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8の扉 デヴァイ 再
私の中での「女性性」 3
しおりを挟む一度 全てを。
「白紙」に もどす 。
「固定観念」「ルール」「慣習」「癖」
「縛られたくない」と思っていた筈の 「私」が。
「それに甘えて」「使っていた」「享受していた」
その 様々な 記憶 景色が
走馬灯の様に 流れて くる 。
「女であること」の 武器
その「強さ」と 相反する「弱さ」。
その「弱さ」に屈し 「使っていた」自分
それを解って 「自分を罰する 自分」
そして「仕方が無かった」と 「言い訳をする自分」も。
確かに それは そうなんだろう。
だって 「私達」は。
「そうでなければ 生きれなかった」のだから。
しかし「今」は そうではない。
殺される事もないし 以前よりは虐げられる 程度もマシ
でも。 そんな問題 では ないんだ
「虐げられる」こと 「ひと」として 扱われないこと
それを 本当は 「許してはいけないこと」を。
「受け入れざるを得なかった」時代
あまりにも 長過ぎた 時。
そうして「それ」を
「わかって」「楽しんで」いた 自分を 知り
そしてそれを 解って 尚
「未だ苦しむ」自分の あいだで。
言い表せない事は 沢山あるし
それこそ「月へと届く程の」「檻」が 溜まるのだ
生半可な ものでは ない。
それは ようく わかって るんだ。
以前とは違う 静かな「真ん中」で 思うこと
ただ 私に出来ることは 「見て」「解きほぐして」「洗い流し」「浄め」「織って」「また新しく 紡いでいくこと」。
それを「一人で」「根気よく」続けること。
だからこそ
そう
でも。 「今の私」には 「光」が ある
今し方 差し出された「新しい光」だって あるんだ。
「 あ」
そう、思った 時。
サアッと 胸に 差し込む光
私の中に 新しい風を運んできた それは。
きっと あの 白の鳥
閃きと共に 隙間へ不意に吹き込んできた それは。
共に「とてつもなく美しい色の 炎」を 運んで きたんだ。
胸に差し込む 光と風 美しい炎
それはあの時 見た青白い 炎。
それを見て、また一つ 気付く。
そうか。 そう なんだ。
深く潜れば潜る程 執拗な濃い、それ
「女性」に染み付いた 「それ」は 余りにも多く
解きほぐすのは 容易ではない。
だから それもこれも 「全部」「流して」
「飛ばして」「燃やして」「光に変えて」。
つい 癖で 飲み込まれて しまうから
また味わって しまうから
いちいち ひっくり返さずに。
しかし 「雑」なのではなく
「特別な」「とびきりの」「敬意」「労い」「感謝」
その「最強」「最上」の浄めの炎で 燃やし尽くして。
始めから、「私のいろ」を 創れば いいんだ。
シュルリと背を這う ナガの感触
呼び起こされる
あの時の 強く清い 炎の鳥
私を守る 黎の チカラ。
「あれ」は 金色の焔とは
少し違って
「私の色」を 多く 含む
「浄め」「再生」「循環」「濾過」「白銀」
「白」「透明」「流れ」「水と光」
そのいろ が 多い また別の特別な炎 だ。
だから きっと。
「白紙」に 戻すには 丁度良い んだ。
「ふむ。」
私の色の変化を 見ながらイストリアが口を開く。
多分 ぐるぐるしている時の、「いろ」が。
「想い」によってくるくると変化するらしくて、見ているとなんとなくは解るらしい。
「それにあれは。とても、印象的だったね。君が祭祀で「解放しろ」と。何度も、唱えていただろう?これまでの祝詞はそうではなかったんだ。やはり解放するのは、全部が全部、君自身もその他の事も含め、「全て」なのだろうね。そしてそれが、あの「舞」と君の「祝詞」、あの姿と相まって。なんというか、なぁ………。」
えっ
うん?
あれっ ?
