透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再

それぞれのタイミング

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自分の場神域」へ 帰ってきて。

ゆっくりと落ち着くと、フワフワと浮き上がってきた
小さな澱 鈍い色の光達。

「今回の「これ」は、なんだろうな………。」

外に出て沢山の「もの」「こと」を見て
無意識に拾う「小さな想い」「異色」「不調和の色」。


「あ。」

 そうだ

 思った 気付いたんだけど。

 あれは 「不調和」の 色なんだ。


どこでも、調和の取れている場所、人々はいて
そこはとても美しい色で包まれ見ている時も心地良く、安心で見ていられる。

でも、「鈍い色」を放つ場所は調和が取れていなくて。

誰かが我慢していたり、小さく傷付けられていたり。
大きな声に 怯えていたり。

その場の人々が気付いている、いないに関わらずそこでは「不調和」の空気が流れ、澱んでいるのだ。


「光が降れば………、或いは星を流すか………。」

全体的に「満たされていないコップ」、誰かが誰かの「なかみ」を奪う構図。

「チカラ」の奪い合い、「愛」の奪い合い

意識はされていなくとも、みんなが求めているのはきっと「愛」だ。

 「愛情」とか「承認」とか。

「物」「お金」「身体」それを使って繰り広げられる、「チカラ 心 愛」の奪い合い、「なかみ」が欲しいのに「外」を削り合う、この構図は。


「きっと、ずっとずっと。やっぱり「無いもの」とされてきた、「こころなかみ」の問題だよね………。」

見ない様に
見えない様に
隠してきて
気付かぬふりをして
気付かれぬ様にして

しかし「こんなに傷付いた」と責める時は
「ある」前提

しかし「こころなかみ」を無視して
進められる結婚やルールに従う時は「無い」前提


「誰かの都合」で くるくると変わる「なかみ」問題


 「私達の 「なかみ」は 要らないの

  籠の鳥でしか なかったのか

  人間ひととして 生きられた だろうか」


あの時の。
ディディエライトの想いが、私の「かたち」の中を舞う。

「今」のディーは ただ それを微笑んで見ていて。

 「ああ 消化できたんだな 良かった」そう思うと共に

 「やっぱり「その時」が それぞれに来るまで  」

どう、しようもない

それもまた 「事実」。


「でも。それもどれもこれも、踏まえて。私は「狭間である」と「降りない」と、決めたんだから。うん、私は私の道を。………うん。」

全く蟠りが無いかと言えば、嘘になる。

でも「真っ新」じゃないと 進めないか
進んじゃいけないのかと言えば それも違うだろう。


「なにしろ「小さきもの」より、「威張ってる側」の方が先に気付かないものかね………?」

そう、上手くは行かないのか。
うーーむ。


「自分の中の矛盾に気付くこと」それは確かに
難しい。

そもそも「気付こうとしていない」「気付きたくない」から、気が付かないのだ。
それではいつまで経っても。
やはり、そのままなのだろう。

「変わって欲しい」「変えたい」、それはやはり驕りだけど。


「なーんか。結局、「やられている側」が立ち上がらないと気付かないのが、腑に落ちない。うーんしかしそれもまた………うむ。」

いや
ここで私が 悩む 事では ないんだけど。

でも結局
 「自分を変えるのは 自分」でも あるのだ。

やはり自分を「可哀想」がっている ばかりじゃ。
自分を救えないのも、よく わかるから。



「立ち上がるチカラ、かぁ………。」


  「その時」ね…………。

確かに「気付いて」、上を向いて、進んでいる人もいた。
ハーシェルも言っていたけど 確かに。
 
確実に光は 増えているんだ。

しかしやはり「進んだり止まったり 戻ったり」して。
その場をぐるぐる、回っているに 近い。

「決め手」の様な 一歩が踏み出せないのか
「積み重ね」が 足りないのか。

そもそものコップが満ちていないスタート、そこからどこまで頑張れるのか 進めるのか。


「根性論、でもないんだけど。でも、なんっか、こう………日々の?瞬間瞬間の??「努力」、って言うと根性論ぽいかな??うーん?」


真摯に続けることの 難しさ
日常に振り回される 「満たされていない私達」。

