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8の扉 デヴァイ
謳
しおりを挟む切ない とも違う
やるせない とも
でも
「どこにも行けない想い」を優しく抱きしめて
それを 飛ばした後は
こんな気持ちになるんだ
泣きたい様な
静かにしていたい けれども叫び出したい様な
でも
ただ ただ
白く美しい天井を舞う 美しいあの子達を見ていると
心が凪ぐと共に
やってくる 胸に訴えかけてくる 「なにか」
それは
「重いもの」ではないのだけれど
「軽く」もなくて
でも。
「一緒に」「持って進む」と
私は 決めたから。
手放す気は 無いんだ。
軽くなって 溶け込むのはいい
でも 飛ばしたまま 置いていくとか
消してしまうとか
それは 私の中には無い
だってきっと。
その「想い」は。
私の中 にも あるもの で。
だからこそ。
その「いろ」「におい」「おもさ」が
解るのだと 思う。
言葉には できないのだけれど。
だから
謳うんだ
心のままに いや 真ん中
剥き出しの 私のままで
どこにも 経由しない 変換されない
正真正銘の 「わたし」だ。
でも。
やっぱり。
「真ん中のわたし」は 泣いていて
それなら それで。
いいのだと 思う。
きっと 泣きたいんだろう
叫んだって いい
暴れたって
ただ 蹲っていても
それが 真ん中の 望みならば。
ただ そこにある「わたし」を 認めて
ただ 見る 在ること を 見る
そうして 側から見た「わたし」は
やはり 美しくて。
泣いていても
叫んで 怒って 暴れて
のたうち回って いても
キラキラと その 「なかみ」は
輝いていて。
煌めきと共に 溢れるなにかが 昇るんだ
きっと 満たされているときと おなじ
あの 煌めき が。
だから いいのだと思う
なんでも。
「それ」が 「ほんとう」ならば。
だって
それを 知らなければ
見なければ
出さなければ
なにも 分からない から。
そうして その 「わたし」も抱えて。
また
謳うんだ
口を 大きく開けて。
「なかみ」から 溢れる おと こえ いき
なんでも 謳に なるから。
「想えば」「謳えば」
わたしたちは。
なんでも。
できる。 から。
そうしてずっと ずっと
「なかみ」が すっきりと 白く なる まで。
謳って いたんだ。
ずっと。
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