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8の扉 デヴァイ 再々

ことばのチカラ 2

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しかし、思うに

  この「枠の中の人々の 在り方」とは。

 あまりにも 幼く 浅い。

 「怖いのは 嫌」「痛いのは 嫌」
 「傷付きたくない」「見たくない」

 それは誰だって そうだ。

でも。

 どんな小さな、些細な ことでも
 「気付くこと」、それを自ら 
 のだから。

その 溜まったツケはあの月まで積み重なった檻の様に 膨大になっている
それは「自然なこと」「当たり前のこと」。

自分で自分を綺麗にする それは自然なことである。 
 なんら おかしな所はないし
 寧ろ気付かない方が 不自然なのだ。


そう
 「本当のこと 」「真実」は。

 ひとつ ひとつは小さくとも
 なんでもなさそうに 見えるものでも

 「本当」とは「本質」であるから。

 もっとずっと 深く 複雑で
 陰湿で残酷で執拗でとてつもなく 重く

 しかし とんでもなく美しく輝く 反対側の面も 
 併せ持つ もの

    美しいのだ。


これから始まる「現実」、それはずっと自分達が蒔いてきた種を 刈り取るという「現実事実」だ。


   「循環しなければ 腐り落ちる」
    ただ それだけのこと


 だが その が 実際見えてきて。

それだけで襲われる不安に、耐えられずその「不安エネルギー」を 他者にぶつけているのだ。
 そうして始まる ぶつけ合い
 泥沼へ縺れ込む 「エネルギーゲーム」。


しかし それは。

私も通ってきた道で 私は「自分の蒔いた種がどうなるのか」、勘付くのが早いだけだ。


 実は 「地獄」というものは この世そのもので
 自分達も漏れなく黒や悪と言われるもので

 「人間ひと」とは 漏れなくそれを
 併せ持つもの

     が。

     と。

 認識し、受け入れるまで続くゲーム。

反対側を受け入れなければ、自分の持つチカラを 半分しか、使えない。

そう、「ひとつ」に なれないのだ。

 

光を求めるだけでは 終われないゲーム

 そう それは 遅かれ早かれ やってくるもの
 必ず「通り抜けなければならない道」。


 フッと 息を吐いて。
重くなりそうなカケラの流れに明晰さの光を足し くるりと自分を切り替え改めて空間に目を向ける。

そうして しぱしぱと瞬きしながら 目を慣らしていると。 
ふと寄ってきたカケラに目立つ、いろがある。

この頃 
細か過ぎるセンサーに ピコピコ引っ掛かってくるもの

そう、この間気が付いた 私とは少し違う風の色だ。
 
 ある意味 「今の主流」でもあろう その風の色

「良くなりたい」「上がりたい」、そう 上向きの上昇気流。

そう思うのは素敵だし 
「こうやると上がれる」、その提案も 素敵だ。
「手段」は 沢山 あっていい。


「その風」が 沢山吹く、世界で
 危うく私も乗りそうに なっていたけれど

 少し前に 気付いた それ
 私はもう「その段階」は 終えたこと 。

色々な場所で渦巻く風を眺めながら、色んな「上がる色」を 見ているのは楽しい。


だがしかし そうして観照していると
 その中で目立つのは「言葉の使い方」だ。

 その「言葉」に 含まれているエネルギーの 質
 「なかみ」のこと
 その
  上がる方法を「断定していること」だ。

私が引っ掛かっているのは またもや微細なズレ
 ミクロのちぐはぐ なのである。


その「断定している言葉」、それ自体は沢山あるけれど「断定」をするのがいけない訳でも悪い訳でも ない。

 多分私は「ちぐはく」なのが 嫌なだけ
 見ていてそのズレが 気になるのだ。


そもそも「魔法」は「言葉を発する本人」が 信じていないと発動しない。

 だが「発する本人が信じていないと発動しない」
 それは 真実ではあるけれども
 「信じていれば必ず発動する」訳ではないのである。

 だって「それその手段」が
 「誰にも有効か」、それはわからないから。

 しかし それを「言い切ること」で
 「成功する こと」と同時に発生する
 「成功しない場合の澱」

   エネルギーを 投げた方と 受け取る方の
 微細なズレ。


多分 私が引っ掛かっているのは。

 「自分が発したチカラに100責任を持っていないこと」
 それである。

その「発したエネルギー」に「成功しない場合もあること」が 含まれていないことは、聞いていてわかるし
きっと発した本人も「100%できる」と信じているのだろう。

 しかし、
 「反対側」を 提示しないこと
 物事には両面があること
 「抜ければ 超えられる」、それは事実でも
 あるけれど
 「問題」を やり過ごすのではなく
 「正面に据え 超える」こととの、違い。

