透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

「慈悲」すら 超えていく

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朝、窓の掃除を終えて。

差し込む光に有り難みを感じながら「お日様って 偉大」
そんな独り言を呟き 拭き布を流しに掛ける。

そうしてお気に入り棚を並べ直し、配置を腕組みして眺め 一呼吸。


「う ん?」

突然 
キラキラと目の前に「私をいざなう光」が現れた事に、一瞬驚いて。

しかし 煌めく「それ」が なに を指し示しているのか

でも「新しい いろ」だという事だけは わかっていたから。
そのままじっと 眺めていたんだ。



 うん

   ふむ?


  えっと   なんか   
 

    うん。


「「慈悲」、でもない なんだ 、でも「優しく」「柔らかく」はあって、でも「可哀想」は無くて?「恵み」すら、ないのかも 知れない ??」


私はまた。

 そのまますっぽりと 自分の「なか」へ 入り込み

 くるくると回る 一際美しい光に 囲まれて。


「えっ、異次元?宇宙?無限?? に いるから?なの??ってか 異次元とは。  如何に。」

朝から、新たなる疑問に 囲まれて いた。



 なんか そう 「言葉」には。

 様々な 「色」が くっ付いて いて。

「うん、なんか「慈悲」にすら。くっ付いてる。」

 まあ 端的に言えば。

私の「細かさセンサー」が 発動して

 「慈悲」に ついている 「色」が。

気になり始めたのだ、今。


「ふむ? 「なにが」、「どうで」?なにが、気になってるんだろう か。」

 多分 その 「慈悲」の

 「恵み」とか 「施し」っぽい 部分?


だって  みんな 「ひかり」

 「可哀想」ない

   「楽しんで」るし

 「遊んで」

 なんなら めっちゃ「演技うまい」って

 こと  だよね ????


「ふーーーむ。」

多分、これは。

 自分で思うに、「せかい」を「わかり」、
 「世界」を 赦したから。

「両立すると、って こと ?」


なんとなくだけど、そう 思う。

 
 多分 「世界」を 赦して

 「エネルギー」が 「解れば」。


「完全に。「もの」と「ひかり」が 分離?したってこと、なのかな?」

言葉は本当に、難しくて。

 「もの」と「ひかり」が 別れなければ
 多分 この概念は 分からないけど
 結局「別れる」という「こと」自体は
 「二極」的な 考え方

「いや、日本語。いや、海外でも、同じか。」

だから、「言葉」じゃ なくて。


「なるほど?、エネルギー、チカラが分かんないと、解らないんだ?」

 独り言でも 
  ごちゃごちゃするのに

 これ 説明 できる気 しない な

 全く。


「まあ、説明する必要、無いんだけど。だから「教える」が、向いてないんだよな  。」

多分これは「無限」の視点と
「かたち」の理解
「多重展開」が できて
「視点」を拡大 できる。

 そう でなければ。

 わからない ことなんだ。


「ふむ?しかし、人それぞれ「理解の仕方」「入り口」は、違うのであって? 」

 あー  無理

  これは 本部長案件。


絡まり始めた光の筋を、ポイと「なか」へ放り込むと
立ちっぱなしの自分に気付いてとりあえず、ダイニングの椅子に腰掛けた。

 そうして「本部長」という カケラから齎された 
「新しい色」を もう一度頭の中へ 展開する。


そう
どの、世界でも「わかり始めている人」は いるらしくて。

少し前にハーシェルから聞いていた「世界みんなの話」がくるくると頭の中を 廻る。


「わかり始めている人」と「わかりたい人」が
どの世界でも 増えてきていること
しかし 「わかりたいけどわからなくて それが 苦しいこと」、そんな問題が浮上しているらしいのだ。

そもそも本部長は 私が「説明ができる」とは
思っていないだろう。

しかし、時折ハーシェルと話していても「どうして?」と、訊かれることがあるのだ。
あの「わかり始めている」、ハーシェルにも。

 でも それもまあ 大体 答えれない けど。
 うん


 「世界の 進度」「深度」「今 いる位置」
 「その それぞれのかたち」「合う色」「合わない色」
 「適切な 糸口」。


「うん、掴める気が しない。でも。  いいのよ、それこそ「適材適所」。」

 
そう 「人ぞれぞれ」「その時」とは 言っても。

助けを求めて、来た人に「教えない」のは
違うと思うからだ。

 「私は」「教える立場」「役割」ではない けど
 「そういう人」も いる。

ただ 「そういうこと」なのだ。


勿論、その中でまた「ドラマ」へ入り込んでしまう人もいて
そんな場面を見ていると。

 「やっぱり 人間って 面白いな」
 「楽しんでるな」
 「より 鮮やかな色が 見たいんだな」
 「分かるよ わかる」と。

思って しまうけれど。



しかし 今は、ただ ただ。

 「自分の周りの エネルギー」「いろ」を
 観察するのが 面白い。


「世界」から 一歩引いて 「見る観照する」わたし

 「そう 在る」「在りたい 様に あること」
 それを 忘れない様 ズレない様 意識して
 あるけれど。



 そうして  「わたし」は

   結局  「なに」に。


  なってゆく の だろう な ?


