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8の扉 デヴァイ 再々
精霊の国
しおりを挟む精霊の国
自然と共に 精霊が住む 現代文明のない ところ
緑と森 土 整えられた土壁の世界
見えないけれど 遠くにあるのがわかる木々
隔てられた空間 優しい土色
ありとあらゆる自然が共存し 助け合い
循環している
きちんとその法則が成り立っている 場所。
ふぅん 面白い
でも なんで ああ そうか
こうなって ふむ
へえ 楽しいね
こんなのも あるんだ 結構便利
ふーん 成る程
殆ど困る事なく 生活は出来るんだ
いやなかなか こっちの方が 自然
空気もいい うん
場所も綺麗 広いね
村? 国 なのかな
この土が編まれた紋様の壁 これだけでも凄いな?
「これもそうだよ 」
「そうなの? へえ、凄いね?快適。」
「いいでしょう ここに住みなよ」
「うん、いいね。」
へえ あっちもある
こっちも 綺麗
不思議 快適 なんだろう
優しい 色の 茶と 緑
煉瓦色の国 全てが共存している世界。
もし
ここで 暮らしていくとしたら。
どんな風な 生活が 待っているのだろうか。
「こんなのもある」
「へえ、なら 大丈夫かも。結構進んでるんだね。ていうか上手く取り入れてるのか 。」
みんなが見せてくれたのは 小型の発電機
蓄電ができるもので
勿論発電元は 自然からのエネルギーだ。
「お前達、どういうつもりだ?!」
しかし、そこへ急に彼がやって来て 。
しかも怒って、いる。
何故だか私は既に抱えられていて
小さな人達が言い訳なのか なんなのか。
彼とやり取りしているのを 聞いていた。
「そんなつもりはないよ」
「彼女も ここがいいって」
「快適だよ」「そうそう」
「自由だし」「そう 行き来できる」
「合ってるよ」
「そんな事を言っているのではない。お前達、帰さぬつもりだっただろう。」
「そんなことないよ」「そうそう」
「きちんと返すつもりだった」
「そうだよ」「それに」
「こっちが気に入るかも」
「そうだよ」「彼女の意思」
「ね」
「チッ、話にならぬな。帰るぞ。」
「う、うん。」
珍しく感情を露わにしているこの人を見て、大人しく頷き腕の中縮こまる。
小さな人達が嘘をついているとは思えなかったけれど、私がいるべき場所はここなのだ。
「じゃあ。」
「うん」「また」「来てね」
「またね 」「いつでも 」
「行くぞ。」
「うん。」
そうしてフワリと飛び立ち、その抱えられている腕から彼の思いが知れる。
どうやら、あそこは「見えぬもの達の国」で。
私はそこに、いつの間にか入り込み
遊び、見、楽しんでいた様である。
「お前がどれだけ馴染むのか、試していたのだ。あれらは。」
そうなんだ ?
「自分達の元へ居た方が、都合が良いだろうからな。」
都合が 良い?
「ふん。」
その、意味は分からなかったけれど。
彼等にある意味 悪気は無くて
本当に「私が居た方が 都合が良い」だけで
「利用」でもなく
「搾取」でも なくて。
それは違う視点から 言えばきっと
「私の為」にも なりそうなこと
彼等が そう思っていたのが わかる。
この人はそれも、解っていて。
どうしてそんなに 怒っているのだろうか。
じっと、私を見つめる金の瞳から それが伝わってきた。
ああ 成る程 そうか
そう ね。
「 ありがとう。」
「 」
無言で更に飛んだ彼の腕を ギュッと握り
「ここが私の場所」だと。
そう、改めて確認して そのまま眠りに ついたんだ。
「ん? あ あれ?」
ゆめ か ?
しかし、余りにも鮮明な夢
起こっていた出来事 彼の感情のいろ
私の中にある 「これは本当」の なかみ。
きっと あれは。
夢の中、私が何処かの「見えない世界」へ入り込んで
彼が迎えに来なければ取り込まれる所だったのだろう。
ふむ。
危険は無い と 思うけれど。
しかし、彼が私を迎えに来た理由が
「私が 私の道を自分で決め 歩む為」
そこだったのがわかり、「ああ 成る程な」と納得する。
彼はきっと 私が「自分で冒険」「知る」「探求」する事を、邪魔するやり方が 許せなかったのだ。
「なにそれ。 惚れる。いや、惚れてるんだけど。」
ポツリと呟き、そのまま「見られていないか」と
頬に両手を当てたまま キョロキョロと辺りを見回す。
うん 大丈夫
安定の 宇宙空間 よ。
多分 まだきっと 時間的には早い。
それならもう少し休もうかと、ポンとマシュマロに転がって
あの土色の国 乾いているが快適に湿っている風を反芻しながら心に 思う。
また 行くからね
今度は 「自分で」。
きっと今回は 私が「見えないもの」「見えないもの達」と ずっと思っているから。
引き寄せられて、招待されてしまったのだろう。
それでも良かったのだけれど きっとあの人の反応からしてあまり上手くはないのだ。
そう きっと 「私の最善」じゃ ない道
もっと「ちゃんと 私の道」が
あるんだ。
なにしろとりあえず「楽しかった」、それは間違い ない。
「ありがとう。見せて くれて。」
それだけ、自分の中に 呟いて。
そっと紫紺を目に 映し頷いてから
再び 目を閉じたんだ。
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