透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

昨日の私と 今日の私 2

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そう 生きていれば 誰だって。

 私にだって。

 嫌なこと とか  なんで とか

 「えっ」て思うこととかは あるんだ。


でも、そんな時に。

 「ん?これ いつものパターンだな?」って
 気付いたら。

 
 それは 「更新」の メッセージ
 「超えるべき」「超えられる」から 来た山で。

それに「超えないと いつまでもついてくるもの」でも あるんだ。


だから そう 思ったら。


「そう、それ即ち「超えられる山を超えずして なんとする」。」

お茶を淹れながら そう一人呟く
日当たりの良いダイニング
 差し込む光は 大分強くなってきて。

 ふむ? 意外と 時間経ってる かも

そうも思うけれど なにしろ今の私は 時間に縛られてはいない。


「えーと  だから~、この「繰り返しパターン」を超える為に?なにを? どう ? する??んだ 」

 っ けな ??


とりあえず、蒸らし時間に集中する。

「超えるべき山」に囚われて 私の 貴重な
ルシアさんに貰った 茶葉が渋くなるのは頂けないのだよ うむ。

「よし。オッケー」

茶葉を取り出し、そのままカップへ熱いうちに 一杯目を注ぐ。

「 うーん。良い香り。」

胸いっぱいにスッキリとした香りを 吸い込んで。

「ふむ。」

 満たされ る   

    けど。

そう、「けど」が付いた スッキリしない感
それは勿論あの件が 片付いていない から。


「ふむ。」

揺ら揺らと ゆらすカップの縁 ギリギリに
溢れそうで 溢れない  紅い ライン

  少しだけ 酸味のある 香りと
 ほんのり甘い ハーブティーは 断然私の味方の 味。


 「見た目じゃ ない」

 そう ある意味「現実」は 私の敵ではない

 のは 私の「なか」だけ


 「存在 」「どう あるか」「状態」
 常日頃 気を付けている筈の それだけが。


「 ふむ? ズレた、のか。」

この前 夢で見た 私の「センタリングポイント」
それが ズレたんだ?

 なんか それは。 わかる。

「ふむ。」

 じゃあ なに? 「真ん中」に 戻れば。

 わかる、って こと だよね ???


なにしろとりあえず「無限の私」へ戻る為に、ゆっくりとお茶を口に運び
その甘酸っぱい刺激に「う~ん」と唸る。

「ちょっと、なんか。食べよ。」

棚から昨日、朝が持って来てくれたパンも出す。

「ジャーン。ジャムもあります。」

勿論これはルシアからもらったものだ。

 あそこはハーブの店だから やっぱりジャムも
 秀逸。 うーん 値段聞いてないけど
 絶対 高そう 。

甘いものは、少しだけ ちょっぴり塗って
食べるのが美味い。


「   ふーむ。」

 てかさ。

 「真ん中」って  なに だっけ

          どこ だっけ


「 ぅん?」

 とりあえず 「センタリングポイント」踏んで。

 ぐるりと 自分の「なか」に いつもの光景を展開する。


   「光の管の 私」  「足元には地球」

 「その周りを まわる月」 

「キラリと流れ星の様に 靡く尻尾は ウン」

 あ。 ウンだ。

初めに更新してから姿を見せていなかったウンが、月と共に私の周りを周り始めたのが、わかる。

月の様に 規則的な軌道ではないけれど
 シュルリとしたオーロラ色の尾を靡かせ
  美しく光を撒き散らしている ウン

 
 「ああ 来てくれたんだ」その光景が
 なんとも言えなくて。

ジワリ 感じる胸

 その 中にはクリスタルハート
  「私の色」が全色入った 色鮮やか とりどりの ハート 。


そうして 一つ 深呼吸して。

 その「焦点」を定めて「見る」、事にしたんだ。




 「外に出ること」「薬を創ること」
 「デヴァイへ帰ること」

 「嫌なエネルギーを感じたくないこと」

 「外は嫌」「世界は汚れている」
 「嫌な目に遭う」「疲れる」「重い」

 「私は無限」「侵さない 侵されない」
 「なんでもできる」「自由」「無いなら創る」
 

「ふむ。」

事柄はそれぞれ、違うがどれも「間違い」では ない。

それを「両立」「ぜんぶ」「可能」にする 術


 私は それを。「持っている」んだ。

  それだけは わかる。



「ふーむ?」

 なにが。 問題 なんだろうか。

 てか 「問題」なんて ある の ??


