透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

レナの店へ 2

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 キラキラ くるりと
       レナの瞳の中でまわる 緑


 そうしてくるり 私の中にも展開する同じ色。


    森の景色   
           重なるみどり

   風   いろ   匂い

  
  あの 「すべては その なかに」の

 空間が持つ  チカラ

  なにより強い 「生命力」。


そう ここ「浮いている島」グロッシュラーと
     「外の無い 美しい檻」デヴァイ

 それに足りないのは。

 やはり  大地それなのか。



くるくると自分の中に展開する せかい

  森   大地    土  

        地球という 星

 私達「人間」という「物質」
  それ即ち「地から生まれる エネルギー」

 「生まれ 還るもの」「生命」

   「いのち」「肉体」「物質もの」としての

       「繋がり」


それは。

私達「」が 「源」と繋がる様に
 「肉体」は 「大地地球」と繋がる

そういうことでは ない のか。


「  ふーむ。」

いつも 「エネルギー」「チカラ」が 足りなくて
奪い合い エネルギーゲームをしている 私達

 私達「人間物質」「肉体」のエネルギー源は
 「生命力」だ。

 しかし 「目には見えない」生命力それ

その代わりの様に行われている「エネルギーゲーム」、「見えない搾取」。


そして それと並行して私達が自分達のエネルギーにしようと大地から奪っているのが
「燃料」「原料」「力のある石」だ。


 それはきっと 全部が繋がっている筈で
 「構図」としては 同じで。


その
 「燃料」「原料」 
 「物質もの」の奪い合いの中に隠されている
 は なんだ?


 「せかい」は 何を 訴えてきている ?


「足りない」「足りない」
「無いから 奪う」ではなく。


 「からだ」の面が 「大地」と 繋がり
 「」の面が 「源」と 繋がる 様に。

私達が「消費」ばかりせずに 「生み出す」には
「創造する」には。

 やはり ?


静かな落ち着く店の 中で。
 そのまま目を瞑り 高い位置で光始めたカケラを
 自由に舞わせ 時折「明晰さ」の光を足して
  遊ばせ 反応を待つ。


しかしやはり、私が思うこと 知っていることは。

 これまでやってきたこと  自分の道
 どう すれば「創造できる」のかを振り返る。


そう
 「手に入れたカケラ」を。

 ただ 「消費する」のではなく
 材料として持ち 適切な時に適切に使い
  反応させ 光り合い 「新しいなにか」を
  生み出すこと

 そして その光のチカラで道を進み
 進んだ先でまた カケラを見つけて。

 「自己再生」し 進んで行くこと。
 

それ 即ち
 「自分の中で 循環している」
 そうして
 「人間同士で まず 循環 創造する」

 それが 必要なのでは ないか 。

 
「まあ。  それは そうなんだけど。」

 うむ。


ぱっちりと目を開け、頷く。

それは私達みんなが きっと「自分の源」と繋がれば解決する問題だ。

でも それはずっと前から 思ってきたこと
 しかし未だ 少ししか前進していないこと
  けれども今 出て来た理由が あるんだ。

 同じことを 段階が変わった私で
  もう一度 見る 為に。




「 あ そうか。ぜんぶがまるっと マトリョーシカだからだ ?」

 そう 
   自分の細胞から  からだ  大地 

  呼吸 空気  大気  地球

   
 「わたし」と「地球」は 同じだ。
 

 と いう ことは。


「えっ。即ち 「自己再生」するには。自分で「循環」する には? やはり?えーと、肉体は地球だから、地球は自己再生してるよね ?それで、大地に?繋がる 、うん、繋がるんだけど ??触れては、いるよね?でも、まだだ。 だから触れるだけじゃなくて、「なにか」。 必要 なのか ?」


 ぐるぐると回るカケラ
   自問自答の私と「なかみ」

  緑と土色のカケラが 楽しそうに「ほら」
  「こうだよ」と 回って いる。


 その 「真ん中」に ヒョイとやってきた

     「真っ赤な カケラ」。


 ああ  でも。  そうか。

  「ハート」だ。 多分。

 「ハートが 開いていなければ」。


 あの時も 思ったそれ
 それは「人同士」でも「大地と」でも。

 おんなじ なんだ。 きっと。

 「自分が閉じていれば」、そう なにも受け付けないのだ。

  なにはともあれ 「自分と」繋がる


それは 自分の真ん中を見つけること
ハートを 開くことで
そしてそれはきっと 何に対しても 同じ なのだろう。


  
   くるくる  キラキラと 舞うカケラ達は
 地面の様に 下方に整列し始めて

  その上を「人が歩く様に」ピョンピョンと
 跳ねる カケラ
   転がるカケラ

 その 順に遊び始めたカケラ達を 見ていた。


「やっぱり。 遊び か ?」

 楽しむって こと だよね ?

