803 / 1,740
8の扉 デヴァイ 再
怖れ
しおりを挟む私は。
なにが 怖かったの だろうか
「本当に 怖れていたもの」は
なんだったの だろうか。
「死」
それは そんなに もう 怖くない
死ぬことなんて 慣れてみれば 楽で。
死にたいと 思っても死ねないことの方が
何倍も 辛い
いつ終わるの分からない 繰り返される 恐怖
どうしたって 昇る 日に
絶望を覚えるのは 何度目か
そんな 日々よりは。
死んで「終わり」に する方が
ずっとずっと いい
そう 思って いた
生きて いれば 「怖いもの」なんて
沢山 あって
男の大きな 声や
痛みがくるまでの 瞬間
痛みが来て終えば
痛がれば いいから まだ楽で
耐えて 終わって
でも また 始まって。
「拒否」や 「声」など
届く筈も なくて
「もの」の様に 扱われること
それは。
私達に とっては
当たり前 だったから。
だから。
「なにが」本当に「怖いのか」
それが 逆に 不思議だった
わからなかったんだ
「失うもの」なんて。
もう
なにも 無い 筈なのに。
しかし
ずっと ずっと 下って
一つだけ。
見つけた
あったんだ
「失うのが 怖いもの」が。
ずっと そう
「私達」が 「持っていたもの」
「繋いできたもの」に
気が 付いたんだ
もしかして。
そう
もしかしなくても。
それ は ずっと
ずっと
繋いできた 小さな
細い 細くなってしまった
「光」 で。
いつでも どこでも
何度でも。
消えぬ様に
きっと
ずっと ずっと 「心の奥」に。
しまってきた あれ だったんだ。
その 「光」が 消えるのが
怖かった んだ。
消されても 消えても 消して しまっても。
何度でも 燈って しまう 「光」が。
とうとう 「本当に」 消えて しまうのが
怖かったのだ。
しかし。
「光」は 在った
「絶望」の中
「諦め」の中
「極め切った それ」の なか にも。
全く そと からは見えない
その 「真ん中」に。
「残っていて」 「燈り」「繋がった」
んだ。
余りにも。
あまりにも 奥へ 隠して しまっていたから
気付くのが 遅れてしまった
ごめんよ
ずっと ずっと繋いできた 「光」。
「今」 「光」を。
大きな 私に 燈すから。
再び 道を 示して おくれ
私が 進む
私だけの 道を。
そして。
ありがとう
ずっとずっと 繋がっていて くれて
いつも そこに 在って くれて。
感謝しか ないよ。
そうして やっと。
共に
最期の道を。
歩いて行くと しよう
ゆっくりと 楽しみながら ね。
0
お気に入りに追加
25
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


『 ゆりかご 』 ◉諸事情で非公開予定ですが読んでくださる方がいらっしゃるのでもう少しこのままにしておきます。
設樂理沙
ライト文芸
皆さま、ご訪問いただきありがとうございます。
最初2/10に非公開の予告文を書いていたのですが読んで
くださる方が増えましたので2/20頃に変更しました。
古い作品ですが、有難いことです。😇
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
" 揺り篭 " 不倫の後で 2016.02.26 連載開始
の加筆修正有版になります。
2022.7.30 再掲載
・・・・・・・・・・・
夫の不倫で、信頼もプライドも根こそぎ奪われてしまった・・
その後で私に残されたものは・・。
・・・・・・・・・・
💛イラストはAI生成画像自作


王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる