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8の扉 デヴァイ 再
狭間の 私
しおりを挟む「原初の 私」 「思い出せ 深遠」
そう
思い 出したんだ 「原初の 私」は
「始まりの 私」は 。
でも。
「深遠」を 思い出すと。
わかる
「最初の 私」が。 「何故」「世界に」
「 出て きたのか 」 が。
そう そうなの
「知りたかった」「見たかった」の
「興味が あった」「興味が 出た」
「あの色」に。 「誘われた」けど。
自分で 出て きたんだ
だから。
「知った色」
「見た色」 「経験した色」
「沢山の」「数えきれない」いろ を。
取り込んで 変容して
もっと もっと 「ぜんぶ」の
私 に なって。
「原初の 私」より 更に
「ひかり」に 近い 私に 成る
「私」を。 「極める」んだ
これからは。
そう
拡大した 私
拡大する 私
もっと もっと
大きく なれる 私 は。
そう して
「全て」を 。
包み込める様に なりたいんだ
最高純度の 光 で。
優しい 星に なって。
大きな 星に なって。
それで ただ。
みんなに 笑って 欲しいんだ。
だって 「私」は。
とびきりの 欲張り なんだ から。
白い、光の中。
揺られている私、きっと「ここ」はあの金色の腕の中で。
とんでもなく気持ちが良く、心地も良いこの空間にゆったりと、寛いでいる と。
フワリと 空いた 隙間のなか に
侵って くる は
なに いろ か
ふと、緩み切っている私の中に侵入してきた暗い色を、見つめていた。
どうやら 「暗色」は しかし
「侵入」したのでは なく
私の「なか」に。
ふとした 拍子 に。
灯った もの だったけど。
時々。
「私なんて」「私でいいの?」
そんな風に 思う時も ある
「大丈夫?」「そんなんで」「見えてる?」
自分を 自分で 疑う そんな気持ち
「観音? 私が?」
「一段高い所に 上がったつもりか」
「 おまえ は それに 相応しい ものか 」
胸の中に拡がる暗色、段々と翳ってゆく心。
しかし、少し待つと差し込む「光」がやって来た。
ちゃんと。
来て くれるんだ
「想えば」 「願えば」「知って いれば」。
そう
でも。 本当に そうなの。
あの時。
何処かで あの 白い彼が
言ってくれたんだ
「 お前以外 誰もいない この世界で
何故 未だ 殻を被る ? 」
そう
私が 狭間へ 行くと 決めたならば。
そういう風に できている ならば。
それは 即ち
私 は 「そういうもの」で あって。
「美しい千手観音」を
受け入れる だけ
認めれば いい
赦せば いい
それだけ なんだ。
誰に遠慮は要らない。
「私の世界」で。
「私が 主人公」で。
「私が 私を 信じなければ」。
物語は 進んで 行かないのだから。
だから これからもきっと 訪れるであろう
差し込む「暗色」も
全てを「なか」へ 取り込んで
全てを 含み 何色をも 恐れない
私に なる んだ。
大丈夫 やれる 私は ひとり じゃないし
周りを 見れば
あの色も この色も 。
みんな 私の 「仲間」 だから。
でも
でもね
もし 何色をも 持たず
全てが 「まやかし」で
辺りには 「なんにも」
無かったと しても。
私の 「真ん中」に 「全ての色」が
あるから。
そう 信じて 知って 解って
当たり前のように 進んで 行くんだ。
夢見心地の白い通路、なんとなく「ここ」はあの白い部屋ではないかと、思う。
くるくると変わる辺りの景色は、私の頭の中なのだろう。
様々な「いろ」が通り抜け、あの銀灰の瞳が「景色」と言っていた事が、ストンと自分の中に落ちる。
ああ だから 同化しないで
「次」へ 行けって。
「言って くれたんだ」
「その時」が来ると、自ずと開く鍵、全てのピースは、やはり。
この様にして「繋がって」行くのだろう。
そう そうだよ
結局 ぜんぶ は 繋がって て
うん? そういや 「黎」は
どうした かな? 元気 かな
どう? なったの かな ??
