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8の扉 デヴァイ

罪とか 罰とか

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ずっと 気になっている事がある

私の その 前世だか、何だか。

その、「色々やってきた」話。


時折夢に見る「それ」は、知らない様で知っている、私の「なか」に擦り込まれている「なにか」だ。

この間、レナと話した時も。

掘り返した沢山の「想い」の中で私が少し混乱し始めたのを見て、レナは「違う」と、言ってくれた。

「それはじゃ、ないし。それとこれとは、別。」

そう言ってくれたのだけど。


私自身、半分夢の中なのか、醒めているのか、しかし「それ」が「自分」であることだけは、

だから。

もし。

「それ」が。


所謂、「罪」や「罰」を受ける類のものであるならば、なんとかしなければいけないのかと。

思ってしまうのだ。


静かな湿気を含む空気、夜の冷たい紺色の中上る湯気は、しっとりと私を包み込む。

自分の中に落ちて行くにはぴったりの、夜の森の、中だ。


「なんて言うの………でも、確かにの、私は、何もしていないし??確かこういうのって、「カルマ」とか言うんだっけ………?」

私を包み漂う湯気、ハラハラと降る星屑は珍しく抹茶の様な渋いグリーンだ。


今の私の胸の内を表す様な、その色に。

やはり浮かび上がる「罪悪感」、しかし「私じゃないし」という、言い訳めいた気持ち。

でも、「私じゃない」というのは、事実でもある。
所謂カルマと言うものは、を解消する為にまた生まれてくるとは、言うけれど。

私に言わせて貰えば、そんなの言い掛かりだ。

「難癖に、近くない?そんなの…………。」

つい、愚痴の様な本音が、漏れる。



「自分のなかみ」を、旅してきて。

色んな夢だか何だか、沢山の「想い」も知って、見て、それが心に沁み込んだ、今は。

その時の「自分」が、「やりたかったからやった」のが、とても良く、解るのだ。

だから。
余計に。

「だって、「やってみなけりゃ解らない」でしょ………。そもそも。「本当に悪いこと」って、なんだろうか………?」


人殺し?
それは悪いな…………。

でも。

初めの頃レシフェに会って、私の世界のルールが通用しない事も解っている。

駄目なんだよ、駄目なんだけど。

は、彼にとってそれしか道が無かったのも、解るんだ。

結果として彼は今、この世界の為に動いてくれる重要な人物でも、ある。
結果が全て、とは言わないけれど。

レシフェが、いなかったら。


想像できなくて、ブルリと震える。


だから一概に、駄目なことって。
難しいよね…………。



「世界」が変われば「常識」も変わる。

それは散々この世界で私が経験してきた事で、私の地球世界だって。

昔は、だった。


あの夢の意味も、解るし。

自分の中にも、きちんと堕ちるのだと、思うのだ。


「だってそもそも「全ての犯した罪を償うまで」、ぐるぐるしなきゃいけないなら。絶対、ゴールには辿り着けないこと、間違いないよね………それだけは確実だわ………。」


だって私達は。

生きてる限り、間違わないなんて事はあり得ないし、人を傷付けない事だってあり得ないのだ。

失敗は、どうしたって、する。

そうやって、学んでいくものなのでしょう?

なのになんで、そんな借金取り立てみたいに、追い立てて来ようとする訳??
そんなの納得いかないな………。

そもそも、誰がそんなの取り立てるの?神様?
神様ってそんなに狭量なわけ???


「うーーーーーーーん。絶対、違うよね………。」

ん?

て、ことは??


を、解消するには?

どうしたって失敗をする私達が、できるだけ繰り返さない様に、道を進んで行くには?


「知る必要がある」って、ことだ。



それなら。
でも。それって?

私が自分の置いてきた楔に向かって、飛ぶ様に。

「やっぱり。ワープできるって、ことじゃない??」


 「知る」ということ

 「学ぶ」ということ


私達にはをする権利があって、与えられているのが言葉や文字や、書物なのではないか。

それを見て、知り、考え、想像する。
なんなら、創造だって、きっとできる。

だから。

やっぱり。


「とりあえず先人から、学べってことだよ………。でも、結局図書館で何にも捗ってないな?どうなったんだっけ??…………あ。」

そうだ。

確か「震え」が来て、あの子が「泣いてる」って思って。
謳った所で、止まってたわ…………。

色々あって、すっかり忘れてたわ…………。


「じゃあそれは後でまた図書館へ、行って?うん?あー、あの扉に聞けば何か知ってるかな?」

禁書室の、あの子。
いつも行くと、話し掛けてくれるから何か知っているかもしれない。

なにしろ私の事をセフィラだと思っていそうだし??
研究してるフリして、何か訊いてみよう。
でも話すとバレるかな…………いやいや、バレた所で別に不都合は無い………。



「いかん。」

バスタブでぐるぐるしていると、のぼせそうだ。

とりあえず縁に腰掛け、大きな黒い窓を、見る。

今は、紺色のビロードが黒で四角く区切られた美しいキャンバスに、星が散っている。
中央屋敷の灯りが黄色く大きな星に見え、クリスマスツリーの天辺の様だ。

「まだ、全然冬じゃない、けど。」

でも、祭祀もある。

レナと話せたお陰で、かなりすっきりはしたけれど、きっと私の奥にまだ眠っている「これ」は罪悪感なのだろう。

少しでも図書館で何かが解って、糸口になれば。

きっと、もっとちゃんと、謳えると、思う。

それでもし、結果として行き着くぐるぐるが「私の罪」か、何かになるとしても。


が、謳うということで、祈る、ということで。きっとそれが罪だか罰だと、しても。私が謳って、飛ばすしかないんだ。消化………いや、昇華、よね…………。」


救われないなんて、あり得ない。

罪と罰に溺れて一生を終えるなんて、あり得る筈が、ないのだ。


だって私達は。

「それぞれの いろ」で輝くために、生まれてきたことだけは。


 「間違いない」の、だから。



「うん。オッケー、それで行こう。そう、私がいいなら、いいのよ。そうそう。」

「そうね、それがいいわ。」

遠くで青の鏡が相槌を打っている。

その言葉に励まされて。

少しフラフラだった私は、しっかりとフワフワのマットに足を下ろし、着替えに取り掛かることに、したのであった。


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