くるくると 展開する「世界」、それはもう
私の手を離れ 「かたち」の中にはあるけれども
「その一部」の座に収まって いる。

 そう 他の「いろ」と  同じ様に。


その「かたち」を 感覚で掴みながら
ただ何を思うでもなく、じっと「なか」を 眺めて いた。




   んっ ?


 えっ

  てか


 私は もう 「ひかる」とか「こぼす」とかでも
 なくて ??


 ただ「ある」「存在してる」 だけ って  こと ?


キラリと ひかる 
   また「削ぎ落とされたカケラひかり

ぐるぐると落ちてきた自分の疑問に 私の中のわたしが答える。


「ま、そういうこと なんでしょうね。」

 ぇ

 まあ なんだろう けど。

 なんだろう これ

 この  「微妙」な かんじ は。



 真っ平な、何も無い 空間

 そこへ 突然、放り出された ような

 それとも 「ポン」と 出ちゃった よう な 。



しかし その「無」の 空間

 それ即ち きっと「無限」「源」「くう」の場所

 そこに 暫し ボーッとあった 私の前に。

 
 「あの時」の シンの 言葉が 落ちてきたんだ。


    「 見る に 転じる」

 「ひとは この世を 遊んでいるのだろう」


「あ。」


 確かに 全く。


          


「あの時」、それは確か?
どちらも?

 グロッシュラー だと 思ったけれど?

 
 目の 前に  キラキラと 降る 透明な 
        白と黒の  カケラ

 自分の「なか」の 「せかい」が  また。

 一段 「上がり」、「展開」が変わったのが わかる。


そう
あの頃は全く意味がわからなかった

  けれども 「今」は。


「確 かに。 わかる。 えーーーーーー 。」


シンは。
知っていたのだ ろうか。

「いや、まあ知ってたから、言ったし?私が「いつか」、わかるだろうと?思って?? 言ったの、かな  。」


なんだか 急にジンときて。

 あの 重厚な礼拝堂にある 二人の姿を思い浮かべて みたけれど。

 でも うん  そう、今の二人は「一緒」

 「表と裏」「二極」が 揃った かたち

「うん、だから。大丈夫。」

あの、留守を護ってくれているシンは
やはり腕輪の石なのだろうけど。

 私の 髪に 「アキ」はもう、無い。

あの姫様に腕輪を返した時、思い付いて一緒に嵌めておいたのだ。

 腕輪は 今 空席があるし
 なんなら シンラの腕輪に。
 
 ヒョイと移ることだって 出来るだろうから。


 でも、なんとなくアキは 姫様の腕で不在を守ってくれてそうだけど。

「守りの石」の事を思い出しジワリと 暖かくなる胸
それもきっと。

 「繋がって」いるから。


「うん、きっと 届いてる。なんてったって、「ひかり」で。繋がって、ますから。」


胸に手を当てたまま、顔を上げ 大きな声でそう言って
ふと我に返った。


「えっ。これまた。もう少ししたら、馴染むやつ だよね ???」


 うん そうだ と  思いたい
 うん

 そうよ。   きっと。


 「安定」したのか

  「わかった」だけなのか
 
 フワリと浮かぶ「無限」の なか
 「なにも ない」感覚。


 なにしろ馴染ませるのに少し、時間が必要な
 私の「なかみ」


でも それもまたきっと、ぐるりと廻って

 揺らいで 練習して また「無限」へ戻って。


「うん、なにしろ「エネルギーゲーム」は。もう、終わりよ。終わり。」


何はともあれ、考えすぎない方が いい。
 それだけは 確か。

そこまでカケラが行き着くと、それをまた「ポイ」と投げ入れ顔を上げ 息を吐く。

切り替えも、上手くなったんだ。
 ここ最近で 随分と。



そうして そのまま
 「今日の美しいもの」について つらつらと 思い浮かべながら。

森の散歩の支度へと、立ち上がったので ある。

うむ。


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