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7の扉 グロッシュラー
全開の私
しおりを挟む次の日は、スッキリ目が覚めた。
多分、朝とベイルートは気が付いていると思う。
私が昨日、抜け出した事。
少し、泣いていた跡も。
でも、知ってて黙ってくれてるなら、私も知らんぷりしてようっと。
だって何か、照れ臭いし。フフ。
そうして朝の礼拝後、朝食を食べた私は今日の予定に沿って行動し始めた。
実は、今日の予定はもう起きた時に決めていたのだ。
今日は「力」の見学に行こう。
なんでか、そう思った。
何か新しい事がしたかったのかもしれない。
それに、礼拝後「力はどこでやってるのか」をミストラスに聞いたら「造船所」と言っていたのだ。
何そのワード。
めっちゃ気になる。
そうして食後に造船所へ向かう事にした。
しかし、造船所は外にある。
どうやら話によると、神殿を出てずっと、城を越えて次に見えた大きな濃灰色の建物が、造船所らしい。
場所も分かるので一人で行こうと思っていたのだが、どうやらそういう訳にもいかないようだ。
今日はネイアが引率で一人付く事になった。
というのも、私ともう一人、力を選択しようか、考えている新入生がいたからだ。
普段、セイアからの希望者は珍しいらしい。
しかもやっぱり、女子はいないんだって。
そんな話を道すがら聞いて歩く。
一緒に歩いているのは、オルレアンだ。
あの、悪戯っ子っぽい茶ローブの彼。セイアにしては珍しく、力を取るか考えているらしい。
説明してくれているネイアは、私が初めて会うネイアだ。チラッと礼拝で見かけたかな?というくらい。
「白のネイア、クテシフォンだ。よろしく。力の教師もしているから、なんでも聞いてくれ。」
そう初めに自己紹介してくれたクテシフォンも、少し濃い目の灰色の髪が白ローブに似合う、背の高いネイアだ。
力の教師だけあって、ローブの上からでも身体付きがしっかりしているのが分かる。
でも道すがら話している内容は、何故だかウェストファリアの話だったりして「この人本当は白い魔法使いの弟子になりたかったんじゃ?」と私に思わせるには、充分の内容だった。
まぁ、面白かったけど。
「オルレアンはどうして力も取ろうと思ったの?」
「そうだな…………。」
大分普通の言葉遣いにも慣れてきた彼は、真剣に考え込んでいる。
何だろう?そんなに考えちゃう感じの内容?
聞いてはいけなかったかと思っていた私に、彼は意外な理由を教えてくれた。
それは家同士の関係が少し、分かるもの。どこでも大変ね、なんて私は思ってしまったけど。
「僕の家は茶の家だから、悪くはないが上位じゃない。一応、僕のまじない力は強いから何か自分の強みを作りたいんだ。」
「ふぅん………そうなんだね…………。」
茶の家。
上から確か、銀、白、黄、茶でしょ?
新入生だと……………成る程。自分より下の家が青しか無いんだ。
私は始めの教室でのローブを思い出し、考えていた。
それにしても色が違うと分かりやすくていいね…。
顔と名前を憶えるのが苦手な私には、中々いい方法だ。色なら、すぐに覚えられるから。
でも何だかグロッシュラーに来てから、長い名前の人が多い。そろそろごちゃごちゃしてきそうだ。この時ばかりは銀のローブで良かったと思う。ちょっと忘れてしまってもシレッと澄ましていれば、バレなそうだから。
ウェストファリアとウエストファーレンなんて、無理だよね…………まあ、片方が白い魔法使いだから、覚えてるけどさ………。
そんな事を考えているうちに、濃い灰色の大きな建物が見えてくる。
舗装されている道から逸れ、舗装はされていないが踏み固められ沢山の人が通ったであろう道を進む。
そう、遠く無いと思ったがそれはその建物が物凄く大きいからだという事に気が付くのは、すぐだった。
何コレ。体育館?いや、倉庫?
