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8の扉 デヴァイ

私の「なかみ」

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なんだ   ろう か


なに   どう   して
   なに   が


   こん なにも

   苦しい    の



 悲しくて      怖くて


      なに      どう   して?







深く

暗い

闇の中


黒の  なか


心地が良い

誰も  いない

私を   傷付けるものは     誰 も


好きに   物の様に   扱う 者 は


               誰も。  いないんだ



         ここ には。




 ああ

 それなら   いいか

  心地良い    ずっと 眠って


 うん   もう


   これ で。


 あん な     おもい   は


      

        おし  まい    に








 しかし

 遠くの光が   いや

 あれは。


  焔 だろうか


チラチラと  瞬く

 金色 の     灯り


   あの  揺れる 灯りは



 酷 く    なにか


 心 惹かれる  









うん?

あれ??

暗いな?真っ暗?

どこ?ここは?
あそこに似てるな………


あの

あの 悪の巣窟へ入る時に 潜った

あの

うーーーーん?
でも?


何して たんだっけ………???



デヴァイへ行く途中ではないのは、分かる。

ぼんやりとする頭の中を探って行くと、徐々に、思い出してきた。
ここは確か。

イストリアの、店の筈だ。

それで?
レナ、が??

うん?
何か………店の話を



「あ」

ああ………。
なんか「必要」みたいなこと言われて、プツンときたんだよね………。
なんでだろ?


自分の中で、少し、考えてみる。

一つ、思い付いたのは。

「あれ、か?あの「多数の為には少数の犠牲」みたいなやつ??でもな………別に男が多くて女が少ないとか、そういう問題でも、ないな???」

でも。

この、問題って。

の、問題にも、似てるよね………。


この世界デヴァイ」を救う為に、私一人を軸にすれば、解決するという。

この問題に、似ても、いる。

内容は全然、違うのだけど。


「でもな…………なんだろう、この「お腹が気持ち悪い」感じ。」

さっき話を聞いた時も、感じたモヤモヤ。

それに。

「私のなかみ」の、「誰か」が。


 泣いているのか

 悲しんでいるのか

 苦しんで いる のか


兎に角、「心地良くない」事だけは、確かなのである。


「えぇ………なんだ、ろうな。これまた怖い話になっちゃう、やつ………?」

チラリと思い浮かぶ紫の瞳、この頃脳裏に過ぎる、夢なのか「ぼんやりとした景色と実感」。


「嫌な、予感………。」

でも。

多分。

だって、「私の一部」なのは。

わかる。


まだ、自分の知らない深い所にきっと。
あるんだ。

「なにか」が。

怖くない、と言えば。
嘘になる、だろう。


「でもな………。」

覚悟は、要る。
大分。

大きめの、覚悟が。



その時脳裏に過るのは、やはりあの、色で。

を意識する事で、自分が「今」包まれていることも、分かる。


あれ?
なんで??

でも………もしかして。
飛んできて、くれたのかな…………。


兎に角自分が今、普通じゃない状態なのは確かなのだろう。


レナが

話をしてくれて?

が?

嫌 だった?

 なんで?

 なんでだ?

「一部が犠牲」だから?


 でも  本人達が  「必要」だ って


  うん?


 それ は   「ほんとう」か


 「心の 声」   「魂の 声」 か



 「本当に望んで」 して


 いる   のか


 他に方法があっても?

 を?   選ぶ のか。




 「聞く必要があるな」

 「でも。「本当のこと」を、言う?」

 「いいや、のだろうよ」

 「え?自分のことなのに?」

 「現に、も。解っていないではないか」

 「自分の「奥」に。何が ある のか」

 「直視するのは 難しい」

 「見ないようにしているのなら 尚更」

 「気付いていては  暮らせなかった」

 「気付いていては 明日も   」

 「見てはいけない 現実ものとは」


 

    ああ    よ。



 



   か  だよね




  なんだ





あれも 自分

それも 自分だ


いつかの  で。


「どうしたって 動けない 現実いま


                    なんだ








「だから。やっぱり。だ。」


私が、私で、いること。

自由 で あること

嫌なものを 嫌と言うこと

軸には ならないこと


 それぞれが 「本当のいろ」で。


     ただ 「在る」こと




多分。

を、為し得ないと。

「本当のこと」は、わからないんだ。


  が、自分の

    「本当のいろ」で、輝かない限り。




  全ては から 


             始まるんだ。




「えっ。だから?結局、やっぱり………誰かが我慢して誰かが好きなことするとかじゃなくて…?」

「みんなが。じゃなきゃ、駄目だから??結局?」

「えっと…………バランス…………方向性………思いやり………?尊重?」


なんっか、「足りない」んだよなぁ…………??

「思いやり」だけじゃあ、なんか強い人が得しそうだし??

「バランス」うーーーん?悪くないけど、なんか違うな………。

「尊重」、が一番近いかな?
でも遠慮ばっかりする様になりそうだよね?
えーーー?


難しいな………。

て言うかそもそも、「なにを」悩んでるんだっけ??
迷子になってきた?


え?
えっと?

みんな が?

みんなが  無理なく  お互い

お互いを………




ふっと思い浮かぶ、金髪と強い、瞳。

危険だ。

は。

私の思考を、いとも簡単に奪ってゆく、あの金色の。


綺麗なんだよな………。
とっても。
それでいて私に靡くことなく。

いつも、しっかりとそこに「在る」、彼。

そう、私も。

 「そういう風に」。「在りたい」んだ。


「ただ、美しく。に、「存在」していたいんだよ。それ以上の、望みは、無いの。」


ああなりたい。

ああ、在りたい。


「!これはもしや?「尊敬」では???」

これじゃない??
めっちゃ良いじゃん!

みんながみんな、尊敬し合えば。

良く、ない??


えーーー、また「綺麗事」とか言われるかな………。
でも。

今のところ、私のポンコツ頭で思い浮かぶ的確な言葉とは。

これ以上、無い気が、する。


「ま、いっか。もうちょい、良い言葉思い付いたらまた採用すれば良いし??更新、すればいいし??何事も、柔軟柔軟、臨機応変。大事。」

そう、ぐるぐるに飽きてきたのと。

頭が疲れてきたのと。


私を包む、焔であろうこのホワホワが徐々に熱くなってきたのも、ある。


「やば…………そろそろ目覚めないと…でもこれ寝てるのかな………?」

しかし自分の周りが暗闇から徐々に明るくなってきているのには、気が付いていた。

負のループから抜け出し、解決策を考え始めてからは。
段々と、明るくなってきていたのだ。


だから。

なんとなく、今は。

で、いいのだと。

思える。

まだ、きっと。

の、私に分かる限界がここなのだろう。

それならこれで、充分だ。

なにしろ燃やされないうちに。
帰らなければ、ならないだろう。


うん、多分燃えはしないんだけどね………結構、熱いよ??


そうして明るくなった、焔色の空間の中。

より、明るく輝くあの色の場所を、目指して。


とりあえず、歩き始めたのである。





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