透明の「扉」を開けて

美黎

文字の大きさ
上 下
785 / 1,684
9の扉 グレースクアッド

新しい 私 3

しおりを挟む


 沢山の 人の腕が 形作った紋様
  
  重なり  弧を描き  それぞれが組み合わさって

 一つの 花の様な  美しい紋様を 創る 様



     『原初の 目的』


頭の中を彩る美しい紋様

 鍵となる 言葉


ぐるぐる、頭の中でしているつもりだった。

しかし。

結局、三人の周りを、ぐるぐると回っていたらしい。



「はっ?!」

「いや、違うな」

「でもな…………」

「そうか。」

意外と私の独り言に、ツッコむ者は誰もいない。
いや、諦めの浮かんだ紫の瞳は、ツッコんでるつもりなのかも知れないけど。


「原初の目的」「深遠」

この二つが何故だか気になって、ぐるぐると考えていた。

そもそも私は「闇について」どう、するか考えていた筈だったけれど。

「原初の目的」
「原初 とは」
  「原初の私」     「神 」
        「神殿」
「純度」
     「深遠」
「繰り返さないこと」   「自己犠牲」

「軸になる」
「人柱の様なこと」
「ずっとずっと 続いてきたこと」

「「それ」は 何を意味するのか」

くるくる くるくると。

そんな事を、考えていた。


だって。

「私達」と「闇」は。

「置かれている状況」は「同じ」だからだ。


しかし。

ふと、思う。

 「私達は そう いる

  仕向けられている  されそうに なっている

 けど  闇は? 誰が ここに 縛り付ける?」

じっと、その暗い色を見ながら考える。


今の私併合した私」から見て、闇は「暗い色」程度の認識だ。

多分、穴の中に入る前に見た闇と、全く自分の捉え方が違っているのが、解る。


あの「極めた私」を、取り込んでから。

私の中では「闇」も きっと

 「置いてはいけないもの」に 

 変化していて。


 それは。

 やはり きっと  私が 持つ 性質

   側面  在り方

そんな様な、ものではないかと思う。


それに。

これは私がこれからやろうとしている事とも、関係がある。

「闇をここから解放すること」

「私達が軸にならないこと」

それはやはり同義だ。


でも?
結局「解放」するのは、「死んだ私」だったのか、それとも「闇」だったのか。


 いやいや、でも二つ解放していけないとか

  そういうこと じゃ ないな??

 しかも。

 この「解放」 どっから誰が私に 降らせた

  のかも 分かんないけど

   まさか。

   「闇」を 解放するとは。

  思っていないに 違い  ない


「フフフ」

悪巧みをしている様な顔になる。


  しかし?

  いや  でも そうか。

  結局  「閃いた 閃かせた  降らせた」

   のも。


   多分  全部  「私」だな??


くるくると回る思考、降ってくるピースが落ち着く先は、やはり「私」で。


閃きそれ」はきっと「神」とか「天」とか。

そんな曖昧なものじゃなくて。


「闇の神」
「海の観音」
「純粋な 想い」


それらをよく見た結果、どれだって「同じ」で、きっと「全部」の中で。

ヒントやピースは全て「ひとつ」の中にあって、それを見つけられるか、拾ってこれるか、降らせられるのか。

そんなものなのだろう。
きっと。


 だから。
 多分。

  ここから 「闇」も 「解放」できるし

 私達の ループも。

   終わらせられる 筈

  ヒント は ?  どこ  だ?



「ねえ。」

「闇をここに縛り付けるもの、って。なんだと、思う??」

半分、独り言だった。

まさか、返事が返ってくるとは 思っていなかったのだ。


「  それ は   自分 自身 だろう に 」


「えっ?」

 「自分自身」??

を発した闇の色に、じっと目を凝らしながら考える。


  「闇自身」、ってこと??
 いや 違うか。
  なら??

 「人間 自身」って  こと  ??

   それとも 「私」 自身 ???



くるくると回るピース、嵌った鍵。
頭の何処かで。


  「カチリ」と 音が する


言われてみれば。

は。

所謂 「固定観念」では、ないだろうか。


 さっきも 思ったんだ

  「死は 穢れ」 「不吉」

 「墓の 番人は 黒い」「暗い色は 駄目」

 「嫌」 「臭いものには 蓋を」

   
ぐるりと周りを見渡してみる。

青い水、煌めく光、時折遠くを泳ぐ、大きな魚。

 魚だよね?
 なんだか 長い 長い? 蛇?

  龍? みたい  だけ ど  ?


私の極楽浄土より落ち着いた空間のこの辺りは、深海の様子に静かな珊瑚、海藻が靡くしっとりとした空間である。

今はそこに。
巨大な桃色が、出現しているけれど。


 いや まあ 生やしたの 私だけど。

まあ、それはいい。
華やかになった、よね??

うん………。


 「固定観念」

そう この落ち着いた空間に。

巨大な 桃色が  あっても いい のよ


「えっと、それで。それなら??別に「本当に居なきゃいけない」訳じゃ、ないって事だよね??」

 うん?


   「本当に 居なきゃいけない 訳 じゃ


         ない 」



パチパチと嵌るピース、私達は「同じ」という感覚。

 ならば。

 やはり。


    「私達」も。


   「なきゃ いけない」 と

   思って  いる   信じて いる


     信じられて いる   のは。



   「固定観念」 だ って   ことだ




 閃いた、瞬間。

 ブワリと 流れが 風の様に私を撫でて

             去って ゆく

   深い緑の水   眩い青の 光

 渦巻きながら踊り流れ また帰ってくる

 その軌跡を 目に映しながら。

これまでと違っている「自分」を、ジワリと感じる。

確かめたくて、遠く、近くの水も目に映してじっくりと「見る」。

そう、すると。
一気にまた視界のクリアさが増し、なんだか周りの水も綺麗になった気がする。

いや、見渡せる距離が、拡がったのか。
それとも「場」の、段階が。

上がったのか。

なにしろ一段、美しく変化したこの海底で私はやはり、唸っていた。


「ふーーむ。」

なにこの収穫。


改めて自分の髪、手足やピタピタと肌をチェックして自らの変化を確認する。

やはり。なんだか。

 これまでと「閃き度」が 違う のだ。


首を傾げながらも呟きが漏れる。


「なんか………うん、「なんでもできる」し、「決まってる事なんてない」のよ、そう。「想えば」、「変えられる」。」


 いつでも。

 無限の 「真ん中の私」を 思い出せれば。


 引き出せれば きちんと  意識すれば。


それは、「源」と繋がった私であるし、「すべて」と「世界」と繋がった、「私」でもあるのだろう。


「ふむ。やはり 「世界はひとつ」、全ては「私の なか」に。」


「で?するんだ、決まったのか?」

「えっ?いいの??」

その、横から来た紫の声に「否定の色」が無い事を知り、思わず訊き返す。

だって、私がやろうとしている事は。

「闇」をも 「解放」すること なのだ。


しかし、見つめたその瞳に映るは。

「お前の やりたい様に」

そんな、いつもの色である。


「ふむ。」

それなら?

実際、どう、しようかな??


そうしてあらぬ方向に走り始めた私の閃きを、「名案」にすべく。

再びこの場をぐるりと見回し、考え始めたのである。




しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。

処理中です...