そう言って、遠い目をし頬杖をつく彼女
私は何か目の前が一瞬、光った様な 気がして。
その 言葉に。
暫く 動けずに いた。
キラキラ シュルシュルと 目の前に展開する
青と 黄の 光の華
花火の様な 電光の 様な その 光は。
イストリアの言葉に 呼び出されたのか
それとも 「なにか」が私に 見せて いるのか。
さっきの 風と炎は 私の「なか」
この 光は 今 私の目の前。
その 違いを自分の中で擦り合わせて いるうちに。
黄と青は、暫く目の前を くるくると美しく舞った後、目を凝らそうと瞬きをすると共に。
フッと 消えてしまった。
「 うん。そう、ですね…………ああ、勿体無い…。」
「うん?どうした?」
しみじみとした様子で頬杖をついていた薄茶の瞳が、くるりとこちらを向く。
「いや、なんか…………。うん、すっかり忘れて、ました。いや、覚えてはいたんだけど。「そうか」って。」
自分で自分の「ピースの繋がり」に、驚き納得している様子を見て、クスクスと笑う優しい瞳。
その瞳は更に細まり、駄目押しの様に こう言った。
「だから君は。「君を 解放する」のだよ。そう、全てを、ね。」
「 ぅぅっ、ですね…………。」
「なぁに、そう構える事はない。いつもの君で、あれば。それで、事は成るさ。」
だと いいんですけど はい。
でも。
「受け入れる」って、決めたんだ。
そう、それは自分自身の気付きや光、みんなからのメッセージ、「受け入れる」ことはきっと
多岐に渡るのだろう。
それが また改めて 解って。
無言でその瞳に応え、頷いていると ふと思いついた様にイストリアは言った。
「成る程、そうなのだろうね。…………これまではきっと思いもよらなかった部分、霞程の小さな事柄、忘れ去られて逝く「思い」。そんな小さな部分にでも、光を当てる、君だからこそ。ふむふむ、それはそうなんだろうな………。」
??
小さく、しかし深く納得した様に頷く彼女の言葉の意味は、分からない。
だけど、その次の言葉で。
その薄茶の瞳に浮かぶ、細かなイメージまでもが私の「なか」に 流れ込んで 来たのだ。
「いや、あのね?これまでは当たり前だった「女だったら」という部分の小さな我慢や犠牲、それは決して「小さなもの」では無いんだ。それはそれは、沢山の「こと」や「思い」「事実」があって、当たり前になり過ぎて気が付かれない部分にすら、光を当てる「その役目」。「こんな小さな事にも、怒っていいんだ」「憤っていいんだ」その「事」「思い」、それは必ず力に、なる。だからこその、その微細な「違和感」を感じられる君、「解放の時代」、今だから。」
「そのタイミングが全て揃って。「その時」を迎えるのだなぁと、思ったんだ。ある意味ね、君には大変だろうが「その時」が、「チャンス」が。やっと、巡ってきたんだよ。だからあまり深刻にならずに、出て来たものはばっさりと燃やし昇華して。喜びで、送ってやると、いい。そうしたら物凄い大きな、プレゼントとして。君に、それは即ち全てに、還ってくるだろう。」
キラキラと 舞う
小さな 「思い」 沢山の 澱
「女だから」と一蹴され 諦めるしか なかった沢山
「女である」という 覆しようのない部分で
認められない 大半のこと
「理不尽」「犠牲」「抑圧」「見えない 壁」
イストリアの瞳の中でキラキラ、くるくると回るカケラは決して美しい色ばかりでは、ない。
その「重く」「歪な」しかし「見えにくい」カケラ達を、捕らえられるのが「今の私」だと。
そう 彼女は、言っているのだろう。
確かに それは そうなんだ。
「受け取ること」を胸に抱き
真摯にその、「想い」を受け取って。
「謙遜」を 脇に追いやりその光の「ことば」を
確かめる。
自分でも 思う 「しつこい」「細かい」「執拗」「徹底」の性質
確かに その小さなカケラ ひとつひとつに
「違和感」を 感じてしまう私は
それに 適任なのだろう
「見たくないもの」に光を当て
先頭を切って
「消化」してゆく 役目
馬鹿みたいに 突き進める その 性質。
だからこその「濾過」、全てを浚い美しい水にしなければ住めないナガが それを見つけ手伝ってくれること
空間にある 歪を 感知できる能力
それを 辛抱強く続けられる 粘り強さ
「今」「この私」が できること
キラキラした、カケラが。
これまでに飛んでいた鈍い色のカケラを包み込み溶かし始め、私の色で塗り替えられていく様が
彼女の中でのイメージで、伝わってくる。
どう すればいいのか
なにを すれば 「いい」のか 「最善」なのか。
まだ「行き先」も「こたえ」も何も見えていなかった私に、「ヒント」の様に提示された 色。
