透明の「扉」を開けて

美黎

文字の大きさ
上 下
847 / 1,751
8の扉 デヴァイ 再

新しい私を見つける 2

しおりを挟む

なに か なんだ  ろう か

 この バランス

   隙間に  嵌る  大きさ いろ

 丁度良い  形

  ピッタリと くる  「それ」は。


今度は  「何色」の 「光」?


くるくると回転しながらも、考えて、いた。

全体に散らした私の「」達、その性質や色から沢山の頂点が出来た「多角形」の「カタチ」、新しい私を齎すヒントの様な、それ。

しかし「多角形それ」はまだバランスが悪く、上手く美しい形を成すに至っていないのだ。

それが解るから。

なにか、ヒントはないかと彩りのいいこの景色を見ながらくるくると回っていたのである。



なにしろ「異色」を取り入れて、「新しい私」を発見していたこの頃、私はきっと少し疲れてもいたのだろう。

この「自分の色だけ」が、ある空間で舞うのが心底気持ち良くて。

ただ、身体が動くに任せ、くるくると回転していた。

していれば。
それだけで、「なにかが見つかる」「生まれる」ことは、知っていたからだ。



うん ?


「「枝」かな………??枝が、欲しい………。」


頭の中 か 
   スピリットの影か。

 私の「なか」に 齎された 「かたち」「いろ」

それは「緑」のなにか 細く長い、手に持てる大きさの。
「杖」じゃ ない
「棒」でも ない

少し 硬い  ハリのある 緑
  サワサワと 鳴る 音  神性な 風

多分「枝」、だよね??


そうして回転中に閃いた、「なにか」の枝、数枚付いた緑の葉。

多分それは神棚にある「榊」に似た、枝だと思うのだけど。


それなら?

 木を? 植えよう 伸ばそう?

  育てよう か?

齎された「ヒント」、それは新しい私に繋がる手掛かりでもあり、私にとって「役に立つ」ものの筈だ。

そのまま回りながら、プランターを目に映し現実的に想像を始める。


 もっと 大きい 広い  土が  要る な?