それを しっかり、みっちり やらないで。

他者ひとに「100保証する」なんて できない。

 まあ それはきっと
    スタンスの問題だろうけど。


「超えれば上がれる」
「この時期を過ぎれば大丈夫になる」
「これをやれば絶対大丈夫」 なんて。
 
「超え方」をきちんと提示できずに光を放り投げるのは 誰の為にもならない。
「提示したって」、できるかどうかは別問題だ。


 「絶対できます」と 断定、豪語すること と
 「みんなできる」と ことは

 実は全く 違う。

字面では 似ている様でも全然違うのだ。

きっとそれは「位置」の違いで
「無限」にいて、それを知っていることと
「世界」にあって それを信じていること
その違いだろう。

だが確かに、「世界」を信じ切った先に 「無限」はある。

 「せかいはわたし」だけれど
 「世界」もまた 「私」だから。

それがわからないと、解らないと思うけれど。



「でも。 もしかして? 本当のホント に。気付いてない、って アリ? ?」

確かに「できる」って、のは 大切だ。

しかし、私は「できるそれ」を 知っているけれど
他人に「絶対」とは言い切らないし、保証もできない。

 
 これは なんの 違いだろう か。

 
「なんか ややこしくなってきたな 。」

自分の方向が 散らかっている様な
 いない様な 。

しかしきっと「今の必要」が 出てきている筈の 私のカケラ達
そのくるくると回るはっきりとした色を眺めながら、焦点を絞ってゆく。


 でも 多分 きっと。

それもスタンスの問題で、「自分がどこまで責任を取りたいか」、結局それだと思う。

 いい事 見つけたら確かに
 「ほらほら!」って 言いたくなるけど
 その テンション? 言い方?
 まあ エネルギーの 投げ方の違い なのか 。


ぐるぐる ぐるりと巡る カケラ
 深部へ潜り込んで行ったそれらは 深く沈み込んで行って。

 なんだか 終わりが 見えない。


「 んー。でも。 結局。」

 やはり。

 どこまで行っても「自分の言ってる事がわかっていない」
 それなのだろうか。

 いや まさか ?  ホントに ?

 
「ま、いっか ?」

再びのぐるぐる沼に嵌りそうな自分の頭を振り
そうしてとりあえず、それも混沌の鍋へ放り込んで おく。

 きっと 時間が経てば また 変わるし
 見えるかも 知れないし

 私はそこまでその 答えに興味がある訳でも ない。

 ただ そう「知りたい」のだ。
 いつもの「なんで」、の追求である。


そうして、暫くカケラが勝手に回って いて
 落ち着くのを待つ私は 
   二人の様子をボーッと 眺めて いて。


 すると ふとした拍子に「ポン」と。

   「雑」色のカケラが 飛び出てきたんだ。


「 あーーー。」

 成る程。

確 かに。 そう  かも。


 「言葉が 雑」
それは「なんの気無しに発している」にも近いけれど
ちょっと違う ものだ。

 私の細か過ぎるセンサーには引っ掛かる
 その細か過ぎる 違い。


 ほうほう なるほど
 確かに そうだわ。

よく、その「雑」のカケラを眺めていると。

 なんで 「雑」なのかが よく わかる。


「無意識に発する」とは 少し違う「雑」
例えばそれは「赤紫」を 見て
「紫ですね!」と 言い切る 
         自信満々に豪語する
         我先にと 発する
         大きな声で言う様な感じだ。

その色は少しずつ違うけれど、概ね使っているベースは同じ
そう、「雑」なのである。


 私の細か過ぎるセンサーでは 
 「いや、ちょっと待て 赤寄りの紫
  若しくはかなり紫が入った赤だろう」
 そんな感じの 言葉
 それは「色」という私のこだわりポイントだから かも知れないけれど。

 でもまあ そんな感じだ。

「ことば」には 勿論「色」も「形」も「微細な温度」もあって
その辺りを表現するか しないか
こだわりがあるのか ないのか。

それは持ってる「語彙」ではなくて
 発するのに何を使うか、「エネルギー」の問題である。

 ミクロの 粒子を 何をどのくらいの配分で
 含むかどうか 決めて発する

多分 そういうこと。

 「それ発信」が 雑なのだ。
 

「 えー。でも、 それって。「見えない」のか、「見えてるけど表現しない」のか。どっちだ??」

それも人によって 違うのだろうけど。

 
 くるくる  くるくると

   揶揄う様に回り始めた 「ざっくり色」の
    カケラたち

 私の「細か過ぎる突き詰めセンサー」が
 終わる事なくそれを追いかけ始めている。


でも 多分 これは 私の「性質」的な はなし
 なにを どこまで どう 突き詰めるのか

「言葉遊び」を しているのじゃなくて。


 その 「捉えたもの」を どう表現するか
 「そのエネルギー」を 
  どれだけ正しく捉えるか
  捉えたいのか

 「どこまで見ようとするか」

それは結局「自分の軸」を。

 どこまで正確に「本当真実」に近付けるのか
 それだと思う。

 
 光の網で捉えた微細なズレを
 何処かの光がくるくると解析し 本部へ届ける
 そんな感じの こと

 「せかいの法則」と「世界の常識」、それを照らし合わせて
 バランスを取り 色々な側面を吸収して。

 「常識も知っているけど それも加味して
  結果、適用しているのは せかいの法則」
 そんな感じで ある。



「えっ これまた 「私だけ」案件?それともみんな。やってる の??」

待て待て。

チラリと、二人の瞳を確認するが「またやってる」という色が浮かぶそこから 「似た様な色」は見えない。


 えーー。 そうなの かな

  まあ でも。 そう だよね。

うん。


やはりこんな七面倒くさいことを しているのは。

 現状 私 だけ
  いや やり方が 違う人は いるかもだけど ??

そうして、とりあえず 。

一旦、思考をクリアにしようと
 もう一度 カケラを入れようと。

混沌の鍋の前に ノソノソと歩いて行ったんだ。




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