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8の扉 デヴァイ 再
託宣
しおりを挟む『 「世界」を 「すべて」を
包含し
精霊達と 共に 見えない世界を
表現していくこと 』
あたまの 中に 降りてきた ことば
舞う 花の様な ひかり
フワフワ シュルシュルと 花火の様に
私の前で 爆けるひかりの 中に。
一筋の 一際 輝く白き光が ある。
なんだろうな あれ は。
じっと見ていると それが
何故だか 「白蛇」だと わかって
そのまま 目が 覚めたんだ。
「 うーん?」
なんか いい夢だったな
いや あれ 「夢」 だった ???
ぼんやりとする頭
しかしこの頃 割とぼんやりしている私は
とりあえず散らかった自分のカケラを集め、ことの事態を観察することにした。
「散らしておく」事を意識しているからか
一旦物事を整理したい時には、自分を纏める必要は ある。
「ん? ふむ?」
遠くに見える私の光達
マシュマロの脇には 白
金色は 案の定 いなくて
私の周りを シュルシュルしている のは。
「 うん 「白蛇」、だね??」
しかし、あまり「現実味」のないこの子はきっと。
あの夢から導かれて来た「私の光」の 「なにか」で、「なに」かは解らないけど私の為に出てきただろう事だけは、解る。
「………なんだろう、な、?」
心当たりは、無い。
「ん?」
しかし。
「あっ ?」
そうか。
えっ あれが? うん?
「予言」? なんだろう でも。
時折自分の「なか」へ降りてくる
「予言」「お告げ」の様な
「ことば」「インスピレーション」。
それは 「ことば」だったり 「ひかり」だったり
「いろ」であったり 「白」みたいな。
動物だったりも するけれど。
「………?成る程。でも、そのまんま、まるっと全部素直に「受け取ること」って。言ってた、もんなぁ………。」
て いうか。
なんて 言ってたっけ???
確か 「まるっと「ぜんぶ」含んで 見えないもの達と 世界を表現する」みたいな 感じ?
だったよね ???
遠くの方で慶が「そうよ」と頷いているのが、見える。
細かい部分は違うかも知れないけれど、大方合っているという事だろう。
「うん?だから、この白蛇が…………必要?なのか??でもきっと。「助け」には、なるって事だよね…。」
緩々と マシュマロの上を這っている彼は
きっと私が思っている事が分かるのだろう。
チラチラとこちらを見ながらも、マシュマロの上を探検する事は止めぬ様だ。
「ふむ?」
爬虫類は得意じゃないが所謂「気持ち悪い」感覚は全く、無い。
美しく透ける様な白い肌、微かにキラリキラリと光る鱗に真っ赤な、眼。
「真っ白」だけれど「透ける様な」感覚
以前神域の床だった 「発光する白い石」が質感的には 近い。
その、柔らかいのか硬いのか 神秘的な肌にキラリと光るは「ルビーの様な」眼。
「ふむ。」
その、小さな眼が私の方を向いて「思う 様に」と言っているのが わかる。
「ふむ?」
なんだろうな…………。
不思議。
とりあえず、この子はどんな蛇なのかと
今度お出掛けに連れて行ってみようと思った。
何故かはわからないけど「外に行けば」分かると、思ったからだ。
「「名前」は 何に しよう かなっ ♪」
「ふうん?中々、いいものが、出たな。」
「そう?そうでしょう。」
「なんで」いいのか、訊こうかと思ったが
やめておいた。
きっと「これ系」の話題は教えてくれないと解ったからだ。
あの目。 いいもん 自分で
探ってくるもんね
なんだか楽しそうに私の変化を見守る彼は、確かにきっと「楽しい」のだろう。
ここ最近「感情」がよく、「現れる」様になった彼の変化が、私も嬉しかった。
なにしろ 良きことかな。うむ。
そうして金の瞳が怪しく光る前に視線を逸らし、白蛇の名前を考え始める。
「うん、名前は…………」
そう考え始めると、降りてきたのは「ナーガ」
しかしそれだと「そのまんま」ではある。
うーん
確かに 「光」なんだ ろうけど
流石に安直 過ぎ ない??