 それと、あれ。 あれよ。


ぐるぐると、ぶつぶつと。

独り言を言い始めた私を放っておいて、店の何かを片付け始めているレナは流石である。

とりあえずその、後ろ姿に「戻ってきた」意味も込めて 話し掛けた。


「なんか、さあ?」

「うん、なに?」

「私達って。凄く、狭い世界に 生きてるんだよ。みんな。」

「まあ、そうね。?」

棚に布生地を片付け、ストンと再び座ったレナ
首を傾げている くるりと丸い瞳が可愛い。

「あのね、森に行ったでしょう?レナも。 私も暫く、森で過ごして。 なんか、やっぱり。「せかい」は循環していて、小さな木の葉も、虫も 例えば土の一粒も。その、森の中の一部で みんな仲間で。共に世界を廻していて、その「森の世界を構成している一部」なんだよ、大事な。私達には見えないけど、その独自の光の繋がりが あって。お互いが、お互いを「大切だ」って 「必要だ」って。んだ。」

「私達も勿論、この世界を構成している一部で、今は繋がってないけど。 でも、多分 なんか。やっぱりが、自分が小さく思える理由かなって。」

「…………まあ。分からなくもないわね?」

ハテナが浮かんだ顔で そう言うレナ。

でも、ざっくり 全体的なことは 分かってくれていると思うけど。

「フフ 。 でもさ、やっぱり。もしも 結局、全部の扉が繋がってて、みんながその中で自分のチカラを活かして作って、生み出して、使って、対価を払いまた作って。感謝し合って、その中で循環してて、みんながその一部だって。だって、自分が小さくなんて 思わないじゃない?」

「ああ、成る程。それはそうね。でもそれってやっぱり、まあ、全部に共通する事なんだろうけど。店の問題とも、繋がるわよね?力を、何か作るのに使うって事でしょう?」

「そうそう。 あ、そうかレナは工房行ってないもんな…なんかさ、まじないも。結局みんな大なり小なりチカラは持ってるんだから。やっぱり適材適所だよ。 うーん てかこれ、ラピスでも最初にやってたな 。」

「ふふ。あんたは結局変わってないって事ね。」

「 まあ。 そうとも、言う。」


くるくると 再びかたちを変え
 自分の中で回るカケラを眺めながら 思う 
 みんなの色

    まじない  適性
 
   それに 「強さ」は 関係ない。

今までは何でも「大きい」「強い」「より 強大なもの」が 好まれる時代だったけど。

 そう 風が吹いた今は もう 「変わった」のである。


 ラピスでのまじないと 仕事の関係
 シャットでのチカラの強さ 上下関係。

 それはやはり「強い方がいい」という みんなの思い込み
 「それぞれが それぞれの場所に」
 「あるべき場所」「適材適所」という考えが
 浸透していないから
 「視点を逸らされているから」でもある。

 そう 「強さ」「物質もの
 「それが大事」「物の価値」
 それだけで計られていた過去
 コントロールされていた空気

しかし 「流れ」は 変わり始めて。

 「本当のこと」が 見え始めたんだ
  現れ始めたんだ 

   白日の下に みんなの 目の前に。

 ただ それを 「きちんと見るのか」
        「目を逸らすのか」は

 自由 だけれど。



ふと 自然に合う視線 
 言葉は無くとも笑い合う 私達
  テーブルで揺れる植物達も賛同し揺ら揺らと
 私達の前途を。
 応援してくれている 様である。


「そうなんだよね 。なんか、「役に立つ」でも「貢献する」でもなくて。ただ、「そこにある」んだよ。ぜんぶの、なの。だから、「何にならなきゃ」とか「何をしなきゃ」とかは、ホントは無いんだけど  。」

「まあ、「役に立ちたい」と思うのも。成長の一歩だから。私達はそこからやるのよ。それで多分、なに?前ヨルが言ってた「自分の器」をいっぱいにするのよ。それからやっと、その?「あるだけ」?みたいに、なるんじゃない?………なにしろ女神の境地に行くにはまだ、時間がかかるわ。」

「うん、まあ そうだね?」

なんだか笑われているけれど、私が久しぶりにグダグダし始めたからだろう。


 私だって わかって るんだ
 「突然 そうなる」ことは なくて
 「やって」「気付いて」「重ねて」「そうなっていく」ものだって。

 自分でも 実感しているから。

テーブルにペタリと張り付き、ゴロリとしている私を見る目は 優しい。
 いや 生暖かいのか。 


「ま、なにしろ。私はこのままやって行くだけよ。姉さん達はそれなりに考えてるだろうし、みんながそれぞれの持ち場で。きちんと立って、って事でしょう?」

「そうだね。結局お互いの事を「あーだこーだ」言い始めると、また逆戻りだからなぁ。」

向こうデヴァイは。難しいかもね………。」

「 うん、でも。どうしたって、変化はするものだから。大丈夫だよ。」

「…………そうね。…………でも、ヨルやっぱり変わったわよね??何の所為かしら…やっぱり、アレ………?」

「 んっ ??」

くるりと切り替わったレナの瞳の色が 怪しい。

 そう あれは。
 エローラに似た 「根掘り葉掘りの色」


「いや、レナさん、最近どうなんですか?てか、店弄ったのレシフェだよね??」

「えっ。………まあ、そうだけど?」

「その辺りどうなの??てかべ  ゴホン、まあレシフェは相変わらずなんだろうけど 。造船所行けば、会えるかな?」

「えっ。会うの?」

「駄目? てか、多分会わないのは難しくない??」
「まあ、そうだけど…………まあ今更大丈夫か。これだけプンプンさせてれば…。」

「えっ なにが ????」

危なく「ベオ様」と言いそうになって話を逸らしたが、また話題が私の話に戻りそうで ある。

 いかん。

そうして 私達の謎の攻防戦は。

とりあえず「レナの恋バナを聞く」という私の勢いが勝って、とりあえず店改装の様子から。

じっくりと 聞き出すことにしたのである。

うむ。





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