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8の扉 デヴァイ 再々
それから
しおりを挟む「 う~ん ?」
あれは なんだったの だろう な ?
起きると私の頭の中には「精霊の国」と あったから。
きっと そうなんだろう
そう思う事に した。
なにしろ私に 不都合は無い。
「♫ 夢の中からの 招待状? それってなんか 素敵。」
夢としては楽しかったし、あの色が少し怒っていたけれど 私がこうしてきちんと帰って来ているから。
問題は無い筈なのだ、きっと。
「さて ?」
今日は、みんなに会う日だ。
スタスタと廊下を歩きながら、神域から移動する途中
この短い間にも、洗練された変化が見て取れる 青の廊下。
あれから特に「なにが」あった、訳じゃないけど。
私は自分の中が案外 すっきりと晴れ渡っているのに気が付いていた。
「なんでなんだろうな 。」
「理由」は ないのかも知れない。
でも きっと 夢を見たり
不思議に 触れたり
「まじない」「魔法」
「空気を 粒子を錬る 感覚」
「せかいを 把握する 感覚」
それが 研ぎ澄まされてきて。
「うん。 」
なんだか、自分の中身がまた 更新され
「より 繊細に」「身体の隅々までの 知覚」
「内側」「なかみ」「粒子」「細胞」
「私の中にも 宇宙」。
それが わかる様に なって きて。
以前は「感覚」「勘」だけで、使っていた まじない
それは「イメージのみ」の、真っ白なキャンバスに絵を描く様な感じだった。
でも 今は。
「せかい」という 大きな「場」
その中を踊る 粒子をグワリと掴み
共に踊り 舞い 遊んで
仲良くして 知り わかり
「粒子」が
いつでも共にあること を 知って。
「それと共に 創造する」
「共同創造」
「同じ 目的」「意思」
「意図」 「道」
そこが共に添い 合って いれば。
「成る、んだよね 。多分。」
夢の感覚に従って、私が合間に作成したのは小さなネックレスだ。
小さく呟きながらもそっと 手に取る胸に掛かる光
夢の中では大きなパールに手の込んだ装飾だった、それ。
しかし今の私がそれを模倣するには時間が足りなかった。
焦る事は ないのだけれど
なんとなくお茶会に 間に合わせたかったから。
今回は、一粒の星が入った小さなネックレスにしたのだ。
なんとなくだけど。
「ハキみたい、だよね 。」
あの 自己発光する 白い石
己の光がどこまでも純粋であれる 自分を映す 鏡。
石達は自分が「何の石」かは知っていたけれど、それぞれ私が思うイメージというものも、ある。
ハキは なんだか ダイヤモンドに 近くて。
キラキラと光る 美しく鋭い 光
私を真っ直ぐに射る白い光は
「自分の内面を映す 鏡」それそのものに 見える。
なんとなく、「外に出ること」に対してのお守りが欲しかったのだろう。
そう これが あれば
私はいつでも。
「自分の光」が 曇っていないか
ズレて ブレて いないか。
確かめられる、と そういう訳なのである。
「フフ、綺麗。」
自分でもその 出来が気に入っていて、とりあえずはずっと着けている事にした。
なんか あの色が なにか言いた気な目で
見てたけど まあ これは。
「 。」
そう 勿論 「私の色」と「あの色」が
混じった いろ なのである。
「 。うん、だから まあ うん。」
曲がりなりにもここまで 来て。
あの人は他の物を身に付けると思っているのだろうか。
いや ないな
ただ 揶揄いたかった だけ か ??
「 ふぅ。」
くるくるとピンクのカケラが舞い始めて、大きく深呼吸し
自分の中身を冷ます。
そう なんだっけ ?
ああ 「夢の話」よ そう
きっと あれも。
「啓示」の 一種の 筈 。
この頃降りてくる 沢山のこと
インスピレーション 夢
自分の中からの 声。
これまで複数展開すると、疲れていた頭が どうやら「魔法」に少しずつ慣れてきていて
慣らされていて。
「多分、なんか。また一段 上がって?拡がった、気がするんだよね 。」
きっとそれは気の所為じゃないだろう。
複数展開する せかい
同時に広く見る 視点
全ての私の特性を 最大限生かし
進んでゆく 「私の 道」。
同じ所をぐるぐる 回っている様でいて
しっかりと働いている「細かさセンサー」が
仕事をして。
僅かなズレをも 修正してゆく
そんな自分の 習性。
「ややこしいんだな、これが。分かり難い、面倒くさい。だけど それが。」
そう 「私」なのだ。
でも もう「細かさセンサー」のお陰で ここまで来れた事も知っているし
そのまた、自分の中で絡み合っていた「複雑さ」が自分なりに整理 されて。
カケラがまた、あるべき所に嵌り
キラキラと本来の輝きを以てして
私に新しいなにかを知らせようとしているに、違いないのだ。
"いつだって 自分をグリップしろ
自分自身が 魔法の杖だ "
それに、起きてから頭を回る この言葉
無限に融けた ナガ
今はいない 私の杖。
それはきっと、このメッセージを伴い夢の中へとやって来て
私をまた未知の空間へ 無限が満ちる、場へと。
不思議の空間から、潜在意識の世界へと誘う招待状なのであろう。
もっと 「夢」へ
「不思議」へ
「未知」へ 「無限」へ
私達の 世界に遍く 存在している
その「見えない せかい」 へ。
「ふむ。それならば。 やはり、ふむ。」
改めて 目に映すは キラキラと光る調度品達
昨日と違う 色、景色
また一層クリアになった 色。
こうなってみると やはり。
ゆっくりと頷き、一人納得の腕組みをする。
きっと昨日までの私は、迷宮の出口を抜ける所だったのだろう。
長い 長い 自分の迷宮
その「意味」「存在」「どうしてなのか」
それが わかってきて。
なんか そう
「見える様になった」というか
「見方が わかる様になった」のか
「解釈の仕方」が 上がったのか。
なにしろ「知っていること」が 変わった訳じゃあ、ないんだ。
だからきっと。
「応用の 手段が増えた」「上手く使えるようになった」そんな 感じで。
「 ふーむ?」
私が勝手に自分の中で決めていた「こうである」ということ
「枠」「制限」「自分に課していた 縛り」
それが外れて、解かれ洗われ 再び織り直されて。
きっとまた、新しいかたちが出来上がり あるべき場所に装備されたのだ。
だから これからは
再びの 「新しい私」で始める 新しい道
誘いに乗り 外へ出て
「新しい目」で 全てを見ること
より クリアに 高く 。
視点を保つ こと。
視界いっぱいに青を映しながら、キラキラくるくると 展開してゆく明度の上がったカケラ達
その自由な姿を眺め 微笑む。
更に 緻密で しかし広大
変幻自在の空間に張り巡らされる 繊細な糸
「光の道」 「地球」「からだ」
「張り巡らされる」 「血管」
「地脈」 「シナプス」 「跳ぶ」
「反応」 「繋がり」
「ミクロから マクロへ」
「ぜんぶは まるっと マトリョーシカ」。
「本当に。 不思議だよね 。」
新しい 想像を展開しながら
フラフラと迷い込む 青のホール
その中を彷徨いながらも、じっくりと。
また 更新された自分の「なかみ」を確かめる様に
ぐるりと 浚っていたんだ。
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