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5の扉 再びのラピス 森へ
取ってしまう 「調和」
しおりを挟む大きく、息を吸い 「新しい空気」を意識して
自分の中へ沁み込ませる。
「うん。」
ここのところ
「なかみ」「そとみ」「こころ」と「からだ」
その「両方の純化」を意識していた私は。
「なんか。 あの、香り水の アレみたいだな?」
自分の身体の変化をそんな風に 感じていた。
「より 純粋なもの」
「より 本来の姿に 近いもの」
「それ」を取り込めば 私も「本来の姿」に 近づく
それが本能的に わかっていたから。
自分の 「なか」にある
「あの色」「より 高い色」「金色」と
「取り込む色」を比較し 確かめながら沁み込ませてゆく。
「むむむ。」
そして、共に出てきそうになる「ピンク」を意識しない様 ポンポンと「なか」から飛ばす様に、フルフルと頭を振って。
そうしていつの間にか、早足で歩いていた。
みどり の 中
流れる 沢山の いろ かぜ
匂い ひかり
より 「心地良い方へ」自然と向かってゆく
私の 足 。
その 「いろ」を意識して取り込む様になって 暫く。
基本的に調和の取れている 心地良い森の中の生活
その他、日々特別に「敢えて」している工夫は 無い。
時折 「もっと 瑞々しく」とか
「もっと 土の匂い」とか。
そんな「自分 リクエスト」があった時は、移動するけれど
基本的にはその場その場の「一番新鮮な 空気」を吸って。
その 中の 「匂い」「気配」 「機嫌」
「いろ」「温度」 「湿度」 「記憶」。
そんなものを楽しみながら、散歩をするのが楽しいのである。
そう 「森の記憶」
それは やはり深く 広く
どこまでも雄大に広がる「景色」の様でもあって 。
しかし 私の「なか」にも 似ている それ
そう
それはあの 「いつかの私」も 見た
「なんていうか。そう、「とんでもなく 青い」のよ。うん。」
そうして胸に手を当て、その「暖かさ」と歩きながら
この頃の「胸の内」を 想像してみる。
そう 実は
私の中に ある
「胸の真ん中」それは まあ 「心臓」なんだろうけど。
それが。
「そう、なんか。 違う、のよ。うん 。」
なんて言っていいのか、わからないけど。
ある時、
きっと「在るだけ」と意識してからだとは思うけれど
私の「なか」で変化し始めた それ
いつもは、みんなが「祝福」してくれると
「グッとくる」心臓 ハート 私の「真ん中」。
それが どうやら。
「なんだろう?「ガラスのハート」?いや、ガラスじゃない クリスタル??なにしろ「透明」で、「純粋」で、「何色をも 含む」。」
そう そうなの
あの 「ヨークの まじないの瓶」みたいな。
つるり キラリと した。
きっとそれは 「ひかりの ハート」。
「ふむ。」
胸に手を当て、「それ」を感じて みる。
所謂 「心臓の位置」にある それ
色は勿論透明で、中身が見えるハートは
私の想像する「心臓」の「かたち」をした 沢山の「私のカケラ」を内包した、美しいものである。
それが 息を吸うとキラキラと 中で舞って。
とんでもなく 綺麗。
吐いてる時は「普通」、多分「曇る」様な感じ
少し中身は見えなくなって
でもキラキラが くるくるしてるのは わかる。
でも 吸った時に。
「なんでなんだろう な?」
キラリと 光って艶めく 透明
その中をスノードームの様に舞い踊る
色とりどりの カケラ達。
その 色は 「私の中」のいろ
「肺」ではない 「心臓」の中が 煌めくという不思議
きっと
「呼吸」と「リズム」、全身の「巡り」が関係している それ。
多胞体が 散ってから。
その、カケラ達が自由に舞う あの宇宙空間を
「私の中に体現」している様な ハート。
「それ即ち、「私が宇宙」。なんちゃって。」
そうなんだ
あれから。
私の 新しい「場」
それは 「宇宙」「無限」「空」のせかい に なって。
これまでの「かたち」は そこへ霧散して
融け込んで いる。
ある時 ふと想像すると
