
それは等しく平等である。

 なにも どれも そう きっとまだ全てが。

 
 「まだ 落ちきって いない」それなのだろう。


 落ちる所まで落ちて、もう 限界まで沈んで。
 「あれ?」って。

 気付かないと 本当の光には上がれない。

だって「反対側」を切り捨てては 「ひとつ」には到底 辿り着かないから。

結局また もっと 大きな山が やって来るからだ。


そうして それに耐えらねぬと。
無意識に避け 反応しているうちは、どうにかしてやり過ごそうと続くゲーム
 増えてゆく被害者 加害者
 そうして泥沼へ どこまで縺れるのか
 それとも 「気付いて辞める」のか。


 それもまた 「自由」であるけれど。


ゆっくりと 長く細い息を吐いて
まだ残る「自分の引っ掛かり」が なんなのか、突き詰めて いく。

多分、それが分かれば二人がこの話をここに持ってきた理由も わかると思うからだ。


 くるくる くるくると回り続ける
             色んなカケラ

  歪な 色
        透き通った いろ

    私のいろ と  みんなの色

  付かず離れず回るそれは
 動き方も違えば 飛ぶ場所もなんだか分かれていて
  しかし私のカケラはくるくると
     様子を伺う様に 全体に散り始めた。


 そう 「誰が悪い」訳でも なく
 なにが悪い 訳でもなくて
私達は「それをやりたいが為に」そうしている、
 みんなが道の途中なのだ。

 まだ 見えていない道 見えていない部分
 しかし「全ての光は 今の自分のベストで存在している」

それを念頭に置き 再び混沌の中を眺める。


 自分の真ん中から ズレない為に。
 「こちらが正しい」と 偏らない様に。

 「自分の目的地を正確に定める」事が 必要だからだ。


カケラを適当に放り投げる時も あるけれど
「時が来れば」と 放っておく時も あるけれど
「今」は。
きっと 突き詰めどきだ。それは本能で わかる。

 ずっとずっと そうしてきたこと
 本能と勢い、決断と実行力で生きてきたこと
 それは光達からの サインだった こと。

 それを もう知っているから
 逃さぬ様に 鍋の中をじっと見る。

 
この 「細かさ」が 私が わたしである所以

 自分の軸が太くしっかり どっしりとして
 大きく地球を包み始めた 「それ」と同義でもある。


 どこまでも どこまでも
 人が探求しない所まで自分の「真ん中」を探し
 突き詰めてゆく、その「光の網」。

それを はっきり しっかり
 「ズバン」と拡げて。

 その「ミクロの澱」の焦点を見極めて いく。


 そうして ほんのりと光始めた 混沌の鍋

 小さな星屑が弾け始めたその 表面からは
   「そのまま」「続けて」という光達からのサインが 見える。

 それなら 。


 " 行け "   



            " 光の網を 最大限  拡げるのだ "  



    "そう 

        せかいを  包め  "




想像により 光の網に包まれる「世界地球
それは想像ではあるけれども 私が「創造している」「どこかにある せかい」だ。


自分の中で視覚化した紫紺の中

 金色に光る 地球 光の網に包まれた青
  その 真ん中にある「透明な多色」のハート。

仕事をしている「チビ女神」達は、ぐるりと廻って「私の光」を回収していて。

 それを 「そと」から 見ている と。

 どうやら 「自分というもの」が 落ちてきた 。


「 ああ でも   そうか。」

 そう フリジアも言っていたけど
 自分でも 思ったけれど。


 「私は 使

        


やはりなのだ。

「 だから 、か。」


 その「言葉」や「方法」に抱く違和感の原因は。
 
  やはり "自分の在り方との ズレ"


