透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 ラピスグラウンド

街で話題の相談室

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あの後私は平謝りだった。

急に気焔の手(多分)が出て来たと思ったら、ウイントフークの指輪を掴んで消してしまったから。

しかも、アレ、相当大事だったっぽくてちょっと眉毛がピクピクしていた。しかもその後「わたしが悪かった」と何故か逆にウイントフークに謝られて、私の方が申し訳なかったし。

あの落ち込みよう、めっちゃ高かったんじゃ………と帰ってからハーシェルに相談してみたが「大丈夫大丈夫」「もしヤツから呼ばれたらたまに遊びに行ってあげればいいから」と取り合ってくれない。
ハーシェルさん、あの人に対する態度、大分砕けてるから。2人は旧友だからいいのかもしれないけど私の精神が痛む。

でも高かったとしても弁償出来ないので、要望通り出来るだけ呼ばれたら行く事にしよう………なんか嫌な予感はするけど。


彼に掴まれた腕を摩りながら、嫌な予感を振り払う様に頭を振った。

「それにしても………。」

袖から腕輪を出す。

「ちょっと。気焔。」

目の前に腕輪を持ってきて言う。
申し開きしてもらおうじゃないの。

目の前の腕輪は、シレッとしている。

このままだんまりするつもりかとじっと見ていると、みんなが喋り出した。


「………。いや。アイツも悪いやつじゃなかった………。」

「アイツって、これから協力してくれる人でしょうが!」
「しかし悪くはなかった。…悪くはなかったんだが、仲間に入れるとなるとどうしても抵抗が。あるよなぁ?皆の衆?」
「わたしはまぁ、いいけれど、入れなくていいならいない方がいいわ。」
「わたくしは反対です。新参者では姫様は守りきれません。というかアレでは力不足ですから。」
「僕は入ってきたら纏めるつもりはあるけど、別に居なくても大丈夫だし。」
「私はちょっと………。なんかいい仕事するけどしつこい男みたいなイメージ。もっと爽やかなの持ってきてくれたらねぇ。氷の池につけた時の池が不味かったんじゃない?」

みんな散々勝手言ってますけども。
なんか話が噛み合ってない?

「ウイントフークさんはそんな人じゃないよ、多分。朝の事は、捕まえて閉じ込めそうな目で見てたけど。」

「依る。吾輩達がしているのは、指輪の話だ。」

あら。失礼しましたっ。


どうやらみんなは、あの指輪の事が気に入らなかった様だ。
指輪をウイントフークが出した時、チラッと姫様の指輪?と思ったけどこの様子では、全然違うのだろう。

「ま、とにかく今度は一言言ってよね!もう喋れるのはバレてる…って言うか、意思の疎通は出来ると思ってるみたいだけど。一応話せるんだから、理由を説明して。多分アレ大事なものだったんだよ。ちゃんと聞いてから、処理してください。」

「「「「ハイハイ。」」」」

うわっ。テキトー。

後で気焔に「結局アレ、どうしたの?どうなったの?」って聞いたら「蒸発させた」だって。
コワッ。



それにしても、あの時気焔が腕のように見えたのは気のせいだったのか。
問い詰めようと思っていたのだが疲れていたようで、次の日にはすっかり、その事は忘れていた。



そして私はハーシェルに、ウインドウの服の事を売り物なのか聞いてもらえるように頼んでいた。しかしあまり彼にとっては芳しく無い話のようで、なかなか進んでいないらしい。
あまり催促するのも悪いので、お手伝いしつつ、気長に待つ事にしよう。 


そうこうしているうちに、季節が少しずつ変わってきていた。

私がここに来たのは暑くなる少し前。
ウイントフークの所に行ったのは夏。そろそろ苦手な夏も終わりに差し掛かってきた様だ。

しかし夏の間、ずっと長袖なのが正直一番キツかった。出来るだけ涼しそうなものを選んで着ていたが、やはり限界はある。
こっちにはクーラーなんて勿論無いし、埼玉よりは全然涼しいんだけど如何せん、暑いものは暑い。
私の体感温度で最高30°c。それだけあれば暑いの苦手な私としてはだいぶグッタリだ。

そして、暑いのもあったし、ウイントフークの所に行ってからは危険は少ない方がいいと自分自身感じたので、あまりお出掛けはせずに過ごしていた。
ティラナに素材を教えてもらいながら料理をしたり、念願のレモンっぽいドレッシングを作ったり。

