880 / 1,483
8の扉 デヴァイ 再
外
しおりを挟む「変化とは 「流れ」で
変化しないという事は 停滞しているという事
自らの行き先を 自分の中心で考えず
停滞していたならば
大きな「意図」の流れに飲まれ
その「他の意図」によって
行き着く先が決まるという事」
「自らの舵を取り 行き先を決めたならば
その方向へエネルギーが流れ
行き先へ 向かうという事」
「物質」ではなく
「エネルギー」で 見る
高い視点で
ずっと ずっと 上に上がって
「外側」から 見るんだ
渦巻く 沢山の「意図」
「その方向」へ 向けられている 「思考」
誰かの 「都合のいい流れ」
そんなものは いつの時代でも あって
それに流されていた 私
成る程。
わかった。
「そういうこと」か。
然らば。
「好きな色の目的地」を設定して
進むと しよう
大型船、巨大な橋
橋の下を潜る船、小型の丸い木のボート
自在にチカラでそれを操り飛ぶ 波の上
つるりと光るそれは、木ではなくて「木に見える なにか」なのか、それとも加工か。
しかしそれを不思議に思う事なく飛ぶ海の上、沢山の人がいる船上、私を呼ぶ声。
「外へ」
「外へ 出て」
大空に高く舞い上がると「ああ、良かった!」という声が聞こえてくる。
誰かと思っていると、寄ってきたのは女の子だ。
「おかしいと思わない?以前と違う。魂の練度が低いのに、あのチカラは…」
「?確かに?」
「だから、わざと酷い死に方をして、チカラを上げているのよ。」
「は?そんな事、ある?!」
でも。
「あり得ない」とは、言い切れないのだ。
「人間は 大概の事は やる」そう学んできたのも、事実。
そんな事を考え付いて、実行している者がいるとしても、不思議は無いのだ。
「いつから、どうなってそうなのかは分からないけど。数は少ないけれど「強力な負の魂」、それがあるのは確かよ。それがあれば、周りなんて容易く惹き寄せられる。」
「………うん。」
わかる。
それはとても「魅力的な色」だろうから。
「なにしろ外に出ていないと話もできないわ。他にも仲間はいる。とりあえず阻止しようと動いている人達もいるから、協力して………」
「でも。どうするの?それも、流れの一部でしょう?」
「だけど酷過ぎるし、貴女だって目的を知りたくない?」
「確かに、それはあるかも。」
そう、黎が私の光になった事によって分かった事の一つ。
「闇はそれには なり得ない」
「それ」とは、「強烈な悪意の魂」「先導者」だ。
影響を与える事はできても、「それそのもの」になる事はできない。
人々の心に住む、闇の部分はあれど「悪意の魂」はそれとは全然別の物だ。
「その色を体験する光」なのかと、考えてみた事もある。
「悪」が無いと気付かない「正」もあるだろうし、それは段階によって必要なのだろう。
でも。しかし。
より醜悪で「そこまでやるか」という光は、あって。
なにしろ私が知るどんな闇や黒とも相容れない、別次元の「闇」、それは確かに存在するのだ。
「存在意義」「定義」が違う、様な。
そんな「闇」。
確かにそれが何処から来ているものなのか、知れるなら知りたいとは、思う。
「…………分かるのかな、それって。」
「さあ?でも、これ以上見てられない。必要の無い所まで追い詰める事はないし、なにしろやり方がエグいのよ。そうして他の魂にも「それ」をやって、仲間を増やそうとしてる。」
「それは不味いね。確かにその光の目的が二極の元で学びの為に設定されてるなら、分からなくもないけど。「影響される」者を増やすんじゃなくて「それそのもの」を増やそうとしてるなら、違うな。」
「そう!結局、そこまでの練度なら「知ってる」筈なのよ。でも「変えよう」として、それを実際やってる。成功してるかどうか、まだ分からないけど幾つかの光はそうなったかもね。」
「………成る程。」
そう、私達はお互い光り合って存在しているし、それは構わないんだ。
だけど。
「変えよう」と、「わざと」練度の高い魂が「そうする」こと、それは他の光への多大なる干渉で良い事ではない。
いいも、悪いも、無いのだけれど。
「練度の高い魂」が、それをやっているというのが不思議だし、私の領域外の闇も気になる。
「そもそもどうして」
それはずっと疑問に思っていた事でも、あるから。
「なんか、闇を溜めてある意味「自作自演」してるのかと思ってたんだけど。結局はみんな、同じ光だし、成長したくてお互いを研鑽?まあ、方法は辛くもあるけどそうじゃなければ成長もしないし。そんな感じなのかな、って思ってたんだけど。やっぱり悪役も、やってみたいじゃない?でも、どうやら違うみたいね。だから今、こうなってる。」
ぐるり、眼下を見渡し言う彼女。
「でも確かに悪意のある光は、存在する。その、意味 か………。」
久しぶりにゾワリとして目が覚めた。
あれ? 夢?
