透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

祈り

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 私の手にある 白い葉 緑の葉

 その 葉は 色は違えど どちらも
 「てん」と「地」に繋がっていて。

天から 「チカラ雨・光」を貰い

地へ 流す

地から 「エネルギー栄養」を 貰い

大きく 空へ伸びて。

 また 「太陽」を 受ける。



 「繋がる」 「世界」  「廻る」 「チカラ」

一本の木 その一枚の葉
その走り流れる葉脈に見る「チカラの循環」

そして その「木」同士が「繋がる」森

一枚の葉の「情報」を その森は持ち
せかい」は 廻っている


 この 小さな石 一つ
 これだって 大きな「大地」のカケラ

 その「土地」「地中」「場」の「情報」を持つ
 「共有」する

 大切な 仲間達だ。


大きなもの 小さな もの

  見えるもの 見えない もの


 風は木々を靡かせ 私に その存在を 知らせてきているし
 水は岩を穿ち そのチカラを示してくれて いる。

「炎」は 少し「違う色」が 私の中にもあるけれど
ここには無い「雷」 火を生む自然
そして 私の「なか」にある「激しい思い」。

 これだって きっと「炎」の質


大きな なにか 目に見えないものから始まる
「風の始まり」
それは 何処にあるのだろうか。

どこから 来て  どこへ ゆくのか。

分からないけど 私に届き 「それ存在」を知らせる風

その 「意味」「意図」は  なんなのだろうな?


   「教えて」  「どこから」

  「何故」


  「あなたたちは」   

    「私達を」   「優しく」


   「暖かく 」       「包む」



 「どうして そんなに」。


 「慈悲深い」の?



私達は 学ばなかった 
知ろうと しなかった
幾度も幾度も 破壊と再生を 繰り返して。

この 「世界」「地球」を 破壊 してきたのに。


    どうして ?


  

   どう  して   なんだろう  か ?




ただただ 風に吹かれ 舞っていたら
回っていたら
いつの間にか 出てきたこの「疑問」

初めの 始まりに 私が抱いた「疑問」に似た それ

 
    「なんのために」 。


でも。

 「ため」とか。


   あるんだろうか   そんな もの は。






 私が思う 「私」が「私」の理由、私の意味。

 今、思うそれは 「ただ 在る」「そう あるもの」
 それだけだった。

 複数の「いろ」「位置」「場所」「役」は あれど
 存在としては 「全体の中の この部分」と
 「すべて」のなかの 「一部」であることに
 変わりは ない。

 「ただ そこにあるもの」そういうことなのだ。
 結局 は。


ただただ 真っ直ぐに 世界を旅して
それを 知った  今。

疑問は「私」から
「せかい」「すべて」は「どうして」に変わり
でも「私は せかい」「私は すべて」でもある ことも、私は。

 「こたえ」を  持って いるのじゃ ないの??



そうしてただ 上を見上げ立ち尽くす 森の中
木々のこえ  サワサワと囁くその内容は
聞き取れは しない。


だけど。

私は 私を もっと  開いて。

 受け取り  受け入れることを 許すんだ。
 
 
   そう ぜんぶを  すべて を。



どう する?

どう なる?


どうしたら もっと  拓く?


静かに ただ目を閉じて何をするでもなく立つ大地
土の感触 少し冷気が昇る森の肌。

「考える」でもなく 導かれる ように。
自分の感覚の動くまま、自然の流れに 任せる。

 「思考」も「動き」も 「呼吸」のリズムさえも。


段々と 沁みてくる静寂
森のいろ 木々の囁き  風の唸る おと。

それを感じながら、自分の中に「自分の色」が
浮かばぬよう ただ森へ全てを解放しながら「更に」「拓く」とだけ 意識する。


そう それに。
 初めの頃と 違う わたし

  今は 狭間の私   新しい 私になって

  改めて訪れた 森

そこで私は  なにを おもう ?

  何を 感じ なにを  受け取る?

全てを手放し 「なんにもない 私」に なって。

 
      なにを 「感じる」んだ ろう か




 サワサワと揺れる葉  ヒヤリと頬に触れる空気の合図

 研ぎ澄まし 聴こえる音 光 影に 感覚を全開にし
 身体全体が 「目」である様に。

 自分が 拓かれてゆくのが解り
 自分からも 流れに任せ 「主導権」を明け渡し
 自ら開いて ゆく。


 違う 角度から見た 景色 色

  耳には聴こえない音
     まだ 私には届いていない風
 
       目を閉じても見える 光さえも。

 その 「合図」だと 感じられるよう 「すべて」を 拓いて。


 「ここに来た 意味」  「サイン」

   「送られた こえ」 「しるし」

 それを 受け取るんだ。


だから。

 教えて?   私に。
 

じっと
ずっと 
静寂の中 佇む 緑

 そう 緑は 「みどり」 きっと「わたし」でも ある筈だ。

だから。

    きっと     なる    成れる。



そう 「私が感じ」「緑とみどり」が ピタリと合った その時に。


    強く 差し込む光が 見えた。


「あ これだ。」
そう、臆面もなく 思えた時、初めて。


 「せかい」が 「わたし」に。

   応え はじめる んだ。



   「ちがう」   「そう ちがうんだよ」

 「みえるいろ」  「かんじる いろ」

   「おんど」   「かぜ」


     「におい」    「はだの かんかく」

 「解像度」    「角度」  「視点」

     「特別」   「ひとつ 」


  「あなただけの  いろ」

     「あなただけの 真実なかみ


 ああ                  そうなの か。


 私の「誠実な願い」に 応えるその おと
 自分の「内側」に響く 「なにか」
 「見えないもの」たちからの 「こたえ返答


いつかも思った「見える世界の違い」、確かにそれは
「人間の世界」「自然」それはどちらもなんだ。


「視点の多さ」「微細な感覚」「小さな齟齬」
「私だけが 感じ取れる色 音 感覚」
その 私の無視できない部分
人間ひとの世界では「生き辛い」、その性質が ここで。

 役に立つんだ。


 ああ、成る程 そういうことか
 確かに それは  そう だよね。

改めて思う、「人間の中では生きられない 私」
そしてそれが「それでいい」こと
それでも「生きれる世界」が あること。


成る程私は、この ために。

ここへ来たと言っても、過言ではないのかも知れない。


しかし、私がその「気付き」に夢中になっているうちに、光は何処かへ 消えていて。

森の姿はいつも通り、静かな緑の美しい景色である。


「成る程、また、こうして自分を拓いて。もっともっと、澱を落として、純度を上げて行けば。」

自ずとそれは、「見える」のだろう。

 どんな かたち なのか
 それは どんな 「見え方」なのか
 まだ分からないけれど
 その 「サイン」を見逃さなければ。


「うん。なにしろ、ありがとう。」


そうして、まず始めに「森への挨拶」を終えた私は。

「生きる」支度をする為に、あの色の元へ戻って行ったのだ。


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