透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ 再

聖なる 山

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目を瞑ると。
見える「多角形」、揃い始めたピース、まだ整っていないカケラ。

きっと「角」か「面」が足りない、その多角形はしかし、きっと美しいカタチで組上がろうとしているのは、分かる。

こんな時、何か具体的な事を考えるのは悪手だ。

心の、ままに。
つらつらと瞼に浮かぶ、景色を、色を。

先ずは、じっくりと堪能することにした。


 見えてくるは 大きな 大きな

    瑞々しい   みどり  白


 心の中にある 聖なる 山

 
 聖なる山の 神々  光

              聖地   神   

 は。  


 「何処か 遠くにあるもの」では なく


  「私の中」に  ある



それは何度も 思ったこと

「全て」  は  「私の中」に


しかし 聖山  聖なる 山 も

 やはり 私の中に。

   あるのだろうか。



いいや ある のだろうけど。



「山、かぁ………」


遠くの 山

 神性なる 地に  ある山 神殿

  そこにいる ある  神 

   観音か 聖者か  神とは

  
  どう いう  もの  なの     か



「ふーむ?どうなんだろう、ねぇ…………。」

今日も美しく飴色に光る、艶めく天井、精巧な彫刻。
魔女部屋の天井は、「お屋敷」らしく豪奢なのだが「重苦しい」雰囲気は無い。

ただ重厚なその深い茶から醸し出される「いろ」と、時の経過、艶から感じる作り手の息遣い。

その心地良さに癒されながらも、「足りないピース」のヒントを探す様に彫刻の縁をなぞってゆく。


迷ったならば
見えないならば。

見えるところ へ行けばいいし
探しに行ってみればいい。

私には 今「時間」と「自由」が、あるのだから。
いや、「縛りが無い」と言った方が近いだろう。


「うーん?じゃあ、とりあえず思いついた所に行ってみれば?いい?」

しかし「山」など。
私の記憶の中には、無い。

「うーーん??」

いや 最近?

   何処かで  見た な ??

「えっ。」

あれ?
あそこ??

そう
最近見た、「山」「懐かしい景色」。

それはあの、時の鉱山で見た「あの景色」だ。

いや確かに。
あの景色は理想に「近い」と 言うか

  それ   



「  え」


 ウソ 

 え


   



大それた考え 
まだまだ
いやしかし

私の 「なかみ」「真ん中」は。


 「そう」「それ」 「正解本当」の色を

    映し出して いる



 「始まりの私あの私」が


    「そう」 なの だと。







  全ては   ひとつ

           全て


  粒子             原子  
 
      エネルギー   チカラ

      愛

  波         震え        
                 揺らぎ


    満ちる
           空間   
                  充満


   ひとつ   同じ    
       
       繋       構成

  密        埋     
                  同


   神        光       
        動物

    観音         神使


 幽          世

                  宇宙
   植物     人間   

                星
  
      精 霊  



    大いなる   なにか     




「え   」




          無




 過ぎ去る 光 

    残るは   くうのみ


そして。
沢山の煌びやかなカケラが過ぎった後、私の目の前にあるのは「無」だけだった。


そう 「なにも 無い」
「無」である。

いいや でも。

これで いいのだろう。


私の「なか」は暫し、無のままだった。

だって。

本当真実」を 目の前にしたら

  「言葉」なんて。


 なんの役にも  立たなかった からだ。







 ああ

 


     
              なんだ


 ジワリと 浸み始める 「いろ」


だから。

うん    成る程?



 そう  ね     そうか


え    いや   うん


   そう   か 。




 「私」が 「私を信じる」ことで

 「自分で」「確かめ」「自分が」「納得」

 「腑に落ちる」まで  よく「調べて清めて

   「実に」すること なる こと


きっとこれまでやっていた「作業織り直し」は、そんな様な、ことで。


 「私にチカラを与え」

    「私の中の観音」が 強く なり

 「色」「輪郭」「性質」「詳細」を「知る」ことで

 更にそれぞれの光が はっきりと する


それにより また 「私が 」

   「私を」 「そう」「思う」こと で。


 「確固」「強固」「繋がり」「太く」「なる」

  「光」「神」「観音」「私」「みんな」

 「ぜんぶ」「信」「知」「真」


  紡ぎ出される 織り成す 「真実本当



    なんだ



誰が 
何が
 
自分以外」が。

 「どうにか」してわけ じゃ ない



 それは 「知っていた」けれど。

 また  「」 なかった んだ。





「バチバチ」と大きな音をたてながら嵌る「ピース」、形創られてゆく大きな多面体。


それ多面体」はこの前青のホールで想像していた「私のかたち」の完成形で、それぞれが「あるべき場所」に嵌った姿だ。

 目の前で 形創られてゆく その「真実ほんとう
 美しく組み上げられる その正二十面体

 更にそこから派生する 立体 
   見たことのない かたち 面 拡がりと
      内包される 空間


  「白」「銀」「真珠」「虹」「遊色」

   天体    ドーム

     光
              反射

 反応     混合        表裏

    明暗       純 銀     金

   
その繊細なガラス管の様な輪郭、細く透ける線で創られている「多胞体それ」はしかし、弱くはなく強靭なもので
美しさと強さ、繊細さと大胆さ、裏と表が一体になり
「なか」には深く鈍い「いろ」も同時に光るのが、わかる。

美しいかたち、その等しい面それぞれが相反するものに彩られ、両面をキラキラと回転させていることで
更にその不思議な存在を示して、いる。


どこが 繋がっているのか
接地面は 点は 線は。

 あるのか 無いのか。


 その 「存在」自体が 矛盾の 多胞体存在


 「なにものをも 通さないが

   全ては 透り抜けることが できる」


 「 これからの 全て

        これまでの 全て 」

 
  「 全ての 両面 」「側面」
    「容量」「内包する なにか」


全ての「矛盾」「相反するもの」を含んだ 「私のかたち」

目の前に浮かぶ「多胞体それ」が「本物真実」であることが
見ているだけで わかる。

だって 「それ」は。

私が求めている、求めていたもので

 きっとそれを「かたち」に現した ものだから。


ただ、口を大きく開けて。

なんだかその「存在」の空気を味わう様に、しかしその「なか」に私が「含まれる」という説明できない感覚と共に、ただそこに、在ったんだ。




「ふむ   」


なんか。

 くる   胸に。

  心臓 に  ハート  に ?


