透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再々

新しい神域

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 規則正しいリズムと 安心の温かさ

 沁み込む金色の粒子と ほんのりピンクに染まる ハート。

このまま馴染んで融けてしまいたい衝動に駆られない様
ゆっくりと視線を滑らせて ゆく。

  私達を囲む心地良いいろ 青の廊下

  窓の無かった景色の中に ポッカリと浮いている

   新しい 青。


 えっ なんか 。

 窓 出来てますけど ?

  それにこの廊下。

 こんなに 広かった?  長 かった ??


金色の腕の中で揺られながら、神域へ移動する道中。

私は思ったよりもここフェアバンクスの空間が進化している事に気が付いて、なんだかウキウキ してきていた。


 だって この人がいきなり抱えるから。

なにか、「私の色が翳る」様な事が あるのかと思って。

 そう まだ 誰にも会ってない し。

そう自分が身構えていた事にも気付き、その澱をフッと吐き出し自分の中の空気を入れ替え 懐かしくも美しい、青を取り込み「なかみ」をすっきりと浄め支度をする。

 そう

 なんだか きっと 新しい神域は。

「新しい私で」。

そう、私の中の光達が言っているのが わかったからだ。


「さて。」

その、私の「なかみ」を知ってか知らずか
廊下の真ん中で私を下ろした金色はそのまま私の背後に立ち、どうやら見守る体である。

とりあえずはここからは「自分で開けろ」と いう事か。

 確かに。

 「私の 場」なのだから あの人が
  開くとなんか。

 違う 場所 いや  金ピカだったりしたら

  どうしよう か。


「フフフ」

シャットのあの「金ピカ部屋」を思い出したのは内緒だ。

 でも 気付いてるとは 思うけど。
 うん。

なにしろとりあえず、「その 場所」は
 何処なのか
 
以前と違う「神域への入り口」を探るべく、ゆっくりと歩を進め その不思議の感触を探って いく。


 ふむ。

  なんだ  どう だ   あるのか

  ないのか  どう 変わって るのか。


目を瞑り、ソロリと歩き出した足
勿論目の前は真っ暗だし、なにも見えは しない。


   しな い  ん    だけど ?



 うん?


「私の新しい神域は どこか」、それを想像して 少し。

 ん?   あれれ

目の前が滑り空間がズレたのが わかる。

 え  でも 暗い

  いや  あっち  ん?


 えっ  「滝」?


どうやら前方に現れたのは そう大きくない滝で。

しかし横幅は広く、その横には人が いや 光が。
 いや なにか  「人ではないもの」が。

 立っているのは わかる。


とりあえず、歩いている意識はないものの
私は自然とそこに近づき滝を目の前にして。

 「あ あれ だ」

そう、気付きながらもその滝と 「人型の光」を目の前にして 立ち止まって いたんだ。




 えーー

 あれ。  なんか  そうか。

  だから 成る程  うん。

   そう ね。


とりあえず、私の直感的に 言えば。

この滝を潜れば、私の場に行けるのは間違い ない。

そうしてそこに門番の様に立っているのは
「隠者の姿」をした わたし

それもいつも、自分がイメージしているランプを持っているフードを被った姿で。

 
 そう でも 「なかみ」は 「光の女神」

 なんでかフードは 脱げてる
  でも これまで以前は 隠者だった 筈

 ん? でも 「光の奉仕」で 変化 して?

   なかみ が「光の女神」に?

   変わった のかな  しかし あの

 ランプの中身は 「あれ」だな ??


繁々と、「どこかの」であろう自分の姿を観察して感心する。

その、「新しい私」を 見ていると。

なんだか「その理由」が 解ってくるからで ある。


 成る程 確かに これまでは 隠れてたし
 そもそも 一人が好き だし
 灰色ローブは 懐かしのアレかな
 それで 確かに私のキーワード
 「光」っぽい なんだあれ 帽子?
 いや
 あの「後光的な」光なのか あれは

  めっさ 「冠」っぽくない?
  でもまあ 「女神」なら アリなのか
  しかし灰色との落差が凄いな
 あれもまた 進化すれば めっちゃ「光る」

    のか   な   ??


そう 私が「思った」 瞬間。


「 ぇ っ」

目の前をブワリと一瞬、眩い光が遮って。


「えっ?! あ、 あれれ??」

そう、私が光の女神はその全貌を現し 眩いばかりに 光っていたし。

私は いつの間にか。

「え。 てか、こっちも宇宙 じゃん。」

滝の反対側に居て、何処かに消えた水の流れを探しながら。

その、薄れてゆく「光の女神」を しっかりと目に焼き付けて いたんだ。





「あ、良かった。来れたんだ。」

「お前の場所なら、何処でも。」

暫くボーッとしていた私の腰に、温かい手が触れる。

いつの間にか背後にいた、金色の腕を取りながらも「あれは なんだったのか」それを考えていた。


「ふーむ?」

いや?しかし。

 「あれ光の女神」は いつかの
 
  どこかの  自分なのは わかる。

 多分 きっと  

  「真ん中の私」に光を送ってくれている
  「どこかのわたし」なのは わかるんだ。


「て、ことは。未来 ?てか、時間の概念が  うむ?」

すべてをまるっと、「瞬間」「点」「同時」
それを意識し出してから、あまり時間という概念が私の中で意味を成さなくなってきた。

「え でも。 なん で なんだろうか。」


  私  女神   ひかり   ふむ?


すると、いきなり背後の彼がこう言った。

「それはお前が創っているのだから。であろう。」

その、「さも当然」の様に 言う 「本当のいろ」に。

 
  えっ   でも。   いや


   


頭では 理解していないけど。

 私の「真ん中」は 「そうに決まってる」

 「だから そうだって 知ってる」じゃん

そう 言っていて。



「   ふ  む?」

「あまり、考えるな。また自然に任せていれば良い。」

「うん まあ  そう だね?」

そう言って。

くるりと回された私はとりあえず
金色の濁流の中に。

 飲み込まれて  行ったので ある  。













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