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相乗効果 ☆10
しおりを挟む三回に 一回
いや 五回に 一回? か??
いやいやいや きっと もっと。
わたしは 耐えれる はず 。
「いや、「二回に一度」だろうな。」
「えっ」
そ そんなこと ない と。 おもうけど ね???
まえ よりは うん 多分
漏れてない と 思うよ うん。
しかし、既に「ジワリ」と滲んでいる私に
その言い訳はキツい。
とりあえずは伸ばされた手を取り、素直にその唇を受け入れる ことにした。
「視点」 「拡げる」
「ぜんたい」 「面」「球体」
「揺れる」 「円では ない」
「焦点」 「ぼかす」
ぇっ
あ ぁっ
キラリ キラリと
舞う カケラ
なんとなくその光を 目に映していると
急に 全身が「性感帯」になって、焦る。
「余裕であるな?」
うっ
ぼんやりと 注がれた金色のなか
さっきの「復習」を していたら。
「 んっ!」
あ ちょ っ と
ま っ て ??
「全てに視点を」「全体で 感じ取る」「見るではなく 含む」
「感覚」の 練習を していたら。
身体中の 全てが きもちよくて
心地良くて
指先 喉 髪
腕 胸の下 背中から ふくらはぎ
なにしろ 身体中 全てに口付けし始めた 彼
その どこも。
ピリピリと 甘く 痺れる様な 感覚
繊細な刺激が齎す うねり 掻き混ぜ
練り上げられてゆく 快感
「ひゃっ」
そこにいきなり 乳首。
「もうっ!」と 思わなくも なかったけど。
すぐに陥落した 私の身体は
なにしろ「みどり」に ならない様に 気を付けて。
全身から齎される 刺激を 悦んで いたのだ。
ぶっちゃけ 興味は あったんだ。
「みどり」になると 光は降り注ぎ
雨は降り 風も心地よかったり 激しかったり
水の流れは 綺麗だし
花の蜜も 甘いし。
なにしろ「最高の 心地良さ」は あるのだけど
「これでもか」と 満たされるのだけど。
やっぱり 私は。
「苦手」であった と同じくらい
「興味」は あったのだろう。
この 「交わり」と いうものに。
「あの 白い夢で 見たから」 それもきっとある。
あの二人が 「解け合い」「離れるのに苦労した」、くらい。
「私も 解け合ってみたい」それは やっぱり 思うんだ。
だって、夢で見ただけでも。
かなりあれは「幸せ」な 光景だったから。
でも 実際。
それを「実感」として味わえるなんて 思っても みなかったけど。
全身で 感じる 快感
「自分の」「からだで」 「感じる」こと。
「そう、お前は。これからのお前を受け入れ「女」に成るのだ。吾輩が「こちら側」なのだから、それを受け入れてもらわねば困るしな。」
ああ そう か
そういうことか。
そう 言われた瞬間。
金色の光と共に 降ってくる
銀色の光
円を描き 孤を 描き
絡み合う様に 舞う その 二色は。
シュルシュルと 私の 目の前 彼の頭の後ろを
美しく舞い 粒子を 撒き
ずっとずっと 深いところにあった「なにか」を
少しずつ 融かして。
そう それ は
私の 深く 暗い まだ光の届いていなかった
底に ある 「根底の 澱」
自分でも 気が付いていなかった 底の底に 溜まっていた もの
その 奥底にあった 「固い澱」それが融けた事で。
また 「蓋」が 開いたんだ。
そうして二色の「金銀」は くるくると 目の前を舞い
私に 「美しく新しい 始まり」を 齎している。
この前 言われた
「未来を受け入れること」「女性性を 受け入れること」
すっかりまた 「忘れて」いたけれど。
それはきっと 「忘れていたかった」から
そう
「わたし」は なにを どう 足掻いても「女」でしか
なくて。
でもきっと 過去の 「想い」「重み」や「澱」
女性に染み付いた それを
無意識に 避けていて。
「満たされてはいけない」「乱れてはならない」
「心地良さに 身を委ねては」
「夢中に ならない」「溺れないように」
「媚びては」「あんな風には ならない」
そう 男でも 女でも
あの 「鮮やか過ぎる いろ」を 経験してきた
私は。
無意識に 「女は 醜い」と どこかの面で
そう 思って いたのだろう。
きっと。
生活の 隅々にまで 蔓延っていた
「女らしく ない方がいい」
そのこと
「ピンク」より「水色」「青」が好きとか
フリフリの服は 嫌いとか。
「可愛い」より 「かっこいい」と 言われたいとか
「なんでも 一人でできる」とか。
それが 全部。
「女性性」に 染み付いていた 「澱」に対する
私の「反応」「ガード」で あって
だから。
「澱」が 外れ辛いんだ。
複雑に より 解りにくく。
何重にも 絡み合い折り重なる 澱
全く 「思ってもみなかった」角度
しかし「見える」と 「納得」の その色
それはやはり、視点が増えたお陰と
この金色の「ことば」があったからだろう。
そう 「交わらねば」「掘り下げねば」
「深く 深く 侵って いかねば」。
決して 見えなかった 「この色」
深く 繊細な レースの奥の 奥に
編み込まれていた様な 「この色」。
しかし ここまで「行き着いた」ということは。
少しずつ 少しずつだけど
「剥がせている」ということなのだろう。
それをすっかり 取り出す為に
奥の奥を 隅まで確かめながら。