そもそも「私はいつでも私」、そうじゃないから「嫌」が、ある。

「ふむ?」

だから 「場所」が 「移動するから」嫌なんじゃなくて
「私が 私からズレるのが」気持ち悪いんだ。

「で?」

私が私から ズレない為に どう するか。

 それか?

 
一つ一つ、慎重にピースをずらして いく。


「  あーーー。」

 成る程。

 私は 「世界を赦した」だったけど。

 「世界に出ると 嫌な思いをする」それは
 私の思い込みだ。

だって。

「世界」には 素晴らしい場所もいっぱいあるし、良い人だって いる。

「そこは嫌な場所」「嫌な思いをする」それは私に沁み付いている、澱だ。


「ふむ。まず、その偏見を 外す、と。」

   「世界」は 何もしていない
  ただ 「そうある」だけ
   それ即ち 「私と同じ」

 「両立」「両方」「あるがままを 赦す」。


だから、ある意味。

嫌なエネルギー、嫌な人、そんなものを見ても「それはそうあるだけ」「そうある権利がある」、そういうこと

「ただ 今 なだけ」ということ

 そのエネルギーは これから 変化するかも知れないし
 しないかも知れないけれど それもまた「自由」だということ

 「すべては ありのまま」「あるがまま」に。


 「私が それを そう観照するだけ」ということ。



「 ふむ?」

鈍く光っていたカケラ達が、キラキラと明度を上げ始めた。

  「わたし」 「ぜんぶ」 「みんな」


   「あるがまま」   「自由」

  「今 それを選択しているだけ」

      「いつでも 変化できる」


  「学び」     「世界は 盤」

    「みんなが 道の途中」。


 だから 何色を 見たって どんなエネルギーを
 感じたって それはそれ 
 「ただ そうある」と 「認めること」

 それ即ち 「私も自由」「みんなも自由」

 そういうこと。


私が勝手に「受ける」と思っていた 澱は。

 私が手を離せていないから 出てきたもの

 エネルギーゲームを赦せていないから。
 出てきた、ものなんだ。



「      なるほど、ね。」


キラキラと目の前に通り過ぎる埃のカケラ
 この家は木でできているから隙間風も 吹くんだ。

 あの色が いつもいるから そう寒くはない

逆に「風が通る」、この家を私は気に入っているのだ。

いつでも新鮮な空気、それはとても大切だ。

それは 森に来て実感している 教訓の様な もの
 いつでも「新しい風」を取り入れて 変わってゆくと いうこと。


「ふーーーむ。」

多分。
これで「原理」は わかった 
あとは実際。

「やってみる、って。 事だよね 。」

 えっ  誰かに 会う?

「嫌だ」という気も浮いてくるが、本部長、イストリア、フリジアならば練習にはならないだろう。


「えっ   えーーー」

 なんか これ。

 あの人本部長に 言ったら
 嬉々として ブラッドとか。

 連れて来そう だよね?

  いやいや 待て待て。

くるくると脳内で 妄想が回り始める。


   えっ ラガシュ  じゃ 練習にならないな

  コーネルピンさんもダメ 

   ユークレース ?もダメ

 メルリナイトも メディナも パミールとガリアも 
  ダメだし ?

 いや みんなには 会いたいけど 
 でも  えっ
   どう なんだろうか 
  
 外見とか?  いや   それは今更か。


くるくると回るみんなの顔 
その中で
 私が会いたい、と思う人は 
 やはり そう 
 「エネルギーを感じるけど 流す」練習には。
 ならないので ある。



「   まあ、でも???」

とりあえず、なる様に なる か。


なんだか あの人の事だから。

 結局一番 私が「うっ」て思うところ 持って来そうな かんじ するよね???


まあ、余りにもあんまりだったら。
きっとイストリアが止めてくれるだろう。

 うん 多分。


「 さて? どこ、行ったのかな?」

とりあえず、私の中での整理はついた。

 ぶっちゃけ 実際 どう なるのかは
 わからないけど。


いやしかし。

「成せばなる、のよ。  多分。」

「なにが多分、なのだ?」

「あっ ごめん。  あのね ?」

丁度良い タイミングなのか 
 知っていたのか 見て、いたのか。


なにしろ絶妙なタイミングで、帰って来た金色の腕を 取って。

とりあえずは自分の「なかみ」を 伝える事にしたのである。





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