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8の扉 デヴァイ 再

生き方を 「祈り」にする

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朝 目が覚めて。


 起き 白い空間を目に 映して

 「ああ 今日も美しい な」と 思うこと
 「幸せだな」と 思うこと

こうして ふっと、自然に起きられて
 暖かくて マシュマロはすべすべだし
 場は 静かで 澄んでいて。

 「有り難いな」と。

 思う こと

そうして隣に 暖かな 温もりと
「満ちた」感覚  実際「満ちてる」からだ
とびきりの美し過ぎる 「いろ」が いること

 この 「存在」は。

 ある意味「私の為の 存在」だ。

それを 躊躇いなく 思える
          わかる
          言える この身が。

 
 「ああ 私 やっぱり 変わったの かも」と 思うのだ。


そうして一度、感謝で心地良く身体全体を満たしてから
身体を起こし 場をぐるりと見渡す。


「ああ 美しい な。おはよう、みんな。」

そう すると まるでスイッチが入った 様に。

 ふわりと 場が起動して
  みんなが  舞う

  色が つく   光が ほんのり増して

 風が吹き   香りが 漂う  のだ。



この頃 風に靡く様になった
 象牙の枝葉
変わらず硬そうに見えるそれ

しかし あの子が。

 風に乗り 飛んで 舞っている時は
  それに合わせ ひらり ひらりと葉を動かす

きっとこの場に風を齎したのは そう優雅に飛んでいるキラルだと 思う。

姫様が 向こうに行ってから。

ある意味「定着」したのか、持ち場がはっきり、したからなのか。

ここ神域に風が吹く様になり、それに乗って舞う事が増えた白く大きな翼を見て。

「ああ この子が ここへ きちんと坐ったから んだな」

 そう、解った私は 「風」以外にも様々なものがこの神域へ齎された事も、解っていた。


 「風」「光」「炎」と「土」

 「水」は 元々 流れている小川
 それはきっと 私の「属性」「浄め」のせいだと 思うけど。


ただ白かったこの場に、ポツポツと「地面」の様な場所が現れ
花が、咲く様になった。

なんとなくだけど、これはあの時私達の下で守ってくれていたアンカーの仕業じゃないかと、思う。

「炎」は 勿論黎
いつでも白く明るいこの場、上には二つの大きな丸もあるけれど
所々に大きな燭台がしつらえられたのだ。

私の好きな 「込もる」それ
しかし「込もる」と言うよりは「そのもの」なのだろうけれど。

それはきっと「石」で出来ていて、半透明の白い光。
その内側から湧き出る様に発光する不思議な燭台に、黎が火を灯しているのだ。

たまに、その場に居合わせると 感動する。

炎の鳥が、フワリと蝋燭の無い燭台に不思議な火を灯すのだ。

 幻想的な 美しさ  そしてそのまま 蝶に変わる黎

 深く、息を吸うと。

その「温度」が私の肺まで届くのが、わかって。

 
 「ああ 私の 場 だから な 」

そう、思うんだ。 感じるんだ。
深く、真ん中 から。


 「光」を齎すのは その時々で 違う。

ディーの時は なんだかディー自体が発光していて「なにか」と光りあっているのが、わかる。

 多分 何処かにある のか いる のか
 長の 関係かと 思うのだけど。

その辺り、なのか 今の私には
分からないけど、なんだかディーも「繋がって」「光りあって」いるのなら、嬉しい。

慶はそもそもいつも光ってるし。

あの宝珠、鈴、糸巻きから 織った生地の リボン、様々な美しい 道具達まで。

「呼吸」なのか「鼓動」なのか、暖かい光が伸縮する様に
揺らぎ発光しているのが わかる。

 なんだか とても 尊い もの

それが、遠くから見ても わかるのだ。


「光って、るしな…………」

その時々で「私の必要」に応じ、齎される道具
今は多分「千本」ない、その手だけれど。

「あの、ブワッで出す時、凄いよね………。どう、なってるんだろうか………。」


そうしてぐるりと見渡す 私の場

 動き出した空間の リズムと共に
 私の体のリズムも。

共に流れ 動き出し その「五感」に全力で
 知らせてくるのだ。

 「神域私の場」が 私に
      今日の「進むべき 方向」を。



その、時々で違うけれど
 それは「匂い」だったり、「明るさ」だったり
 「風」がやたらと髪を乱したり
 フワリと「花びら」が マシュマロまで 届いたり。

それを受け取り「ああ これをやろう」と。

「思う」んだ 私が。

それか、「あ、畑に行こう」と「思い付く」とか。

だから多分、「それ導き」は
「言葉」とかじゃ なくて。

「齎される なにか」
「サイン」
「依るだったら こうするだろう」そう 達が 
思う やり方

多分、そう。


私は結構、単純だから。
その辺り、みんなはきっと導き易いとは、思う。


 風が運んでくる 匂い
    暖かさに混じる 冷たい一筋