でも、造船って言ってたからこのくらいはあるって事か…………。
見上げた建物はかなり大きい倉庫のような建物で、壁は石で出来ているのか、その上から何か漆喰の様なモルタルの様な物を塗られた壁だという事が判る。
その、塗られているものが多分、濃い灰色なんだ。
窓は上の方に明かり取りと換気を兼ねた様な小さなものが並んでいるだけで、中は全く見えない。
暗く高い壁をズイと見上げ、中は明るいのだろうかと心配になる。この世界の照明で、この大きな建物内を明るくする事なんて出来るだろうか?
まじないかな?
建物を右に沿って進む白いローブを追って、私達も歩く。クテシフォンは背が高いので、歩くのも早い。
建物を眺めていた私達は、ちょっと小走りでついて行った。
角を折れた倉庫の側面にある、入り口の扉。
大きなその扉はどうやらまじない扉らしく、クテシフォンが手を当てるといかにも、という重い音がして少しずつ開いていく。
確かにあれは、人の手では開けられなそう…………。
造船と言うから、船でも出すのだろうか。
確かに小型船くらいなら楽に出られそうな大きな、扉である。
そうして開いた扉の内部は、私にとっては驚きの連続の場所だった。
待て。待って?
まだよ。まだまだ。
我慢だよ。
今日の私達は、本当にただの見学だ。
いつもはどんな風に、何をしているのか見せてもらっている、だけ。
そうそう、駄目なの。だから、口出ししちゃ。
私は、部外者。
何も、解ってないの。うん。
そんな事をずっと頭の中でぐるぐるさせなければいけない程は、造船所は酷かった。
いや?強制労働、とかって訳じゃ、無いのよ?
うん。みんな、そこそこ身なりも綺麗だし。ちょっと痩せてるけど、頑張って働いてるし?
まじない力の使い方を教えながら、やってるってのも、分かる。でも………うーん。
内部は私の心配を払拭する明るさで、きっとまじないだろう、大きな空間は普通に明るかった。
殆ど装飾も何も無い、やはり倉庫のような建物は中央にある物以外は殆ど物が無く、広くガランとした印象だ。
その倉庫内をぐるりと周りながら、クテシフォンは私達に説明をしていく。
そもそも、この造船所で働いているのは基本的にはロウワという、下級神官だ。一応、私達と同じ見習い、という括りになるらしい。
だけど、彼等は見習いから上がる事は無く、ずっと下級は下級の、まま。
最初に聞いた通り、住まいは神殿の地下らしい。
そういえば神殿内で、彼らに会う事は殆ど、無かった。同じ年頃の神官見習いなのに、セイアにしか会わないのは、何故なのか。たまに廊下で見る灰色ローブにラインの入った彼等を、礼拝堂でも見ない、訳。
それが何故なのかが、ここにきて解ったのだ。
彼等に学ぶ事は許されていなかった。
どうやら礼拝は、あの深緑の館の二階に礼拝の部屋があるらしく、しかし何故か私達とは別でやっているという。
何度か二階から子供達が駆け下りて来るのに遭遇した事があるが、やっと腑に落ちた私。
階段上の、正面の部屋が礼拝室なのだろう。
そう、造船所には小さな子供も、いた。
「あの子達は…………?」
私が子供達を見てすぐに質問すると、クテシフォンはこう、言ったのだ。
関係無い、という様に手を振って。
「あれは親に売られてきた子や、拐われてきた力の強い子供だ。あまり貴女には関係の無い事だから気にしなくていい。」
この時点で大分、かなり、私は頑張っていたと思う。
多分、足元の朝はハラハラしていたのだろう。
途中から、私の足の周りをくるくる回って気を逸らそうとしているのが分かって、落ち着く為に少し胸に手を当てる。
そうして大分我慢しながらも、見る場所はそんなに無い造船所の説明は、一通り終わった。
そう、真ん中に「船の形をした何か」があってみんなでそれを造っているらしいのだが、他には特に何をしているわけでも無い。脇にちょっと作業場があり、そこで材料を加工しているか、船の内部で作業しているか、どちらかにしか人はいない。
その船を造る材料の加工やら、船自体の構築にまじないをかなり使うらしく、その日のまじない力切れで終業なのだと。
そう、サラリとクテシフォンは言った。
拐われてきて、売られて、学ぶ事も出来ずに1日働いてまじない力切れまで働かせる。
どんだけブラックよ?
まだ、子供だよ?