私が思うそれは
 「もの」でも「人」でも 「お金」でもなく
 きっと「情報」ですら なくて
 「物質的」では ないもの

 「これまでの世界」の澱が ついていないもの。

きっと「これまで使われていたもの」は私には合わなくて 
染み付いた澱が 気になるのだ。

だからこれまでの
「信念」「観念」「ルール」「規則」「刷り込み」では ないもの


      全く 新しいもの

 
 「チカラ」で「エネルギー」で
 「見えないもの」でしか、せかいは変わらない

 そう んだ。


「どこかの私」が 知っているそれは
きっと「私の本当」で自分の核の中にあるもの
変わらない 部分。

 それが わかる。

そう 「今 気付いた」んだ。


 
 ジワリ ジワリと沁み込む 「自分の本当」

 しっくりくる「いろ」と「安心感」

  それはきっと「そうだよ」というみんな光達の声だ。



それに なんか その「チカラの使い方」。

 それはきっと そう「意図」でもあるのだろうけど
 同時に「発信する目的地対象」でも ある。

それがきっと 私は「物質ひと」ではなく
「せかい」 なんだ。


 だって「投げたら受け取る」だろうし
 「受け取らなくとも投げられたことに気付いたら」
 「そこにあることに気付いたら」
 エネルギーは 発生する。

 「それに対処する」という チカラだ。


多分 私は「投げたくもない」んだ。
 自分が 「投げられたくない」から。

欲しい時に
 沢山ある中から自分で見て、吟味して選ぶ
 それはいいけれども

いつでもチラチラと出てくる こちらの都合無視のもの
  「押しが強い」もの 「受け取って」と
  なんだか エネルギーが歪なものは。

  嫌だし、わかる。


「 えっ。それを思うと。 今更だけど 私、めっちゃ細かい な???」
 

それに、今 また 改めて気付く。

 そもそも なんにも 「したくない」
 「働きかけたくない」
 「気付かれたくない」
 「ただ そこに在りたい」

 確かに そうなんだ。

それはきっと「エネルギーゲーム」には
 微塵も関わりたくない ということでも ある。


「なんだろうな、これ。この、気付かれたくない感。あの、「夢で練習する」やつに似てるけど、ちょっと違う? あー。だから 「概念」。「潜在意識」「夢」。ふぅむ。」

 なるほど。


やはり。

 「見えるもの既知のものでは 世界は変わらない」
 それが自分の 真ん中に あるから。

 だから、やらないし 表で発しない。

 ひっそり こっそり   黙々と 一人でやる
 のが いいんだ。

 一人で「せかい」で 遊んでいる

 それが一番 楽しいし
  安心だし しっくりくるんだ。


 「それぞれが 自分のスタイルで いいこと」

 「見せたい人は 見せていい」し
 「隠れて在りたい私は それでいい」。

  そう 
  みんながみんな 「自由」なのだから。


自分にとって それが一番居心地がいいんだ。
もう 私に「エネルギーゲーム」は 必要ないのだから。



「 なんなの、これ。めっちゃ ややこしいな。」

 自分でも、思うけど。
 

突き詰めて
突き詰めて
突き詰めて また 見えてきた「自分の側面」
「持っていたけど わからなかったこと」
「気付いていなかったこと」
潜って降り 突き詰めた様でいて 
 実は「上がったから見える視点」という両面。


「 面白い な。やっぱり。」

それに、「こたえ」が来るのが 早い。
 これまでよりも、格段に。

 「考える」と言うよりは
 「カケラを舞わす」と 「ポン」と出て来る それ

多分 見ていないけれど「やり方」が上手くなったのだろう。
なんとなくだけど そんな気がする。


「成る程、なるほど 。ふむふむ、へぇ 。」

自分の中を、見渡し もう一度組み直して
見直して やってみて「ピタリ」と合って。

納得して、とりあえず鈍く残ったカケラを眺める。


そう 私が発見したのは「自分の側面カケラ」だけれど
それもやはり二人が持って来てくれた色から
 派生した カケラで 色で 
今ここに二人がいなければ「違う風」が 吹かなければ。

 「見えなかった 側面」
 「気付かなかったかも知れない 色」。


「なるほど、成る程。 して、やはり「異色」は気付きを齎すもの、 だからこそ。」

 両方 大切な もの。


 そうして まだ鈍く光り回る 
  この カケラ 達は 。


「 はて。 ふーむ。」

 まあ 私が「なんとかする」ものでは 
  ないけれど 。
 「何故 今 ここに」は 気になるものである。


チラリと目線を投げると ぐるぐるぐるぐるとしていた割に
きっと「時間」として経ったのは数分か そこらか。

二人は 案の定
しっかりお代わりを淹れて 楽しんでいるし
それなら、と。

私も自分をきちんと この「お茶会」へ戻す事にして
まだ 彷徨い回っている 
 カケラを纏め始めたんだ。


 
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