気に入って くれた かな
「黎」の レイは 「黎明」の黎
「時代が変わる」前
「夜明け前」の いろ
ピッタリ だよね ねえ どこ ?
私 私は
多分 今 移動してる よね???
揺ら揺ら揺れる、心地の良い腕に、目覚めたくともどうやら瞼は仕事をしたくない様である。
それなら?
もうちょっと、寝ていましょうかね………
うん? これ 寝てるの かな ?
まあ いいかぁ
そうして。
恒例の「眠気に勝てない」私は、更新されずに。
目が、覚めるといつもの天井を見る事になったのである。
「なんだ、お前。また、「女神様」でもやればいいじゃないか。」
そう、軽く言って、私をジロジロと観察した後。
金色が間に入ったのを、溜息でかわし「で?どうなんだ?」と言う本部長はやはり大物である。
目覚めた後、丁度お腹の音が響き、連れてこられた食堂は今日も変わらず温かい雰囲気だ。
私は慣れた煩い視線を感じながらも、シリーが運んでくれたスープを啜っていた。
じんわりと、お腹に落ちる温かみが堪らない。
良かった、とりあえず食べられるし、寝られるし。
なにしろ「狭間の私」になろうとも。
「人間」として、生活はできそうである。
概ね平常と変わらぬこのフェアバンクスの空間に安堵し、ホッと息を吐いた。
一応、心配はしていたのだ。
スピリット達は、きっと問題無いだろうと分かっていたけれど。
「おかえりなさい」と、いつも通り微笑んでくれたシリーに、少し涙が出たのは仕方が無いのである。
そう、「少し」だからね
少し。
だからきっと。
大人に。 なってる 筈………
まあ、まだ一人通常運転でぐるぐる回っている人は、いるけどね………。
そんなウイントフークは目の前を遮る金色を追い払い、回りながら散々私を確かめた後。
「ある意味、変わってない。」
そう一言言って、朝食を食べ始めた。
そう言い切る、この人はもう既に「超えている」のではないだろうか。
そう、人間を。
いや、私もなんか微妙な存在に
なったみたい だけど。
そんな事をつらつらと考えつつも、優しい朝食をゆっくりと食べ久しぶりの空気を味わっていた。
「しかしお前、居なかったのは一日だけだぞ?どの位、向こうにいたんだ?」
「えっ?!一日ですか??」
「まあ、正確に言うと二日弱だけどな。」
いつの間にか本部長の向かいに座っている極彩色が言うには、「俺が戻った後、一日」という事らしい。
私は、「海底墓地」で「全ての私」を回収していた時間の方が長く感じたけれど。
どうやらあの「闇」の中から出て来てからの方が、時間が経っている様だ。
「まあ、いい。とりあえず二人ともこの後、書斎へ来い。ああ、お前は休んででいいぞ。」
「へっ?私は?」
「まあとりあえず、大人しくしてろ。まだ、「安定」してないんだろう?」
「…うっ、多分、まあ?」
「問題が起こる前に。なにしろ、馴染ませた方が、いい。さあ、お前達はこっちだ。」
なにしろ「根回し」とやらが、まだ残っているのだろう。
二人を連れて、さっさと食堂を出て行った白衣を見送る。
静かになった食堂、カチカチと奥で食器の鳴る音が、聞こえてくる。
むん?
なんだか、「音」が、近い気がして。
そのまま心地良い、「みんなの音」を聞きながらボーッとしていた。
「お帰り。なんか、大丈夫?まあ、いつもの事だけど。」
「あっ、朝。ただいま。なんか、ねぇ。変わったかなぁ、と思って、聞いてた。」
「え?…………相変わらず意味が分かんないわね。とりあえず魔女部屋にでも、行きましょ。邪魔よ。」
「…………はぁい。」
通常運転の朝にまた安心して、みんなに手を振り食堂を出る。
そうしてとりあえず。
自分の中の「変化」を感じながらも、青の廊下をゆっくりと歩いて、行った。
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