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8の扉 デヴァイ 再
その 象徴するもの
しおりを挟む「太陽」「月」
やはり 両方 ない と。
バランスが取れない
偏り 争い
「ひとつ に する なる 」
「あわせ もつ」
右手側には 薄い黄色の 太陽
左手側には 薄灰白の 月
遠いのか 近いのか。
薄くぼんやりと、しかし美しく見えるその丸い二つに。
暫く、ただ見惚れていた。
頭の中をくるくると、幾つかのピースが回っているけれど。
それはまだ、「あるべき場所」へ収まろうとはしていない。
然らば 私は。
もう 少し 「カケラ」を
集めねば ならぬのだろう な?
「なんだ、ろう………確かに女性的なものと、男性的なもの、どっちがいい、悪いじゃなくて。自分の「なか」のバランス、なんだろうけど………その、バランスをどう取るか、って事だよね………?」
男でもあり、女でも、ある……………?
そんな事って?
でき る の ???
「 お前の 石が そうでは ない か」
うん?
フワリと降りて来た声は、黎の音だろう。
確かに。「あれ」は。
「あれ?…………アレ、か………確、かに?」
いつだか、誰だったか。
「それそのもの」「私が「女」だから」
「そう なっている」「現すと」
何処かで聞いた、そのカケラ。
「私が女だから 向こうは男の形を取っている」
そんな様な、事を言っていたのは?
誰だった?
…………。
「あ。ソフィアさん、かな??」
パッと頭の中が青の道に変わり、あの幻想的だった夜の空間が映し出される。
確かにあの人も不思議な人で。
半分石の様な空気を、醸し出しているんだ。
だから。
きっとそのようなことを。
言ったのだと、思ってたけど………。
「どちらをも 含む」
「ふたつで ひとつ」
「一つで ぜんぶ」
「全てを持つからこそ 合わさると 成る」
確かに。
「二つで 一つ」「両方を 持つ」「一人で 満たされている」「源」「それそのもの」「存在」
自分一人で、立つ事ができないと、「搾取」に発展してしまうのは分かる。
「搾取」まで、行かないとしても。
「与える」「与えられる」という関係が、バランスを崩す、原因となるのだ。
「人として 一人で完結している」、それが大事なのだ。
私は 今 ある意味 「人間」を
拒んでいる様な そんな状態 なのだろうけど。
それは「今の私」が 偏って いるからでもある。
「自分のバランス」が、取れていないから。
まだ弱いんだろう。
きっとバランスが取れて、「私が一つ」に「丸く」なったなら。
なんとなく「何が来てもいい」様に、なる気がする。
それが多分、「究極の私」を「癒し」「解し」「洗い清め」「紡ぎ直す」という ことなんだ。
まだまだ足りない部分も多いかも知れない。
私は、まだ子供だ。
知らないもの、見ていないものだって沢山あるし。
見たいもの、知りたい事だって沢山あるんだ。
でも。先ずは。
「狭間の私」で成立する為には。
「究極の私を癒す」が必要だし、それが私の為になるのも、わかる。
そうしないと「俯瞰して見る」事は、難しいのだろうし、以前の私の様に一々ぐるぐる、バタバタするに違いないのだ。
うん?いや、多分。
ぐるぐるは、一生していそうな気はするけれど。
「えっ、それで?なにしろこの巨大な蝶を解きほぐす、訳で???」
どう、すれば。
一番 いいだろうか。
フワリと大きな波を送っていた、あの美しい青を思い浮かべる。
あの深海で。
幻想的な、静かな深い青と光と水の揺らぎ
それは あの月が浮かぶ 夜空にも似た
なんとも言えない 空間 で。
そう、私の「なか」には積み上がった「黒い檻」も控えている。
大きな、大きな「究極の私」と、月まで積み上がった「それ」を。
まず、癒すんだ。
ずっと流し続けて来たそれらは、きっとあの小川では癒し清めるのに「なにか」が少し、足りないのだろう。
きっともっと、ぐっと「真ん中」に侵って くる。
「核」の様な 「芯」の様な
なにか
それは なんだ ろう?
