透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

五感 その先

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   "踊れ        舞え"


   空気と  風と


    匂い      
           いろ


    あまねく  拡がる

   満ちる   チカラ   光と

             エネルギー


   「見えない  なにか」


 せかいに  融け込む  すべてと 共に


 廻り   まわり

     掻き混ぜ


   生み出せ 

        星の子 よ


  青の子   

      すべての 光 よ 。



  "謳え          謳え"


  どんな  場所でも

    どんな    時にも


    「まわり」は  無い


  あるのは  「すべて」と 「己」だけ



   その 「すべて」は あまねく繋がり


  伝わり   伝え   光り合うもの


    響き合う もの


   "ふるえ て さえ  いれば "  。



   それは 必ず   伝わる もの 。


  
   く   高く    高く 翔び


   遍く  ひかりを  

     透せ    すべて に 。






 外へ 
    子供達の所へ

 畑へ    造船所へ 行ってみようと思ったけれど。


その前に 旧い神殿に来た。

なんだか久しぶりに、ここの 空気を
 味わいたかったからだ。



 シン と 耳に響く 静寂

 「誰もいない」と わかる 場

   気配の無い 空気  粒子の軽さ。

 
ただただ 「静かにあるもの」達だけが 私を待つ空間

そんな心踊る場所に。
しかし、静かに歩を進めているのも 一つの成長だろう。

 ウキウキも しているけれど
 ワクワクも するけれど。


 先ずは この 「場の気配」

 「おと」    
         「いろ」


    「かぜ」

         「名残」


   「ものの気配」


 「思い出」   
              「呼吸」


       「場の 想い」。


それを感じるべく 自分の中を静謐 清浄に保ち
 均一の粒子 ただなにもそれを動かすものはない場
漂うそれと 自分の「なかみ」を同調させて。

 ハートの真ん中 緩りと張られた弦

それだけを持ち 青の見える廊下を歩く。

「なにか」が それに触れたならば。
 すぐに震え 私のハートに響く様に。


滑る様に 動く足
ここ、崩れた回廊からの景色も 大分変化していて。

 以前は 灰色を区切り縁取るだけであった
 柱の名残は
 今 青と青灰を囲んでいる。


 ああ だいぶ   そう 

   それなら  うん。


ただそれを目に映して、奥へと進む 足

 「期待」もなく
 「感動」でも ないけれど

ただあるのは少しの喜びと感謝
 とびきりの静寂だけだ。


なにしろ 私は。

 この空間を 思い切り一人で
  感じ切りたい のだ。

 
  なににも 誰にも  邪魔されることなく

  余すことなく  場を 感じること

  沁み込ませること
  糧にすること
  チカラになること
  なにか が 生まれること

  それを 知っているから 。


ただただ静かに 奥へと進んで行く。


 踊り場の 太陽
        高低差のない しかし階段

 何故 数段下り また上がるのか

 その 意図はなにか
 その こころは なにか 。


沁み込む粒子に疑問を投げかけながらも 進む道
今はまだ 「ない」こたえだけど。

 きっとまた その時が来れば わかるのだろう。


そうして進む 静の中
 どうして 今日 ここへ 寄りたかったのか
 心に浮かんだ 何色に惹かれて
 何を感じたくて
 ここへ 韻を踏みに来たのか。


自分の「行動」が「カタチになる」事を知った私は、しかし
「考えても分からない」事も 知っている。

 きっと その時 
 「最善」「最高のタイミング」で。

 降りてくるだろう それ閃き 。

それを楽しみにしながらも奥へ 奥へと深く息を吸いながら 入り込んで行った。




そうして 久しぶりの高い天井
 青灰の気配が残る 礼拝堂へ入る。

 「あれ ?こんな色だったっけ?」

 そう 思う様な「塗り変わり」
 一段上がった 礼拝堂の光。

「なに」とも言えない
「どれ」かは わからない
しかし変わった 空気 色 気配

 確かにあの時 残っていた「想い」は
 きっと もう「色」を変えて。


 キラキラ  キラキラと ひかる
         幾つも段階が上がった粒子

 その光のカーテンが 円窓から降りて いて。


 そう 「こえ」が 聴こえたんだ。


   "舞え"と

           "謳え"と 。


  私の 真ん中に響く音で 。


 「ああ そうか  そうなんだ」

 なるほど わかった。


そう きっと この「場」が呼んだ
 私のことを また「謳」を うたう 為に
 響かせる ために
 この場を 震わす ために。

だからただ素直に それに従ったんだ。







 音は ない。 
 リズムも ない。
 あるのは 光と 私の中の「今」 だけ。


 どう 始めようか。

しかし、「迷い」は ない。

じっと自分の中に耳を澄まし
 ここへ来て貰った 沢山の光 色 音
 静寂と 細かな粒子
それを自分の中でくるくると舞わせながら、段々と「列」を創り始めたそれと 一緒に手を上げた。

