透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

私達は「繋がっている」

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 あの時 狐が 言っていた

 「あいつと俺は 繋がっている」、それって。

 やっぱり 「私と 石達腕輪」が 繋がってる のと
 「同じ」なんだろうか。

 でも  なんだ ろうけど。


森の中 静かに耳を澄ませていると それがわかる。


この、森の家は「森の石」にも協力してもらい 創ったものだ。

だから「内」に居ても、ある程度森の様子は把握できるし
なんなら「騒ついている」箇所があれば、「どっち方面」程度なら、分かる。

「それって。私が、あの子達と繋がってるのとおんなじ、だもんね   。」


   藍   蓮    クルシファー

  宙   ビクス  ハキ   

  
   「気焔」 「千里」 「アンカー」

三人は私と共に、「今 ここ」にいるけれど
後の六人は向こうデヴァイの姫様の腕に嵌っている。


 「扉間」  「次元」   「空間」

   「場所」  「繋がり」


「でも、きっと 私達を繋ぐのは「ひかり」。」

なんとなくだけど そう 思う。


「電波」とか「粒子」とか
色々言い方、表し方は あるんだろうけど

 「私達」を 「表すもの」といえば
  やはり「ひかり」だろう。

 そう 「私」が。

  その 「光を繋ぐ」ものなのだから。


「そう、素直に思える「わかる」、様になったのもまた、成長と言うことなのか…………。」

両手でカップを包み、その温かさを手に浸み込ませて。

 「正面に見える 寝室の扉」

 「背後にある 森のお風呂への扉」

その両方を見ながら思う「バランス」のこと

 「心」「からだ」「精神」「魂」の こと。


きっと、これまでは偏っていた「なかみ」への手入れ
それがここへ来て あの「宇宙空間」での「感覚の追求」によって。

また「からだ」側が癒されて、バランスが取れ
もっと拓いてきたんだ

 そう「感覚」が。


自分で考えていて、ポッポと上気する頬を感じるが手はカップを包んだままである。

 いや いいのよ  冷ます のも イケる。

一人、「謎チャレンジ」を始めた私は。

とりあえずその「微細な感覚」について 再び「かたち」の中のカケラ達を舞わせ始めた。


         「なかみ」
   「心」

              「精神」

 「機微」  「知る」
              「わかる」

  「視点」

      「からだ」   「感じる」


 「実感」    「感触」     「五感」

  
   「快感」  「不快感」

  「濾過」     「身体からの 排出」


  「澱」   「見えない 澱」

     「からだに 溜まる 澱」

  「解きほぐし」  「織られている」

   
     「見えない なにか」


「ふむ。」

えっ  でも  これって。


「私が、ここへ来て成長してる分の。「織物」が、出来るって 事なのかな   ?」

でも きっとそう。

だってそれは「学び」、「カケラを集め」「解きほぐし」「洗い」「整理され」「また 織られて」。

 きっと 私の「糧」「装備」「衣」そんな様な
 
 あの「混沌の鍋」から 出来上がる なにか の様な。

そんなものの、筈なんだ。


「ふむ?そうしてまた羽衣がグレードアップするのか、どうなのかそれとも別の装備が…………うーん、なにしろ楽しみ。」

これまでよりも 「わかる」「見える」「知ってる」
 「いろ」「空気」や「気配」 

 「流れ」を「エネルギー」を 読むこと。


それはきっと あの「雲間」からではなく
ここへ来て直接「からだ」で感じる事で、より研ぎ澄まされ「感じる」様に なってきたんだ。


「えっ」

 やはり 「こころ」と「からだ」「魂」は
 繋がって いる

そう、思えば思う程
 思い出される「宇宙空間寝室」での 交わり

 ここに来たからこそ 「わかる」「感じる」部分
 その 直接 微細に感じる「もの」「からだ」

 「物質」「エネルギー」としての 私。


「あ  ?」

 そう か。


瞬間 「カチリ」と 嵌った カケラ


   「からだ」  「エネルギー」

   「意識」  「エネルギー」

   「魂」    「エネルギー


  えっ

   あっ


    うん  ???



          ???



説明、できないけど。

それは やはり「同じ」で

だって 同じ「源」から 出来てるんだから 

 それは そう なんだ。


「ふむ??」

 でも。  なんか 「魂」だけは

  「質」が違う のは わかる。


だって 「からだ」と「こころ」は 変化するけれど
 「魂」だけは いつも。


   「同じ 光」だからだ。



「えっ、ほえっ? でも、って、    えっ。」


 ほわ??


 そう  きっと  



「変化、する、できるって ことは。」

 
  そう  それ即ち


 「からだ」 「こころ」それを


  「同じ光」に 近づければ


  「同化」 「同調」 させれば ?


「いい、って こと???」

「だよね?」


 えっ いつから  いた? この人。


いつの間にか、目の前には至極楽しそうな美しい瞳が揺れている。

 えっ  なに   

     なんなの  ねえ 。


「いいや。そう、「楽しいな」と。思って、な。」

 えっ

「読んだでしょ?」

「いや?今は、見えぬでの?」

揶揄う様に笑うその瞳、それがまた美し過ぎて
かっこよくて。

 いかん  いけん

   駄目 だめ   

     私 今「気付いた」んだから。



とりあえず目の前のピンクを瞬きで追い払いながら、纏まって仕舞われたカケラ達をちょいと覗いて みる。

 ふむ。

 成る程?


    こうして?

「あー。」

目の前の、この人が何故今 ここに現れたのか
合点が入って ついまじまじと見てしまった。


 そう 「この人金色」は 「合ってる」んだ

 「魂?光 なのか?」と「意識」と「体」が。

 「おんなじ色」なんだ。


「  ああ、か。」


 私が 「人間」と恋愛できない理由
 それともピタリと嵌る この事実。


 「揺らがぬ」「翻らない」「軸」「芯」

  「本当の ひかり」を。

 この人は 「持つ」んだ。   だから。


「あーーーー。成る程。なるほど。なんか。いや、うん、ありがとう。」

「 どういたしまして?」

その、色がまた いけない。


しかし私は その「酷く納得の結果」に 対して
今 とてつもなく 癒されたくて。

自分の意思に 抗わぬ様
素直に。

その、拡げられた腕の中に 吸い込まれて行ったので ある。










  
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