私にとっての突っ込みどころはかなり、満載の場所だが何も分からないまま、手当たり次第に文句を付ける訳にもいかない。
状況を把握する為に、今一度きちんと周りを見ながら見回っていく。
本当は見学に来ている私だが、気分は監査だ。
だってきっと、ラピスからいなくなった子達はここに居る筈だから。
一通り回ったが、多分一番年長なのはエローラと同じくらいの歳のロウワの女の子だ。でもかなり痩せていて小さいから、もしかしたら本当はもっと年上なのかもしれない。大体二十歳くらいだろう、その子を筆頭として、小さい子はきっと5、6歳ではないだろうか。
その子が他のロウワに指示を出していて、他にも同じ年頃の男の子が別のグループに指示を出していた。
小さい子達にも、子供達のリーダーがいる様でみんながきちんと自分の役割をこなしているのが分かる。
大きな船の横に物見櫓の様な指示台があって、きっとここのボスなのだろう紺色のモジャモジャした髪の男が座っている。何だか大きくて、ちょっと海賊みたいな、見た目の人だ。
大人は他に二人いて、多分材料の加工場であろう場所で子供達に指示を出したり、一緒に作ったりしていた。
私は一人でぐるぐるしていたのでオルレアンに「ヨルは何を見てるんだい?」と聞かれてしまったけど、まぁ、適当に答えておいた。
何だか物騒な事を口走ってしまいそうだったから。
そして一通り検分を済ませると、クテシフォンに質問をする。
そう、クテシフォンの役割が分からないのだ。
ここは、これで、回っているから。
「先生は何を教えてるんですか?」
私が一人でぐるぐるしていたので、オルレアンと雑談していたクテシフォンはちょっと退屈そうに答える。今日は出番が無いからだろうか。
「私は戦闘の方の力だ。この造船では力の使い方と行使を学ぶが、戦い方も教えている。まぁ、戦闘は男子しかやらんがな。一日おきに、ある。」
詳しく聞くと、造船自体は毎日あって、午後が戦闘訓練になったりするらしい。
そして私は物凄く、シャットにいた時からの疑問に思っていた事を聞いてみた。
だって、シェランの動きはかなり、本格的だった。一体、どこからの何を恐れ、守ろうとしているのか。それがとても、気になっていたのだ。
しかしクテシフォンはまた軽く手を振ってこう言った。
「それは図書で歴史を学ぶといい。昔、小さな争いがあったんだよ。その教訓からだ。」
それ以上は言う気が無い、という風にまた手を振り彼は物見櫓の男の所に行ってしまった。
なにそれ。
軽く言ってたけど、小さな内部争いがあった、って事だよね?それも戦闘訓練しなきゃいけないような。それって、「小さな争い」なの??
なーんか、微妙。
今の所、ここで見聞きした事に対して私が納得できる理由がある事柄が、殆ど、無い。
どれも、アウト。
でもな?
バーンって壊して、どうなるものでも無いよね?
てか、これ何?船?ウソでしょ?
そもそも、海、無いじゃん。
どこからどう見ても、海に出て行く大きさの、重そうな船。そこそこ人数も乗れそうだ。
そんなのどーすんの?まず、ここから出せないじゃん。
飛んだりでも、しない限り。
チラリと浮かんだ、嫌な予感。
一度思い浮かぶと、自分の中の記憶の蓋がパカパカ開き始める。
?
え?
ウソ。これ、もしかして……………?
私には、心当たりがあった。
レシフェだ。
「奴等だけ、箱舟で逃げるつもりだ」とか何とか言ってたやつ?まさかのまさか???
大きな、石のような木のような、ツギハギの船を見上げた。
いや、これ飛ばないでしょ。
どんだけのまじない石、必要よ。
いや?でも?集めてたな?
ええ?本気?
本気で、この人達、これ飛ばすつもりなの?
人、死ぬよ???
