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8の扉 デヴァイ 再

新しいエネルギー

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 真っ白な光  四方から照らされる 私 と 「それ」

この清浄な「祈りの空間」に。

「おかしなもの」は 存在できない し
私に反するもの 「在り方」が違うもの は 出ない

それは本能的に 「解って知って」いたけれど。

えっ  なに  これ  ???


目の前に飛び出て来て、祭壇に鎮座しているそれを見て
自分の目を疑う。

私の「新しい目」は。

精度が上がった筈だし
前より ようく その「本質」が見える
そう思って、いる。

いや だが しかし。


「えっ、これ、なに……………。」

明らかに放つ「異質なチカラ」、それは「嫌な」「おかしな」ものでは、ないのだけれど。

明らかにこれまでの石と「在り方」が違うのは、わかる。


なにしろ「私の扉」から出てきた物だ。
危険は無いのは解っているが、とりあえず「見る」ことを優先する私は腰に手を当てたまま祭壇の周りをぐるぐると、回っていた。

「…………ふむ?」

キラリ ぬらり と。

光る、その石は。

「多分、これ。…………えっ?うん?、なの???」


 「異質」「違う」「チカラ」「エネルギー」

 「新しい」 「星」「カケラ」 「影響」

 「夢」「違う星」  「波及」 「感じ取る」


くるくると回るカケラ、弾き出される「こたえ」 

それは。


 「あの夢 違う エネルギーから

 受けた 影響   違う種類の チカラ」

   新しい もの 生成  石 


私が 「受けた」もの 

それは「匂い」か「いろ」か 「想い」か
なにしろ「見えない なにか」なのだろうけど。

あれはきっと「違う なにか」

でも「それ」が私の「いろ」と 混じって。

「出来た」のが、「これ新しい石」なんだ。


「かたち」から弾き出された「こたえ本当」に、暫し言葉を失う。


 え  これ って。

   どういうこと なんだ ろうか 。



いや、「今は」解らないのかも 知れない。

とりあえず本能的にそう察した私はなにしろそれを手に取ってみることにした。

まだ、眺めているだけだったから。
手に取ればまた、なにか分かるかも知れない。


「ふむ?…………ウイントフークさん………危険?でも、見せない訳にも…………?」

ブツブツ言いながらもくるくると回す石、凡そ見た目はガラスとそう変わらない。

ヨークのガラスの、「濃い」「ぐるぐる」バージョン。
私からすれば、そんな感じだ。


「なんだ、ろうな…………なんっか。普通の石と「存在の定義」が、違う………?そんな感じだよね…。」

例えて言うなら。

あの子達は「振動して」いるのだけど
この子は「回転して」いる。

そんな感じだ。


「ふむ?」

手のひら程度の丸っこい石が、三つ。
そう、それは三個、ある。

しかも「赤」「青」「黄色的な なにか」。

その黄色っぽい一つだけ、不透明で混じりがある。
黄色から少し橙が混じり黒くなる、そんな感じだ。
不透明だから、本当は他の色も隠れてるのかも知れないけど。
でも、私の知る石とは存在の定義が違うそれは、「渦を巻く」様に混じり合っていて地球の石の「混在」「共生」とは何かが違う。

「…………ん?」

 「地球の 石」?

自分のぐるぐるの中からで出来た言葉にピタリと止まった。


 これ が 「地球の石」だと したら。

自分の腕輪をじっと見て、そのまま視線を「それ」に移す。

 確かに ?

 これ は  「宇宙の石」? 「外の石」? かも。


なんとなく湧いてきた感覚
しかしだからこそ「本当」を示す その 内容


「ふむ?これは本部長案件だな。うん、そうしよう。」

私は「感じる」ことは、できるけれど。

「調べる」「成分を分析」そんなのは、あの人の仕事だ。

うん、そうそう 
「適材適所」よ。


「面倒」「興味」「範囲外」
そんな事も頭を掠めるが、きっと内緒にしていると怒られそうな案件でもある。

「ま、きっと喜ぶでしょ。うん、明日朝イチプレゼントしよっと。」

そう一人で纏め、ポイポイと臙脂の袋に放り込んだ。
とりあえずはこれで問題無いだろう。



「…………なんか。ありがとう。きっとこれも。「ヒント」だよね?」

見上げた白い扉、小さなそれは静かに私の上で光って、いるけれど。

美しいリボンの彫りを、目で追いながら静かなそれが落ち着いている事を確認すると、そっと頷いてくるりと踵を返す。

もう、寝る時間だ。

難しいことは、明日本部長に丸投げすれば、いい。


そうして「ポン」と臙脂が入ったポケットを叩くと。

そのまま真っ直ぐ、ウエッジウッドブルーへ帰ったので、ある。

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