   ああ わかる  

 そう ね  確かに。

 「必要」だろう な

 「清める」「きよめ」には。



思い浮かぶは いつかの私が 手に持ち 

  舞っている あの 枝

 白い 私   
       靡く 白絹と サワサワと鳴る 音

なんの枝だろうか。

 丸く ハラハラと 風に靡く

 丈夫な 葉が  数枚ついた 
             丁度 良いあの枝 


「何の木なんだろう………?想像すれば、「それ」が育つ、かな………?」


「思って」「願って」「想像」して みる。



 「知らない」けれど

    「知っている」こと

       「わかっている」こと


先ずは。

 息を 大きく吸うこと

 「空間せかい」を 取り込み
 
 「私の場」に する  こと


そう
 この 暗い世界デヴァイでも。

 空はあって 宇宙もあって

 きっと 「意識」すれば

  この 外まで大きく自分を拡げ

  
  せかい の くうき を  吸うことが できること


  望めば  願えば。  思えば。


 この 地球すら 大きく 包み込んで。


  ひかり を
       愛を    チカラ を


   染み込ませることが できる こと


 「それ」が 養分エネルギーと なって。

 私の木が 育つことが  できる こと



まずは 「想像」する。

あの、黒の廊下を想像して光を撒いた、みたいに。
「窓の外」が 動き出した みたいに。


そうして きっと


 その「想像」が   「創造」に なり


   きっと  「世界全て」は。



  「なにか」  「あたたかい もの」で


   包まれて  ゆくんだ。


世界デヴァイ」を包み込む金色の光の糸を想像し、ぐるりと黒を囲んで、いく。

包み込んで、張り巡らせて。

そうして「繋がりそれ」が、調ったなら「チカラ」を込めて「願って」「思って」注いで いくんだ。

「光」を。


目を瞑り自分の「なか」にある光の「球体それ」にチカラを注ぎ、デヴァイ全体にチカラを流してゆく。

しかしやはり、この空間フェアバンクス以外はまだ、薄く、弱くしか走らない光。
でも。

「透る」ならば。
行ける。
ゆっくり、少しずつ、やって行けば良いんだ。


それに。
「光」は 増えてきて いるから。


そう
誰しもが きっと 持つ
この 性質

「光」「チカラ」「エネルギー」「生命力」

それを張り巡らせ 透してゆく 「チカラ」


それにきっと。

それぞれに 得意なことが ある

 「特性」「性質」 「傾向」「気質」


それを 分かり易く する為にも。
「気付いて」もらい易く、する為にも。

私の 持つ 「全部すべて」を 見せるために

 現す ために 
 使う ために
 発揮する ために
 生かす ために
 溶け込ませる ために
 糧になる ために。


そう 
 「世界の 一部」として 様々なを持つ 私は 

 その 色を 余す事なく  世界に 散りばめなければ

 ならない

 
       である


それは 特別な「なにか」ではなく
普通にそこにある 「なにか」

つまらないもの 小さなもの 
「特徴」とも言えない 小さな「特性」

何処にでも転がっている だからこそ
見つける 拾う ことに 気が付かない


  その「小さな特性」を 上手く「生かす」


そんなもの なのだ

 
  「私」「世界」「全て」とは きっと。

     そんな 普遍的な もの


 そんな気がする。



「ん?………あ、あれ?」


「ブワリ」とした感覚が過ぎ、自分のチカラを粗方注ぎ終わった所で。

自身の「変化」に、気が付いた。


「ほぇ?」

間抜けな声に反し、手には既に、想像通りの緑の葉が付いた枝を握っていたし。

 翡翠 銅   玉飾り 

   ぎょく     感じる 「魂」


胸元に見えるは、涎の出そうな「込もった」首飾り。


  深みのある 青 青磁  みどり 銅色の 細筒

  動きに合わせシャラリと 鳴る  首飾り 腰飾り
 その心地の良い 重みと 冷たさ

 纏う布は。  いつもの 「私の創った服」ではなく


「えっ?」

 あの 「観音達」が 纏うものに似た 絹地


「…えっ、ちょっ…………??」

そう、布を巻き付けているだけの様な、自分の姿に。

オロオロしているとフワリと視界にまた、色が着いた。


「え、………慶、これはなんだ、ろう…………?」

頭上に舞う、慶の手から齎された小さな花がみるみる大きくなって。

私の足元に「フワリ」と収まったのが わかる。


  蓮華座   蓮の花  

   光  玉座   真ん中 

    魂    自分の 中心


今、自分が座っている場所が

  「玉座」なのが 本能的に わかり

 そこがまた 自分の「真ん中」なのも わかる。


  『翡翠』  『光』  『軸』


変化した「装飾」、私を飾る様々な
  「私から出来た」創造物 

「美しい もの」「光」「宝石」「金銀の糸」

  「軽やかな生地」「青銅」「様々な 金属」


目に映る玉座と自分の出立、場所、「なかみ」が震える様子。

  
  「座る」「真ん中」「自分」「据える」


その、「震え」がピタリと治ると。
しっくりと馴染む、その場所と自分の「真ん中」に、その「意味」がわかったんだ。


 ああ  か。

  か。


だから

  「玉座ここ」が 「真ん中」で


 「ちゃんと」「嵌る」「据わる」「坐る」

 
 「ブレない」「ずれない」「意思覚悟が入った その 座」


柔らかにしなる、その「意思想い」は決して強固ではないが、強く。

硬くない「意思」、それは自然と共に流れることができる「あるがまま」を指し、だからこそ強いのだという「色」を私に見せている。


「………だから………金属、なのかな?」

「銅」は、分かるけれどその他金銀、黒光する「なにか」、地球からは生まれそうにない気配を放つものも、ある。

暫し。
無言で、その新しい感触を手に馴染ませて、いた。

その「新しい なにか」は、「新しい私」の一部で、ヒントでもあるからだ。


「…………うーーむ?でも本部長に見せたら喜びそうだな??」


その時。

 降ってきた  「ことば」


   「 古く  ちから あるもの 」


「古く………?チカラある、もの………?」

「物?者?………どっちだろうな??…………いや、どっちも、か?」

多分、その音は慶ではなく私の新しい「いろ」、この「翡翠の私」が齎した言葉だと、思う。

しかし。

「えっ?………てか、、私?いや、「私」なんだけど………。???」

これまではある意味「外」に、出て来ていた「別の」、しかし今回「本体」が変化した「翡翠の私」。


「ちょ、待て?ややこしい、な??どうなってるんだ、ろう………???」

しかし、「真ん中」にいるからなのか少し考えるとややこしくない事も、分かってきた。

多分。
あの「多角形」の「真ん中」に在るのが、「翡翠この私」なんだ。


「成る程…………。まあ、うん。」

そうはっきりすると、確かに景色はスッキリして悩む事など何も無いのが、分かる。

真ん中がはっきりとした事で、寧ろ周りが見回し易く、図形の形が整ってきたことも分かるのだ。


「ほうほう、あの枝がこの役目を…………ふーーーむ。」

形が整ってきた多角形は、空いていた場所を上手く補う様にあの緑が嵌った事を示している。
同じ緑が幾つもあるのは、要所要所に「浄」が必要だからなのだろう。


「なんか…………面白…………。」

そう呟いて、一息大きな息を吐く。

「なか」に拡がる世界、実体化している新しい色。

私の「なかみ」を生み出すことは、流石に少し体力を消耗する様である。
やはりチカラを使っているのだろうけど。


「ふぁ…………。」

欠伸が出て、パチンと弾ける耳の奥。
自分の「外」へ出たのが分かって、とりあえず目に入ったベンチまで、ノソノソと歩くと。

そのまま腰掛ける事に成功したのを最後に、私の記憶はプツリと途切れたのであった。



しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜

まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。 ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。 父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。 それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。 両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。 そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。 そんなお話。 ☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。 ☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。 ☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。 楽しんでいただけると幸いです。

『 ゆりかご 』  ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。

設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。 最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。 古い作品ですが、有難いことです。😇       - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - " 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始 の加筆修正有版になります。 2022.7.30 再掲載          ・・・・・・・・・・・  夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・  その後で私に残されたものは・・。            ・・・・・・・・・・ 💛イラストはAI生成画像自作  

淫らに、咲き乱れる

あるまん
恋愛
軽蔑してた、筈なのに。

病弱な愛人の世話をしろと夫が言ってきたので逃げます

音爽(ネソウ)
恋愛
子が成せないまま結婚して5年後が過ぎた。 二人だけの人生でも良いと思い始めていた頃、夫が愛人を連れて帰ってきた……

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です

葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。 王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。 孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。 王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。 働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。 何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。 隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。 そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。 ※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。 ※小説家になろう様でも掲載予定です。

【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~

山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」 母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。 愛人宅に住み屋敷に帰らない父。 生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。 私には母の言葉が理解出来なかった。

処理中です...