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8の扉 デヴァイ 再
神域の 最奥
しおりを挟む「ここより もっと 奥がある」
「そこが 心地よい場所」「新しい 私の居場所」。
そんな閃きがやって来たのは、あれから少し
してからだった。
あの「白い小さな扉の奥」、広大な雲海の広がる
あの景色
あれを見てから 感じてから。
「多分、ここにもあるよ、ねぇ………。」
そう、呟きながらぐるりと見渡す 「私の場」
ここもまた「白く広い」私の空間 なのだけど。
「うーーむ?「ある」と、すれば………。」
あそこ かな ??
とりあえず目に付いた「もの」
それはあの「魂の木」、象牙色の大きな木だ。
「生まれた」と 思ってあそこから出て来た事が、まだ記憶に新しい 大きな木。
「て言うか、それらしき「もの」があれしか無いって言う………。」
今現在、私の神域には
象牙色の大木「魂の 木」
石などが 置いてある 供物台的な もの
色とりどりの 石達
大きな 鏡
時折流されると気持ちいい 小川
それだけである。
ただ 広く白い、このある意味「なんにもない」空間が。
物凄く落ち着くのだから、なにか「もの」を置く必要が無いのだ。
「まあ、なにしろ元々スッキリしてるのが好きだしね…。ん?………いやいや、あれはまた別の話でしょう、うん。」
ふと目についた マシュマロ
しかし あれは。
そう まさか 「最奥への扉」には なり得ないものだ。
そうよ そうそう そうなったら困る
いや まあ 困る? な??
「コホン」と咳払いをして、気を取り直し
再び白を目に映す。
そうして改めてじっくりと見渡すと。
始めは「木」かと思ったけれど「鏡」も 悪くない。
「ふむ?」
「鏡の中の世界」に憧れていた身としては、確かに一度は入ってみたい場所の一つだ。
それにここは 「私の神域」、だから「思えば」。
うーーーん でも なん か。
「カチッと」 嵌まらない んだよ ね………
「しっくりこない」という事は
「すっきりしない」という事でも ある。
即ち それは「違う」ということ
それならば?
くるりと、大きな木に向き直って。
豊かに茂る、白い葉を目に 映した。
「ふむ?」
その時。
大きく息を吐いたと 同時に
フワリと届いた「匂い」があった
それは 「あの子」の。
「桃色の 香り」だ。
酷くそれが 懐かしく感じて
「ああ あれは 良かったな」素直に そう思う。
深い海 美しく 青いあお
頭上に揺れる 光の網と 海底の 深緑
あの 深海の 生き物達は。
今も 元気に泳いでいるだろうか。
また、機会があれば あそこなら 「行ける」と
思う。
人間は いないから。
最早懐かしく感じられる この間の出来事
くるくると 「辿ってきた光」のカケラが舞い
白い空間が青に 彩られてゆく。
でも。
「あの時点」に 戻りたいかと 言われれば。
「………確かに………もう、違うんだよな………。」
広大な神域にて そう感じる
素直な思い。
「あの時点の 私」 「今の 私」
それは同じく「点」で 存在して
私の「なか」に 「同時に ある」のだけれど。
しかし明らかに違う「位置」「幅」「高さ」と「いろ」。
見える様になったからこそ、感じる「質」の違い
「範囲」の差
それは「ここ」と同じく「変化」した
「違い」で あって。
そう
あれからきっとここは、また広くなって。
遠く、遙か向こうは霞の雲
ぼんやりとして 見えはしないのだけど
「無限」に 拡がっているのは わかる。
そう この頃の私のテーマ 「無限」
それはやはり。
「こういうこと」なのだろうと、それを現してくれている この「場」。
ある意味優秀な「私の先生」「見本」の様な
これもまた。
きっと 私の「どこか」「なにか」「なかみの 一部」
まだ「発見していない」けれど「ある」、私の部分なのだろう。
「ふーむ?」
最終的に 、だけど。
私は「光の場」が 創りたい
なんとなく それも思う。
「小さな光」達が、安全安心に あれる 場
何者にも侵されなく 休める 場。
こうなってみて、思うけれど
「下」は ある意味「全く 安心できない」空間である。
少なくとも、私にとっては。
でもきっと同じ様に感じている光も ある筈なんだ。
それはやはり、あの雲海から覗いていると
自然と「わかる」「感じる」こと。
そもそも「安心」の 「空間」でないと。
「満ちれない」のだ。
いつも何か、自分を「削る」ものの側にあって、満ちれるわけが、ない。
「だからそれも…………解るんだよね…。うーむ。だからこその、こう、「神社の神域」、みたいな………。」
そう 私がイメージしているのは「境内」
「あ。」
成る程?