 フワリと そらへ向かって。


それだけで 充分なのだ。

私の意思は 伝わった。

 後は この場に任せて。

 ただ ハートを開いていれば、いい。

   そうすれば 自然に。


 いつの間にか  からだが 動いて いる筈だから 。



手の 伸ばした指先に 感じる「ひかり」
 それは「感覚」ではなく「エネルギーチカラ」で
 きっと「見えない ひかり」、白と青が混ざったそれだ。 


 てんから 降りて
  私の身体を伝い 地へ降りる


伸ばした指先がアンテナになり、そこから拡がる光が羽衣の裾を広げ 自分の「かたち」が変わったのが わかる。

 「もう 大丈夫」
自分の中にその感覚が来ると、そのままくるりと一回転し ポンと跳ねる。

 光を 隅々まで 飛ばし
    跳ね 地面に押印して 「私の場」にするのだ。


 そうすれば あとは。

   もう  「共振」する だけ 。


なんにも 考えずに
 頭の中を「音」「ひかり」「粒子の流れ」「高い色」で 満たして。

ただただ、空っぽで 身体を動かすのだ。

 そう 感じる ままに 。


「決まり などない」
「どんな 踊り その名もない」
「足が上がりきらなくても」
「途中よろめいても」
「躓いても」

「枠」「ルール」「決まり」
凡そ「縛り」という縛りを 全て廃して。

 
   「ありのまま」「自由なわたし」

 それで光に乗る。
 ただ それだけなんだ。



 
 頭の中の「雑多」を全て流し
  ただ 光と共に 身体を動かす。


  舞う わたし

    揺れる  胸元の星

その感触が 導いたのは
 以前は あった  腕輪の感覚と
   いつの間にか自分と同化している 首飾り

 
 「ああ 「舞い」にある

  装束  装飾品は この為だな」


 そう わかって 。


 それを顕現させ

   「シャラリ」と流れる おと

  感触  が 伝えてくるリズムを

    感じて 。

  
  揺れる  触れる  鳴る 響く音

  なに楽器は無くとも リズムを刻むそれ

 共に震え 舞ってくれる 私の 「仲間飾り」。



  「ああ」   
        「そうね 」


  「そう  だった 」


きっと「いつかの私」がそれに反応しながら、体が動くのが わかる。



 装飾品これは きっと
  
 舞が終われば 戻るのだろう
 そう 私の 光に チカラに エネルギーに。

 「顕現」したのは 震えた から
          「反応」してくれたから
          「応えて」くれたからだ。


 「その時」 「その 場」で

 「必要」が 「現される」

   それが 「顕現」


考えた訳ではないが 浮かんでくるその意味に
心が震え 魂が 震え
 また その光に感謝しつつも 振動を感じるべく
 手足を 動かす 。



 「ある」こと
  
 「見る」こと

 「知る」こと そして

 「現したい」と 「思い」

 「そうする」こと 。


 その 「もの」に チカラはあるが
 
 私に同等の 「ひかり」が無いと

 それは 「成らない」こと


  「反応」し合わないこと

  が「応えて」くれないこと 。



 自然と    それ

 すべてを感じ 「添おう」とし

 「共に在る」からこそ 「わかる」こと

 
 「より高い視点」「光の女神として」の私。



ここから進む道は、わかって いる。

そう これまでとはまた違う 一段上がったの要る 場

 それがであろうとも

 私が 

 それが必要な 場だ。



 この瞬間に 降りて来たそれ
 
 だから 多分   きっと  


  わからない けど

    そう なんだろう。



いつでも私に「知られせてくれていた」光達

フワリと「感覚」でやってくるそれは、もう慣れ親しんだ もの
幼き頃から「なんだろう?」と思っていた 「違い」「違和感」

