透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再

新しい私を見つける 2

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なに か なんだ  ろう か

 この バランス

   隙間に  嵌る  大きさ いろ

 丁度良い  形

  ピッタリと くる  「それ」は。


今度は  「何色」の 「光」?


くるくると回転しながらも、考えて、いた。

全体に散らした私の「」達、その性質や色から沢山の頂点が出来た「多角形」の「カタチ」、新しい私を齎すヒントの様な、それ。

しかし「多角形それ」はまだバランスが悪く、上手く美しい形を成すに至っていないのだ。

それが解るから。

なにか、ヒントはないかと彩りのいいこの景色を見ながらくるくると回っていたのである。



なにしろ「異色」を取り入れて、「新しい私」を発見していたこの頃、私はきっと少し疲れてもいたのだろう。

この「自分の色だけ」が、ある空間で舞うのが心底気持ち良くて。

ただ、身体が動くに任せ、くるくると回転していた。

していれば。
それだけで、「なにかが見つかる」「生まれる」ことは、知っていたからだ。



うん ?


「「枝」かな………??枝が、欲しい………。」


頭の中 か 
   スピリットの影か。

 私の「なか」に 齎された 「かたち」「いろ」

それは「緑」のなにか 細く長い、手に持てる大きさの。
「杖」じゃ ない
「棒」でも ない

少し 硬い  ハリのある 緑
  サワサワと 鳴る 音  神性な 風

多分「枝」、だよね??


そうして回転中に閃いた、「なにか」の枝、数枚付いた緑の葉。

多分それは神棚にある「榊」に似た、枝だと思うのだけど。


それなら?

 木を? 植えよう 伸ばそう?

  育てよう か?

齎された「ヒント」、それは新しい私に繋がる手掛かりでもあり、私にとって「役に立つ」ものの筈だ。

そのまま回りながら、プランターを目に映し現実的に想像を始める。


 もっと 大きい 広い  土が  要る な?