始めはみんな酸っぱいものをかける事にビックリしていたが、慣れると作ってくれと催促されるようになった。
うん、やっぱりドレッシング美味しいよね。

調子に乗っていろんな種類のドレッシングを作ったり、野菜のおやつを作ったり(こっちの野菜は甘くて結構おやつにいい)マーガリンを求めて奔走したり。
マーガリンに関しては作り方がイマイチ分からなかったので、しょっぱ味のあるハーブをオイルに漬け込む事で代用するのが1番だとティラナと合意した。
私達のマーガリンへの旅は長かった…。

ま、ティラナには私が求めている味が分からないので仕方がないが、かなり根気よく付き合ってくれて且ついいアドバイスをくれた。しょっぱい感じのハーブが見つかったのもティラナのお陰だ。実はかなり、2人で草を噛んだ。


そんな感じでティラナを引っ張り回したり、リールと一緒に勉強したりしていた、私。
お陰様で数字は完璧だし、文字も大分読める。
こうして勉強してみると、日本語はひらがな、カタカナ、漢字があるのですごく大変だと思う。こっちの文字なんて35個で出来てるので50音に比べれば楽勝だ。テストが無いのが残念なくらい。
ここなら私、優等生になれそう。



そして、相談室でのアルバイトも継続している。やはりハーシェルが留守にする時も少なく無いので「正直助かる」と言われてからは進んで行く事にしている。
一応ローブと眼鏡は標準装備しているが、相談室はほぼ手しか見えないし危険も少ないので私にとっても、ハーシェルにとっても、いいアルバイトだ。

あのお姉さんがたまに来て、おまじないの効果や恋愛の進捗を報告してくれるのが、楽しい。

もうほぼ友達になっていて、実はキティラという名前も知っている。向こうは遠慮して私の名前は聞いてこないけど、街で会ったら挨拶してしまうと思う。声と、髪の色しか分からないけれどそれでも多分気付くと思うくらい仲良くなったのは、ハーシェルには内緒だ。
基本的に、相談者に答えてはいけない事になっているから。
「あなたの気持ちは受け取りました。良き方になりますように。」それ以外は。




そんな私の所業がバレたのはある日の事だった。

いや、元々バレていた、と言った方が正しいのだろう。それが教会に届いたのが、今日だったという事だ。


「ヨル。ちょっと来なさい。」

最近ハーシェルが本当にお父さんっぽい。怪しい雲行きを感じて躊躇するが、私に行かない選択肢は、無い。
トボトボとハーシェルの向かい側に座る。いつもの、居間の椅子だ。


「君、相談室で相談に乗っているだろう。」

バレたか……………。

私の顔を見てハーシェルは話を続ける。

「本来なら、相談室は決められた事しか言ってはいけない事になっているのは初めに説明したね?まぁヨルの性格を考えると、答えてしまうのは分からなくも無い。あの頃は私もまだよく君の事を分かっていなかったしね。」

「………すみません。」

しょんぼりしている私を見ながら、ハーシェルは続ける。

「しかし、いい事なんだが、困った事になった。」
「??」

「どうやら街では、相談室の事が噂になっているようなんだ。」


最近ハーシェルが街を歩いていると、なんだか御礼を言われる事が増えた。
街の人に少しずつ話を聞いて繋ぎ合わせ、まとめて行くとどうやら私が相談室で教えたおまじないが効いたとか、アドバイスが良かったとか、何度も話を聞いてくれて親身になってくれたとかみんなそんな事を言うのだそうだ。

「助けになっているのはとてもいい事だよ、ヨル。」

そう、ハーシェルは言う。
けれども突然教会の相談室に現れた女の子の評判が、一人歩きしている様なのだ。

「とにかく、おまじない系が凄く効くって色んな人から聞いたけど、ヨルはおまじないが得意なのかい?」

勿論、私が相談室でみんなに教えたのは、あの日記のおまじないだ。

元々の世界でのおまじないの扱いは、験担ぎに似ていると思う。叶うかどうかは分からないけど、叶ったらいいな、と実行するものだ。

こちらの世界のまじないはもっと強い力が働いている。火を付けたり、水を出したり。叶うかどうか、というレベルではなく実行する為に使うものだ。

でも、もしかしたらこの世界ではおまじないもまじない石の影響で成功しやすくなってるのかな………?


「依る、とりあえずあの日記持って来たら?」

いつの間にか朝が隣に来ていた。
「分かった」と言って1度2階へ行って日記を取ってくる。私が戻ると朝とハーシェルが噂について話している。

「私が聞いたのは些細なものだったけどね。よく眠れるようになった、とかいい夢が見れるようになったとか。」
「僕もそうだ。でも噂の内容的にはもう「願いが叶う」くらいのレベルで言われてるんだ。ただ幸いな事に言いふらすような感じじゃなく、知る人ぞ知る、みたいな感じなんだが。」

あれ?この2人いつの間にこんなに仲良くなったんだろう?

