透明の「扉」を開けて

美黎

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8の扉 デヴァイ

濾過器

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えっ
ちょっと待って?

なんで? なんで星屑になったの??

私が 考えていたのは ぐるぐるしていたのは
祈りのこと
隠された歴史 や なんだか黒そうな予感とか
面倒くさそうなこと とか

え?

祈りや謳 キラキラした内容じゃ ない のに??


えっ

「これ」か

いや まさか

でも  でも


     
      


  るんだ


「えっ、嘘で、しょう?」

思わず口を突いて出る、言葉。

そう、本当は解っているし、のだ。


が。

その、「役目」を、負っていたことを。



少しだけ息を吐いて、気を落ち着かせる為に青い空を目に映した。

無駄な抵抗は止めて。

考えるんだ。
だって。

、なんだから。



いやいや待って?
違うかもよ?
ただの思い付きかも。
夢がさ、ほら、ああだから…………。


いや。
でも。

を、否定したら。

「私」を、否定する事にも、なるんだ。

それが、わかるから。


「……………はぁ。」

自然と長机の上にある、ピンクのドライフラワーに目が、行く。
やはり癒しの色なのだろう、それを実感しつつもピンクを目に映したまま、頭の中をもう一度浚う。


えっと

私の頭の中 の モヤモヤ が
星屑に なる

なる なった  謳って ないけど

ザラっと 落ちて  「変換」されちゃったのよ

そう

「変わった」のよ 

所謂 「よくないもの」から「いいもの」に



   それの 意味する こととは。




 「長」  「癒やし石」 「光」

 「浄化」  「変換」 「濾過」
   
   「調整」  「バランス」「まとめ役」

  「広く 見る」 「祈り」「癒し」

  「相談役」 「懺悔室」 「  」



挙げていくと。

これまでの沢山の事柄が全て、その「変換」に共通する事が改めて分かる。

私は。

いつでも  どこ でも

「嘘で、しょ…………待って。」


       嫌だ 怖い


何故だか、始めからパッと浮かんでいる、この思い。

やっている事、起きている事は「いいこと」の筈なのに。

多分、本能的に。
わかって、るんだ。


   「それ」を「利用」されてきたこと


「ブルリ」と震えて、両腕を抱える。


待って だから?

長は え   そう言えば?


あの、夢の中で。

ディディエライトは確か何かに気付いたんだ。

あの人が。
「なにか」をしって

 打ちひしがれて  それが  

   結果として


「…………うん。」





、なんだろう。


 「私達」の、役目は。

 「それ」だったんだ。



どう、なっているのかは分からない。

誰かから、なにかを受けるのか貰うのか、相談者からの「想い」なのか、「気」の様なものなのか。

それとも。
空気や空間全体に漂う、「なにか」を吸い、勝手に溜めてしまうのか。


これまでは謳ったり、祈り、踊り、そんな事で光や星屑に変えていたことが。

「そうなる」って、こと??

勝手に色々吸収して、私の中で変換されて?
星屑、に?


 そんなこと って?

 あり?


でも。

今実際、起きたんだ。

私の中のモヤモヤが、一気に、勝手に、ザッと外れて星屑に変わって。

染み込んで、いった。

多分、「世界」に。


「ちょ…………。」

待って?
確認しよう、何が?何が「嫌」なんだ?


そう、星屑に変わってすぐに私の中に浮かんで来た「嫌、怖い、まずい」という思い。

でもそれはきっと。

「これまで」の、私がそうして利用されてきた事の証明だとも、思う。

残ってるんだ、その、「想い」が。


認めたくない、けれど。
でも。

認めないと「わたしたち」も、認めない事に、なる。

それは違う。


大きく息を吐いて、座り直した。

ちょっと落ち着こう。
大丈夫、今、私は害されている訳では、ない。

これからを。

変えれば。
いいんだし。

あれ?
でも「変えない」「身を任せる」って思ったばっかり…………

いやいやいや でもこれは 別問題…………


「なにが」「嫌」なんだ、ろうか。


 「利用」「濾過」「穢れ」「重さ」「負の感情」「黒」


いや、そんなものは。

沢山、見てきたんだ。

嫌いじゃ、ない。

進んでやることは、なくとも。
も、私の一部だし、共に歩んできた仲間でも、あるんだ。


じゃあ、なに?

何が嫌なんだろうか……………………

何が  こわい の  ?




もう一度「ブルリ」と震える身体を抱きしめて、「それ」に気が付く。

うん まあ そう、だよね。


「溜まる」「癒されない」「すれっからし」
「乾く」「渇く」「ボロボロの」「澱」

きっと、そうして。

何度も、終わったんだろう。

「私」が。





「うん、まあ。そりゃ、嫌だよね…………。」

満たされないまま、終わって。

そんな生を、どのくらい、何回、やったのかは分からないけど。


「でも。ねぇ。」

私には。

これ、が  あれ が


「あっ。」

パッと目の前に現れた金色が、無言で私を、抱き締めた。

それだけでもジワリと沁み込む色、しかしそれに酔っている私の顔を上げ、チカラを注ぎ込む、彼。


 ごめん  ああ

   よかった  ある

           沁みる いろ

 そう     ずっと 

 ずっと  無かった    ずっと

   欲しかった もの


    やっ と



何故だか出てくる「ごめん」という思い、でも。

「私」が、満たされることで。

きっと「みんな」が、満たされることも今は、分かるから。


まずはそのまま、この温かい腕の中に、身を委ねて。

「自分」を、満たすことにしたのであった。

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