透明の「扉」を開けて

９の扉 グレースクアッド

バランス

　古来　　　本来


　バランス　とは。



　　　そういう　もの　なのだ


　　取れていなければ

　　次第に崩れ　　跡形も無く　　なく　なる



　そういうもの




　しかし　　世界　は。


　その　「綻び」の片鱗が見えるには

　少し　　大き過ぎたのかも　知れない




　「　何かが　おかしい　」

　その　片鱗が見え始め　　　

　誰かが

　　「バランスが　崩れている」と

　気が付く　　頃には

　世界の　　あらゆるところ　場所で


　もう　　とっくに。

　　　　綻びは　　始まっていたのだ






そうして　　小さな　綻びが各所で起きるころ


しかし　始めに　上がる　　小さな　こえ　は

掻き消され


時代に　　揉まれ　　消えていく


　　　いつも　　どんな　所でも


　そうして　　バランスは　　少しずつ


　　　崩れ続けて　　　いた







そして　その小さな綻びの　ひとつ　ひとつが

大きくなり


　　それも　また　繰り返し


そうして　　　大きく　　　なり　過ぎて


　満遍なく　バランスが　　崩れ


　　　　　崩壊しようと　しているのが

　　　　　　　　「今」だ。




しかし　ある意味　　やっと？

「崩壊」まで

辿り着いたのかも　知れぬ



　何故なら　　世界の　理ことわりとは


　そういうもの　だから


　「崩壊」せねば

　「再生」せぬ　からだ





小さな光が　消え

沢山の

小さな声を　無視し

そこにある

見えないものを　見ず


見えるもの

大きなものだけを

拡大していった　　結果　が　「今」だ。





　そうして　　今　　　世界は　別れ


「見ない」もの　と

「見ようとする」「見えている」ものに

別れた






　これから　　再び

「起こる」

「破壊」と「再生」



それは　　　世界に　バランスを


　　　　　取り戻すための　　もの





忘れてしまった　　バランス

調和

平和

それぞれ　在る　　こと



そう　全ては　　「バランス」で


　「いい」も「わるい」も　　無い



　あるのは　　「全てが　ある」


　その　「事実」だけ　で。




　なんでもない

　普通の　　当たり前の

　ことだったのだ。



　世界　は　　　古来


　　　ずっと　ずっと　　そう やって

　　続いて　いるのだ


　　　興り　　　消え

　　　また　　興っては　　　　消える



　　そう　それ　は　　「自然」





　だから。


　大騒ぎせずとも

　バランスを取って

　眺めているといい


　それしか。

　できない　とも　　　言うが。





　何を見
　
　聞き


　どんなことが　　起ころうとも。



　バランスをとり　　流れて　ゆく

　飲み　込まれない　　ように。

　それしか。

　ないのだ。





　しかし　光は　増えた


　以前よりは。

　きっと。


　楽しく　漕ぎ出せる　筈さ。


　そう　　きっと。