透明の「扉」を開けて

美黎

文字の大きさ
上 下
900 / 1,700
8の扉 デヴァイ 再

新しいエネルギー

しおりを挟む

 真っ白な光  四方から照らされる 私 と 「それ」

この清浄な「祈りの空間」に。

「おかしなもの」は 存在できない し
私に反するもの 「在り方」が違うもの は 出ない

それは本能的に 「解って知って」いたけれど。

えっ  なに  これ  ???


目の前に飛び出て来て、祭壇に鎮座しているそれを見て
自分の目を疑う。

私の「新しい目」は。

精度が上がった筈だし
前より ようく その「本質」が見える
そう思って、いる。

いや だが しかし。


「えっ、これ、なに……………。」

明らかに放つ「異質なチカラ」、それは「嫌な」「おかしな」ものでは、ないのだけれど。

明らかにこれまでの石と「在り方」が違うのは、わかる。


なにしろ「私の扉」から出てきた物だ。
危険は無いのは解っているが、とりあえず「見る」ことを優先する私は腰に手を当てたまま祭壇の周りをぐるぐると、回っていた。

「…………ふむ?」

キラリ ぬらり と。

光る、その石は。

「多分、これ。…………えっ?うん?、なの???」


 「異質」「違う」「チカラ」「エネルギー」

 「新しい」 「星」「カケラ」 「影響」

 「夢」「違う星」  「波及」 「感じ取る」


くるくると回るカケラ、弾き出される「こたえ」 

それは。


 「あの夢 違う エネルギーから

 受けた 影響   違う種類の チカラ」

   新しい もの 生成  石 


私が 「受けた」もの 

それは「匂い」か「いろ」か 「想い」か
なにしろ「見えない なにか」なのだろうけど。

あれはきっと「違う なにか」

でも「それ」が私の「いろ」と 混じって。

「出来た」のが、「これ新しい石」なんだ。


「かたち」から弾き出された「こたえ本当」に、暫し言葉を失う。


 え  これ って。

   どういうこと なんだ ろうか 。



いや、「今は」解らないのかも 知れない。

とりあえず本能的にそう察した私はなにしろそれを手に取ってみることにした。

まだ、眺めているだけだったから。
手に取ればまた、なにか分かるかも知れない。


「ふむ?…………ウイントフークさん………危険?でも、見せない訳にも…………?」

ブツブツ言いながらもくるくると回す石、凡そ見た目はガラスとそう変わらない。

ヨークのガラスの、「濃い」「ぐるぐる」バージョン。
私からすれば、そんな感じだ。


「なんだ、ろうな…………なんっか。普通の石と「存在の定義」が、違う………?そんな感じだよね…。」

例えて言うなら。

あの子達は「振動して」いるのだけど
この子は「回転して」いる。

そんな感じだ。


「ふむ?」

手のひら程度の丸っこい石が、三つ。
そう、それは三個、ある。

しかも「赤」「青」「黄色的な なにか」。

その黄色っぽい一つだけ、不透明で混じりがある。
黄色から少し橙が混じり黒くなる、そんな感じだ。
不透明だから、本当は他の色も隠れてるのかも知れないけど。
でも、私の知る石とは存在の定義が違うそれは、「渦を巻く」様に混じり合っていて地球の石の「混在」「共生」とは何かが違う。

「…………ん?」

 「地球の 石」?

自分のぐるぐるの中からで出来た言葉にピタリと止まった。


 これ が 「地球の石」だと したら。

自分の腕輪をじっと見て、そのまま視線を「それ」に移す。

 確かに ?

 これ は  「宇宙の石」? 「外の石」? かも。


なんとなく湧いてきた感覚
しかしだからこそ「本当」を示す その 内容


「ふむ?これは本部長案件だな。うん、そうしよう。」

私は「感じる」ことは、できるけれど。

「調べる」「成分を分析」そんなのは、あの人の仕事だ。

うん、そうそう 
「適材適所」よ。


「面倒」「興味」「範囲外」
そんな事も頭を掠めるが、きっと内緒にしていると怒られそうな案件でもある。

「ま、きっと喜ぶでしょ。うん、明日朝イチプレゼントしよっと。」

そう一人で纏め、ポイポイと臙脂の袋に放り込んだ。
とりあえずはこれで問題無いだろう。



「…………なんか。ありがとう。きっとこれも。「ヒント」だよね?」

見上げた白い扉、小さなそれは静かに私の上で光って、いるけれど。

美しいリボンの彫りを、目で追いながら静かなそれが落ち着いている事を確認すると、そっと頷いてくるりと踵を返す。

もう、寝る時間だ。

難しいことは、明日本部長に丸投げすれば、いい。


そうして「ポン」と臙脂が入ったポケットを叩くと。

そのまま真っ直ぐ、ウエッジウッドブルーへ帰ったので、ある。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

N -Revolution

フロイライン
ライト文芸
プロレスラーを目指す桐生珀は、何度も入門試験をクリアできず、ひょんな事からニューハーフプロレスの団体への参加を持ちかけられるが…

皇帝はダメホストだった?!物の怪を巡る世界救済劇

ならる
ライト文芸
〇帝都最大の歓楽街に出没する、新皇帝そっくりの男――問い詰めると、その正体はかつて売上最低のダメホストだった。  山奥の里で育った羽漣。彼女の里は女しかおらず、羽漣が13歳になったある日、物の怪が湧き出る鬼門、そして世界の真実を聞かされることになる。一方、雷を操る異能の一族、雷光神社に生まれながらも、ある事件から家を飛び出した昴也。だが、新皇帝の背後に潜む陰謀と、それを追う少年との出会いが、彼を国家を揺るがす戦いへと引き込む――。  中世までは歴史が同じだったけれど、それ以降は武士と異能使いが共存する世界となって歴史がずれてしまい、物の怪がはびこるようになった日本、倭国での冒険譚。 ◯本小説は、部分的にOpen AI社によるツールであるChat GPTを使用して作成されています。 本小説は、OpenAI社による利用規約に遵守して作成されており、当該規約への違反行為はありません。 https://openai.com/ja-JP/policies/terms-of-use/ ◯本小説はカクヨムにも掲載予定ですが、主戦場はアルファポリスです。皆さんの応援が励みになります!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

パパLOVE

卯月青澄
ライト文芸
高校1年生の西島香澄。 小学2年生の時に両親が突然離婚し、父は姿を消してしまった。 香澄は母を少しでも楽をさせてあげたくて部活はせずにバイトをして家計を助けていた。 香澄はパパが大好きでずっと会いたかった。 パパがいなくなってからずっとパパを探していた。 9年間ずっとパパを探していた。 そんな香澄の前に、突然現れる父親。 そして香澄の生活は一変する。 全ての謎が解けた時…きっとあなたは涙する。 ☆わたしの作品に目を留めてくださり、誠にありがとうございます。 この作品は登場人物それぞれがみんな主役で全てが繋がることにより話が完成すると思っています。 最後まで読んで頂けたなら、この言葉の意味をわかってもらえるんじゃないかと感じております。 1ページ目から読んで頂く楽しみ方があるのはもちろんですが、私的には「三枝快斗」篇から読んでもらえると、また違った楽しみ方が出来ると思います。 よろしければ最後までお付き合い頂けたら幸いです。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

処理中です...