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8の扉 デヴァイ
どれ が
しおりを挟む「ねえ。解っているのでしょう?」
「 」
「だって。あなたは、ずっとあなただ。」
「 」
「人間になっていたなら。分からなかったかも、知れないけれど。」
「「今」は、違う。だから。」
「 」
「わかる、でしょう?」
「ねえ、いいでしょう?ずっと探していた。求めて、いたのだもの。だから………」
「悪趣味は止めろ。」
「…………なんだ。バレていたのか?」
「これは。悪趣味だろう。早く出て来い。」
「まあ、そう言うなよ。お前だって。今度こそは、こいつを捕まえておく、算段がついたのか?一筋縄では、いかないだろうよ?何分、持っているものが、多いからな。」
「…………それは承知の、上。」
「それなら、いいが。本人が気付かないうちに…いや、自覚が無いだけできっと徐々に沁み込んでくる筈だ。お前もこちらにばかり居られないかもしれんぞ。」
「それは、な。」
「ここのルールに従ってやるのもいいが。優先順位を、忘れるな?」
「それは勿論。解って、いる。」
「そうだな。あまり………大きな影響は無いといいが。こればかりは分からんからな………。」
「見失わなければ。大丈夫、だ。」
「まぁな?でも、それが………」
話声が、する。
多分、千里と気焔だ。
何話してるんだろ…………
てか なん で
うん?
寝て、た??
「あ、あれ??」
「お、起きたか。」
青の家の、いつもの応接室。
私を覗き込んでいるのはいつもの悪い顔の極彩色と、その後ろに金色だ。
金色は間にいる大きな身体をサッと寄せると、私を抱えて立ち上がった。
「えっ?歩ける、よ?」
まごまごとそう言ってみたが、多分下ろしてくれるつもりは無いのだろう。
私の方を見ずに、口だけ動かし千里に何か言った。
「大丈、夫?」
そのまま応接室を出て、スタスタと歩いて行く金色。
久しぶりに抱えられて、恥ずかしいがホッとするのも事実。
そのまま息を吐いて身を委ねる事にすると、思った通りスッと馴染んで心地よい。
「やっぱり。…………また、一緒に寝よう、ね?」
再びの私の言葉にまた「仕方の無い目」をした金色。
しかし、「究極の仕方の無い目」じゃなかったから、ヨシとしよう。
そうして店のある場所に差し掛かる手前、少し暗い道の狭間で。
私をふんわりと包む金色の焔に安心して、掴まる必要は無いのだけれど。
ギュッと首に、抱きついておいた。
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