透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

それぞれの空間

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「えっ」

思わず、一度閉めた。


 なに あれ。

しかし、思い出してみても 私の頭の中にあるは「宇宙」

何故だか「夜」の様な暗さだったその部屋、思わず背後を振り返って確認するが 窓の外は勿論昼間で明るい。
爽やかな、森の姿で ある。


 えっ  なん で。   ???

よく、わからないけど。

とりあえず、深呼吸して片手を胸に当て もう一方の手を扉に掛けた。
少しだけ目を閉じて、また扉を引く。

 もしか したら いや

  どう  なんだ   違う景色 かも ??


「カチリ」と同じく開いた 扉

しかし、その 中に拡がるのは やはり。

 どう 見ても「宇宙」

 控えめに言って 「夜」。


「えっ。  えっ? なん で??????」

しかし。
とりあえず、「寝室」なのだから そう不都合は 無いのかも知れない。

そう思って、なにしろ探検してみることにした。
だって、「入って」みれば。

その「理由」が 解るかも知らないと 思ったからだ。


「 えーー。 でも。特に、なにも ない? な??」

なにしろとりあえず「青紫」の様な その空間
なんだかキラキラ煌めいて 時折瞬くのはきっと「星」

宙に浮く様なその部屋の中はしかし、きちんと足は着くし 見えないが床の様なものは、ある。

「ふむ?」

その、真ん中には白い見慣れたフワフワ
マシュマロがドーンと 鎮座していて。

その 周りに小さな扉
小棚 小テーブル その扉の中はきっとクローゼットだろう。

 開けてないけど、なんか 分かる。
 だって これは多分
 私の部屋でも あるのだから。


とりあえずマシュマロに腰掛けてみるも、神域でのそれと 感触はやはり変わりなくて。

「うん?場所が、白から紺に?紫に??なった、だけなのか………。」

なんだかよく分からないけれど、とりあえず「パタリ」と寝室の扉を閉めた。

 そう 「昼でも夜」だから
 なんか  ピンクになっても 大丈夫とか
 いや  そんなこと 考えて ない うん


そう、神域には 昼も夜も 無いのだ。
 なんとなく 「流れ」の様なものは あるけれど。


今の私にとって、「時間」というものはとても曖昧で。

だからある意味、「日が昇り落ちる」、この森に来て またそのサイクルで生活することは新しい気付きや発見があるのだろう。

 えっ
 でも それに この「宇宙」関係 ある?

 ある ?かな?? 

いや、とりあえずその問題は脇に置いておこう。
うん。


その反対側にある扉は、何の扉だろうかと思ったけれど。

それは予想通り「森のお風呂」への 扉だった。


「 え 」

  う  わ    なに これ

  森  森だ   でも 凄く いい。


その、扉の奥に広がる森はなんだか「深み」のある色 「鬱蒼とした」という表現が、ピッタリな。

 正に 私好みの 「森のお風呂」

「えっ、でも。 なんで?」

「内」にあるのに「外」よりも 「外らしい」それお風呂

それはしかし きっと。

 その 「鬱蒼」の 部分が ヴェールの役割をしているんだ

それが私の中にすんなりと、流れ込んで きて。

 ああ 
  成る程  そういう 感じ ね
 うん。

一人、納得して頷き 既に草叢になっている足下に気を付けながら奥へと進む。


「え、でも。なんで? こんな感じ??」

勿論、「森のお風呂」を想像したのは私だ。
しかし、思ったよりも「ジャングル」的 お風呂の周り
植生は そう変わりがないけれど

  なんだ ろうか  なんか  「密度」?

 「濃い」?  「生命力」???

その、むせ返る様な「みどり」、しかしその「色」がピタリと私の「なか」へ 嵌って。

 その瞬間 「ああ ね」

 そう わかった。


「えっ。」

多分、だけど。

 この 「みどり」は 私のチカラ
           私の いろ
           私の「感じた」「いろ」

 
「え 」

 いやいや いや。

 違  く  ないけど  うん まあ はい。


何故だか解らぬが、私の「みどり」がそこにあるのは、わかる。

その「満ち溢れている みどり」、生きとし生けるもの 全てが 持つ
 
   喜びに満ち溢れた さま
   今を ただ 光り輝いて 在る その姿。


それを見せ付けている、その景色に。

なにしろただ 胸に手を当て、大きく息を吐くことしか できないで、いた。




「えっ、てか。うん、まあ 」

うん。

意味の分からぬ事を呟きながらも、気を取り直して奥へ足を踏み入れるが
そこには ポツンとある バスタブ
     緑に囲まれた シャワー
      これは 木から水が? 出る?の??

     ユニットバス的な トイレ
     
それぞれがそう遠くない位置に丁度良く配置され、その間隔と緑のカーテンに程良い目隠し効果が ある。

「うん。なんか、ありがとう。」

とりあえず一通り確認して、この空間にお礼を言った。

きっと 「これ」は 森でも あって。

 私の石 ガラス 森の石と カケラ達

その共同作業の筈なのだ。
なにしろ兎に角、「想像以上」のものが出来たのだから。

お礼は言っても、言い足りないくらいである。


「ふむ。」

そうして一息吐き、腕組みのまま緑の扉を出
真ん中のダイニングへと戻った。




   あちら   と   こちら

   宇宙    と    森

   無限    と    自然

   なか    と    そと

   精神    と    肉体

   見えないものと    見えるもの


 この 二つの 関係性   
   なにか  私の神域と 外の 関係に
  似てる ?

 なんか あるのか な ??


キョロキョロと、首を動かしながらその二つの扉を交互に、眺めていた。

しかし、今パッと思い付くものもないし 降って来る気配もない。

 うん まあ  それなら それで。

 うん。

きっと、ここで「生活」していれば自ずと解るのだろう。

その為に、来たのだ。


 そう 私は ここで 「私の 更に奥」
 「きっとまだある 側面」を 見付けるんだ。

なにやら私の手元にあるヒントは、「精神」「肉体」「魂」のバランスと 融合。

その「肉体」の部分を。
きっと重点的に、「拡げに」来たのだと 思う。


「ふむ。」

だからきっと。

 この 寝室は 神域に似て 私の「なかみ」を
 チャージする 場所

 お風呂はきっと 「肉体」的 
 メンテナンス? チャージも できるのか
 なんなのか どうなんだろう な ???


「ふむ?」

パッと思い出される「喜びの みどり」、それにポッポと頬が上気してきて、いけない。

 いや いけなくない けど
 いやいや。  いや。

なにしろきっと、それも含めて「まるっとぜんぶ」を確かめ、確認してまた成長する為に、来たんだ。


 そう 目を 逸らさない方が いい

それは 気が付かない フリをしたとしても。

どうしたって 私を追いかけて 来るのだから。


「ふぅ。」

大きく息を吐いて、空になっているカップをくるりと揺らす。

その、残っていた澱は 何故だか綺麗に 消えて。

  ありが とう

きっと私の周りにいてくれる、光達にお礼を言う。

 
  「いる」  「大丈夫」

 「心の ままに」  「惹かれる 方へ」

そう、言われているような気が して。

なにしろとりあえず あの金の髪を探しに、外へ出る事に したんだ。


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