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9の扉 グレースクアッド
神殿 3 始まり
しおりを挟む時は 下り。
様々な いろ が 入り乱れ
咲き狂い
すっかり 時が 色に溢れたころ
世界は 静寂と 混沌を
繰り返していた
何度も
そう
何度も
始まっては 終わる
沢山の いろ が ある 人間の集まり
それは 始めは 穏やかないろ を
現していることが 多かったが
次第に 幾つかの 目立つ
ひかり が 現れると
決まって 世界は 混沌へ
向かって 行くのだ
そうして 再び
無になり
再び 興る
そんな 繰り返しを 経て
ある ことに 気が付いた
「 同じ ひかり」
そう いつも いつでも。
あの 私を捉えた 光が
いつの世でも 目立つ 光のなか に。
あること に 気が付いたのだ
そうして それ は。
時折 神殿へも やって来ていた
動物しか 来ない 時にも
沢山の 人間が
供物を持ってくる時にも。
時折 やってくる その ひかりに
何故だか いつも 目を 奪われていた
「新しい ひかり」
それに 喜んでいる だけ の
存在だった 私が
それ を 心待ちに する様になった のだ
何故かは。
わからなかった が。
馴染みが ついたのかも 知れない
心地よかった からか
知っている 「いろ」が
嬉しかったのか
日々
永い 時の中 で
段々と 消えてゆく 遠い 光
薄くなってゆく 繋がり
光の 縁
その時は。
「それ」は 「自然」だと
思っていた
しかし
ひと は。
それを 「寂しい」と 言うのだと。
大分 下ってから 知った
そう
ある日の こと。
その ひかり が
初めて。
私に 手を のばしたんだ
なにも 言わなかったけれど
声を 発しは しなかったけれど。
「それ」が。
「誘い」だと いうことは 知っていた
「世界を 見ないか」
「色を 見てみないか」
「光を。 繋ぎに 行かないか」
もしか したら。
あの いろは 知っていたのかも しれぬ
このまま ここ に
いたならば。
私 は
消えて 無く なる ことを。
私は 「それ」でも 良かった
同じように 消える光は 幾多も 見てきたし
「そういうもの」 だと。
知っていた からだ。
しかし。
その 金色の 光は。
抗えぬ 美しさをもって
私を 捕らえて いたのだ。
いつの 間にか。
永い 永い
時代 を 経て
着実に 少しずつ 少しずつ
実行されて いたのだろう
その 「仕掛け」は。
だから。
手を 取って みたのだ。
きっと 共に。
新しい とてつもなく 「美しい 光」が。
見れると 知っていた から。
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