透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

森と謳う

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 この 森で。

 みどりが あって  みんなが いて

  木々  葉   花  草

 土   石   岩   水

   小川   泉   水溜り

  風    光    枯葉   朽木

   見えないものたち   

  私の     


そう、みんなが いて。


 そうして 私が 謳って。

 ただ 息をして  思って

   感謝して   見て   祈って


  笑って  話し掛けて


  「ありがとう」と 言って。



 ただただ みんなに 「愛」を送ると

 みんなが 「愛」を 返して くれる。


 ただ なんにもしてない

 ただ いる だけ

    ある だけ


   そうで ある  こと



でも。


 きっと「見えない みんな」が 「せかい」に。


 その 「調和」を 運んでくれて

 それは 「澄んで」いればいるほど 遠くへ響き

 「清く」あらば あるほど 通り抜けて行き

 「光って」いればいるほど 感じずにはいられず

 「ただ そうである」


           んだ。



「何かの 誰かの為」じゃなく
「損得」でない
「やらされてる」ではなく
「ふり」でもない

 「心からの」「魂からの」それ 「祈り」「感謝」


 それに勝るものは 何も無くて。

きっと どこまでも響いて 飛んで行くから。


 「そう」「私が」 「思って」「謳えば」。


 「そう なる 」。




「みんなを見てると、って。わかる、よね   。」

艶めく葉 どう見ても生き生きし始めている木々
 抜群に美味しくなっている風
水だから 瑞々しいのだろうけど それだけではない、泉。

「絶対、飲んだら美味しいもん。」

いつも私が流されている小川、その先にある大きな泉。

そこには元々、魚達が暮らし 沢山の水草があり
朽木 藻 水底の枯れ葉に積もる なにか
差し込む光に応える 美しい水達
 そのライトを浴びて 優雅に泳ぐ小魚達。

「   美し 過ぎる。」

森の中、一人散歩して 
 見上げて 眺めて  吸って  吐いて

  歩いて  止まり  見つめ  観察して
  そうして また新しいものを 知って。

 まだ こんなに見たことのないものが あるんだ

そう、感じること
知ること
「名前」は 分からなくとも それでもいいこと
私達人の 便宜上 「名」は あるだけで
この子達は 「ただ あるだけ」なこと

  私達だって 本当は「そうである」こと。


「発見は、多い。多いのだよ、うむ。」

独り言を言っていると、時折話し掛けて来る 「なにか」

それは木だったり 草だったり  落ちてる葉っぱだったり
「言葉」として 「なに」と はっきりお喋りする訳じゃないんだけど。

 「ああ そうだよね」って。
 「わかる」んだ。  なんとなく だけど。


そして その導きに誘われて向かう先、そこには必ずまた「新しい発見」「楽しいもの」「美しいなにか」が あって。

「えっ、なにこれ 見た事ない。」

そうしてまた、観察に勤しむのだ。
それが、とてつもなく 楽しい。


 「みんなの こえ が 聴こえること」

 「そうだ 」と 受け取ったものを そのまま素直に
 自分に取り入れ 翻訳し 楽しい方向へ 向かうこと

 それを「信頼」して。

 どこまでも 進んでゆくこと。

  「自分の足」で。  そうあること。


単純だが、普通の人が見れば「馬鹿みたい」な この私の行動
しかし本人はいたって本気で楽しんでいるし
多分これは「私の正解」で ある。

 別に 誰に 解ってもらえなくとも
       認めてもらえなくとも

 特に困らないし  

 どちらかと言えば 私の空間に 誰も侵ってきて欲しくないし
 「ひとりで」楽しみたいのだ。

 この 「純粋な空気」を。


「いや?精霊とか、スピリット?同じなんだろうけど「純粋なもの」なら、侵ってきても いいな?」

だから結局。

私の「意図するところ場所」というのは
「そういう場」なのだろう。

  「神域」 「純粋な存在しか いない」

  「いろ は 何色でも ただ「澄んで」いるもの」

そう、いつかも思ったけれど。


 大きな 「まる」の中に
  いろんな色が あって。

 その中には 「暗い色」も あるんだ。

 それは「暗い色である 自由」で
 それは それで良くて  

 だけど「とんでもなく純粋な黒」で。


 どんな「暗色」でも 美しく「澄んで」あれば
 それは 存在することができる。

 私の 「神域」 に。


そういうことなのだろう。


森にいると、それが よく 解る。



 「森と神域の違い」それはきっと 「チカラの種類」

 「生命エネルギー」の なにか
 「生きものが 持っている特有のチカラ」。

 「瑞々しく」「生々しくて」「厚く」「重い」。

 「物質もの」として 存在しているという 事実

 その 「具現化のエネルギー」。

「そこに、ヒントがありそうなんだけどな ??」

まだ、言葉にはできないけれど
それが分かる、気付ける様になったのだ。

 私も 進化してる

そう、思えること  カケラが 繋がること

  ピースが あるべき場所に 嵌ってゆくこと。


「ふむ。」


   「全体像を 完成させる」とは。


「私」は 勿論 

 「私の中の せかい」の「かたち」、それも そうなんだ。


「ふむむ。」


見上げて思う、「美しさ」「ここにあることの感謝」「今の私」「存在していること」「まだわからないこと 知らないことがある」ことの、「ワクワク」。

 「未知」って。

 「楽しい」んだ。


「知らないもの」「未知」を怖がる人が多い中で、私は怖くもあるけれど
きっと「好奇心」が 勝つのだろう。

 
  だって 絶対 面白い。

それを、知っているから。

なんでかは、わからないけど。


だから 今日も進むのだ。
行く当てのない、森の散歩へ。

 道は すべてが示して くれる。


 その、「読み取る目」「聴く耳」「自分の好きを 嗅ぎ分ける鼻」
 「謳う 口」「触れて 解る指」
 それを持って いれば。


 どこまでだって 「発見」へ向かい 進めるんだ。


「さて?どっちへ行こうかな?」

そう、言って 今日も。

 いい 香り
 綺麗な いろ
 爽やかに揺れる 葉の声

 地面の「こっちだよ」という 感触。

その 「惹かれる」方へ

  「導かれる方」へ。


 ただ 心のままに 進むので ある。




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