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8の扉 デヴァイ 再々

曇りなき 眼 3

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暫く 。

緩々 フワフワ  でもちょっと猫臭い
 灰色の慣れ親しんだ中毛に 埋もれて いた。

 スーハー スーハーと 息を吸い
 「自分の場所」を確かめて
 始めから変わっていない部分と 更新
 変化 変容した部分をぐるりと展開してゆく。

「ふむ 。」

そうしてゆっくりと、自分の中でもカケラの位置を 確かめて。


  私の  勘違い

   立ち位置   高さ

       見る 場所    


    今  それは 「高い位置」

  何をも 見渡せる 「上空」「空」

  あの 「光の女神」が 宇宙そらから、見る 

 その 思い切り 「高い 外側からの視点」

 他の何をも意識せず 自由に 自分を

    拡大してゆける 空間 。


私が「そう想像」すると。

 光の冠が シュッと伸びて
  高く細くなり  なんだか 「可愛らしかった姿」が。

 瞬時に「高貴な」「美しい光」に 変化したのが わかる。


「 むむむ?」

そのまま、光の女神は大人の光を撒き散らしながら 青の周りを軽快に周り始めて。

 あ  なんか  光が。

   増えて きた。


   青   
         黄    
              赤 

    
     緑    
         橙
              白


白金の光を溢しながら先頭を歩く、光の女神わたしの背後をキラキラと 楽しそうに付いて歩く、光達が 現れたのだ。


 なんだ ろう か   あれは

   わからない  見えない   まだ

 
   動物?   いや

  光なのは  わかるんだけど  なんか

  とりあえず 「楽しそう」しか わかんない。


なにしろとりあえず、「楽しそう」なら いい。


ずっと じっと それを見ながら沁み込ませてゆく
 「新しい形態」「光の女神」「繋がる光」と
 「私の位置」。


   ああ でも  そうなんだ。


それがスッと 馴染んできて、やはり自分が今までズレていたのがわかる。

 そう それに。

 「何をも気にせず 自由に拡大できる」こと
 それが思ったよりも どうやら自分には重要で。

多分 私の「細かさセンサー」が にいないと 駄目なんだ。


そう感じると、それしかないと思えてきて
伸び伸びと回転しながらも優雅にシャナリと巡る 光の女神の背筋がシャンとしたのが、わかる。

 
   そうか それに
           ズレていたから。


ずっとずっと、自分は「世界」を離したつもりで
憂いていて。

悲しんだり 勝手に憤ってみたり 静かに怒ってみたり 判断したり 嫌ってみたり
離れたくなったり していて。


「ああ か。」

イストリアが言っていた、「私の嫌々の原因」
それが知れる。

 結局 やっぱり 自分の所為。

 合ってる様で 合っていなかったセンタリングポイント
 そもそも「ズレるというより違っていた」
 立ち位置問題
 遠くから見ると同じ場所に見えた その場は
 別の角度から見ると。

 「明らかに 違う場所」


「 えっ やっぱ 恥ずかしいかも 。」


再びキラキラと フワフワと回り始めた 光の私
それは中央のを丹念に確認しながら。

 まだ ズレているところは ないか
 気になる部分は ないか。

私の得意で特異な「細かさセンサー」を 感度MAXにして くるくると確認している。

それを見ながら自分の「新しい位置」を繰り返し馴染ませる この私。
沢山の視点が動員されて、あるべき場所に嵌り始めた 「私の全体像」。

それはまだまだ 完成には遠いのだろうけど。


 でも 私はもう 「光の女神」
 そう「振舞う」。

 そこを決めたから それはそれで いいんだ。


また 再び「ガチン」と。

 しっかりとその位置へ嵌った 私
 意識して思い浮かべる光の冠 杖を振り
 星に灯を点す 自分。


なんだか、微妙に自信が無かった自分が
ここに来てまたガッチリと固ってきたのが わかる。

きっと「光の奉仕」と みんなが言ってくれて。

自分もそれに 気付いたからで
いつでも従ってきた 心の声
自分の直感 インスピレーションと そこからの行動。

そこから導き出された 「行動の結果」
「みんなから見た 女神」。

結局「全ての扉の中の私」が またここに来て 集まってきて。


「えっ? 光の網 って。こっち現実にも、あるって ことだ ?」

「んん? なによ、今更。」

半分寝言の朝、それは無意識の答えなのだろうけど
私に確信を齎すには 充分な 仕事をしていて。


 えっ   やっぱり ?

  結局  想像 からの  創造

   行動  からの 具現化  ?


自分の「頭の中想像力」だけじゃ なくて。

結局 やっぱり どうしたって 何処にいたって
譲れなかった「自分の信念」「自分の道」が。

 ここに来て ホントの 本当 「現実」にも

 影響 し始めているということ

 「私のせかい」だけじゃ なくて。


 「世界現実」にも 光は

    具現化 されてきている

  その 証明の 今の自分 。


「えっ。 やっぱり  て か。」

 って  こと だよね?


フワリ、くるくると回るカケラ達の中
ボーッとする頭 時が止まった様な 瞬間。

 腕の中の温もりを"感じる"
そう意識をして自分を、現実に 戻して。

「 いや うん だって。頑張ってきたもん。私。」

 無意識に自分を励ます 私の中の 私


「えっ。ホントに?本当  だよね?」

とうとうやっと、ここまで 来て。

一瞬 フワリと出てくる「古い私」
しかし、という、自負を得た私に もうそれは効かないのだ。

きちんと自分の胸に、改めて訊いてみても「いやいや」「まだまだ」とは、流石にもう聴こえてこなくて。

更にぐるりと きちんと「細かさセンサー」で
自分の中を浚ってみるけれど
いや、しかし。

 ここでほじくり返しても、意味が無いんだ。


ある意味 どこまでも能天気な私が
「大丈夫 大丈夫」「もう いいや」と気軽に。
何故だか思えなくて、最後まで離せなかった「古い私」と「世界」、今も自信があるかと訊かれれば
 「100%新しい私か」と 言われれば。

 もしかしたら チラリと出てくる事は あるだろう。


でも。

けれども。

「えっ、多分。のは、わかる。」

それが 何故かは わからないけど。


「  いや、なにしろ それならそれで いい。いや、それが、いいんだ。」


そう、それだけは わかってるんだ。


静かなバーガンディー
 沈黙のハーブ達  
 気配は分かる、道具達の息遣い
 変わらぬ青い空と 躍動する彫刻の蔦草。

それをゆっくりと瞬きして、「意識して」改めて 目に映す。


そう 世界はいつだって 私の為に美しく存在し
心地の良い 色 香り 
好みの調度と道具は揃って待っていて
 それに囲まれ存在できる「今の私」があって
 それは「好きなものに囲まれる私」を創った 「その時の私」が あるからで。

再び目を閉じ、「全ての」の真ん中にある 「今の私」を思い浮かべる。


 忘れてはならない 自分の行く道
 集大成の 私
 「本当のこと」を探している自分
 「本当に大切なもの」
 「見えないなにか」
 「言葉にできない なにか」。

 それって 。

 実は おなじ か  かなり 近いの かも ?


くるくると 再び回り始めた「想像の光」と「カケラ」

 「私だけの 回路」 「おかしな導き」

   「特異な 道」。


「 ふむ。なにしろ、また とりあえず。自由に 舞わせておくのみ、よ。」


そうして 静かに寝息を立てている、腕の中の温もりを確かめながら。

ずっとじっと、自分の中の「高くなった新しい位置」を。

馴染ませる様、確かめていたので ある。



 





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