ぐっと迫った「真実それ」は
多少の圧迫感はあれども心地良く
私を白で満たして、いる。

「なんにもないけど ある」白

 私達の いろ


その中で深くゆっくりと呼吸をし、「新しい私」を馴染ませてゆく。

「少しずつ 変わる」「変化」「変容」

それは。

言葉にするのは、難しいのだけど。


「なにしろ。「成長」よ、「成長」。」


そして同時に。
その「白」から導き出された「いつかの景色」、あの島の池の前、二人で話した「全ての面」「表裏」「事実と予測、願望」の混同の、こと。

「確かに………。あの時のキラキラと回転する「事柄」が、組み上げられるとこうなる、かも………。」

彼は 解っていたのだろうか。
いや。

それも。
正解、なのだろう。

  「知っている」「そう なる」こと


 そこに ある 「事柄」「事実」「歴史」
 「みんなの希望」「予測」「行きたい方向」

あの時は其々が複雑に絡み合って、私は混乱していたけれど。

それはなんだ。

だって私は「私の視点」からしか、物は見られないし勿論、みんなもそうなんだ。

みんながみんな、自分だけの「なかみ視点」を持って いるのだから。


だから。

この多胞体は「私の色」で形創られた「私の場」 

今現在の「完成形」の場で、その枠組みベースに色を差し創られた沢山の面は、其々それぞれが「私の本当」を映し出す、表裏がある鮮やかな「面」で。

 「神域」「神」「光」「観音」「花の精」
   「神使」「楽器」「花」「蝶」
      「地球」「各扉」「  」

まだまだ沢山あるその面は、
其々が 「私」に含まれる全てを映し出す為の
裏表のある美しい「構成員」で、ある。


   「今」の「私のかたち」「完成形」

   「最も バランスの取れた 状態」

きっとこの美しい「かたち」は、それを現しているのだろう。

自分の周りをドームの様に囲む、その不思議な鏡面を見ながら
その外に広がっているであろう空間を、思う。


 「宇宙」は「全て」は「源」「世界」は。


 「全部すべて」が 知りたくて

 見たくて その 「色」を 含みたくて。

 

 様々な 「かたち人間」が あり

         「視点」が あり

 その全てを含むからこその 「ぜんぶ」であると いうこと


 私達は それぞれが 拡大して。

 それ宇宙  へ   すべて
 近づいて行くのだと いうこと。



キラキラと光りながら回転する幾つもの面が、「その色」で私を映し出している、その様。

どの色の私も「表裏」両面の色があって、見る角度、瞬間、その他の面からの干渉具合によっても変わる色を眺めていると、本当に世界は「多様」なのが目で解る。

そしてその其々が更に内包している「なかみ」、それは「外側」からでは見る事ができない「意味」の様なものを示していると、思う。


そんな中、浮かび上がる 白
ぼんやりと思う「シン」の「存在」のこと

「いつも いつでも 見守ってくれる なにか」

人間ひとでは ない もの」
「違う色の 石」
「純粋な 存在」
「光 神」


 「「美しい な」」

私の「なか」で 声が 響く


  「白」  「対」

     「約束」  「姫様」

  「白い部屋」        「赤 」

     「白 」    


            「 金 」



キラキラと舞い始めたその、「金色」のカケラが目の前を過ぎった時に。

「ポチャリ」と 金色それが「滴」に変化した。


そうして差し出した手のひらに
           落ちるは金色の「蜜」


沢山の 私の「なか」にいる

観音達が 辺りを舞い始めたのが、わかる。


  蓮華座   玉座   王座


    「私」  「観音」 「神」

  「王」  「中心」  「源」

       「繋がり」   「強める」

  
   「とり 戻す」   「元に 」 

     
         「戻る」


 張り巡らされた 繋がり
     空間の真ん中に 在る浮いている自分


しっかりとを張る翡翠の玉座、足に触れる石の感覚、「繋がる」私の身体と「真ん中」。

この多角の球体の「なか」にいる自分、それが「安全」と「安心」を齎すことが沁み込んで、ぐんぐん馴染むのが解る。


ヒタヒタと滴る  黄金

  源からの   蜜  恩恵  チカラ

      エネルギー   




 「神の蜜を 受け取る」

 「新しい なにか」

   「エネルギー」「チカラ」「密度」

 「上昇」  「生命の 」

   「根源」   「肯定」 「あるが まま」




再び。

 「今」「ここから」

  「真っ直ぐ」 


  「あなたわたし」に 

  「すべて真ん中」に 向かって

     進むこと


 また 新たな  始まりを 迎えて。

ここから
 新しい道を  歩き始めるのだと いうこと





私は  なにで   何処へ

         どう して。



手のひらに溜まった黄金の蜜、その色を留めたまま顔を上げ、未だ回転している光の「かたち」に黄金を、反映させる。

   眩く 黄金に光り輝く 幾つもの面

その余りに美しい輝きに目を瞬かせながらも、ただ。

静かにその内にあることを。

自分の「ぜんぶ」に、沁み込ませていたのだ。
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