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8の扉 デヴァイ 再

魂のいろ

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「それ」を 見れば。

「わかる」。

「どんないろの人」が どの程度 チカラを込め
 創ったのか

「どんな意図」で それは 製作されたのか

「魂を込めて」創られたのか

「作らされた」ものなのか



 その 「もの物質」に宿る 「いろ」

 醸し出す空気  匂い  振動

   息遣い     手の 感触


様々な部分から感じ取れる「それ」は。

私の中で、どんどん大きくなる「識別力」「選び取るチカラ」、そんな様なものなのかも知れない。

なにしろまた「更新」した、私は。

目に映るものが更に鮮やかになり、詳細に、私に向かって囁き始めたのが、嬉しくて。
とりあえずデヴァイここを思う存分、彷徨いていた。



 「原始的な もの」「いろ」

 「あるがままだった 私達」「美しい 魂」


そんなものが ここデヴァイに あった

その「事実」が嬉しくて。
ただ、彷徨きたかったのかも知れない。

なにしろ解像度が上がった私の目に映るそれは、「こえ」を発しそうな程、どれもが「魂」を訴えてきていたし

その どれもに見える 「独特な いろ」

 「ありのまま」「取り繕いのない」

    「剥き出しの」「純粋な」「素直な」

 「美しい それそのものの」「本質の 輝き」

そんな色が見えること、それが兎に角嬉しくて。


「フフッ♪」

フワリと辺りを舞い始めた蝶達を引き連れて、黒の廊下をくるくると回り始めて、いたのだ。

いや、周っているというか私が回転してるんだけど。


そうして回っているうちに、気付いたことが、ある。

その「いろ」は。

どれもが「真摯な」「いろ」なのだけど、「想い」と言うよりは「祈り」に、近い。

私が「思うこと」だから、ホントはどうだか分かんないけど。

「でも。「感じた」事は、って事だよね………。」

ある絵の前に立ち、そう呟く。

特にこんな「顔」「表情」のあるものは、そう思うのだ。

「いろ」が見え易いから、そうなんだろうけど。


「なんて言うか………まあ、やっぱり。最初原始は、だった、ってことだよね………。」

「わざとらしさ」が一切無い、それ。

私が今、絵を描いたとしてもこの表現はできないだろう。
まだまだ沢山の想いを持つ、私の「なかみ」。

大分スッキリはしたし、変化してきたつもりだけれど。

この境地に、至れているかと言えば。


「まだまだ、かも…………。」

その絵はとても穏やかな「いろ」で、ただそこに「居る」女の人を描いたものなのだけど
きっとこの作者が「この人対象」を愛していたのが、解るのだ。

そんな、絵。

じっと見つめていると、その表情の柔らかさと筆の息遣いから「愛」が溢れて、きて。
何故だか私の目からも涙が溢れて、きた。


「いや、これは感動の涙よ。だから、の。」

私も、こんな「いろ」を 出したい。
現したい。

 私が溢す、星屑 景色 いろ は

   こんなに美しく 見えているのだろうか

 まだ ヴェールを 被っては いまいか。


自分の中を探りつつも、その「純粋ないろ」を染み込ませ
またそれも糧にしてゆく。

私ももっともっと、美しく。
光りたい、からだ。

でも。

「どうすれば…………でも、最高の「自分のいろ」で光るってことだよね………。」

「魂を磨く、事だろうな。」

「あ。」

音も無く傍らに立っていたのは、シンだ。
黒い姿が壁と一体化して、もしかしたら始めからそこに居たのかも知れないとも、思う。

「「穢れ」「異色」「澱」「汚れ」、か言葉はなにでも良いが。は魂に染み付くもので、「外側」の問題ではない。「外側見た目」をいくら取り繕ったとしても。魂を見たならば、直ぐに判るのだ。」

成る程………。

「どれだけ取り繕おうとも、「外」と「内」の乖離が酷ければ酷い程それは滑稽さを増す。だが、そうして人間ひとはこの世を遊んでいるのだろう?」

いつかに聞いた、その言葉。

意味深な揶揄いを含んだ金が、キラリと光って。
そのまま赤に塗り潰された瞳が閉じると同時に、再び壁に融け込んだ黒。

残るは煌びやかな箔の壁、静かに光るその紋章の細やかさと美しい並びに、私の「なか」のリュートが反応し 弦が弾かれる。


 黒の廊下へ 響くは 繊細な紅梅色の音 

そうして、澄んだ音の中。

 「魂を 磨く」

その意味を考えながら、再びゆっくりと。

また「美しい色」を回収すべく、回廊を進み始めたのである。


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