いつの間にか、私の「雲間」「神域」それが変化して
この「空間そのもの」「無限の場」に変容していた「私の場」
そう きっとこの「場」が「それ」そのもの なのだ。
「成る程、きっと。」
この、広く「雄大」という言葉すら小さい、「無限」の中で
カケラ達は方々に散り、「新しいなにか」と「反応」して。
また 私に「気付き」を 「啓示」を 齎すのだろう。
「うーーーん。やばい。」
何がヤバいのか、意味不明だが
今日の私は久しぶりのあの人に会うべく、移動する途中だ。
そう ハーシェルから聞いて気になっていた、デヴァイの件、それに世界の諸々について話す為に本部長の所へ行くのである。
あの人に 任せておこうかと
思ったけど でも
なんか 「私のヒント」も
ありそうな 気が するから。
ある意味「関与はしない」けど
気になるものは 気になるのである。
だから「話だけ」を 聞きに
それにあの人は私の予想外の事、担当だ。
なんなら「新しいなにか」を 仕入れに。
ルンルンと向かう所なのである。
実際の所、金色に連れて行って貰おうかとも思ったが急に思い付いた「閃き」、それに家に戻るのが面倒だったのも ある。
そう ちょっと行って
帰ってくれば いいし。 うん。
そうして私は「物理的移動手段」、運石の元へ
歩いて行ったのである。
「跳ぶのは」、得意だ。
それに 私が向かうのは「フェアバンクスの空間」
「自分の色」に向かって跳べばいいのだから、移動はお茶の子さいさいだ。
「よっしゃ、完璧。」
目を開けると、青のホールに舞うみんなが歓迎してくれてるのが 分かって。
「うん、ありがとう。ありがとう 久しぶりだね うん。 なんか、すぐバレそうだな?」
そう、スピリット達の歓迎が 激しくなってきて
鳥達の羽音と囀り、イリスに似た小動物が肩を登り始め「あわわ」と焦りの声を 出した時。
「おや、おかえり?」
そう言ってホールへ顔を出したのは、ニコニコした薄茶の瞳であった。
「それはお前。「隠しやすい」からだろうな、コントロールを。」
「やっぱり。 そう、思います?」
「今更。」
やっぱり そうなんだ。
その 眼鏡の奥 茶の瞳はもう手に持った本を眺めているけれど。
「ふむ。」
何も言わずにニコニコしながらお茶を淹れてくれる
イストリアの 白衣を眺めながら。
うーん この人達 「おそろい」だな
仲良く うん 親子水入らずで うん
「良かったですね ?」
「フフ」
私の言葉の意味が、解ったのだろう。
「カチリ」とカップを置きながら微笑むイストリア
本部長は 知ってかしらずか
いや あれは気付いてるな
だが当然本から顔を上げる気配は ない。
そう 私が訊いたのは
「世界」が 別れている 理由
それを、きっと知っていそうなこの人に質問して 返ってきた 答えは。
やはり、想像通りのものだったのだ。
「君は「世界を繋ぐ」と、そういう存在なのだと。私達は始めからそう、思っていたから「そこ」はあまり不思議に思っていなかったけれど。ただ、「時が来た」と思っていたんだ。しかし確かに君は「外」から来て、しかしきっと「外」も扉の一つでは、ある。そして「本当は世界はひとつ」で、その証拠でもないけれど結局「共通事項」は多いんだ。」
「 はい。」
扉間では、運石が そうだし
ここでは「時の鉱山」も繋がっている。
あそこは 「時」も 跳ぶし
なんか やっぱり 「世界」は
「点在」「同時に存在」「両立」
「まるっと ひとつの なか」で。
「本当は、ひとつで。でも、結局「コントロール」?がバレたくないから、「別れてる」??てか、そのコントロールしてる人って誰なんですか?」
チラリと 一瞬だけ私を見た茶の瞳はしかし、「それはお前の方がよく 知っているだろう」という色を 含んでいて。
「 うん?」
えっ
なに? 「コントロールしてる 人」?
いや
「人」なのか 「なんなのか」
その、眼鏡の奥の 瞳の色が示す「こと」
それは 少し前 私が?
どこか 行った 見た 知った 事っぽい な? ?
「あ。」
そうか。
「人」って いうか
「黎みたいな もの」って こと ?????
