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8の扉 デヴァイ 再
黒とか 闇とか
しおりを挟む結局 あの「練度の高い 魂」って。
なんなのだろうと、思うけど
「知らない」「解らない」訳じゃない
私だって。
あの「鮮やかな どす黒さ」を見たかった時も
あったんだ
だから。
「全く わからない」、訳じゃ ないんだけど。
「でも。…………なんで、そもそもが「なんで」なんだろうな………。」
あの夢を見てから考える「究極の悪意の塊」のこと、「練度の高い魂」が それをやるということ。
その「意味」を、ふとした瞬間につい考えてしまう。
特に 私の 光達が
美しく 楽しそうに 舞っていたり
スピリットが 遊ぶ こんな 空間では。
青い天井を見ながら、考える。
今日は何故だか、青い鳥や蝶が多いホール。
青の色彩に混じり「私達も 美しいよ」と楽しそうにスピリットが舞うこの空間は、以前は目を奪われることが多かったけれど。
この頃はよく、私に馴染んで「明度」が上り考え事が捗る様な気がする。
でもきっと、そうなんだろうけど。
「割りたい」のか
「極化」を招き 練度を高めたいのか
くるくると 戻る思考
確かに「揺れ」「震え」「流され」、私達は沢山の事を経験して、成長してゆくのは解る。
けれどもあの子も言っていた「やり方」の問題、「わざと」であろう「酷さ」と「闇への誘導」。
確かに、皆 善人だと。
「善悪」「正負」、別れる事はないのだろうし、私達の成長も遅いのかも知れない。
いつでも調和、平和だと練度が上がらない、それも分かる気もする。
やはり片方だけだと、見えない色も多いからだ。
でも。
「そう、なんか、やり方………いや、しかし酷ければ酷い程的な………??いやいやいや………。」
「やり方」というか「自由意志」がある筈の光に、「わざと」差し向ける様に迫る黒の影、闇の色。
「染めたい」と、「仲間に」という気持ちも分かるが、問題はそれを「純度の高い光」がやっている、のがおかしいのだ。
「知ってる筈なのに」
そう、私達は知ることに なる。
練度が上がれば
「私達には 自由意志があること」
「どの光も それを「自ら選んで」やるということ」
「過干渉は 成長を妨げること」
「干渉ではなく 触媒になる ということ」
それを皆、知る筈なのだ。
ある程度の「高さ」まで昇り、「見た」ならば。
「うーーーん。いや「低い」のかも?…………いや。無いな。あれは強いし、高い光だよ。だから、分かんないんだけど。」
私が考えて解る事じゃ、ないのかも知れないけど。
自ずと知れることかも、しれないけれど。
でも単純に、気になるというのもあるのだ。
そもそも私達は、この「世界」にどうして「在って」「何をしているのか」。
それはこの旅の序盤からディーが私に問い掛けていた問題でもあるし、私自身が気になっていたことでも、あるから。
「でもそれって、なんで人間がいるのかとか、宇宙の存在とか、なんかそんな話だよね………?」
しかし。
これまでの経験から言って「科学」や「歴史」は、材料にはなっても証明にはならないし「本当の事実」は未だ闇の中なのだろう。
本部長の あの言葉
「歴史は探らなくていい。これからの事を見れば、大概予測はつくからな。」
そう、それは紛れもなく私達は「繰り返し」ているという事、小さく見ればそれは支配の歴史で大きく見るなら破壊と再生なのだろう。
「無に帰した」
グロッシュラーの歴史、私の世界での伝承、伝説、物語から歴史まで。
それはどれもが微細に関わり合い、影響し合って、「今」があるという事なのだ。
きっと。
くるくると舞う色とりどりのスピリット達が、「いろんな形、色」を見せてくれるから、それが分かる。
どんな 「いろ」も 「かたち」も
「今」「見えるもの」も「以前」は 「見えなかった」ものも。
「そう、実際こうして「現れてる」んだから、そもそも「前提とはなんぞや」的な、話なのよね………。」
「本当のこと」は 人の数だけ あって。
それは 真実で 角度の問題で 視点の問題で
今居る 位置の 問題でも あるからして。
「そうなのよ。実際、どうであれ。「私が」そう思ったなら、その可能性はアリ寄りの、アリって事よね………。」
そう、どれもはそれぞれの次元で存在していて、そのどれを採用するのか、そんな問題でもある。
「てかさ、それを考えたと、しても。」
そう あの「悪意の魂」が なにをしたいのか
ただの「掻き混ぜ役」なのか
それとも「別の意思」を 持っているのか
それは、解らないのである。
なんか。
透明な水の中に ポツリと垂らされた インクの
ような。
そんな 感じ だよ ね?
しかし。
「垂れた」 のか 「垂らされた」のか。
それも重要な話である。
「えーーー。でも、これも今考えて解る系の話じゃないんだろうけど…………。」
また、「進めば」夢に見るのか、降ってくるのか。
分からないが、きっと考えて解る内容じゃないのだろう。
「ふぅむ。」
あの女の子は、誰なのか。
「外」を知っている という事は 仲間? なんだろうけど
そもそも?
「外」? 私の またどこか 別の? 「私」??
黎は 「あれ」とは 違う
あれは
別の「意思」を持った 「なにか」
確かに 「光」の一種 なんだろう けど。
「混乱を起こす為にある 純粋な光」
そんなのって?
ある? のかな???
「…………まあ、何事も「ゼロ」じゃないんだろうけど。」
それも、わかる。
だからきっと 私は 「曇りなき」目で
ただ 世界を 見て。
自分で選んで 進めば いい
「そう、やる事はいつもと同じよ。」
確かに。
例え「なに」が現れよう とも。
真実は そう なのだ。
「ふぅむ。」
グラリと揺れて、そのままベンチに横になる。
頭上では私のカケラを真似ているのか、キラキラと羽を煌めかせて飛ぶ小さなスピリット達が恐ろしい程綺麗だ。
「よし。」
なんだか勿体無くなって、考えるのを止めくるりと立ち上がり、衣を確認して羽衣を出す。
この頃、回るのには欠かせない羽衣、フワリと空気を掻き混ぜ「いろ」を変えるのには丁度いいのだ。
「世界」が 「風」が
「空間」「空気」が。
一瞬にして、変化する
そんな気が、するから。
でも きっと そう
そうして今日も、両腕をヒラリと振り上げて。
とりあえずはあの「怪しい 色」を吹き飛ばす様、回り始めたのである。
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