でも、そうかも。
私にとって夢は「啓示」でも、ある。
これまで数々の「他の私」、「何処かのヒント」を拾ってきたのも、やはり夢の中なのだ。
「外に出れば」
あの子の言っていた それも、良く分かる。
ここはある意味靄の中で、ヴェールの内側だ。
「外」から見ないと私達は「ドラマ」の中で
自分の配役からは 出られない。
「狭間」の私、気付きは増えてもまだ、溺れている部分はあるのだろう。
でも。
あの、忠告してくれた子は誰だったんだろうな………??
「あの場」には、他にも仲間が数人いる気配があった。
それはきっと「光を繋ぐ者」なのかも知れない。
視界以外の「外」は、実際に見えていなくとも何が起こっているのか解る部分があるのだ。
誰が何処で、動いているか どう動いているのか
それはやはり繋がっているからで、全ては一つだからなのだろう。
「誰」「どの光」まで分からないのは、まだ私がその段階じゃないか、「会う」か「見る」か、しないと識別はできないのか。
仕組みがよく分からないけど「動き」「流れ」は、ある程度読める。
もしかして、いや、もしかしなくとも。
これから他の光と繋がるのだろうし、それはきっと楽しい事だ。
まだ少しだけ残る「抵抗」、それは人間に対してのものだから。
光 ならば。
ぐっと胸を押さえ、無限の神域を浮かべながら
自分の境界を「広く」設定する。
「多分、大丈夫、大丈夫。………「大丈夫」って、言ってる時点で大丈夫か、これ。」
いや、しかし。
練習は必要で、それはやはり何度も繰り返す必要があるのだ。
「その都度都度 選択をすること」
「古いものを 選ばないこと」
「自分の感情を 選択すること」
「選べること を 確認すること」
そう 「今の私」は 「自分で選択」しているのだから。
魂に擦り込まれた「習慣」、それを書き換え上塗りするのが容易い訳が、ない。
それが長ければ長い程、練度が上がれば上がる程、しつこく強いものなのだから。
気を取り直し、再び息を吐いて空気を入れ替える。
「………ふむ。結局、もっと「拡げろ」って事なのかな………。」
くるりと寝返りを打つと。
すっきりと目に入る ウェッジウッドブルー
うん それもわかって る
いつもの色が 見えない
そこには無い、温もりを寂しくも思うが「わかって」は、いるのだ。
もしかして? あの 光?
そう、思わなくもなかったけど。
とりあえず期待はしない。
帰ってくれば分かるのだろうし、あれこれ未来の事を思い悩むのは無駄だとも、もう知っているからだ。
とりあえず、もうちょっと寝よ………。
辺りはまだ暗く、静かな部屋、隅にあるフワフワの気配も「まだ夜だ」と言っている。
いや、心地良さそうな寝息がそう言っているのだけど。
そうして一瞬揺れた自分の「真ん中」を、いつもの色に戻して確認する。
うん、大丈夫。
サラリとしたシーツ、フワリとした布団、安心の「自分の場所」から見える天蓋の星空。
「おやすみ」
そうしてその心地良さに、「感謝」して。
星に呟き、ゆっくりと目を閉じた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
24
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる