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エローラとの話 ☆14
しおりを挟む「成る程ねぇ。私達はやっぱり、ヨルと気焔程は「合ってない」んだろうけど。でも、「その役」がやりたいかと言われればお断りだし、私にはこの方が合ってるわ。」
クスクスと笑いながら、そう言うエローラは
本当に凄いと思う。
もうすっかりシャルムと、いろんな意味でいい感じらしいエローラは、交わりの時に感じる違和感を そんな風に言っていたのだ。
「あまりにも繊細に感じ過ぎるのも、考えものよね。だって、普通は。そんな風に、ならないしそんな相手だって見つからないもの。」
「まあ。そうかもね 。」
「ここだって、狭いから。そんなに相手は変えられないけど。でも、やっぱりモテる子は何人か相手を変えてたりするし、無いわけじゃないの。まあ…………ヨルはある意味「隙がない」、いやなんか違うな。…………「潔癖」、それはそうなんだろうけど…なんだろう。「高潔」?人懐っこいんだけど、「緩い奴」を受け付けないと言うか。そんな感じは、あるからね。」
「あーーー 。」
なんか
それ わかる。
「私、モテないもん。」
「いやいや、絶対、ヨルの事好きな人はいる。でもね、なんか…………まあ手を出し辛いんでしょうね。声を掛け辛い?挑戦する勇気の無い奴は、「許してくれそうな人」の所へ。行くものよ。」
「 確かに。なんか、わかる。」
いろんなこと を 「許す」
それは確かに 。
特に「男女間」となると私の引く線は、厳しいだろう。
これまで
相手が 「一人」だから
「人間じゃない」から
そうなのかも知れないけど。
いや でも それって
「生理的な」話だし
「他の色」とか 絶対に。
無理 なんだけど。
想像だけで、フルフルと首を振っている私を見ながら
勿論構わず話を続ける エローラ。
「ふーん?でも「緑になる」って、どんな感じ?だって達し過ぎてから続けられると、イラッとしないの?」
え エローラ さん
相変わらずのエローラに苦笑しながら、そ「その時」の事を少しだけ反芻して みる。
ぅ?
うん ん??
「でも。……………なんか、そうなるとすぐ「ブワッ」て融けちゃうからなぁ………」
「でも、それなら羨ましいかも?だって、イライラしないで「それ」が力になって循環するって事でしょう?その方が断然、いいもの。」
「確かにそれは、そうだね??」
え
エローラさん イライラ してるんで すか
そう思って苦笑している私に構わず、話は続いていく。
「彼はちゃんと、ヨルの「いいところ」、解ってるの?てか、その辺りどうなってるのか実際気になるんだけど。だって、「あの、ヨル」よ??ちゃんと言えてるの??…………まあこの様子じゃ、そんな心配ないんだろうけど。」
急に そんな質問を 放り込まれて。
既に真っ赤に変化している 私
しかし そのまま
キンキンに沸騰した自分の頭を 抱えつつも。
その 中では
「ラピスでは 口に出さないと伝わり難い」件 の
鮮やかなカケラ達が回って いたんだ。
うん なんて いうか
その
あの
ええ 確かに「予告通り」。
彼は
ちゃんと
「どこが 気持ちいいのか」、伝えなければ。
「触って、くれないんだよ……………っ、でもあれ半分意地悪だと 思うんだよね。」
くっ。
思い出して しまうと。
自分が真っ赤を通り越して何色なのか、気になってきたけれど
今 顔を上げエローラの瞳を見る勇気は
私には 無い。
そう 「自分で口に出す」
それは「発露は 私」にも 関係するけれど
しかし 事実「自分の一番 いいところ」を
知るのも 、 感じるのも。
やはり 「わたし」しか いなくて。
それを しっかりと わからされた
ここラピスの寝室
それは確実に私の「からだ」を開拓する もので 。
私は 自分でも まだまだ 知らなかった
「自分の側面」を 多数、知ることに なったので ある。
うーん でも
確かに。
もし 「死ぬまで」「自分のいいところ」を口に出さなくて 出せなくて
オーガズムも 迎えなくて
ただ なんとなく気持ちいい
結構 気持ちいい
とても気持ちいいけど これじゃないに
なっていたと したら ??
微かな 何処かの「記憶」にある
「融け合いたいのに 混じらない」その 違和感
「なにかが違う」「合わさる 」「融ける」
はずなのに
「ひとつにならない」「ひとつに なれない」
その 虚無感。
「あれ」は そう きっと
これだったんだ ろう 。
「えっ?」
チラリと指の隙間から エローラの灰色が覗き
思わず仰け反った。
エローラの 蒸気した 顔が。
私の目の前にあり 指の隙間から覗いていたのは
向こうも同じ だったからだ。
「えっ、エローラさん 。えっ?私 口に出てた?! いや、あのね?」
どうやらすっかり、まるっと。
途中から 口に出ていた様である。
そうして私は「ラピスでは」バージョンと
「神域」バージョン、両方の「感じ方」と
「敏感さ」「口に出さなくとも伝わるのは 何故か」、それを説明させられて。
「ヨル……………。」
なんだか 呆れた様な 感心した様な
私から漏れる星屑を見て、溜息と共に声を出すエローラを 指の隙間から見ながら。
えっ
私 なにいろ これ ?
自分史上、「最高に虹ピンク」に光る 自分の身体を。
眺めて、いた。
「うん、まあ、なにしろ。ヨルが成長したのは、解ったわ。まあ、なるようになった、というか収まるべき所へ治まったと言うべきか。本当なら、気焔とヨルみたいに、みんなが相手の色を分かると、いいんだけどね。」
「 そうだね 。」
確かに。
「まじない石の色」は 分かっても。
「チカラの色」は、ラピスでは分からない事が多いだろうし
もし、「判っていれば」上手く回る部分、防げる事態もあるのだろう。
「人形神」が ある分
何も無いよりは いいんだろうけど。
それは なんか わかる。
「やっぱりね、女の子は我慢してる子が殆どだろうけど。男なんかは、結構遊んでる子は遊んでるからね。あ、一応名誉の為に言っておくけどロランは「上手な遊び人」だったから。それもヨルを好きになってからは、パッタリみたいだけど?」
「う、うん ?」
なんと 言っていいか分からないが
とりあえず挙動不審になりながらも頷いておく。
「だって結局。「相性」を試したくて、それが「イマイチ」だって、判ったら。取り替えるとか、それってまあ駄目じゃないんだけど。なんか、違うのよね………なんか、ヨルなら分かると思うけど。そもそも論、と言うか。」
「うん。」
多分 エローラの思っていることは
私がいつも 思っている事と、同じだろう。
「なんか、食べ物とかならさ。ほら、美味しくなかったら、次は別のを食べるけど。私達、食べ物じゃないし?」
「うん。」
「それで「終わった後」、虚しくなられても。困るわよね………。」
何処かでそんな話を聞いたのだろうか。
少し、遠い目をした灰色の瞳は そのままぐっと
冷めた紅茶を飲み干して。
「カチリ」と置かれたカップが
ロランにもらった花柄を 思い出させた。
「終わった後の 虚しさ」
「なにかが 違う」
「これじゃ ない 感覚」
確かに それは 「今の私」には ない。
それも また「みんなが 色を見れる」
「自分の 色を 知る」
「エネルギーが 見える」「わかる」様になれば。
きっと 解決する こと
それも わかるけど。
「なんか。早く、そうなると良いんだけど。」
「まあね。そうは思うけど、なんだか「駆け引き」とかが、好きな子もいるしね?私は恋バナは好きだけど、まどろっこしいのとか、ドロドロは嫌いだから。」
「フフッ、エローラは。そうだろうね。」
やはり、どこにでも「ドラマを楽しみたい人」は
いるという事なのだろう。
それも「自由」だけど。
「なにしろ「解りたい人」が「解る様になる」、そうすれば良いってことだもんね?この間の結婚式で。また良い感じになれば いいんだけど。」
「そうね。」
そう言ったきり
黙り込む 私達。
エローラは 気付いているだろうか。
その「色がわかる」ことと
「私達は 食べ物じゃない」ことの 違い
それは複雑だけれど
一つ一つを きちんと 解きほぐさなければ
「見えない」事実で。
それは
「エネルギーが わかる」こと と
「人と物の 混同」
その二つが絡み合う、事実だ。
だから より複雑になる 事柄
「ひとつ」の事だって。
「わかる」か「わからない」かは 人によって
違うのに。
それが絡み合い、「わかる部分」と「わからない部分」も ちぐはぐになり
そうして歪は深く 歪んでゆくのだ。
「うーーーん。」
しかし、私がそんな事で ぐるぐるしている間
エローラは違う事を考えていた様だ。
「うん、でもヨルに言われて改めて体のことを意識したのは、あるかも。」
「 ん? そう?」
「うん。なんか、月のものが煩わしかったりするじゃない?でも、やっぱり。それって必要だから、そうなんだし子供を産んで育てるって。当たり前じゃ、ないから。」
「うん。 そうだよね。」
「女性の体」「女性性」「神聖さ」
「これまで 無視されてきたもの」
「見えないもの」「見えない なにか」
「自然の チカラ」「エネルギー」「生み出す もの」。
「創造性」、自分からの 自然な発露で
何かを創り出すこと。
「性的エネルギー」を 上手く生かし
そのチカラを創造へ 昇華させていくこと。
あの時 ラエティアとも話したけれど、私達にこれまで無かった選択肢、それを掲示し 光らせ
気付いた人から 創造できる様に なること。
それもやはり「やらされた」こと では
これまでの繰り返しだろうし
しかし「気付く」のも それぞれのタイミングだ。
私は ただ。
「光って、待つしか うん。」
ただなんとなく 顔を見合わせお茶を飲む
静かな時間
こうして本音を語り合える友達との出会いと
それが続くと「わかる」ことの、有り難さ。
「うーん、プライスレス 。」
「まぁた、何言ってんのよ。で、それから?後は、どうなの?」
「えっ どう って え エローラさん、その話、終わらなかったっけ??」
「まさか。まださわりでしょう?」
えっ
その、わざと私の目を見ずに お茶を飲みながらしれっと言うエローラが 面白くて。
とりあえず私は。
クスクスと笑いながらも、おかわりの支度を
する事にしたので ある。
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