暗い夜の中を進んでいる様な 感覚
しかしそれにも慣れ 気付かず生活する現状。


どんな所に、いる人も。
迷って 惑って 悩んで、いて。

でも、それも解るんだ。

「希望」が 無ければ 夢が見れなければ。

やはり、顔を上げ「星」を見上げることは
難しいし、囚われている時は「気が付かない」。

チラリと空で、星が光っても またすぐに目の前の「大変さ」に巻き込まれてしまう、日常。
そうして忘れてしまう「星」。


なんでなんだろうか。
「真っ直ぐに上を向くこと」それを、の難しさ。

シンの言っていた「私だから」の意味もよく、解る。
自分が細かく、しつこくて、面倒くさいことも
知っているから。

すこしでも「違和感」「不調和」を 感じたら。

「?」と気付き、自分の「かたち」で照らし合わせ「選ぶ」ことを「やっていた」からなんだ。

今 ここから見るとそれがよく、わかる。


「でも。………悩んでるなら、探しに行く?なんか、解決を模索したりしないのかな………忘れてもまた、思い出したり?何回も思い出してるうちに「あれ?」ってなんないものなのかな………。」

その、私の呟きに。
自然と入ってくる返事、それは長い「時」を超えてきた彼だからこそ濃い色を纏い、私の中に沁み込んで くる。

「その、雲の下は「そういう世界」なのだ。「それを楽しむ世界」とも、言えると思うがな。」

 ふむ。

 成る程 確かに。

「多くの者にとって。は、まだつまらぬものなのだろう。いつ、誰に「その時」が来るのかは。本人しか、分からぬ事だからな。」

そうなんだ

それは きっと。

「意識」していなくても
日々の積み重ね、違和感への疑問、徐々にその綻びを解き
自分の道を進む事によって。

 「見えてくる」「道筋」「その時」「その 瞬間」

それは確かに、私もだったから。

よく、解るんだ。


「その光には、その光の、「道」がありそれは自ずと現れるもの。望んで、いればだがな。必要な道を通って、辿り着くのだ。「超える為に」必要な事を、しているのだろう。だからお前はあまり「小さき光」に焦点を合わせるな。それを「どうにかしようとする」構図が、また出来上がるぞ?」

「うぅっ、確かに。…………また、おんなじことじゃん…。私って、ホント………。」

蹲り始めた私の背を、優しく撫でる手。

何度も何度も、繰り返してしまう私に掛かる、その手はいつもの変わらぬ優しい色だ。

「あまり難しく考える事はない。周りではなく、お前がそれ本質を「降ろし」、そう「成れ」ば。ただ、「そう在る」だけで光は自然と流れる、もの。豊かで満ちた、「色」が拡がるのだ。」

「…………それを?降ろして、ある………。」

「そうなのだ。を阻んでいるのはお前の中の澱、澄んだ自分の姿を見えなくしている、もの。それを取り除けば、よい。」

「  うん。」

 成る程?
 確かに 「おろす」っていう 考えは 無かった かも??


 「大きな 私」 「全体の私」

   「私の 全体像」

それは。
あの「情報って 浮いてる?」と思った時にも
感じた それだ。

確かに、私の全てを知る「私の全体像」が
そのまま私に、なれば。

自ずと自分の姿ははっきりと見えるのだろうし
迷わず進めるのだろう。

ただ、それを「やる」のが 難しい だけで。


「うん、なんか。わかった、気が?する。」

「まあ、良い。なにしろこれまでの殆どを回収して、迷路を辿りお前は「お前の中心」に辿り着いたのだ。そこから「真実の依る」で、何処へ行き何をするのか。それは、また追々、であろうな。なにしろ、だったな?」

あっ

そうして
 また 「悪い顔」をした 金色

「 ぅっ」

大事なことを 言われているのに。
すかさず 漏れる この「わたし」の身体は。
如何 したものか。


「吾輩、「与える事は喜び」でも、ある故。お主はしかし、自分以外の為に走り過ぎなのだ。暫し、休んだとて、何もしなくとも誰も。咎めはせぬ。」

 「与える事は 喜び」?
 それなら ?  いいの か?  

    うん  いい よね??


「  うん。 なんか、ありがとう ?」

疑問符は付いたけど
その、お言葉に甘えることにして。

とりあえずはその腕に身を委ね、暫し「自分を休める」事に
したので、ある。





☆9

 
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