でも、実際人は、死んだ。
何人も。
私は、見た。
いやいやいやいや、ちょっと待って。
視線をウロウロ、彷徨わせる。
情報が、足りない。
レシフェに会わなきゃ、駄目だ。
そう思って私がパッと顔を上げたのと、船の上で作業をしていた子供が倒れるのが同時だった。
「ルガ!」
「大丈夫か!」
「騒ぐな。運べ。」
私は少し目の前で起きている事にビックリして、映画でも見ているような気分になっていたのだけれど、まだ細い少年がゆっくりと倒れる瞬間とそれを心配して駆け寄る子供達と、ロウワ。
それを黙って見ていて、「大した事無い」と言う大人が現実だと飲み込むのに、少し、時間がかかった。
一頻り声が収まり、またパタパタと皆が動き出すのを見て我に返る。
何だそりゃ。
それは、駄目でしょ。
人として。
ここのルールも、あるだろう。
でもさ、人として駄目なものは駄目だよ。
駄目だ。
もう、助ける。
きっと、まじない力切れか、多分栄養が足りて無いか。細い、男の子を抱いて歩いて来るロウワの女の子に向かって、スタスタ歩く。
歩いているそばから、ムカついてきた。
こんな、細い女の子でも抱えられる男の子。でも多分、小学生くらいだとは、思う。
何だそれ。
悔しさで涙が出そうになるけど、ぐっと堪える。
駄目。私は泣かない。今は。
少し滲む程度で堪えた涙を誤魔化しながら、女の子に声を掛ける。
「私はヨル。あなたは?」
「………シリーです。」
少し警戒しているようなその子の茶色の瞳に何かを感じたけど、私はそれどころじゃ無かったので彼女に「どうするの?どこに寝かせる?」と訊いて一緒に行く。代わりに抱いていこうかと思ったが、彼女の瞳を見てまだ無理だと思った。
明らかに私に対しても少し、警戒していたから。
倉庫の隅に寝かせられた男の子に銀のローブをかけると、私はシリーに言った。
「さあ、この子の分の仕事は私がやる。何をすればいい?」
いや、寧ろ全部やってやるけどね!
驚いた顔をしながらも私を案内するシリーに続いて歩きながら、今度パンツを縫おうと思ったのだった。
そう、今日はいつものブラウスとスカートだから。
驚いて私を見ている加工場の人達を横目で見ながら、船に上がる。
ほう。中々。
やはりかなり大きく、高い甲板は気持ちがいい。
上からぐるりと、周りを見渡す。
少し高い位置にある物見櫓の男と目が合った。
昨日のテンションのままの私は、ニヤリと、笑う。
やってやろうじゃん。
そうして私はシリーから、造船の作業内容を聞き始めた。
結論、その脇にある加工場で作られたまじないの材料を組み上げるのがここでの仕事だ。
フムフム。
へぇ?思ったよりは、出来そう。
出来なそうなのに自信満々で言ったのかと自分でも呆れるが、まぁ、何とかなると思ったのだ。
私には、ベイルートさんもいるし?
宙かクルシファー辺りに聞けば、教えてくれるかな、なんて楽観的な気持ちだった。
だって、何だか何でも出来そうな気持ちに、あのピンクの空を見てからなっていたから。
そう、何より「出来ない」と思っているのは自分自身だと、気が付いたのだ。
多分、私、私が思ってるより、出来るよ。
「さて、どうしようかな?」
何となく呟く。
ふと上を見上げるとまじないの明かりの向こうに灰色の天井が見える。
あそこ、空が見えるといいのにな?
なんとなくだけど、祈りが、力が、空が見える方がいいと思った。
何かこう、パワーが貰える気がするんだよね………。あの、歌ってた時みたいに。
多分、でも歌はマズいからな…………。
チラリと腕輪が嵌っている袖に目をやる。
「ベイルートさん。造るだから、具現化する、にも近いですよね?」
「まぁ、そうじゃないか?お前は割と応用が効くから、何を思い浮かべるか、の方が重要かもな?」
成る程。
そうだよね。多分、染色と同じだ。
私にとってまじないは、イメージだ。
またチラリと上を見上げてから、船全体を見る。
シリーはここの材料で造ると言っていた。
んー?でも完成図がないと無理だな………。
今度はチラリと加工場に目を向けると、そこにいた大人も子供もビクッと目が合った。
何だか全員、私を見ていたのだ。
なんで?…………まぁ、珍しいか。
そう、自分で納得して私はこれからやりたい事を彼等に伝える。
「あの、設計図って有りますか?」
具体的な、船のイメージを掴む為に。
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