「えっ、それって?みんなの「思い込み」?「念」??えっ
でもそれが いや うん そう なの か 。???」
「「それ」はきっと。その、時々や場所、色んな条件によって異なるのだろうね。「人」だったり「物」だったり「時代」や「力」、「石」、なにしろ沢山の物事が複雑に絡み合って。積もり積もって結局「今 そうなっている」、という事なんだろう。」
「なる ほど ?」
確かに。
はっきりした 限定できる
「原因」なんて きっと 無いんだ。
だって 「私達」は 「それがやりたくて」
「経験したくて」「遊びたくて」「やっている」
それは 事実
だから きっと。
「うーーーーん。自分達で仕掛けた、「壮大な魔法」?的なこと??」
「まあ、それに近いのかも知れないね。そしてその魔法を抜け出す為の「道」は一人一人、全てが違う、という事だ。」
「 確かに。 えっ、でも えーーーー。」
蹲り始めた私の頭上から、パンパンと手を叩く音が 聞こえる。
「はいはい、それはお前が悩む事じゃない。別に「原因探し」をしている訳じゃないだろう?ほら、さっさと帰って光ってろ。」
「えっ 酷くないですか??」
「ハハッ、久しぶりに元気な姿を見れて安心したんだろう。どれ、君の部屋でも見てから帰るかい?」
本部長を取り成す様に、そう言ってくれるイストリアに なんだか嬉しくなって。
茶器を片付け始めた白衣と一緒に、立ち上がる。
「あ、そうですね?魔女部屋も見たいかも。」
「さあさあ、じゃあ行こうか。」
「じゃあウイントフークさん、何か新しいこと分かったら教えて下さいね?」
「 」
えっ 無言。
しかし、ある意味それは想定内で ある。
とりあえず、預けてある「外のカケラ」が気にならないでもなかったが。
きっと 何かあれば あの人を通して
わかる はず うん。
えっ いや うん、まあ。
「どうした?」
「いや、なんでも、ないんです。行きましょう行きましょう。」
危うく「色を交換すれば」、なんて事を思い出したから。
ポッポと火照ってきた頬をペチペチと冷ましながら
先導する水色髪について行ったので あった。
「うん、完璧。」
運石の、横で目を開け 辺りを確認し一人頷く。
再びのラピス、慣れ親しんだ緑の香りにヒクヒクと鼻を動かしながら
確かめる様にカケラと同じ リズムで歩き始めた。
森の 緑 調和
流れている 空気
澱みの無い 循環 自然の サイクルと リズム。
その、いつもの風にスッと馴染むと
キラキラと 向こうで仕入れてきたカケラが舞い始める。
それは
私達が 「一緒」「同じ」 「ひとつ」になっていると
「起こること」 「心地良いから 自然と そうなる こと」
かつて「そうであった こと」も きっと あるということ
それに反して
別れている 分けた
「分離している」こと
「その」方が 「都合がいい」こと。
それって
「コントロールしやすくなること」
「濁りが増えること」「色んな純度が 混雑すること」
「上下が 生まれること」?
「うーーーん。なんなんだ、ろうか。」
「摩擦」を嫌う
「調和」を 好む
徹底的に 「平和」「輪」「和」を 尊ぶ
ある意味きっと
私達 「人間」には 元々備わっている 性質
「言葉」を持つこと
「コミュニケーションが取れる」こと
「相手のことを 思いやる」「想像する」
「考える」「悩むことが できる」
「力」以外の解決方法が あるということ。
それは 今は 少し廃れてしまっているかも
知れないけれど
ある意味 少しズレた「悪い方向」へ
作用しているかも 知れないけれど。
「それ」 は きっと私達の 特性なんだ。
この 「からだ」「細胞」に
染み付いている それ
「それが ? 必要 なの かな ?」
うん きっと
そう
でも。 「楽しげな 鮮か過ぎる色」が
人々を 誘い出し 誘惑して
「濁った色」へ 誘い込んで。
「ふむ?」
でも。
遊びたかった んだし ??
くるくると回り始めた 色んな色の カケラ
見知った懐かしい 「鮮かな 色」達が
私の周りを誘う様に 回る。
「あ 」
えっ
でも あれって
そういうこと ??
ずっと前に シンが言っていた
「私達 みんなが 「共通して 持つもの」
それは なにか 。」
「えっ、それって。この「調和」を?取っちゃうこと??「合わせてしまう」「合ってしまう」、ことなんじゃ ない ???」
より「高いもの」 「高いひかり」
「その方が 心地が良いこと」
あの時は そこまで意識してなかったけど。
「この世のものとは思えない程 美しい 光」
「どうしたって 抗えない 美しいもの」。
確かに あれは。
みんなが 「上を向ける様に」
「呼び水」の 役割
「空のコップに 水を入れる」様な。
「それ」を 知ってしまったら
「満たさずにはいられない」様な。
そんな 「光」だった 筈なんだ。
「ふむ?ふむむ??」
しかし。
「人間」は 「鮮か過ぎる色」も 好きなんだ
「どす黒い色」とか。
それに「惹かれる」、それも わかる。
「うーーーん。」
それっ て?
「ドラマ」を やる ため?
まあ そう なんだろう けど
でも 「悪者役」が いるって 事だよね???
考え過ぎない方がいい事は分かっているが、ヒントがすぐそこにあるのに分からない、そんな気がする帰り道
キラキラが 回る 私の頭上。
でも。
いつか エローラも言っていた
「わからないまま 進んでいい」ということ
私が 「わたしで」あり さえ すれば。
それは 自ずと 「わかる 時が来る」ということ。
「ふむ? ならば?とりあえず。」
帰り ますか 。
なんか 「今は まだ」いい答えが浮かんで来ない
それは なんか わかるから。
そう決めて、キラキラをフッと吹いて飛ばす。
灰色のポニーテールを思い浮かべて 楽しくなってきた森の帰り道
「エローラの威力」を感じながら
スキップし始めた私を咎める者は 勿論 誰もいない。
「 ♫ ♪」
そうして 自分の「なか」をくるりと切り替えて。
胸の 真ん中にある キラキラと回る
「私 いろ」のカケラを楽しみながら。
「ん? あれ? 意外と 」
暮れ始めた空を見上げ「しまった」と思い
慌てて足を、速めたので あった。
応援ありがとうございます!
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