 それは 本当は「嫌なもの」じゃ なくて。


これまでは「違和感」だったから
なんとなく「嫌だな」って。

思って いたけど。

 そう 蓋を開けてみれば それは「啓示」


  「自分の いろじゃないよ」
 
   「こっちだよ」  
           「ああ 違う」

       「そろそろ」

 「そうじゃないよ」  「時間だ」


 色々なかたちの みんなからの声 だったのだ。


 今 はっきりと それがわかる。



 フワリ  くるくると舞いながら
  感じる 風

 空を切る 指先

  光の粒が 体の中心から 指先
  足先まで 繋がっている 感覚
   
         乾いた音が鳴る 靴。

  衣の先まで風に乗せてまわる 自分の動きを 知覚する。


 もっと
       もっと

    使

             


   そう   できる  はずだ

  私は。

   「そう 在るもの」  だから 。


何処からか聴こえる こえに
  もう一度 息を深く吸い 吐き
    からだの 隅々まで 光を行き渡らせる 。



 そう
    溢れる 星屑

  迸る チカラ  

 それはやはり ワクワクのカケラ
  楽しみで眠れない 子供心と 共通するもの
 それを研ぎ澄ました末の 感覚なのだろう。





  ああ  楽しい  な  。


   心地良い     軽やか


 回れる     跳ね

     跳んで     降りる


   自在に  繊細に
            先の先まで


  美しく  靡かせて 。


  動く  からだ

     吸える   息 

  綺麗な  光   

     なにより 「何も縛るもののない 時間」

  「環境」   「今 ここに」

    
     「自由で  在る こと」


 誰も私のことを 見ず  縛らず

  求めなく  意識していない   とき。



チラリと浮かんだ あの色だけは そっと奥にしまっておく。

そう は 特別だから
私の反対側だから まあ いいのだ。


 小さく息を吐いて ピンクを吐き出し
 フワリと止まって顔を上げる。


   あお。

   灰色    白    ひかり


 ずっと ずっと ここにある 空間

 美しかった 白と青 

 今は灰色だけれど 「それ」は確かにあって

 私にその「ありよう」を 見せてきていて。



    「あの時の 私」

   「今の私」  「変化した 視点」

    「変容した 自分」

    「世界の窓」 「光の女神」

 
 しかし 結局は 「わたしが せかい」で。


だから。

  一番引いた視点から
  ぜんぶで それを 映して 見る。


 物言わぬ空間は その全てで私になにかを
 伝えてきていて 
 それは「伝えたい」とは 思っていないのだろうけど。

 そう 「ただ ある」だけで
 「ただ あるということ」それだけなのだけど。


 それを 受け取りたいと思う 自分

 「なにか」はわからないけれど
 私の全身に降り注ぐこの、エネルギーを。

 余すことなく 受け取りたいとは 思うんだ。
 

薄い光の静寂の中 全身を預け ただ立ち尽くす。


  「今 ここ」 この全てを

  正に今 ここに齎したのは 自分

  「今ここに この私で 在る」ことの意味

  これまでの自分の 戦利品でもある 環境

  意識  心と からだ 魂の経験

  なんかわかんないけど ぜんぶ。




   
    うん。 いっぱいに なった 。






「 ありがとう。」


ただ、それだけ呟いて 気の済んだ私は。

ゆっくりと静寂を壊さぬ様に歩き
 最後に少しだけ振り向いて 息を吸って。

 旧い礼拝堂を 後にしたんだ。







  
 
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