「白」はもう いるし 「ルビー」みたいだけど
この子は多分男の子だし まあ 性別関係ない
んだろうけど でもな うーん?
しかし、他に「ことば」は 降ってこない。
「うーん。それなら、「ナガ」にしようか。なんか、「長い」っぽい??まあいいか、長くも、ある。」
朝が聞いたら絶対に突っ込まれること請け合いである。
あ なんか
会いたくなってきちゃった。
雲海で遊んではいるが、暫くフェアバンクスにも出ていない。
今日は 行ってみようか。
イストリアさんにも 会いたいし。
本部長 うん まあ うん。
そうしてとりあえず。
久しぶりの「散歩」を楽しむ為に、支度をする事にした。
「えっ、ねえ、なんか。私 大丈夫?かな??」
鏡の前でくるりと回り、鏡、慶、ラーダに意見を求めるが
みんなは優しく頷くばかりでイマイチ心配である。
「でも これ以上 どう しようもないだろう?」
そんな冷たい事を言うのは 鏡
しかし確かにそれは、その通りで私の姿は相変わらず「真っ白」なままだったし、唯一「いろ」のある瞳は「青」なのだけど。
その時によって「濃淡」ある瞳は薄い時はほぼ水色、濃い時でも青に、金。
時折光の角度で虹色に光るそれは、やはり人間には。
どう考えても、見えない。
「うーーーん?」
そして 纏うは
慶に頼んで出てきたシンプルなワンピースに いつもの、羽衣。
「まあ。ある意味、これが「新しい姿」とか言って………まあ、別に変じゃないしね??」
「どこが問題なのだ?」
「うっ、気焔は引っ込んでて。」
彼に私のスタイルに対しての機微が、解るとは思えない。
絶対
なんでもいい とか 言うに決まってるんだ
「解っているではないか。」
「だーかーらー。あっち行ってて!」
くっ 楽しんでる!
「あー、もういいか。てか、服が無いけど私のクローゼットの服は、着られるんだろうか………?」
あれもまじないで、以前創った ものだけど。
なんとなく だけど。
もう 「合わない」の かな 。
フワリと少しの、寂しさが浮かぶ。
あの ウェッジヴッドブルーの部屋
クローゼットの 小花模様 その なかみ も。
チラリと浮かんだ想像に首を振って、気を取り直し最終確認をする。
でも、くるりと回ってみた だけだけど。
「うん、とりあえず部屋の整理?もしたいし、森の様子も見たいかも。てか、お風呂入ってないし………。」
いつも藍に頼んで、綺麗にはなっているけれど
「お風呂」というものの魅力はやはり、捨て難いものである。
「うん、じゃあ………あとは、いいかな………」
もう一度 白い場を、ぐるりと見渡して。
パッと目が合ったのは 青い眼
白く 大きな 虎 だけど ??
「 うん?」
流石に白は目立つので、ナガだけ連れて行こうかと思っていた。
何故だか既に、私の「アクセサリー」よろしく
肩から腰に、巻き付いているナガ。
当たり前の様に、ついて行くつもりなのだろう。
なんとなく、眼の光でそれが わかる。
しかしもう一つ 私を見つめるは 大きな白
その青い 眼。
「え 行きたいの?…………まあ、そうか。それなら………うん。」
流石の本部長も、この大きな虎をなんとかしようとは思わない…………だろう、多分。
しかも、この子はきっと私を心配しているのだ。
「大丈夫なんだけどね、自分のところだし。」
「支障がある訳ではない。連れて行って、見せてやるといい。」
「確かに?」
新しい仲間、他の光達はあまりみんなの前に現れる事はないけれど
この子達はきっとこれから、近しい人の目には触れるに違いない。
それなら紹介しておいた方が、良いだろう。
「そっか。じゃあ、行こうか。」
そうしてポンとマシュマロから降りた、彼を見て。
「一緒に行くんだ」と 安心した私はやはり少し、心細くもあったのだろう。
自然と頭を垂れ私を乗せた白い毛並みを撫でると、シュルリと背中を廻るナガが、「護り」なのだと わかる。
「うん、完璧。」
そうして私達、一見 謎の一行は。
神域を出て、青い廊下へ移動したのである。
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