それはさっき、彼女が「祈ろう」と 言ってくれた事とも同じで。
私が「そう する事によって」みんなが「軽くなる」、きっとそんな「こと」の筈だ。
それを 助けてくれる 流れてくる ひかり
「今」だからできる その 「こと」
巡り 廻って くるくると目の前にやってきた
その 役目。
それをただ 「受け入れて」。
「ある」こと 「やる」こと
「そうして いく」こと。
「役目」って 「意味」って。
なんだろうって、思って たけど。
多分
そう なんだ 「ただ 受け入れやっていくこと」
「特別」でも なく 「ただ 普通に」。
「そうである」から「そうする」こと
ただ それだけなんだ。
そこまで 私の中にピースが 揃うと。
「よく できました」という様に
「なか」の白い空間に フワリと虹が、出た。
う、わ…………しかも二重の 虹 。
思いがけず齎されたヒント、道標に。
思わず唸っていると、いつの間にか目の前には再び
フワリと湯気の立つお代わりが置かれて、いた。
「だからね、結局。君がやること全ては回り回ってみんなのためになるんだ。あの、光もそうだけど。君が本当に心の底から思って、そうしたいと、している時は大抵そうだと思うけどね?あの頃とはまた違った内容、それぞれの場所だけれど。やはり、変わってはいないんだよ。うーん、変わってないと言うとあれかな?進化は、しているのだけどね。「芯」は、変わってない。そこが、きっと彼も好きなのじゃないかな?」
「 えっ」
思わぬ方向に話が飛んで、私の胸もドキリと跳ねる。
しかし、嬉しさと少しの重さ、解し甲斐がある「なかみ」について やはり私は少し構えていたのだろう。
あの、色の話が出たことで ホッとした「なかみ」
そこから自分の現状が 知れる。
彼女はその色が、解ったのだろう。
「だから、受け取るだけ受け取るんだよ。」
「あっ?繋がりましたね??」
「そうだ。」
そう言ってカラカラと笑うイストリアの揺れる水色髪を見て。
なんだか私も、楽しくなってきた。
だって きっと やっぱり「ひとりで」と
思っていた私の元に 差し込んできた金色の 光
それは一番「嬉しく」「的確な」方向から 差す光で。
「ただ 受け取るだけで いい」と。
分かってはいるものの、きっとまだ完全に壁を
溶かしていない私を包み込んでくれる 光だったから。
「なんか。巡り巡って一件落着、しそうですね、これ。」
自分でも何を言っているのか、よく分からないがどうやらイストリアも同じ気持ちなのだろう。
頷いてまだ手を付けていないお代わりを、手で示す。
「緑」のカップを手に取り、落ち着いた湯気のくゆりを楽しんでいるとその香りから瑞々しいハーブが浮かんできて。
「あの子かな」なんて、壁に下がるハーブ達を眺めて いた。
「不思議だよね。朝君から聞いたけれど。君達は初め、ただの石とヨルで。君を守る為の「なにか」だった、「思い」を持たぬ筈の彼が。君に、恋をして。なんだかね、色々あったのだろうけどやはりあの子は心配していたのだろうね。「石と人間」。いつかは離れ離れになるのか、それとも君だからなんとかなるのか。きっと大丈夫だとは思っていたみたいだけど近しいと余計な不安を抱いてしまうものだからね。私なんかは「彼がなんとかするだろう」とは、思っていたけど。」
そう言ってパチリと瞬きをする、薄茶の瞳。
「なんと、君の方から彼に近づいているじゃあないか。やはり人間の可能性を信じずにはいられないよね。だから、なぁ………。」
うん ?
そう、しみじみと私を眺め始めたイストリアの瞳は、少しだけあの人に寄ってきているけれど。
確かに、私に「その部分」の不安は
今は 殆ど、無い。
なんでかは、わからないけど。
「不思議ですよね。なんか、自分でもそう思います。」
「君はね、今はその女性性の否定的な部分に直面して少し混乱しているのだろうけど。本来の君が持つものは、それこそ、女性性の大きな光だと思うよ。「慈悲の光」あの始めに降らせた、「全てへの愛」だ。それを忘れてはいけないよ。何事にも、二面性はある。だから、彼と一緒に。またそれを一つにするのだろうな。」
「 」
ありがとう ございます と。
言いたかったが、口は動いたが言葉は 出ない。
しかしただ優しく私を見つめる、その瞳が「そうだ。」と 言っていたから。
とりあえず頷いて、またカップの感触に意識を戻した。
そのずっとずっと温かい手のひらは、この空間が直接私に伝えてくる温もりを 現していたから。
ただ ずっとずっと。
その、手の温もりを確かめ味わって いたのである。
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