   ああ わかる  

 そう ね  確かに。

 「必要」だろう な

 「清める」「きよめ」には。



思い浮かぶは いつかの私が 手に持ち 

  舞っている あの 枝

 白い 私   
       靡く 白絹と サワサワと鳴る 音

なんの枝だろうか。

 丸く ハラハラと 風に靡く

 丈夫な 葉が  数枚ついた 
             丁度 良いあの枝 


「何の木なんだろう………?想像すれば、「それ」が育つ、かな………?」


「思って」「願って」「想像」して みる。



 「知らない」けれど

    「知っている」こと

       「わかっている」こと


先ずは。

 息を 大きく吸うこと

 「空間せかい」を 取り込み
 
 「私の場」に する  こと


そう
 この 暗い世界デヴァイでも。

 空はあって 宇宙もあって

 きっと 「意識」すれば

  この 外まで大きく自分を拡げ

  
  せかい の くうき を  吸うことが できること


  望めば  願えば。  思えば。


 この 地球すら 大きく 包み込んで。


  ひかり を
       愛を    チカラ を


   染み込ませることが できる こと


 「それ」が 養分エネルギーと なって。

 私の木が 育つことが  できる こと



まずは 「想像」する。

あの、黒の廊下を想像して光を撒いた、みたいに。
「窓の外」が 動き出した みたいに。


そうして きっと


 その「想像」が   「創造」に なり


   きっと  「世界全て」は。



  「なにか」  「あたたかい もの」で


   包まれて  ゆくんだ。


世界デヴァイ」を包み込む金色の光の糸を想像し、ぐるりと黒を囲んで、いく。

包み込んで、張り巡らせて。

そうして「繋がりそれ」が、調ったなら「チカラ」を込めて「願って」「思って」注いで いくんだ。

「光」を。


目を瞑り自分の「なか」にある光の「球体それ」にチカラを注ぎ、デヴァイ全体にチカラを流してゆく。

しかしやはり、この空間フェアバンクス以外はまだ、薄く、弱くしか走らない光。
でも。

「透る」ならば。
行ける。
ゆっくり、少しずつ、やって行けば良いんだ。


それに。
「光」は 増えてきて いるから。


そう
誰しもが きっと 持つ
この 性質

「光」「チカラ」「エネルギー」「生命力」

それを張り巡らせ 透してゆく 「チカラ」


それにきっと。

それぞれに 得意なことが ある

 「特性」「性質」 「傾向」「気質」


それを 分かり易く する為にも。
「気付いて」もらい易く、する為にも。

私の 持つ 「全部すべて」を 見せるために

 現す ために 
 使う ために
 発揮する ために
 生かす ために
 溶け込ませる ために
 糧になる ために。


そう 
 「世界の 一部」として 様々なを持つ 私は 

 その 色を 余す事なく  世界に 散りばめなければ

 ならない

 
       である


それは 特別な「なにか」ではなく
普通にそこにある 「なにか」

つまらないもの 小さなもの 
「特徴」とも言えない 小さな「特性」

何処にでも転がっている だからこそ
見つける 拾う ことに 気が付かない


  その「小さな特性」を 上手く「生かす」


そんなもの なのだ

 
  「私」「世界」「全て」とは きっと。

     そんな 普遍的な もの


 そんな気がする。



「ん?………あ、あれ?」


「ブワリ」とした感覚が過ぎ、自分のチカラを粗方注ぎ終わった所で。

自身の「変化」に、気が付いた。


「ほぇ?」

間抜けな声に反し、手には既に、想像通りの緑の葉が付いた枝を握っていたし。

 翡翠 銅   玉飾り 

   ぎょく     感じる 「魂」


胸元に見えるは、涎の出そうな「込もった」首飾り。


  深みのある 青 青磁  みどり 銅色の 細筒

  動きに合わせシャラリと 鳴る  首飾り 腰飾り
 その心地の良い 重みと 冷たさ

 纏う布は。  いつもの 「私の創った服」ではなく


「えっ?」

 あの 「観音達」が 纏うものに似た 絹地


「…えっ、ちょっ…………??」

そう、布を巻き付けているだけの様な、自分の姿に。

オロオロしているとフワリと視界にまた、色が着いた。


「え、………慶、これはなんだ、ろう…………?」

頭上に舞う、慶の手から齎された小さな花がみるみる大きくなって。

私の足元に「フワリ」と収まったのが わかる。


  蓮華座   蓮の花  

   光  玉座   真ん中 

    魂    自分の 中心


今、自分が座っている場所が

  「玉座」なのが 本能的に わかり

 そこがまた 自分の「真ん中」なのも わかる。


  『翡翠』  『光』  『軸』


変化した「装飾」、私を飾る様々な
  「私から出来た」創造物 

「美しい もの」「光」「宝石」「金銀の糸」

  「軽やかな生地」「青銅」「様々な 金属」


目に映る玉座と自分の出立、場所、「なかみ」が震える様子。

  
  「座る」「真ん中」「自分」「据える」


その、「震え」がピタリと治ると。
しっくりと馴染む、その場所と自分の「真ん中」に、その「意味」がわかったんだ。


 ああ  か。

  か。


だから

  「玉座ここ」が 「真ん中」で


 「ちゃんと」「嵌る」「据わる」「坐る」

 
 「ブレない」「ずれない」「意思覚悟が入った その 座」


柔らかにしなる、その「意思想い」は決して強固ではないが、強く。

硬くない「意思」、それは自然と共に流れることができる「あるがまま」を指し、だからこそ強いのだという「色」を私に見せている。


「………だから………金属、なのかな?」

「銅」は、分かるけれどその他金銀、黒光する「なにか」、地球からは生まれそうにない気配を放つものも、ある。

暫し。
無言で、その新しい感触を手に馴染ませて、いた。

その「新しい なにか」は、「新しい私」の一部で、ヒントでもあるからだ。


「…………うーーむ?でも本部長に見せたら喜びそうだな??」


その時。

 降ってきた  「ことば」


   「 古く  ちから あるもの 」


「古く………?チカラある、もの………?」

「物?者?………どっちだろうな??…………いや、どっちも、か?」

多分、その音は慶ではなく私の新しい「いろ」、この「翡翠の私」が齎した言葉だと、思う。

しかし。

「えっ?………てか、、私?いや、「私」なんだけど………。???」

これまではある意味「外」に、出て来ていた「別の」、しかし今回「本体」が変化した「翡翠の私」。


「ちょ、待て?ややこしい、な??どうなってるんだ、ろう………???」

しかし、「真ん中」にいるからなのか少し考えるとややこしくない事も、分かってきた。

多分。
あの「多角形」の「真ん中」に在るのが、「翡翠この私」なんだ。


「成る程…………。まあ、うん。」

そうはっきりすると、確かに景色はスッキリして悩む事など何も無いのが、分かる。

真ん中がはっきりとした事で、寧ろ周りが見回し易く、図形の形が整ってきたことも分かるのだ。


「ほうほう、あの枝がこの役目を…………ふーーーむ。」

形が整ってきた多角形は、空いていた場所を上手く補う様にあの緑が嵌った事を示している。
同じ緑が幾つもあるのは、要所要所に「浄」が必要だからなのだろう。


「なんか…………面白…………。」

そう呟いて、一息大きな息を吐く。

「なか」に拡がる世界、実体化している新しい色。

私の「なかみ」を生み出すことは、流石に少し体力を消耗する様である。
やはりチカラを使っているのだろうけど。


「ふぁ…………。」

欠伸が出て、パチンと弾ける耳の奥。
自分の「外」へ出たのが分かって、とりあえず目に入ったベンチまで、ノソノソと歩くと。

そのまま腰掛ける事に成功したのを最後に、私の記憶はプツリと途切れたのであった。



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