だから、だ。
パッと思い付いた「もっと奥がある」、ということ
それは即ち「神域」の中、奥にある「本殿」
境内は みんなが入れて「休まる」場
「本殿」「最奥」は。
「私の場」なんだ。
そうか。
「 ふむ。成る程。」
フワリと くるくる、舞い始めたみんなを見ながら
そう、思う。
そう 「限定」しなければ それはきっと「できる」んだ
今 目の前に舞う
この子達が。 「限定」されていない 様に。
「ふむ?」
色とりどりに舞う、私の光達は きっと
所謂「ジャンル」が バラバラだ。
慶は 千手観音
ラーダは 観音っぽいけど 弁財天にも 似てる
天使の様な 優しい可愛らしさもあるし
窮は そもそも龍だし 人型になると なんか
「随身門」の矢大臣みたいに見えるし?
キラルとアンカーは 白黒の番いの鳥
眩しい光の様な「真っ白」と 濡羽の様な「黒」
それぞれがポイントにお互いの羽を取り入れて
「対」になっているのが分かる「巴紋」の様な 二人
大きな翼と品のある顔 しかし「なんの鳥」かは
わからない。
でも、長い部分がある豊かな羽とその大きな体は実在の鳥ではなさそうな気もする。
「うーん?」
そもそも、一際大きな黎が「炎の鳥」なのだから。
「実在してるか、してないかは関係無いのね。これは………。」
フワリ フワリと火の粉を飛ばしながら舞う黎は
鳳凰とは少し違って、それよりもっと「白に近い」羽を持つ、炎の鳥だ。
比較対象があれだから、「何かが違う」と私が思っているのかも 知れないけど。
あっちは フェニックスだからな………
二人の姿を想像しつつ、比べるとやはり金色の方が大きな鳥で鳳凰に、近い。
そもそも 「不死鳥」って「鳳凰」だよ ね??
その 「天使」が 「観音」「菩薩」的な
その「表現」の違い? だよね???
しかし今の私に調べる術は無く、訊く人もいない。
今度イストリアに「神の概念や系統」を聞いてみようと思いつつ、そのぐるぐるは「ポイ」と投げた。
なにしろ「私の光」は、「私の」であるからして
私が思う「それ」で いい筈なのである。
うむ。
そして?
目の前で楽しそうにアピールしているのは、柔らかな青白い光を放つ可愛らしい兎である。
そう ウンは 「月の兎」だし
でもきっと「スピリット」か「神使」の 類いだろう。
フワリと靡く濃色が目立つ蘭は「花の精」に 見える。
でも「妖精」とか「精霊」かも 知れない。
「てか……………ホント、バラバラだね?」
でもきっと、「私の なかみ」の沢山の光から
具現化したこの子達は
きっとその時々の「濃い色」を反映した「美しい光」を。
蓄積から、具現化したものなのだろう。
以前も 思った「神は 共通」
「表現が 違うだけ」
そう それは 「表す画風」の違いの様な もので。
「だから うん?何の話だったっけ??」
ああ ここの 「限定」の
話 だった な?
「ここを…………拡げる、って事か…。まあ、最終的には、そう する? なる?と、いいよね…。」
みんなが 全ての 光が。
寛げる 安心 安全で あれる 場所 世界。
ぼんやりと、広く白い空間を眺めながら
そう呟く。
確かに「今すぐ」、どうこうする話じゃ、ない。
それに、もし「実現するとしたら」「希望する者」がいないと無理だろう。
「………ふむ?まずは、祈り?助けを求める所?窓口?それもこれも、「自由」な訳だから………それってハーシェルさんの所じゃ………うーん、都合が良いな…。」
いや 別に 「都合が良い」のが 駄目な訳じゃ
ないんだけど。
「なんか…………こう、「示し合わせた様に」ピタリとくるね………。」
まるで。
「始めから」「そうする」「なる」様に。
「 ふむ。」
しかし。
なにしろまだ先の話だ。
「限定しない」と、決めたのは私だし
これからの事は。
これから、また瞬間 瞬間で。
創っていけば いいのだから。
「 ふむ。なにしろ、みんな。美しく、回っているね?」
そうして腕組みをして、一人。
「納得の頷き」をしながら、くるくると舞う光達をじっと 眺めていた。
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