ハーシェルの話し方が変わったのに気付いて、ちょっと驚く。朝に聞いたら「ヤキモチ?」なんて言われたけど、ウイントフークの所に行ってからは話せる事がバレたので、普通に会話していたらしい。
その上、朝は街をウロウロしてる事が多いので情報収集にちょうど良く、ハーシェルに色々頼まれていたのだそうだ。なにか街の人が話をしている事柄で気になる内容のものは報告する事になっていたらしい。

確かに猫がいても、みんな気にしないで井戸端会議するでしょうしね………。


ハーシェルとしては、テレクには青い瞳だという事がバレていて、且つ教会で預かっている娘と言えば私に繋がるだろう、という事を警戒していた様だ。
それなりに大きい街だけど、噂というものは風のようだと、ハーシェルは言う。

どこも同じだね…。まぁ娯楽も少ないし、どうしてもそうなるよね。


すると教会への来訪を知らせる石が光った。
サッと椅子から下りて朝が走って行く。

ハーシェルと2人で後からついて行くと、朝はすぐ戻って来て「お客さんよ、依る。」と言った。
何だかニヤッとしてるので多分キティラだろう。あまり待たせてもいけないので「また後でお話ししますね。」とハーシェルに言い、教会へ入って行った。



「今日はどうしたの?」

そう自分で話しかけながら、確かにこれじゃ普通にファミレスでダベってるのと変わらないな、と反省する。

ハーシェルに突っ込まれてから考えると、確かに乱れている。相談室の、風紀が。


そんな事は知らないキティラは、いつものように話し出す。

「この前、とうとう告白するって言ってたじゃない?」
「うん。」

「実は………………………。上手くいきましたっ!!」
「「キャーーーーーッ!!!」」

思わず2人で叫び、慌てて口を塞ぐ。幸い誰もいなかったはずなので、ハーシェルが近くにいなければセーフだ。
女子2人で恋話をして、静かにするのはなかなかに難しい。

「それでそれで??」
「うん、彼がお菓子をくれたりするって言ってたじゃない?で、私があんまり美味しいから将来はお菓子を作ったら?って言ってたの。そしたら、それからホントに悩んでたみたいで………。」


キティラの話を纏めるとこうだ。
彼は家を継ぐつもりだった。この世界ではそれが普通だからだ。生まれた子供の守り石が家業によっぽど不向きでない限りは、親の仕事を継ぐのが普通の事らしい。

特に不満もなく、ただ、やりたいとも思っていなかったがやりたくないという程でもなかった。
その後、キティラと仲良くなり、趣味のお菓子を彼女に褒められてから、それがとても嬉しくてよく作ってくれたそうだ。色んな種類を。
彼女の好みで工夫して。

その時、彼は気付いてしまった。
今までストレス発散で作っていた趣味のお菓子が、なんのストレスだったのか。
自分の作ったものを美味しいと言ってもらえる喜び。相手の事を考えて作る楽しさ。工夫する事の大切さとそれで喜んでもらえて嬉しいという自分自身の思い。

そして彼は自分が木工職人になりたくないと思っていた事にも気付いてしまった。1度気付くともう駄目だったようで父親とも喧嘩になり、家の中は冷戦状態らしい。
そして、キティラが教会へ通っている事は勿論知っているので、自分も相談しようかどうしようかと、相談されたのだそうだ。

相談する事を相談って、何だかよく分からない事になってるね。

「勿論、相談自体は自由だよ。」

私は言う。

「ただ、それおまじないで解決しそうな話じゃないし、聞くだけしか出来ないよ、多分。」
「それでもいいと思う。話を聞いてもらえるだけでも気は楽になると思うの。誰かに相談するにしても、「そんなの家を継げ!」って言われるだけだもの。」

それを聞くと、何だかなんとか出来ないか、という気になってしまう。しかし、そんなこんがらがった事態を解決できるような万能おまじないは載ってなかった筈だ。

「うーん。」

そのまま持って来ていた日記をめくる。「無いなぁ」と呟きながらそれっぽいものがないかと探す。すると、珍しく茶の石が喋った。

「まず、お話を聞いてあげたらいいんじゃないですか?必要であれば、協力しますし、まずは来てもらいましょう。」

「ん?まぁクルシファーがそう言うなら………協力って何するの?大丈夫?」
「必要であれば、です。まずは現状把握をしませんと。」

何だかうちの委員長が張り切り出したよ。
手伝ってくれるって言うなら、とりあえずはお話、聞いてみましょうか。



キティラと相談の日時を決めて、その後は告白の詳細を勿論、聞き出したよ!

その時が一番煩かったのは、言うまでも、ない。


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