深く息を 吐く。
「 でも。 成る程、なんか。納得。」
私の ぐるぐるを 解って。
整理する時間をくれているつもりの指は
しかし
私の胸を優しく撫でて いる。
「こら。」
「いや、しかし。そうなのだろうな。だからお前が、解れねば。本当の意味で、「二人で創造」する事が、できぬのだ。」
「 うん。」
なんとなくだけど。
言われていることは わかる。
多分 私が「中途半端」だと
やっぱり中途半端なものしか できないんだ。
それはなんか、解る。
だから 私が 自分を「本当に解放」して。
私がちゃんと「おんな」に なって
彼が 「おとこ」で。
「与えたい」という 思いに応える
「受け取りたい」という 思い
対等に
ちゃんと お互い 同じ量で 求め合って。
「二人で」 「創る」そういうこと なんだ。
だから これからは私がくっ付けている
「女性性」「女」に対する 澱を。
また 剥がして 剥がして
真ん中の 「ひかり」にして。
純粋な 真っ白 真っ新の 最高純度の 光に して。
「うん、そう、きっと。」
「美しい、光になるだろうな。」
「うん。」
なんか、それは わかる。
純粋な ひかり
女性性の 光
それはきっと とてつもなく
暖かく 全てを包み込む 美しい 光 で。
「私が、あの「降ろしたやつ」より、綺麗かな?」
「きっと、そうであろうな。あれから随分、成長したろう。」
なんか。
そう 言われると。
「照れる、な………。」
しかし、サワサワと撫でる手が
気持ち良くなってきて。
ちょ もっと じっくり この
感動を 味わおう よ ??
そう、思っていた 時。
ピタリと止まった 手
意外にも真剣な色をした瞳が、私の上に覆い被さって きた。
「しかし、お主。与えられているだけと、気にしている様だがそれは結局「相乗効果」に、なる。お前だけでは、ないのだぞ?」
うん?
「相乗効果」??
「守られ、癒され、与えられているこの環境は、今のお前に必要なものだ。そうして満ちて、満ち溢れたならば。また、世界は循環に転じ光は降ろう。その、口火を切るのがお前だ。そして。」
意味深に 言葉を切る金の瞳。
「その片側、裏面、極の対になるのが吾輩。お前が満ちねば我も満ちぬし、世界も然り。吾輩、変化したからにはやはり少しの澱も溜まろう。それを浄化するのも、お前の役目だ。」
うん?
「変化」「浄化」 ?
確かに。
この 人は 以前よりも。
格段に「人間らしく」なっているし
きっと「あれ」は ほんもの
ならば。
完全な 人間とまでは 行かなくともやはり「澱が溜まる」のは そうなのだろう。
じっと、その美し過ぎる金の瞳を見て、そう思う。
硬さが取れたその金色は、以前よりもより「想い」を色鮮やかに映し出す様に なって。
私に「直接」、それが注ぎ込まれていたからだ。
それに。
くるりと自分の「なか」に視点を変換して
中身を浚い まだ残る澱を感じてみる。
本当は 澱など。
できれば 溜めたくはないし
以前は「意識」もして いなかった
でも。
こうなって「知った」
「澱が溜まる」ということ
「いつも美しく保たれている」ことの 意味。
そう、私の好きな場はやはり「いつも清浄」な場所で「隅々まで行き届いている」場所
それは 「清掃」だけに留まらず
「意思」「意味」「始まり」から「終わり」まで
それに対しての「意図」が 「どう あるか」
それなのだと 思う。
ここに来て ジワリと沁みる「私の本当」
魂の澱 心の澱 肉体の澱
それは色々あるけれど。
きっと今 彼が 言うのは「肉体の澱」
「生きてるだけで 澱が溜まる」
「埃が溜まる」とは。
本当に そう だと思う。
「からだ の なか」から 「押し出される」
「排出される 感覚」それを味わって いると
心底 そう思うのだ。
「肉体」「物質」「外側」「もの」「想像から」
「創造する」
日々積み重なる埃や垢、物質的なものから
想いや念の様な 精神的な ものまで。
「かたちを持つ」それを持ったからこそ「共に 負う澱」
その 「共に背負う澱」は 決して「重くはない」のだけど。
しかし 日々きちんと「手入れ」や「管理」
「大切に」していなければ
「燻る」もの 「澱む」もの
「かたちを持つ」という事は そういう事でもある。
「だから、「相乗効果」なのだ。」
「………うん。」
ゆっくりと動き始めた腰に、抗うことなくリズムを合わせる。
なんと なく だけど。
少しは私の澱も流れ、「彼の為」という大義名分が できたから。
ホントは それも いらない んだ ろうけど。
でも 少し ずつ
自分 の ペースで
うん 。
快いリズムが速まってきて
彼の匂いを吸い込み 私も呼吸を 合わせる。
また 少し外れた「恥ずかしい」色、積極的に「快くしたい」という思い。
それはやはり、これまでの私には無かった 色だ。
「それで良い。 それで、よいのだ。」
そう、言ってくれる 声すら耳から私を痺れさせ
更に「見たことのない 境地」へと
私を誘い始めたのが わかる。
ぅん そう ね
がんばっ て 身を 委ね る
よ
「頑張らなくとも 良いのだ」という、色が
伝わって きたけれど。
しかし 私がそれを捉えた 頃には
プツリと 意識が
途切れたので ある。
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