 それで「ああ、もうすぐ冬なんだ」とか
 舞い散る花弁の並びを見て
 「今日は神殿の方向を見に行けということか」とか。


全てが まるで 連想ゲーム みたいに。

 その場に「ポン」と 提示される 「お題」を
 どう解釈して どう受け取って
 なにを するのか。

それが結構 面白くて 楽しいんだ。
毎日が。



だから結局 私は私を「拓く」し「開く」

 開かなければ わからない

   見つけられない  受け取れない

 どこへも 行けない 辿り着けないんだ。



今、ドラマを終えて
「なんにもない」「自分しかない」空間に、いて。

ヒントは全て「私」か「私の光」から 齎されるそれ

それ即ち 「自分の方向」でもある。

ただ 全ての荷物、澱を下ろし
見つけたならば また燃やし
光が導く、その方向へ 軽くなりながらも向かって、行けば。

そう きっと 「辿り着く」筈

 私の求める 「美しい 調和」へ

 「みんなが自由に光る せかい」へ。



この頃の神域の在り方を 自分に沁み込ませながらまた深く、息を吸う。



「時間」ではなく
 「サイクル」を 知らせる 匂い

 風  ひかり  湿度  土の匂いからわかる
 お日様の 有無。

 そう 多分 あれは  「おひさま」なんだ
 でもなんか 少し 「幻想的」だけど。

 だからきっと 向こうは「つき」で
 それはどちらも「私の神域せかい」の それ

 枠にはまらない  常識の 範囲ではない それなんだ。



「私は 私のせかいで 生きる」。

そう、決めて。

「自覚」を 持ち

「比較」ではなく 「違い」を知って
進む道
「私の 行くべき 道」

それがきっと わかったから。

それを「生きて」「馴染ませる」べく 「沁み込ませる」べく。


しっかりと 進むんだ。



結局は 自分の「自覚」と「覚悟」「決意」しかない。



 そう 「祈る様に 生きて」。


  「どの ひかりの 分も」。


 「余すことなく」  「最大限」

  「感謝し」 「受け取り」  「味わう こと」


最後のこの身を 最大限 満たして。

「生きる」こと

肉体からだへの  人間ひとへの

「執着」では なく

最大限 「楽しむ」こと

 「色を 味わい尽くす」こと。



遠慮は要らぬ。

それこそ。

 最も 必要のない もの

  みんなの 教え  私の学び。


 「自分を 満たす」ことを。


 最優先し  「せかい」へ 伝える。


 それは  空の色 で

  風の音で

     炎の踊りで

 地の 震えで。



 そう どれも  私達と同じ 「生きて」いるからこその

 「生命いのち」の 振動

  
   魂の  ふるえ


 それはやはり 私の上げる 伸ばした 手から

 一歩を踏み出す 足の 裏から。


  溢れる 星屑  光の粒子

   こえの 振動   

      動きの  風 。



物質へは それを伝い  「浸透」するもの

見えないものへは その「想い祈り」で 「伝わる」もの。


 「美しい もの」は。

 「透明な もの」は。

 「純度の高い もの」は。



よく 透って  響いて。

  
  遠くまで  遥か 遠く 遠く

   どこまでも  風に乗り 飛んで ゆくのだ。


そう あの 銀糸の旋律の ように。



「想像」を 「かたち」にして


 風が「いろ」を運び
   花弁を下へ流し  光に変わり

 雲間から 陽が差して。


  まだ 小さな小さなスピリット達が
 落ち葉を拾い  灰色の石畳へ届け遊んでいるのが 見える。

「ふふ」

あれはきっと、「見た人」が「ああ、緑はこう変化するのか」と気付く為に あの子達が置いている「悪戯」半分「ギフト」半分、しかし素敵なプレゼントでは、あると思う。

それに 「気付くか 気付かないか」
    「ただの枯葉」と 思うのか

  自然からの「恩恵」「美しいもの」と 受け取るのか。


それは 個々の自由。

 在りたい 様に

 それぞれの 光が。


 それぞれの 「時」を 迎え

 また 新しい旅へ 旅立って ゆける様に。


私は。
ただ ここで 赴くままに 謳う だけ

 浄め 解し  洗い流して

 もし。 「衣が欲しい」という 人でも 来たら?


「あげちゃおうかな………でも、誰か来るかな………。」

「どうかな。まだ、だとは思うが。お前がここを、拡大し神域の段階と幅を拡げたならば、出来るだろうよ。」

「確かに?そうだね。」

あの、以前考えた「神域」と「本殿」系の はなし、ね…………。


そうして また今日も。
暖かい気持ちに包まれて起き出すこと、美しいものを目にして「ヒント」を貰うこと。

「ふむ。即ち、それ最高で、あって。」


そうしてやっと、自然と返事が来る会話、いつの間にか気持ち良い風が 素肌を撫でている事に気が付いた 私は。

慌てて、パッと羽衣に隠れたので ある。

うむ。


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