癒されないと、「転換」しないし。
きっと「大きな なにか」には、ならない。
それは、わかる。
でも。
どうやって?
「癒し…………いや、栄養が足りないんだよね…?」
特大の私の最終形態と月まで届いた、山だ。
サラサラと可愛く流すだけではなく。
もっと ぐっと ずっと
「真ん中」に はい る なにか
もっと 勢い よく 流す もの
「うん?」
フワリと漂うあの香り、紅梅色の蝶が私の周りを舞い始めた。
少し離れた所に、黒の蝶、慶は変わらず楽しそうに巻き取り作業を続けている。
「どうしたの?」
また、何か言いたそうにヒラヒラと私の周りを舞うラーダは、フッとあの可愛らしい姿に変化すると。
ゆっくりと、私の手を指した。
「え?………手??」
ゆっくりと腕を上げ、自分の手を翳して、見る。
薄黄色と薄白灰の、二つの丸
その間に掲げられた、手には光る「指輪」。
えっ
まさか の まさか
ここに きて?
「真ん中」 「核」 「芯」
「金色の水流」 「源」
「この空間の 核」
くるくるキラリと舞うピース、その周りを舞う蝶達。
それは、みんな。
「呼んで」 「手伝うよ」
「行っても いいんだよ」
そう、言っているんだ。
暫し無音になる頭の中。
白い空間、これまでの自分。
ずっと ずっと
一人で やらなきゃと 思ってたけど。
呼んで いいんだ 助けを。
だって 「助け」も。
私自身 だから だ。
「新しい ひかり」「観音」「神」
「自分の中の 源」
真っ白だった 頭の中に
きらり キラリと 舞い始めるは 金の 星屑
目の前が、「チカッ」と光った気がして。
神域に、くるりと戻ったのが、わかる。
「えっと?………じゃあ、どう、しようか………?」
自分を 信じる
取り戻す 為に
自分を 使う
「転換」 「再生」
「うん?なんか、いいな。それで……… 」
くるくると回る 頭の中
黄の太陽 青白い 月
チカラ 源 流れる
「行ってもいい」
きん いろ の 水流
「あ。」
えっ
それ か それなの ?
「金色の 水流」
それは。
私の中では、「長の場所」だ。
あの 幻想的な 空間
青白い木立 大きな石に金の筋
どこよりも 清らかで
チカラそのものが 流れて いる様な
あの 空間
思い、浮かべると 確かに。
「あそこ」ならば。
「………流れる、と。思う。」
いやでも、しかし。
「えっ、行くの?いや、行かなきゃ流れない………いやいやいや………。」
でも。
知ってる
わかって るんだ
今度、行ったら。
多分。
私は 長を 解放 する
しなければ ならない
いや 解放 したいんだ。
だって。
もう 知ってしまった から。
私達は。
そこに「縛り付けられなくて いい」って。
「…………」
「いや、行く。行くのよ。それは、決まってる。うん、心の準備が必要な、だけよ………。」
ぐっと胸にくる「なにか」、しかしそれは必要で、越えなければならない「なにか」でも、ある。
寂しさ、なのか、なんなのか。
「解放」すれば どう なる のか。
「大丈夫。「大丈夫」しか、分かんないけど大丈夫。」
まるで呪文の様に、自分に言い聞かせる。
「あ。」
ぐっと胸に力を入れたからか、「この色」を感じたからか。
なにしろ私のこの「なにか」は、あの色を呼び寄せてしまったらしい。
「どう、した?」
小さかった光が、段々と大きくなり実体を伴って金色の、あの人になる。
その、不思議な変化をじっと見つめていたからか。
少しだけ「おかしな目」をした金色はしかし、そのまま無言で私を抱き上げた。
そう、勿論まだ。
私は川の中に寝そべっていたからである。
「ううん、大丈夫。でも………。」
「ああ、分かっている。」
何も訊かずにチカラを注いでくれる彼に、有り難さを感じながらも。
この金色の光に、満たされることと。
あの、水流に流されること。
その 違い は なんだ ろう な?
「余裕じゃな?」
少し、私を離した彼はそう一言、言うと。
仕方の無い目をしながらも、私に金の濁流を流し込んだのである。
うむ。
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